ポメラニアンのしつけ方を紹介!注意点や具体的なポイントを解説
小さくてふわふわの毛並みが愛らしいポメラニアン。
可愛らしさと可憐さを併せ持つ小型犬ですが、刺激に敏感な気質からしつけの問題に直面する飼い主も多い犬種です。
今回は、ポメラニアンの性格や問題行動、しつけに関する悩みの解決方法などを紹介します。
ポメラニアンの性格・特徴
ポメラニアンはとても好奇心旺盛で元気な性格です。
また、人間が大好きで甘えん坊ですが、その一方で警戒心が強く気が強い一面もあるため、よく吠える傾向があります。
警戒心が強いといっても、賢く協調性もあるので一旦慣れてしまえばフレンドリーな本来の性格が出てきます。
学習能力が高く、飼い主に対する忠誠心も高いので、しつけさえきちんとすれば飼いやすい犬です。
ポメラニアンの問題行動
飼い主が困ったと感じる犬の問題行動は、犬にとっては本能に従ったごく自然な行動です。
そのため、飼い主がきちんとしつけをしないと、犬は問題行動に気づくことができません。
問題行動のなかには家族だけではなく、他人や近所にまで迷惑をかけてしまうものもあります。
ポメラニアンでよくみられる問題行動は以下のとおりです。
甘噛み
遊んでいると興奮して甘噛みをすることがあります。
子犬の甘噛みはそれほど痛くないので許してしまう飼い主さんも少なくないでしょう。
しかし、子犬のうちにやめさせるしつけをしておかないと、成犬になっても噛み癖として残ってしまいます。
他人やほかの犬に怪我をさせてしまう前に、しっかりとしつけておきましょう。
吠える
ポメラニアンはよく吠える傾向がありますが、吠えるにはちゃんとした理由があります。
ポメラニアンが吠える理由をシチュエーション別に4つ解説します。
おねだり吠え
おねだり吠えは、かまってほしかったり、おやつが食べたかったりする場合にみられます。
過去に吠えたことでご褒美がもらえたり、遊んでもらえたりといった成功体験がインプットされているためです。
チャイム吠え
チャイム吠えは名前のとおり、チャイムが鳴った際に吠えることです。
チャイムが鳴ると来客がくることを認識すると、警戒心から吠えることがあります。
チャイムが鳴ったら抱っこをして、愛犬を落ち着かせてあげるとよいでしょう。
来客吠え
来客吠えも警戒心から吠えるものです。
この来客吠えに対処しないでいると、お客さんが帰った後に自分が吠えたことで帰ったと勘違いしてしまいます。
攻撃的な犬であればハウスにいれることもありますが、そうでなければお客さんからおやつをあげてもらうと、警戒心が薄れていきます。
犬見知り吠え
犬見知り吠えは、ほかの犬が怖い場合に吠えます。
この犬見知り吠えも放っておくと、自分が吠えたことによって追い払えたと勘違いをしてしまいます。
散歩のときに向こう側から犬が歩いてきたらなるべく距離をとるようにし、もし近づくのであれば少しずつ近づくようにしましょう。
いたずら
好奇心旺盛なポメラニアンは、物を噛むことが大好きです。
歯の生え変わりからくる痒み対策の場合や、ただのいたずらの場合もあります。
ゴミ箱をひっくり返したり、観葉植物を噛み切ったりと様々ないたずらが好きです。
痒み対策以外にも家の中にずっといるストレスが原因となっている可能性もあります。
マーキング
ポメラニアンは気が強いため、犬の本能(特にオス)によるマーキングをすることがあります。
排泄ではなく匂いづけが目的なので、少量ずつ行うのが特徴です。
マーキングをする主な理由は、自己やテリトリーの主張、ストレスから自分を落ち着かせるためなどがあります。
個体差はありますが、生後6〜8ヶ月にはじまるケースが多いです。
トイレを覚えない
ポメラニアンはほかの犬種と比べて理解が早い方なので、トイレトレーニングは比較的簡単といわれています。
しかし、誤った叱り方による恐怖心や、過度なストレス、トイレの場所や大きさが合っていないなどの理由で失敗してしまうケースもあります。
ポメラニアンのしつけの時期
しつけの時期は早いほどよく、開始に最適な時期は生後2〜3ヶ月です。
ポメラニアンの性格は、甘えん坊な面と警戒心が強い面の二面性を持っています。
