【獣医師監修】豆柴のしつけのポイントを抑えよう!いい子に育てるためのコツとは
犬と一緒に暮らすにあたっては、どんなに頭がいいと言われている犬種でも、飼い主さんに従順だと言われている犬種でも適切なしつけが必要不可欠となります。しかし、犬を飼ったことのない人や以前飼っていた犬種と異なる子をお迎えする場合には、うまくしつけられるかちょっぴり不安ですよね。そこで今回は小さい柴犬として大人気の豆柴に焦点をあてて、しつけ方のポイントをご紹介します。豆柴を迎えたいと考えている人は要チェックですよ!
しつけはいつからはじめるべき?
子犬を迎えたら1日も早く一緒にお散歩に行ったり遊んだりしたいものですよね。しかし、愛犬が人間社会で快適に暮らすためには基本的なしつけを済ませる必要があります。
自宅に迎えてから数日は子犬が慣れるまでそっとしておくように言われますが、しつけはいつから始めた方がいいのでしょうか?
子犬の様子を見つつ始めよう
数あるしつけの中でも優先度が高く、できれば初日から少しずつ始めたいのがトイレトレーニングです。それ以外の基本的なしつけは、子犬が自宅や飼い主さんに慣れてきた頃合いを見計らってスタートしましょう。
ペットショップやブリーダーさんによってはあらかじめトイレトレーニングを済ませておいてくれるケースもありますが、環境が変わるとうまくできなくなってしまうことも珍しくありません。また、「まだ子犬だから」と好きな場所で排泄させてしまうと、「この空間はどこで排泄してもいいんだ」と認識してしまい、しつけ直すのが大変になります。
犬は寝床の近くでは排泄しない傾向にあるので、その習性を利用して失敗しない環境を作ってあげてください。
子犬のトイレトレーニングについてはこちらの記事をチェック!
焦りは禁物
ただし、しつけをするにあたっては愛犬との信頼関係を築くことも重要になります。真面目で一生懸命な方ほど、「基本的なしつけは早く覚えさせなきゃ!」、「リーダーとして認識してもらうために厳しくしなきゃ!」と思い頑張ってしまいますが、新しい環境にやってきたばかりの子犬は緊張していたり不安を抱いていることも少なくありません。
お迎えしてすぐは体調を崩しやすいので無理はさせず、まずは優しく声をかけたり適度にスキンシップをとることを心がけ、たくさん愛情を注いであげてください。ここは安心して生活できる場所だと認識してもらうことが大切です。
社会化も併せて行っておこう
動物の愛護及び管理に関する法律等の一部改正(※)により、2021年6月1日から生後56日を経過していない子犬は販売することができなくなりました。(8週齢規制)
これは、生後間もない段階で親や兄弟と引き離されることで、子犬が犬社会のルールを十分に学ぶ機会が奪われ、成長後の問題行動に繋がるのではないかという懸念や早期の離乳による感染症のリスクから、従来の生後49日(7週)から1週間延長した形です。
上記のことから、ペットショップやブリーダーなどから犬を迎える際には生後8週間が経過していることになりますが、犬のしつけは恐怖心や警戒心からくる吠え癖や噛み癖などがつかないようにするには「社会化期」と呼ばれる新しいものを受け入れやすい時期にさまざまな経験をさせてあげることが行うのが効果的だとされています。
社会化期の期間はだいたい生後3~12週齢です。前述した法律による規制と照らし合わせると、犬を迎えたときには社会化期が終了するまであと4週間ほどしかありません。
犬は生涯を通じて社会化を続けるとは言われているものの、興味や好奇心の旺盛な社会化期を過ぎると、はじめての経験に恐怖心を抱きやすくなったり、警戒心が強くなって新しい刺激を受け入れにくくなるため、生後4ヶ月までの経験しつけがポイントとなります。
柴犬は警戒心が強いと言われているので、積極的に(無理はさせずに)いろいろな経験をさせてあげてください。
(※)天然記念物に指定されている犬種(秋田犬、甲斐犬、紀州犬、柴犬、北海道犬、四国犬)は専門のブリーダーからの直接販売に限り、特例措置として生後49日(7週齢)を経過していれば販売可能となっています。
改正動物愛護管理法の概要についてはこちらをご覧ください。
豆柴に見られることが多い問題行動は?
