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犬にアボカドは与えないで!控えたほうがいい理由と食べてしまった場合に起こり得る中毒症状

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栄養価の高いアボカドは美容やダイエットに役立つとされ、日々の食事に取り入れている人も多い人気の果物ですよね。森のバターとも言われ、「世界一栄養価の高い果物」としてギネスにも認定されています。そんなアボカドを愛犬に与えてもいいのか気になったことのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし、人間にとっては栄養価の高いアボカドは、実は犬には食べさせないほうがよい果物の1つです。本記事ではアボカドを犬に与えないほうがよい理由と食べてしまった場合に起こり得る中毒症状について解説します。

犬にアボカドは与えないで!控えたほうがいい理由と食べてしまった場合に起こり得る中毒症状
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目次

  1. アボカドは犬に与えないほうがよい果物
  2. 愛犬がアボカドを食べちゃった!どんな症状が見られる?
  3. 愛犬がアボカドを食べてしまった場合にできることはある?
  4. 犬にアボカドは食べさせないようにしよう

アボカドは犬に与えないほうがよい果物

アボカド

ギネス記録にも認定されるほど栄養豊富なアボカドですが、なぜ犬には与えないほうがよいのでしょうか?その理由を見ていきましょう。

中毒を起こす可能性のある成分が含まれている

アボカドには「ペルシン」と呼ばれる殺菌作用のある成分が含まれています。通常人には無害ですが、鳥やうさぎ、馬、ひつじなどに対しては毒性が強く、特に鳥類においては摂取すると12~24時間で死に至るケースもあり、動物に対しては危険な成分として知られています。そのため、多くのペットメディアや動物病院のコラム記事では、犬や猫にもアボカドを与えるべきではないとしていることが一般的です。

一方で犬や猫に対して毒性があると過去に報告された例はあるものの、数十年前の古いものしかなく根拠に乏しいことから「犬猫にアボカドを与えても問題ない」という意見や、「アボカドの種類(品種)によってペルシンの含有量が異なるため、ペルシンの含有量が少ないものやペルシンが含まれていない部分であれば中毒症状を起こさない」という意見もあります。犬や猫にアボカドを与えることについては今現在でも判断が分かれているという状況なのです。

実際に、乾燥アボカド果肉とアボカドオイルが使用された「アボダーム」と呼ばれるアメリカ産のドッグフードはECサイトで販売されており、アボカドに含まれる豊富なビタミンやミネラルが皮膚・被毛のトラブルや涙やけなどの改善に期待できることから、愛犬に与えている飼い主さんもいます。(このドッグフードに使用されているアボカドの果肉とオイルはペットにとって有益で安全であることが証明されており、製造元では原料のアボカドのペルシン検査が定期的に実施されているようです。)

【参考】アボダームを輸入販売している企業の見解はこちら

日本ペット栄養学会の2023年時点の情報をまとめた学会記事によれば、「(前略)アボカドから摂取する量のペルシンがイヌにとって本当に有毒であると断定する事は現時点では難しい。」とされており、「(前略)ペルシン中毒に関しては不明確であるが、大量摂取には注意が必要である可能性がある。重篤な問題が起こる可能性は比較的低いと考えられるが、毒性量を明確に設定する事は現時点で困難であり、2023年時点では積極的な給与は推奨できない。(後略)」と結論付けられています。

これらのことから、現時点ではペルシンが犬に対して明確に毒性があると断定はできないものの、大量摂取した場合に起こり得る中毒症状の懸念や、ペルシンの含有量が少ない品種であっても、どのくらいが危険な量なのかは分かっていないことから、積極的与えることは避けるべきであることが分かります。

また、交差反応によりごくまれにラテックスアレルギーを引き起こすこともあると言われているので、基本的には犬にアボカドは与えないのが無難です。

ペルシンは皮や種、葉っぱ、樹皮に特に多く含まれているので、自宅でアボカドを使った料理を作るという場合には、果肉以外の部分の取り扱いにも気をつけるようにしてくださいね。

肥満や膵炎のリスクがある

アボカドが森のバターと言われる所以は、果肉の約18%が脂肪分でできているためです。高カロリーではあるものの、その大半は良質な脂質由来となっています。

しかし、食べ過ぎればカロリー過多となり肥満の原因となりかねないことや、脂質の摂りすぎにより下痢を引き起こすこともあります。また、脂肪分の摂りすぎは膵炎のリスクを高める原因にもなると言われています。

膵炎の原因ははっきりとは分かっていないものの、高脂質の食事を日常的に摂取して膵臓に負担がかかることも膵炎を引き起こす一因になっているのではないかと考えられています。膵炎は重症化すると命に関わることもある病気です。先述した日本ペット栄養学会の記事においても、アボカドの摂取による膵炎のリスクに関しては「大量に摂取した場合、発症の可能性はあり得る」と、あくまで可能性の域を出ませんが、アボカドを犬に与えるのは避けるのがベターであると言えます。