しつけをするうえでこの厄介な二面性が表面化する前の生後3ヶ月までが最適です。
この時期は恐怖心よりも好奇心が優っているので、多くの経験を積ませることで、その後のしつけに高い効果が期待できるようになります。
成犬になると、これまでの経験や学習したものがあるので、しつけに時間を要します。
その場合、根気よくしつけをすることが必要になるため、なるべく早い段階からしつけをするようにしましょう。
ポメラニアンのしつけのポイント
ポメラニアンは、甘えん坊でありながらも飼い主の言うことを理解しようと努力する一面があります。
そのためよくできたときには、褒めたり遊んであげたりしましょう。
覚えがよくなります。
以下で項目別のしつけのポイントを紹介していきます。
無駄吠えのトレーニング
無駄吠えのトレーニングは「なぜ吠えているか?」を見極め、理由に応じて適切に対処しましょう。
チャイムや来客、物音など、警戒心によって吠えている場合は「おすわり」や「伏せ」を低い声で言うと効果的です。
「伏せ」は、興奮を落ち着かせる姿勢なので特に効果が期待できます。
吠えるのを止めたら褒めてあげましょう。
おねだり吠えの場合は、飼い主が声をかけると自分に注目してくれたと勘違いし、改善しない傾向があります。
そのため、無視をすることが効果的です。
しかし、おねだり吠えの原因として欲求不満やストレスにより吠えている場合もあります。
吠えるのを止めたら褒めて遊んであげ、散歩の頻度も見直してみましょう。
噛み癖のトレーニング
物を噛む癖がある場合は、適切なおもちゃで遊んであげるとよいです。
しかし古いタオルや衣類など、人間が使用している物をおもちゃとして与えるのは、好ましくありません。
なぜならば、犬にとっておもちゃにしていいものと悪いものの区別がつかなくなるからです。
噛んでも問題がない犬用のおもちゃを用意してあげましょう。
また飼い主の手を甘噛みした場合、喜んだり笑ったりすると「喜んでもらえた」と間違った成功体験をインプットしてしまいます。
不快感を表現したり怒ったりした場合でも、噛めば構ってもらえると勘違いすることがあるので、手を噛まれた場合は、無視をするとよいでしょう。
トイレトレーニング
ポメラニアンはほかの犬種と比べると、トイレを比較的早く覚えます。
トイレをする前の、臭いを嗅ぎながらクルクル回る合図や、起きた直後を見計らってトイレに連れて行くと、徐々にトイレの場所を理解します。
ここでも、怒るより褒めることがポイントです。
上手にできたら褒めることでどんどん上達していくでしょう。
また、環境づくりもトイレトレーニングでは重要です。
以下の環境では、理想のトイレとはいえません。
- トイレの場所が騒がしく落ち着かない
- シーツが汚れている
- トイレスペースが狭い
出入口の場所は避けて、トイレを常に清潔に保ちましょう。
また子犬から成犬に成長したらトイレの大きさが適しているか、改めて確認することをおすすめします。
クレート(ハウス)トレーニング
クレートとは、屋根がついた箱型の犬用ハウスのことです。
クレートは、通院や旅行時に安全に移動するために必要不可欠ですし、災害時にも役立ちます。
もともと犬は、薄暗くて狭い空間で落ち着く習性がありますので、慣れればクレートは居心地のいい場所になります。
そのままケージに入れて、寝床として使用するのも一つの方法ですが、慣れていない場合は、まずおやつで誘導しましょう。
「クレートに入ったらいいことがある」「クレートは落ち着ける場所」と思ってもらうことが大切です。
コマンドトレーニング
コマンドは「おすわり」や「待て」のような行動に対しての合図になるものです。
代表的なコマンドトレーニングについて紹介します。
おすわり
おすわりは"合図をして座ったらおやつをあげる"というしつけの方法が一般的です。
しっかりとおすわりができるようになると、興奮したときにも効果的です。
例えば散歩の信号待ちの最中に飛び出さないようにしたり、向こうから威嚇してくる犬がやってきたりしたときにおすわりが活用できます。
未然にトラブルを防げるので、しっかりと覚えさせましょう。
待て