豆柴は身体の大きさ以外は柴犬の性質を引き継いでいると言われています。そのため、基本的な性格傾向は柴犬とほとんど変わりません。上手にしつけるために、柴犬に見られる問題行動を知っておきましょう。
噛み癖
犬はもともと噛みたいという欲求が備わっているので、噛むこと自体は自然なことです。しかし、人や他の動物を噛むことはよくないことであるため、噛んでもいいものと噛んではいけないものをしつけを通して教えてあげなくてはいけません。
犬が噛む理由は、歯の生えはじめ・生え変わりのむず痒さや要求、縄張り意識、興奮、抵抗、恐怖、運動不足などのストレス、社会化不足、病気などさまざまです。
噛み癖は1度ついてしまうと直すのに根気がいりますが、猟犬や番犬として活躍していた歴史を持つ柴犬は噛み癖がつきやすい犬種と言われているので、なぜ噛むのか理由を把握し原因に応じた対策をとることが大切になります。
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吠え癖
犬は言葉を話せないので、吠えて自分の気持ちを伝えようとします。そのため、吠えにくい犬種や個体差によってあまり吠えない子はいますが、絶対に吠えないと言い切れる犬はいません。
柴犬は比較的無駄吠えが少ない犬種と言われているため、むやみやたらに吠えることはあまりありませんが、警戒心の強さから見知らぬ人や犬などに対して吠えることはあります。豆柴も同様です。
また、先述した社会化期にさまざまな経験をさせてあげられていないと未知の物に対する恐怖心や警戒心から吠えたり、信頼関係が築けていない場合には飼い主さんに対しても吠えることがあります。
警戒心の強い豆柴の吠え癖がつかないようにするには、社会性を養うことが重要です。新しい刺激を受け入れやすい社会化期にいろいろな世代の人と関わる機会を作ったり、家の中・外で聞こえるさまざまな音に慣れる練習をしましょう。
また、可愛さから甘やかしてしまうと、自分の要求を飼い主さんに伝えるために要求吠えをするようになるケースも。
噛むという行動と同じで吠えるという行動にもさまざまな理由が隠れています。愛犬がなぜ吠えているのか、吠えるという行動に至った背景を理解して適切に対応し、癖にならないようにしましょう。
犬が吠える理由についてはこちらの記事をチェック!
豆柴をしつけるときのポイントは?
豆柴をいい子に育てるためにはどんなことに気をつけたらいいのでしょうか?しつけるにあたってのポイントと、子犬のうちにやっておくといいトレーニングをご紹介します。
指示は端的にはっきりと!
愛犬に指示をするときには覚えやすいように短めの言葉ではっきりと伝えましょう。家族でしつける場合は、指示するときの言葉は統一してください。その際、好ましくない行動をしたときには「すぐに」注意するといったタイミングを揃えることも重要です。また、人によって許容すること・注意することが違うと、犬も混乱してしまいます。一貫性を持たせるように意識しましょう。
犬の集中力は長くても5分程度と言われているので、長時間行わないことも大切です。
アイコンタクトを意識しよう
アイコンタクトとは目を合わせることですが、犬のしつけにおいてアイコンタクトをとることはとても大切です。目を合わせることで犬の意識が飼い主さんに向くので、何か指示を出したい時や集中してほしいときに役立ちます。
また、アイコンタクトは愛犬との信頼関係を深めるだけでなく、他の犬と遊んでいて興奮してしまったときや吠えそうになったというような状況でも効果的です。
トレーニングの方法はこちらの記事をチェック!
ボディコントロールのトレーニングをしておこう
ボディコントロールとは、身体のどこを触られても落ち着いて受け入れられる状態にしつけることです。犬と暮らすにあたっては、ブラッシングをはじめ、シャンプーや耳掃除、爪切り、肛門腺絞りなど身体を触るお手入れが必要不可欠ですが、場所によっては触られるのを嫌がることも珍しくないので、「お手入れできない・・」となってしまうケースも珍しくありません。柴犬はベタベタするスキンシップを好まない子が多いので、子犬のうちに身体に触られることに慣れさせておくことをおすすめします。
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しつけは信頼関係を築くことが大切!
今回は豆柴のしつけ方のポイントについてご紹介しました。日本犬は洋犬とはしつけのコツが異なるとも言われており、吠え癖や噛み癖がついて手に負えず困っているという飼い主さんも少なくないようです。せっかくお迎えしたのに「こんなはずじゃなかった・・」となるのは悲しいですよね。
子犬を迎えたら愛おしさから甘やかしたくなってしまうものですが、メリハリをもってしっかりしつけましょう。ただし、しつけに一生懸命になるあまり厳しくしすぎたり、その子に合っていない方法でしつけを進めようとすると言うことを聞いてもらう以前に信頼関係を築くことができなくなってしまいます。
基本的なしつけはもちろん教えなければいけませんが、指示を聞いてもらうためには愛犬に信頼されることも重要です。愛犬に合った方法を見つけてトレーニングをすることはもちろん、たくさんコミュニケーションをとることも忘れずに、良きパートナーになってくださいね。
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この記事のライター
choco
シェルティとの生活に憧れる社会人です。みなさんの愛犬との暮らしがより豊かになるような情報を発信できたら、と思っています!
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