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種は腸閉塞を引き起こす恐れも

アボカドに限らず、犬は果物の種を消化できないので、誤って飲み込んでしまった場合、消化不良を起こし、嘔吐や下痢、腹痛、食欲低下などの症状が見られることがあります。

また、アボカドの種は大きいので、万が一種の部分を飲み込んでしまうと、喉に詰まらせたり、腸閉塞を起こすリスクが非常に高いです。

ペルシンによる中毒症状や肥満・膵炎のリスクについては可能性として指摘されることが多い一方で、種の誤飲に関しては「どんな場合でも犬にとって確実に危険」とあらゆる記事で言及されています。

現段階では、上記のようなリスクよりも種を飲み込んでしまったことによる閉塞がアボカドの最大の懸念点とされているため、アボカドを愛犬の手の届かなところに保管することや、種の処理には細心の注意を払うことが重要です。

愛犬がアボカドを食べちゃった!どんな症状が見られる?

犬

先述した通り、アボカドをどれくらい食べたら中毒症状が出るのかについては分かっておらず、同じ量を食べても症状が出る子と出ない子がいるとされていますが、愛犬がアボカドを誤って少量食べてしまった場合にはどのような症状が現れる可能性があるのでしょうか。

下痢や嘔吐

犬がアボカドを食べてしまった場合であっても少量であれば大きな問題になることは少ないとされていますが、アボカドに多く含まれる脂肪分が胃腸に負担をかけて下痢や嘔吐などの消化器症状が現れることがあります。

また、ペルシン中毒を起こした場合にも下痢や嘔吐が見られる可能性が指摘されています。嘔吐や下痢が続くと体内の水分が過度に奪われ脱水状態となることがあり危険です。元気がない、苦しそうにハァハァと呼吸をしている、皮膚をつまんでも元に戻るのに時間がかかるなどの様子が見られたらすぐに動物病院に連れていくようにしてください。

皮膚が赤い、体を痒がる

体質によってはアボカドに対してアレルギー反応を示す可能性もあります。身体をしきりに掻いていたり、皮膚が赤くなったり、顔や口の周りが腫れるなどの様子が見られたらアボカドによるアレルギーを起こしているかもしれません。食物アレルギーの場合には下痢や嘔吐といった消化器症状が見られることもあります。

腹痛

急性の膵炎を引き起こしている場合、嘔吐や下痢、食欲低下、よだれが増えるほか、かなりの腹痛を伴うため、祈りのポーズと呼ばれる前足を伸ばして腰を上げる態勢をとることがあります。膵炎は重症化すると短期間で死に至ることもあるので、早急に動物病院を受診しましょう。

愛犬がアボカドを食べてしまった場合にできることはある?

犬

万が一愛犬がアボカドを食べてしまった場合、飼い主さんができることはあるのか気になりますよね。基本的に飼い主さんが自宅でできる治療はありません。少量であれば様子を見ても問題ないことも多いとされていますが、個体差や摂取量により軽症で済むこともあれば重症化してしまう可能性もあるので、愛犬がアボカドを食べてしまったという場合には動物病院に連絡して指示を仰ぎましょう。

その際には何時頃、どれくらいの量を食べてしまったのか整理して、獣医師に伝えてください。食べてしまったアボカドの部位(果肉なのか皮なのか種なのか)も分かる範囲で確認できるとなおよいです。品種によってペルシンの含有量が異なると言われているため、産地も分かると診察の助けの1つとなるかもしれません。

犬は野生で暮らしていたころの名残で丸飲みする習性があります。そのため、アボカドを大量に摂取してしまう可能性も考えられます。特に種を誤飲してしまった場合は窒息や腸閉塞の恐れもあるので、緊急で対処しなければいけません。愛犬がアボカドを食べてしまったことに気がついたら、念のためかかりつけ医に相談するのが安心です。

犬にアボカドは食べさせないようにしよう

犬

アボカドに含まれる成分が犬にとってどの程度毒性のあるものなのかについては、現時点では不明確であり、どれくらい摂取すると危険なのかについても分かっていません。ペルシンの耐性には個体差があるので、同じ量を食べても症状が出る子もいれば出ない子もいます。

しかし、少量であっても嘔吐や下痢などの消化器症状が見られる可能性があり、重症化してしまうリスクも0ではありません。栄養価の高いアボカドですが、犬にとって絶対に必要な食べ物というわけではないので、基本的に犬には与えないほうが無難です。

人間にとっては体にいいものでも、犬にとっては好ましくない食べ物はたくさんあります。犬に与えてもいい食べ物・与えてはいけない食べ物については主なものだけでも知っておくようにしましょう。迷ったら与えない、もしくは自己判断せずにかかりつけ医に相談するのが安心です。

アボカドの種の誤飲による窒息や腸閉塞は緊急性が高く、命に関わる可能性もあります。アボカドを常備しているという家庭では、取り扱いや保管に特に注意するようにしてくださいね。

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choco

この記事のライター

choco

シェルティとの生活に憧れる社会人です。みなさんの愛犬との暮らしがより豊かになるような情報を発信できたら、と思っています!

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