待てはご飯を上げる前に行うと効果的です。
徐々にできるようになれば毎回行う必要はありませんが、興奮したときにも合図をきけるように定期的にしつけておくとよいです。
特に散歩で、道に落ちている食べ物や異物などを口にしようとした際に活用できます。
伏せ
伏せを覚えさせる際もおやつを使うとよいです。
おやつを手に持って「伏せ」といいながら地面におやつを近づけましょう。
頭の位置が自然と下がるので、伏せのポーズになります。
これができたら、おやつをあげて褒めると効果的です。
ポメラニアンのための環境づくり
ポメラニアンのような超小型犬は体温調節が得意ではなく、体も丈夫ではないため外飼いには向きません。
そのため、ケガや病気防止のため家の中の環境を整えることが必要です。
また、留守番についても対策が必要です。
家の中の環境を整えるポイントについて解説します。
段差をなくす
ポメラニアンは生まれつき骨や関節が弱い傾向にあり、段差につまづいて転ぶだけで骨折や脱臼をしてしまう可能性があります。
普段生活をしている場所では段差をなくす工夫が必要です。
マットやカーペットをひく
室内犬にとってフローリングでの生活は、滑りやすく歩きにくいため体に大きな負担がかかります。
骨折や脱臼などのケガのリスクをおさえるためにもマットやカーペットは必須といえるでしょう。
配線を隠す
室内で生活する犬の周りには電気コードがあります。
これをおもちゃと思い遊んでしまうと大きな事故につながる可能性があります。
対策として、ケーブルをカーペットの下にはわせたり、家具の裏に貼り付けたりするとよいでしょう。
できる限り犬の届かない場所にコンセントを設置することが大切です。
使わない電化製品はプラグを抜いておきましょう。
また、すでに設置されているコンセントを動かすのが難しい場合は、家電量販店やホームセンターで購入できる電気コードカバーを設置するのがおすすめです。
室温を調整する
天然のコートを着ているくらいの被毛があるポメラニアンは、暑さが苦手です。
そのため、室内の設定温度は25℃以下が理想です。
寒さには強いですが、身体を小刻みに震わせるような仕草が見られたら、室内の温度を上げたり服を着せたりしましょう。
換毛期が訪れた場合は、毎日のこまめなブラッシングで被毛を取り除き、被毛環境を整えてあげることが大切です。
ポメラニアンのしつけグッズ
犬のしつけをするうえでグッズの存在は欠かせません。
よくできた場合のご褒美として使用すれば、理解も早くなり成功体験としてインプットされやすいです。
ご褒美(おやつ)
ご褒美はしつけの練習をする際、成功したらあげるようにすると効果的です。
しかし、ポメラニアンは食欲旺盛で、肥満になりやすい犬種です。
人間同様、間食として過剰に与えないよう気を付けましょう。
おもちゃ
ポメラニアンは遊ぶことが大好きです。
咬むことを前提として、口に入れても害のない簡単に壊れないおもちゃが最適です。
また、おもちゃを使って積極的に遊んであげましょう。
遊びをとおして飼い主さんとの主従関係や社会性を学べます。
クレート
子犬のうちからクレートに慣らしておくことで、日常的にも一人で落ち着ける場所ができます。
また気持ちのオン・オフがつけやすく、安定して落ち着いた生活を過ごせるようになります。
子犬のうちからクレート内でごはんを食べさせたり、おもちゃを入れて遊ばせたりしていれば、クレートを好きになってくれるでしょう。
まとめ
陽気で好奇心いっぱいの魅力的なポメラニアンですが、一方で警戒心が強く、問題行動も多いため、しつけには注意が必要です。
しかしほかの犬種に比べて賢く、物覚えも早いので比較的しつけがしやすいといわれています。
ポメラニアンに合った正しいしつけ方を理解し、効果的にしつけられるようにしましょう。
この記事のライター
nana
泳ぎも走りも得意な運動神経抜群のゴールデンレトリバーと暮らしています!今は愛犬とタンデムサーフィンの練習中。いつまでもアクティブに楽しく過ごせるような情報を発信していきます。
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