愛犬が落ち着いてお留守番できるようにするために!トレーニング方法や環境作りのポイントを教えます
犬はひとりで過ごすことが苦手な動物なので留守番は得意ではありません。とはいえ、仕事や用事などにより、やむを得ず愛犬に留守番させることもあるので、早いうちからひとりで過ごすことに慣れてもらう必要があります。今回は、留守番のトレーニング方法や、愛犬が安心して留守番できる環境作りのポイントなどをご紹介します。
目次
留守番は犬にとってストレスになる?
はじめに、留守番が犬に与える負担や留守番時間の限界目安からご紹介します。
留守番が犬に与える負担
もともと犬は、群れで生活する習性を持っていることから、ひとりで過ごすことが苦手です。飼い主や家族との結びつきが強く、一緒にいることで喜びを感じる動物なので、留守番は犬にとって負担になります。
中には、飼い主や家族と離れると強い不安感を抱き、パニックを起こす「分離不安」になる犬もいます。分離不安になると破壊行動や粗相、無駄吠え、自傷行為などの問題行動を起こすので、普段からひとりで過ごすことに慣れさせておくことが大切です。
留守番時間の限界目安は?
留守番時間の限界は年齢や性格、健康状態によって異なるので一概には言い切れませんが、専門家によると子犬であれば3〜5時間程度、成犬の場合は6〜8時間程度と考えられています。
子犬の場合、消化器官が未熟なうえ、食欲が旺盛なので1日の食事量を3〜4回に分けて与える必要があります。また、成犬に比べ排泄の回数も多いことから、世話のことを考えるとどんなに長くても留守番は、5時間程度までにとどめたいところです。
成犬の場合は、子犬に比べて世話の手間が少ないので、もう少し長い時間留守番をさせることは可能です。しかし、留守番中には誤飲や誤食などのトラブル、停電などにより空調が作動せず体調を崩す、といったことが起きる可能性もあります。
愛犬に万が一のことがあったときにすぐに対応できないのは大きなリスクです。よって、どんなに長くても留守番時間は、8時間程度にとどめるようにしましょう。特にシニア犬の場合は体調が変化しやすいので、長時間の留守番はあまり望ましくありません。
愛犬が安心して留守番できる環境を作るコツ
ここでは、愛犬が安心して留守番できる環境作りについてご紹介します。
犬の留守番に最適な気温・空調の付け方
一般的に犬にとっての最適な気温は、夏場は室温25〜26度・湿度50%前後、冬場は室温20度前後・湿度50%前後とされています。しかし、快適に感じる温度は個体差によって異なるので、普段から愛犬を観察し、適した温度設定にしてあげましょう。
空気を循環させるためにエアコンの風向きは上下に動くようにし、部屋全体がなるべく均一の温度になるよう心がけてください。加えて、風量は微風や弱風ではなく、自動運転に設定にしておくと設定温度を一定に保てるので安心です。
クレートやケージを用意する
もともと犬は、穴倉で暮らしていたことから、その名残りで狭くて暗い場所を好みます。そのため、愛犬が安心して休めるようクレートやケージを用意しておきましょう。クレートやケージは愛犬が楽にUターンできるぐらいの、狭すぎず広すぎずぐらいのサイズが適しています。
また、クレートやケージなどの身を隠せる場所があると、万が一、地震などがあったときなど、自分のスペースに避難できるので安心です。
電気やテレビはつけるべき?
留守中にテレビや電気をつけてあげたほうがよいかは、普段の生活環境や愛犬の性格によって異なります。普段からテレビがついていることが多い環境で過ごしている場合は、テレビをつけておいてあげると、いつもの生活と似た環境なため、安心して過ごせることが多くあります。
一方、静かな環境を好む性格や、テレビの内容に反応して吠えるようなことが普段からある場合は、テレビをつけないで外出したほうが愛犬にとって落ち着くでしょう。
電気に関しても、つけておくべきかどうかは普段の状況次第です。例えば夕方に出かける場合、いつもは部屋が明るいのに、その日だけ急に部屋が暗いと不安に感じるかもしれません。しかし、普段から寝てることが多い場合は、電気を消して出かけても気にしないでしょう。
犬は視力が発達しており、暗闇でも視界が確保できるので「暗いと危ないから電気をつけたおいたほうがよいのでは?」といった心配をする必要はありません。テレビや電気をつけておくかどうかは、愛犬の性格や普段過ごしている環境を考慮して決めましょう。
愛犬に留守番してもらうためのトレーニング方法
ここでは、上手に留守番をしてもらうためのトレーニング方法をご紹介します。
- 数分程度の短い時間から始める
- 少しずつ留守にする時間を長くしていく
ステップ1|数分程度の短い時間から始める
最初から長い時間の留守番は難しいので、まずは愛犬を部屋に残して1分ぐらい経ってから部屋に戻るというところから始めていきましょう。途中で吠えても戻るまではそのまま無視します。吠えたときに戻ってしまうと、「吠えれば戻ってくる」と認識してしまうので逆効果になってしまいます。
ステップ2|少しずつ留守にする時間を長くしていく
ひとりで1分間過ごすことができたら、今度は2分、3分、5分といったように少しずつ時間を長くして慣らしていきましょう。「おとなしくしてると、いいことがある」という認識を強化させることが重要なポイントです。
上手に留守番をしてもらうためのポイントとは?
上手に留守番をしてもらうには、以下のことに気を付けるのがポイントです。
出かけることがわかるサインを作らない
着替えた後にカバンと鍵を持ったら出かける……といったように、出かける前の行動パターンがいつも同じだと、犬が出かけることを察知してしまいます。そのため、ルーティーンを変え、出かけることに気付かれないように工夫しましょう。
出かけるときも帰宅したときも声をかけない
出かけるときや帰宅した際は、「いい子で待っててね!」「お留守番頑張ったね!」などと話しかけたり、おやつを与えたりしないようにしましょう。特別なことはせず、無言で出かけて戻ることで「留守番は特別なことではなく、飼い主は出かけてもそのうち帰ってくる」と認識し、落ち着いていられるようになります。
あくまでも普段通りに接して、外出をアピールしないことがポイントです。
留守番の前に散歩とごはんを済ませておく
留守番をさせる前に愛犬の散歩とごはんを済ませておきましょう。運動をさせておけば程よく疲れて眠くなるので、問題行動を起こしにくくなります。そして、散歩のあとにごはんを与えておくと眠気が増すので、おとなしく過ごしてもらうことができます。
愛犬が落ち着いて留守番できるような環境を整えよう
愛犬に留守番をさせなければならないときは、ストレスを最小限にとどめるよう、快適で安全な環境を作ってあげましょう。また、留守番のトレーニングを行い、ひとりで過ごすことに慣れさせておくことも非常に重要です。愛犬に寄り添い、留守番ができるように導いてあげてくださいね。
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この記事のライター
komugi
都内で愛犬のビーグルと暮らしています。コロナ期間中に肥満体型になってしまった愛犬のために食事や運動について勉強をはじめました。面白い発見や愛犬家の皆様に役立つ情報があればどんどん発信していきます!
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