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【獣医師監修】レーズンは中毒をおこす?犬に与えてはいけない理由と食べてしまった時の対処法

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甘酸っぱい味で菓子パン・オヤツなどに使われることが多いレーズンですが、犬にとっては最悪死に至るとても危険な食材だということをご存知でしょうか? レーズンを使った食べ物を食べていると犬が欲しがるかもしれませんが、絶対食べさせてはいけません。

ここでは、犬がレーズンを食べると危険な理由や、食べてしまったときの対処法などについてお話します。

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目次

  1. レーズンは犬が食べると危険な食べ物
  2. レーズンやぶどうはどれだけ摂取すると中毒をおこす?
  3. 誤って犬がレーズンやぶどうを食べてしまったときの対処法は?
  4. 愛犬がレーズンを誤食しないために
  5. レーズンは愛犬の手の届かないところへ

レーズンは犬が食べると危険な食べ物

レーズン

犬がぶどうを食べると危険だと分かったのはごく最近のことです。2001年頃からぶどうを大量に食べた犬が急性腎不全をおこすという事故が相次いで起こりました。

その後も世界のあちらこちらで同様の事故がおこり、中には死亡してしまうケースもありました。そのことから、ぶどうやぶどうの加工品であるレーズンは犬にとっては危険な食べ物であると認識されるようになりました。

レーズンやぶどうが急性腎不全を起こすメカニズムとは?

現在でも、レーズンやぶどうのどの成分が犬に腎不全を起こすのかはまだ解明されていません。

レーズンやぶどうを大量に摂取するとシュウ酸カルシウムができることは知られていましたが、最近では腎臓の組織が破壊され、急性の腎機能不全が起きることが注視されています。

レーズンは皮つきぶどうより中毒をおこす危険性が高い?

過去には皮のついた巨峰を4粒食べた小型犬が急性腎不全で亡くなってしまうという症例がありました。ぶどうを皮のまま乾燥させ、成分が凝縮されているレーズンは、水分を含むと胃の中で膨らむ性質があり、皮つきの生のぶどうより中毒をおこす度合いが高いとされています。

しかし、皮つきぶどうやレーズンを食べても中毒を起こさない子がいたり、ぶどうジュースを少し飲んだだけでも中毒を起こす子もいます。

これだけ医学が発達した今でも、皮つきぶどうと皮なしぶどうの中毒性の違いや、なぜ個体差があるのかについては解明されていません。

レーズンやぶどうはどれだけ摂取すると中毒をおこす?

寝ている犬

犬にレーズンやぶどうを与えてしまったとき、どれくらいの量を与えると中毒を起こすのでしょうか?体重別に中毒をおこす可能性のある量について調べてみました。

中毒を起こすレーズンやぶどうの摂取量|体重別

レーズンやぶどうは中毒の可能性の高い食物なので、絶対に与えないようにしましょう。

ただし、これらはあくまでも目安で、反応を起こす量には個体差もあるため、少量であっても与えないよう気を付ける必要があります。

犬が食べると危険なレーズンやぶどうの摂取量の目安は、以下の通りです。数字からも分かるように、レーズンは乾燥させることで内容物が凝縮されているため、ぶどうよりも少量で危険量に達します

  • レーズンの場合 犬の体重1kgに対して11~30g
  • ぶどうの場合 犬の体重1kgに対して32g

レーズンやぶどう中毒の症状は?

レーズンやぶどうで中毒を起こすと、嘔吐、無気力、食欲不振、下痢、腹痛などの症状が出ます。 はっきりとした症状がなくても普段より元気がない、水をたくさん飲む、など普段と違った様子が見られたら早めに獣医師の診察を受けましょう。

中毒症状が進み、急性腎不全に進むと、脱水症状、嘔吐、無気力、食欲不振に加え、意識の低下、荒い呼吸などの症状が見られます。

腎臓の尿を作る機能が壊れるため、欠尿や無尿になり死に至ることがあります。

中毒が発生するまでの経過は?

レーズンやぶどうを食べたあとに急性腎不全を起こすまでの経過として、以下のようなパターンが見られると言われています。

レーズンやぶどうを食べてから数時間程度で嘔吐が始まり、その後に急性腎不全の影響で尿の出が悪くなります。これらによりぐったりとしたり、元気が消失するなどいつもと行動が違って見られる可能性が高いです。

誤って犬がレーズンやぶどうを食べてしまったときの対処法は?

