小型犬に適切な餌の量は?愛犬に合った給餌量を知る方法と餌が少ない・多い場合に見られるサイン
ご飯の時間が大好きな子は多く、嬉しそうに食べている姿を見ているとたくさんあげたくなってしまいますよね。しかし、人間と同じで犬も肥満は万病のもと。与えすぎはよくありません。とはいえ、物足りなさそうな様子をしていたら「少なすぎるのかな?」と不安になってしまう方も多いと思います。そこで今回は、小型犬に適切な餌の量を知る方法と、ご飯が少なすぎる場合、多すぎる場合に見られるサインをご紹介していきます。愛犬の体重管理・健康管理には適切な給餌量を知ることが大切なので、適量が分からなくて困っているという方はチェックしてみてくださいね。
愛犬に合った餌の量を知る方法①
人間と同じで犬にも標準的な体重の子、標準よりも軽い・重い子がいますが、適正体重から外れているからと言って必ずしも不健康というわけではありません。個体差によって小柄であったり大きく育つこともあるので、その子にとっての適正な体重を保つためにはどれくらいの餌の量が適当なのかはそれぞれ異なります。そのため、たとえ同じ犬種であっても適切な給餌量は変わってくるのです。愛犬に合った餌の量を知る方法は大きく分けて2つあるので、1つずつご紹介します。
ドッグフードに記載の量を与えて調整しよう
ドッグフードのパッケージには、目安となる餌の量が記載されています。まずは記載されている量を与え、愛犬の食べているときの様子を見てみてください。
食べ終わったのにも関わらずフードボウルを舐めていたり、ご飯を催促してくるという場合には餌の量が足りないかもしれません。一方で、犬は歯の形状からゆっくり咀嚼するのは不向きで丸飲みしてしまうことも多く、早食いによって満腹感が得られていない可能性もあります。満腹感が得られるまでご飯を与えてしまうと肥満に繋がるので、食べるスピードが早くてご飯を催促してくるようであれば、早食い防止のフードボウルを活用してみてください。
反対に、毎回ドッグフードが残っているという場合には餌の量が多すぎる可能性があります。ただし、犬がご飯を食べない理由は量が多い以外にも、気分や一時的な体調不良などの様子を見ても良いケースから、ストレス、発情期、高齢化、または病気などが原因となっていることもあるので、餌の量が多くて残しているのではなく、何らかの理由で食欲不振に陥っている可能性も考えられます。犬は1日~1.5日ほどであれば水のみでも大丈夫だと言われていますが、愛犬の様子に異変を感じたら獣医師に相談するのが安心です。
わがままで残しているパターンも
元気はあるのに食べ残しをする場合、わがまま(好き嫌い)で残しているかもしれません。ご飯を食べていないと心配になりますが、食べ残しているからといってすぐにドッグフードの種類を変えたり、おやつや嗜好性の高いものを与えてしまうと、「出されたものを食べなければもっと良いものが出てくる」と学習し、ますますドッグフードを食べなくなる可能性もあるので、愛犬の様子を観察してなぜ残しているのかを見極めることが大切です。
1つの目安として、ご飯を用意して15分程度経ったらフードボウルを片づけましょう。「食べないと片づけられてしまう」、「他のご飯は出てこない」と認識すれば食べるようになることもあります。ドッグフードを置きっぱなしにしていると傷んで下痢や嘔吐の原因になるほか、いつでも食べられる状態になっていることでだらだら食べに繋がり、食欲不振を引き起こすこともあるため、ご飯の時間はけじめをつけましょう。
愛犬に合った餌の量を知る方法②
「愛犬の食べている様子で愛犬に合った量を調整していくのはさじ加減が難しそう・・」、「きっちり数字で適切な量が知りたい!」という飼い主さんにおすすめの方法が、計算式を用いて愛犬に合った餌の量を把握する方法です。
計算式で餌の量を算出するにはまず「1日に必要なカロリー」を把握する必要があります。カロリーの計算式は以下の通りです。
■1日に必要なカロリー計算式
- 体重の0.75乗×70×活動係数(ライフステージ)
√機能のある電卓であれば簡単に計算することができるので、以下の例を参考に試してみてください。
<例>「4㎏の未去勢の成犬」
- 体重×3をします。 4×4×4=64
- 64が表示されている状態で√キーを2回押します。 =2.82
- 70をかけます。 2.82×70=198
- 最後に活動係数をかけます。 198×1.8=356Kcal
今回の例の場合、1日に必要なカロリーは356KCalということが分かりました。この数値を用いて1日に与えるべき餌の量を導き出すことができます。
■1日に必要な餌の量の計算式
- 愛犬が1日に必要なカロリー÷ドッグフード100gあたりのカロリー×100
100gあたり350KCalのドッグフードを与えている場合、
356(KCal)÷350(KCal)×100=102(g)となり、1日の餌の量は102gとなります。
数字を入力するだけで計算してくれるサイトもあるので、「難しい計算は苦手・・」という方はこちらも活用してみてくださいね。
自動計算ツールはこちら
おやつを与える場合は餌の量を調整しよう
