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犬の呼吸が荒いのは大丈夫?原因となる病気や対処法・受診判断を解説

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犬の呼吸は人間とは違うため、荒い息づかいをしていたら心配ですよね。

飼い主さんは愛犬の呼吸が普段と違う場合、心配なものなのかどうか判断を行わなければいけません。

今回は犬の呼吸についての知識や原因となる病気、対処法を紹介します。

犬の呼吸が荒いのは大丈夫?原因となる病気や対処法・受診判断を解説
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目次

  1. 犬の呼吸で知っておきたいこと
  2. 犬の呼吸が荒くなる原因の病気
  3. 犬の呼吸が苦しそうなときの対処法
  4. 病院に行くべきかどうかの判断
  5. まとめ

犬の呼吸で知っておきたいこと

親子のゴールデンレトリバー

犬の呼吸について知っておきたいこととして、以下の3つがあります。

  • 正常時の呼吸
  • 異常時の呼吸
  • 呼吸数の測定法

順番に見ていきましょう。

正常時の呼吸

正常時の呼吸は犬の体格によって異なります。

大型犬と比べて小型犬は肺が小さく、呼吸が速くなるためです。

大型犬、小型犬それぞれの平常時呼吸数について解説します。

大型犬

大型犬の正常時の呼吸数は1分間で15回前後です。

ただし呼吸数は飼い主さんが目の前にいたり、興味のあるオモチャなどを見たりしたときなど、さまざまな要因で変動します。

寝ているときやゆっくりと休んでいるときなど、安静時の呼吸を測ってみるとよいでしょう。

小型犬

小型犬の正常時の呼吸数は1分間で25回前後です。

大型犬にもいえることですが、1分間の呼吸数が30回を超えるようだと多いと考えましょう。

ただしフレンチブルドッグやパグ、チワワなどの鼻の短い犬種は構造として鼻孔や気管が狭いため、口呼吸を行い呼吸数が多くなる傾向にあります。

異常を疑った場合だけでなく、普段から安静時の呼吸を測り、愛犬の健康な場合の呼吸数を知っておくと安心です。

異常時の呼吸

上記のとおり安静時の犬の呼吸が10〜30回以上である場合、正常な状態ではないと考えられます。

しかし、呼吸数が上がるのにはさまざまな原因があり、すべてが異常とはいえません。

息づかいが荒く喘ぐように呼吸するパンティングと、問題のある呼吸について見ていきましょう。

息づかいが荒い呼吸(パンティング)