点滴

では、万が一、犬がレーズンやぶどうを食べてしまったことに気付いたときはどうすればいいのでしょうか?

レーズンやぶどうを食べてしまった時の対処法は?

レーズンやぶどうの中毒症状が出るのは、食べてから2〜5時間だといわれています。 食べた量が少なくて症状が出ていない場合でも、できるだけ早く動物病院に連れていきましょう。

スムーズに治療を始めてもらうには何時ごろにどのくらい食べたのか、症状が見られる場合はどんな症状が見られるかを正確に伝えることが大切です。慌てた状態だとど忘れしてしまうことも考えられますので、すぐにメモを取ると良いですね。

また、かかりつけの動物病院が休診だったり診療時間外だった場合は、どの病院で診てもらえるか、あらかじめいくつか調べておくと安心です。

誤って食べてしまってから、処置をしてもらうまでのスピードはとても大切なため、万が一のためにご家族皆さんで情報を共有しておくといいでしょう。

レーズンやぶどう中毒になったときの治療法は?

動物病院での治療は、ぶどうに含まれている毒となる成分を除去するために、胃洗浄や催吐処置などを行います。

ぶどうが消化されてしまう前に、ぶどうを体の外へ出してしまうことで中毒症状が出るのを防ぐためです。その後は、速やかに点滴を行い、活性炭や下剤を投与し、少しでも体内に毒素が残らないように対処します。

上記のような治療を尽くしても、レーズンやぶどうの毒素が除去されず、犬の腎臓にダメージが残ってしまった時は、残念ながら現代の医療技術でも完全な回復は見込めません。

残された腎臓の機能をそれ以上悪化させないために、点滴治療などの対症療法を生涯に渡って続けることになります。

レーズンの誤飲による治療費はどのくらい?

レーズンに限らず誤飲によって動物病院を受診した場合、様々な検査や処置をするため、治療費は数万円になる可能性が高いですが、動物病院によって費用は異なります。

スムーズに吐き出すことができない場合や症状が重い場合は、入院や手術なども考えられますので、さらに高額になることが予測されます。また、時間外に診察をお願いすれば、時間外診察料や休日診察料がかかる病院もあります。

愛犬がレーズンを誤食しないために

レーズンパン

レーズンやぶどうを愛犬に与えてはいけないと知っている飼い主さんは約9割というデータもあり、多くの方がレーズン、ぶどう中毒について理解していることが分かります。

それでも残念なことに死亡例や重篤になったケースがあるのも事実です。ここでは、注意すべき加工品や誤飲事故を予防するための対策を紹介します。

家族や友人にも伝えておく

レーズンもぶどうも人間にとっては美味しい食物ですが、犬にとっては命にかかわる毒物になることを知っておきましょう。

買い物をしてレーズンの袋やレーズンパンなどを、何気なく椅子に置いたままその場を離れているうちに、愛犬が袋を破って食べてしまったということも起こらないとは限りません。

レーズンに限らず、食べ物は犬の届かない場所にしまっておくことが、犬が食物中毒にならない最善の予防策となります。

レーズンパンやアイスなどの加工品にも注意して

レーズンやぶどうは厳禁というイメージからそのままの状態で与えたり、食べられる場所に置いておくと言うことはあまりないと思います。

しかし、レーズンパンやレーズン入りのアイス、クッキーなど加工されたものになるとぐんと警戒心が下がってしまっていませんか?

レーズンパンやレーズンアイスのレーズンが入っていないところを、少しだけ愛犬に与えるのもやめておきましょう。

中にはレーズンから作った酵母をもとに発酵されたパンもあります。レーズンやぶどうの何が原因で中毒症状が起こるか解明できていないからこそ、より注意して気をつけておくべきだと言えますね。

レーズンは愛犬の手の届かないところへ

キッチン 犬

レーズンもぶどうも人間にとっては美味しい食物ですが、犬にとっては命にかかわる毒物だと知っておきましょう。

レーズンに限らず、食べ物は犬の届かない場所にしまっておくことが、犬が食物中毒にならない最善の予防策といえるでしょう。

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choco

この記事のライター

choco

シェルティとの生活に憧れる社会人です。みなさんの愛犬との暮らしがより豊かになるような情報を発信できたら、と思っています!

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