ご褒美としてしつけの際におやつを活用する飼い主さんは多いと思いますが、おやつを与える場合にはメインのご飯であるドッグフードの量を調整する必要があります。1日に必要なカロリーを計算して算出された餌の量を与えていても、おやつの分のカロリーが増えることで太ってしまう可能性があるからです。おやつは1日の摂取カロリーの10%程度(多くても20%)が目安と言われているので、あらかじめ計算しておくと良いでしょう。計算式は以下になります。
■1日に与えても良いおやつのカロリー
- 1日に必要なカロリー÷10
上記の例に当てはめると、
356(KCal)÷10(%)=35.6(KCal)となり、約36KCal程度が1日に与えてもいいおやつのカロリーになります。
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餌の量が適当でないときに見られるサインを知っておこう
ご飯を催促してくる、またはご飯を残している以外にも餌の量が適当でない場合に見られるサインがあるのでご紹介します。
■餌の量が足りない場合に見られるサイン
- 嘔吐
- 体重が減る(痩せる)
- 便が硬くなる
餌の量が足りない場合には上記のようなサインが見られます。低血糖症や栄養不足による体重の減少、さらに病気や怪我のリスクが高まります。
■餌の量が多い場合に見られるサイン
- 嘔吐
- 体重が増える(太る)
- 軟便や下痢になる
餌の量が多すぎる場合に見られるサインは上記の通りです。肥満により足腰に負担がかかるほか、糖尿病や内臓疾患などの病気のリスクも上がります。骨の細い小型犬は肥満によって膝蓋骨脱臼(パテラ)を引き起こすこともあるので、特に注意しましょう。
パテラについてはこちらの記事をチェック!
便の状態でも適量かどうかが分かる
便の状態は愛犬の健康状態だけでなく、餌の量が適当かどうかも分かります。食べている様子と合わせてチェックしておきましょう。
- 餌の量(また水分量)が足りない場合:硬くてコロコロしている
- 餌の量が多すぎる場合:柔らかくて掴むことができない
餌の量が適当な場合の便の状態は「耳たぶほどのやわらかさ・拾いあげるとトイレシートに便の跡が少し残る」状態だと言われています。
ずっと同じ餌の量を与えるのはダメ?
愛犬の様子や計算式で適切な餌の量を把握したとしても、ライフステージやその子のライフスタイルに合わせて餌の量は適宜変えていく必要があります。子犬と成犬では必要なエネルギーが異なるので、成長に合わせて餌の量や回数は増やしたり減らしたりしなければいけないのです。
小型犬の場合、子犬期はだいたい生後10ヶ月頃まで、シニア期を迎えるのは10歳頃と言われています。子犬は身体が急激に成長する期間があるため必要なエネルギーや栄養素が多いものの、1度にたくさんの量を消化することができないので、消化吸収に優れ栄養素の高いドッグフードを複数回に分けて与えなければいけません。シニアになると運動量は減り、必要なカロリーも少なくなります。消化器官も衰えるので、1回あたりの餌の量を減らして、食事の回数を増やし、消化器官への負担を減らしてあげるといった工夫をしてあげてください。
また、運動量が少ない子と多い子では消費カロリーが異なるため、その子の運動習慣によっても餌の量は変わります。1日に必要な運動量が少ないチワワと、大型犬並みの運動量が必要なジャックラッセルテリアではお散歩の時間が異なるため、餌の量は同じではないということです。同じ犬種であってもお散歩が好きで定期的にドッグランに行っている子と、必要最低限のお散歩のみの子でも餌の量は変わってきます。消費カロリーが少ないのにたくさん食べていたら肥満になってしまいますし、消費カロリーが多いのに適切な量のご飯を食べさせてあげなければ痩せていってしまいます。同じ小型犬、同じ犬種であってもその子の運動習慣や、その日の運動量によっても餌の量は変わってくるので、愛犬の状況を踏まえた量のご飯を用意することが重要です。
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愛犬に合った餌の量を把握して健康管理!
ドッグフードに記載されている給餌量は理想的な体重をもとに算出されているため、すべての犬にぴったり合った量ではありません。目安となる量を与えているのに残してしまう、または食べ足りなさそうという場合には、愛犬に合った餌の量ではない可能性があるので、今回ご紹介した方法を試してみてください。
ご飯を食べない理由はさまざまで、様子を見てもいいものから動物病院に連れて行った方が良いケースもあります。愛犬の様子がいつもと違うなと感じたら獣医師に相談しましょう。
人間にはわずかであっても、犬、特に小型犬にとっての数gは大きな差になります。適切な量を把握することができたら、毎日決まった量の餌をあげるようにしてくださいね。
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この記事のライター
choco
シェルティとの生活に憧れる社会人です。みなさんの愛犬との暮らしがより豊かになるような情報を発信できたら、と思っています!
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