犬が舌を出し荒く呼吸することをパンティングといいます。

愛犬がパンティングを行う理由は体温調節です。

私たち人間と違い、犬は肉球や鼻先にしか汗をかくための汗腺をもちません。

熱が身体に蓄積してしまっても、汗を大量にかいて放出することができないのです。

犬は一刻も早く体温を下げるため、パンティングをして唾液を蒸発させ、気化熱を体外に出しています。

そのため、散歩やドッグランなどで運動した後や興奮した際、気温が高い場合などにパンティングをしているのであれば、呼吸数が多くても問題ありません。

しかし安静にしていても呼吸数が多い場合、問題のある呼吸といえます。

飼い主さんは愛犬の様子とパンティングする前の状況を考え、異常かそうでないかを判断する必要があるでしょう。

問題のある呼吸

以下の場合、問題のある呼吸と判断できます。

  • パンティングが長時間収まらない
  • 体温を下げる必要がないのにパンティングをしている
  • 呼吸音に異音が混ざる

パンティングを始めて長時間経つのに、まだおこなっている場合は問題があるかもしれません。

運動後や興奮時、気温が高いなど体温を下げる必要がないのにパンティングをしている場合も、愛犬の体調に問題がある可能性が高いと考えられます。

体温を下げる必要がないのにパンティングをしている場合、考えられる理由はストレスや痛み、病気などです。

愛犬に不安や恐怖などのストレスを与えているものがないか確認しましょう。

犬に限ったことではありませんが、動物はストレスを感じやすい生き物です。

来客や部屋の模様替え、大音量のテレビなど、人間が気付かないところの変化を敏感に察知します。

また異常な呼吸をする原因に、痛みや病気が隠れている場合も考えられます。

散歩中になにか踏んでしまい肉球にケガをしていないか、皮膚が炎症していないかなど、さまざまな状況を想定して探りましょう。

呼吸音に「ゼーゼー」「ヒューヒュー」「ガーガー」など異音が混ざり、全身で呼吸する努力性呼吸も、病気が隠れていないかを疑うきっかけとなります。

愛犬の呼吸は健康状態のサインとなるため、重大な病気を見逃さないように常日頃から観察しておきましょう。

呼吸数の測定法

呼吸数を測定するには、お腹や胸が呼吸に合わせて上下する数を確認する方法が確実です。

目で見てわかりにくい場合は直接触れると数えやすいでしょう。

また、愛犬の鼻の前に手をやって息がかかる数を数えたり、鏡や窓などの曇りやすいものをかざして数える方法もあります。

飼い主さんのやりやすい方法で構わないので、愛犬が1分間に何回呼吸しているか数えてみましょう。

ただし、1分ずっと手を当てたり鏡をかざしたりしていると、安静状態を保てない犬も少なくありません。

そのような場合は20秒測り、数えた数に3を掛けると1分あたりの大体の呼吸数が測定できるため、試してみてください。

呼吸のほか、詳しい検査を受ける前に愛犬の身体になにか異常があると判断する方法には、心拍数や体温の測定があります。

心拍数や体温測定は飼い主さんが判断するのは難しいため、まずは呼吸の異常に気付けるよう、普段から観察しておきましょう。

犬の呼吸が荒くなる原因の病気

ラブラドールの仔犬たち

呼吸の異常は多くの病気を発見するきっかけとなる場合が多いため、犬の呼吸が荒くなる原因の病気は多岐に渡ります。

今回は11の病気について見ていきましょう。

鼻炎

鼻炎は鼻の中の粘膜に炎症が起こった状態です。

炎症が起こり粘膜が腫れてしまうと鼻の穴に空気が通りづらいため、呼吸に異常が起こります。

鼻炎の原因はウイルスや細菌、アレルギーによるものや腫瘍、異物、口の中の疾患によるものなどさまざまです。

なんらかの原因で鼻炎が起こると、鼻水や鼻血、くしゃみ、鼻の周りの腫れなど鼻周りに症状が出る場合が多いといえます。

呼吸の異常のほかにも症状が出ていないか確認しましょう。

短頭種気道症候群

短頭種気道症候群とは、パグやフレンチブルドッグ、シーズーなど鼻の短い短頭種にみられる呼吸困難の総称で、寝ている際のいびきや睡眠時の無呼吸状態を指しています。

短頭種は交配を重ねることによって生み出された犬種です。

鼻が短く身体に対して顔が広いという愛らしい特徴を持つ反面、鼻の穴が狭く、空気の通り道が狭い構造を持っています。

短頭種の飼い主さんは愛犬特有の症状であることを理解し、呼吸に注意して観察しましょう。

軟口蓋過長症(なんこうがいかちょうしょう)

軟口蓋過長症とは口腔の奥の部分、軟口蓋とよばれる部分が正常よりも長いため、呼吸困難を起こす疾患です。

短頭種に多く認められます。

症状はいつも口を開けて呼吸していることやいびき、疲れやすい、酸素が全身に行き渡らず口の粘膜や歯茎が青くなったり白くなったりするチアノーゼなどです。

軟口蓋過長症は重篤な場合、早急な酸素吸入や消炎剤などの治療を行わなければ命に関わります。

呼吸異常の発見が重要といえるでしょう。

気管支炎

気管支炎とは、空気の通り道である気管支に炎症を起こってしまっている状態です。

炎症を起こして気管支内が腫れてしまったり、粘液が分泌されてしまったりして狭くなるため、呼吸困難を起こします。

気管支炎の症状としては呼吸困難のほか、頻繁な咳や食欲不振、運動を嫌がるなどの症状がみられます。

気管虚脱・気管支虚脱

気管虚脱または気管支虚脱は、空気の通り道である気管が歪んだりつぶれたりしてしまう疾患です。

原因ははっきりと特定されていません。

トイプードルやポメラニアン、チワワなどの小型犬種でよくみられる疾患ですが、ラブラドールレトリバーや柴犬、ほかの犬種でもみられる場合があります。

犬を飼ううえで、知っておきたい疾患といえるでしょう。

呼吸異常のほか、咳や嘔吐をする動作、ゼーゼーと異音が混ざる場合や、水を飲んでむせるなどの症状があります。

肺炎

肺炎は、肺の組織が炎症を起こしてしまった状態を指しています。

原因として挙げられるのは細菌やウイルス感染によるもの、異物、アレルギーなどです。

呼吸困難のほか、異音の混ざる呼吸音や食欲不振、元気消失など普段と変わった様子が見られます。

悪化すると命にかかわる場合もあるため、症状に気付いたら早い段階で受診するのがおすすめです。

心臓の疾患

心臓の疾患は、心臓の役割である全身に血液を巡らせるポンプ機能が異常を起こし、正しいリズムで血液を送れなくなってしまった状態を指しています。

心臓疾患の症状は軽度であれば疲れやすかったり咳が出る程度です。

そのため症状が進行しないと気がつかない飼い主さんも少なくありません。

重症になると浮腫や腹水、呼吸困難、湿疹の後、突然死も考えられます。

心臓疾患は進行していくため、早期に発見して進行を遅らせる治療を受けることが大切です。

聴診時に心臓疾患が発見される場合も多いため、定期的に健康診断を受けましょう。

肺水腫(はいすいしゅ)

