【獣医師監修】犬の歯ぎしりは3種類ある?原因や対処法と考えられる病気について
愛犬が寝ているときに、「カチカチ」という音が聞こえてきたことはありませんか?おいしいものを食べている夢でも見ているのかなと思ってしまいますが、実はこれは歯ぎしりと考えられます。犬の歯ぎしりは重度別に3つに分けられます。今回は、犬の歯ぎしりの種類や原因、対処法、考えられる病気についてご紹介します。
犬の歯ぎしりは噛む強さ別に分けられている
犬の歯ぎしりは、噛む強さによって3種類に分けられます。軽度のものは「タッピング」、次に「グライディング」「クレンチング」の順でひどくなり、歯ぎしりによっては、さまざまな疾患を引き起こす原因となります。ここでは、それぞれの特徴を見ていきましょう。
1.タッピング
タンピングは、噛むように上と下の歯を動かし、カチカチと音をたてる歯ぎしりです。歯やあごへの衝撃が抑えられているため、特に心配しなくてもいいでしょう。
2.グライディング
グライディングは、口が半開きや閉じたままの状態で、上と下の歯をこすり合わせギリギリと音を出す歯ぎしりです。グライディングも、ストレスを感じたときに見られますが、タッピングに比べて力を入れて噛みしめるため、歯やあごへの負担が大きくなります。そのためかみ合わせが悪くなる、歯がすり減るなどの症状が出ることがあります。
3.クレンチング
クレンチングは、口を閉じたままで歯を食いしばる歯ぎしりです。ほとんど音は出ませんが、3種類の歯ぎしりのなかでは最も重度と考えられ、歯やあごにかなりの負担をかけてしまいます。歯が折れる、虫歯になる、歯周病や顎関節症が悪化するなどの症状が見られます。
犬が歯ぎしりをする原因とは
歯ぎしりの原因には、生理的原因や精神的原因があると言われています。その原因について見ていきましょう。
歯ぎしりの原因|1.ストレス
犬が感じるストレスは、その子によって違いがあります。運動不足や欲求不満などでもストレスを感じる原因となります。また、長時間の留守番や環境の変化による不安感がストレスとなることもありますので、何にストレスを感じているのかをはっきりさせるとで、対処法も変わってきます。
歯ぎしりの原因|2.ケガや病気
歯ぎしりは、犬のケガや病気による痛みや苦痛を緩和したり、我慢しているときにすることもあります。特に老犬の場合は、足腰や関節などに痛みが出たり、これまで自由に動きまわっていたのに、思うように動けなくなってきたことにより歯ぎしりが見られることもあります。
歯ぎしりの原因|3.口の中の不快感
歯への食べ物や歯石の付着が気になる、歯のかみ合わせが悪い、歯肉炎などの病気がある、胃液が逆流することによる胸焼け、などの不快感も歯ぎしりを引き起こす可能性があります。また子犬の場合は、歯の生え変わりによる違和感や痒みによっても歯ぎしりをすることがあります。
愛犬が歯ぎしりをしている際の対処法
犬に歯ぎしりをさせないためには、その原因を取り除いてあげる必要があります。そのために、飼い主さんはどのような対処法をとればよいのでしょうか?
ストレス解消
歯ぎしりは、犬がストレスを解消するためにしていることもあるので、絶対にやめさせなくてはいけないという訳ではありません。しかし、グライディングやクレンチングは、歯やあごに悪影響を与えるため、飼い主さんとしてはやめさせたいですよね。歯ぎしりの原因がストレスの場合は、何にストレスを感じているのかを明確にしましょう。運動不足や欲求不満であれば、一緒に遊んであげたり、気分転換に外に連れて行き散歩や運動をさせてあげましょう。長時間の留守番や不安感であれば、愛犬と一緒にいる時間を増やしてあげたり、安心できるよう声をかけてあげることも有効です。
ケガや病気の治療
ケガや病気が原因による歯ぎしりは、その原因を突き止めて、痛みや苦痛をできるだけ取り除いてあげましょう。そのためには、動物病院を受診し、症状に合った治療をしっかりと行うことが大切です。子犬の頃の歯の生え変わりは、一時的なものなので心配ありません。噛んでもいいおもちゃを与え、抜けそうな歯の不快感から気をそらしてあげましょう。
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歯ぎしりに震えの症状が伴っていたら要注意
歯ぎしりと震えの症状が併発して見られる場合、考えられる病気としては、てんかんが挙げられます。てんかんとはどのような病気でしょうか?
てんかん
犬のてんかんは、脳に何らかの障害があり、痙攣などの発作を起こす病気です。遺伝性のもの、外傷によるもの、脳腫瘍などが原因と言われています。発作には痙攣の他にもさまざまな症状があり、落ち着きがなくなったり、よだれを垂らしたり、失禁などが見られることもあります。
てんかんは完治が難しい病気です。そのため、抗てんかん薬の投薬によって発作が起こる回数を減らすという治療を長期的に行っていく必要があります。
愛犬の健康のために原因を取り除いてあげよう
今回は、犬の歯ぎしりについてご紹介しました。人間も歯ぎしりをしますが、犬の歯ぎしりは症状によってさまざまな病気を引き起こす原因となります。
特にストレスが原因の場合は、生活環境や飼い主さんの接し方で改善することができるので、原因をはっきりと理解し、取り除いてあげることが大切です。愛犬の健康を守るためにも、しっかりと歯ぎしりのケアをしてあげましょう。
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この記事のライター
choco
シェルティとの生活に憧れる社会人です。みなさんの愛犬との暮らしがより豊かになるような情報を発信できたら、と思っています!
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