肺水腫は肺に水が入り込んで溜まってしまい、肺が機能しなくなってしまう疾患です。

本来肺は酸素を含んだ空気を取り込み、二酸化炭素を排出する働きをしています。

しかし、肺水腫により水が溜まってしまうと空気を取り込むスペースが狭くなってしまうため、呼吸に異常が出るのです。

呼吸困難のほかに出る症状は咳や努力性呼吸、チアノーゼなどが挙げられます。

肺水腫は重篤になると命にかかわるため、すぐに病院を受診する必要があります。

僧帽弁閉鎖不全症(ぞうぼうべんへいさふぜんしょう)

僧帽弁閉鎖不全症は、心臓の中にある左心房から左心室への入口にある僧帽弁がしっかりと閉じず、全身に送り出されるはずの血液が逆流してしまう疾患です。

軽度の場合は疲れやすくなったかなと感じる程度ですが、症状が進むと呼吸困難やチアノーゼ、苦しくて眠れないなどの症状を引き起こします。

心筋症

心筋症とは、心臓を動かす筋肉の異常により、心肺機能が低下してしまう症状です。

心筋症といっても拡張型や拡大型、拘束型、不整脈源性のタイプにわけられます。

しかしどのタイプの心筋症を起こした場合でも、呼吸の異常が表われ、咳や食欲不振、動きたがらないなどの症状を伴うことがほとんどです。

熱中症

熱中症は夏の暑い日に体温調節機能がうまくいかず、高体温の状態になったり、脱水を起こしたりする疾患です。

高い体温は愛犬の身体を作るタンパク質を変性させ、臓器に障害を与えます。

また脱水を起こすと水分や塩分が身体の隅々まで届かなくなり、多臓器不全を起こします。

ここ数年の日本の夏は異常に暑く湿気も高いため、5月あたりから散歩の時間を見直し、熱中症を起こさないように注意しましょう。

犬の呼吸が苦しそうなときの対処法

見つめるヨーキー

愛犬の呼吸が苦しそうな場合、以下の対処法を試してみてください。

  • 興奮させない
  • 室温を一定に保つ
  • 楽な姿勢をとらせる

犬の呼吸が荒いときの対処法として一つ目に挙げられるのが、興奮させないことです。

犬を落ち着かせようとずっと声をかけてなでている飼い主さんもいますが、犬によっては逆効果になってしまう場合もあります。

愛犬の頭や背中にそっと手をあて、なにも言わずなでて落ち着かせましょう。

その際エアコンを調節し、少し低く設定した室温を一定に保つことも大切です。

さらに、呼吸しやすい楽な姿勢をとらせてあげましょう。

犬にとって呼吸しやすい姿勢はうつ伏せです。

オスワリをさせた状態で前足を軽く引っ張ってうつ伏せにさせてあげられるとよいですが、嫌がるようでしたら横向きでも構いません。

顎の下にタオルを敷いて顎を少し上げた状態にしてあげると気道を確保でき、呼吸が楽になる場合もありますので試してみてください。

病院に行くべきかどうかの判断

診察中のヨーキー

呼吸の異常について紹介しましたが、愛犬の呼吸が異常だと気付いても、病院に行くべきか判断するのは難しいでしょう。

最後に様子を見てもよい場合と、病院に行ったほうがよい場合について紹介します。

様子を見てもよい場合

犬の呼吸が異常だと感じても、呼吸が荒くなる原因が明らかである場合、様子を見てもよいでしょう。

呼吸が荒くなる原因は運動後や興奮時などです。

明らかに原因がわかっている場合、上記の対処法を参考に落ち着かせてあげてください。

また不安や恐怖などのストレスを感じている場合のパンティングである場合、原因を推測して取り除いてあげましょう。

病院に行ったほうが良い場合

逆に犬の呼吸が異常だと感じた場合、病院に連れて行く目安は以下の症状です。

  • 上を向いて呼吸している
  • ゼーゼー、ニューニューなど異音が混ざる
  • 全身を使って大きく苦しそうに呼吸している
  • 苦しくて伏せていられない
  • 激しい咳が続いている
  • 粘膜の色が白や紫、青になってチアノーゼを起こしている

上記の場合、処置が遅れることで命にかかわる可能性もあるため、一刻も早く受診しましょう。

動物病院に連れて行く際は、いつから異常な呼吸が始まったのか、ほかの症状がないかなどをメモして伝えるとよいでしょう。

受診時までに落ち着く場合もあるため、動画を撮影しておくこともおすすめです。

症状と到着時間をあらかじめ伝えておくと診察がスムーズに行える場合もあるため、家を出る前に病院に連絡しておきましょう。

まとめ

飼い主と犬

今回は犬の呼吸について解説しました。

犬の呼吸は、心配ないものから一刻も早く受診するべきものまでさまざまです。

飼い主さんは呼吸が荒くなっている原因を探り、わからない場合やほかの症状が出ている場合、動物病院を受診しましょう。

常日頃から愛犬の呼吸状態を意識し、異常がある場合にはすぐに気付けるようにしておくことが大切です。

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わんちゃん大好きなドッグライターです!愛犬のコーギーに癒される日々を送っています。皆さんにとって有益な情報を発信できるよう頑張ります!

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