子犬のトイレのしつけ方法|準備や手順、失敗の原因と対処法を解説
子犬を迎え入れたら、トイレトレーニングは必須です。
トイレのしつけをすれば、家でのおもらしもなくなりますし、愛犬と一緒にドッグカフェのような施設にも出かけられます。
しかし、トイレのしつけは簡単ではないため、悩んでいる飼い主さんも多いのではないでしょうか。
今回はトイレのしつけ時期や具体的な手順、失敗が続く場合の原因や対処法について紹介します。
しつけ方法の見直しにもなるため、ぜひご覧ください。
子犬のトイレのしつけ開始時期と期間
はじめに子犬のトイレのしつけ開始時期と期間について見ていきましょう。
トイレのしつけ開始時期
子犬のトイレのしつけはなるべく早い方がいいので、子犬をお迎えしたその日から始めるのがベストです。
飼い主さんのなかには子犬を迎え、少し落ち着いてから始めようとする方もいるでしょう。
しかし、トイレのしつけを始めるまでに、子犬が「家の中のどこでもトイレをしていいんだ」思ってしまったら大変です。
また、一度習慣づいてしまった場合、余計に直す時間や手間もかかります。
トイレのしつけというと厳しそうに聞こえるかもしれませんが、怒るのではなくトイレの時間に合わせて場所を教えるイメージを持ち、早めに始めましょう。
トイレのしつけ期間
子犬のトイレのしつけ期間は2~3週間です。
1日や2日で覚えられるものではないため、気長に行う必要がありますが、あまり長すぎてもいつまでもトイレの習慣が身に付きません。
長くても1カ月程度を目安とし、期間内で正しいしつけを行うことが大切です。
もし1カ月経っても中々しつけが進まない場合は、ドッグトレーナーや獣医師に相談することも検討しましょう。
相談することで愛犬や飼い主さんに合った方法を直接指導してもらえるので、ひとりで悩まず、専門家に頼ってくださいね。
トイレのしつけで事前に準備するもの
子犬のトイレのしつけは家に迎えたその日から始めたいです。
お迎えの準備と一緒に、トイレのしつけに必要なものも準備しておきましょう。
ここでは必須アイテムと、あると便利なアイテムについて紹介します。
はじめは必須アイテムを揃え、余裕があれば便利アイテムを取り入れるなど、飼い主さんのやりやすい方法で無理なくしつけましょう。
必須アイテム
絶対に揃えていただきたいアイテムとして、以下のものがあります。
- サークル・ケージ
- お皿・ドリンクボトル
- ペットシーツ
- 新聞紙
どれも犬を迎えるのに必要なアイテムなので、お迎えの準備中に揃えられるのではないでしょうか。
順番に見ていきましょう。
サークル・ケージ
トイレのしつけの必須アイテムとして準備していただきたいのが、サークルやケージです。
子犬が普段休む場所としても使えるアイテムですが、トイレのしつけをする際は屋根のついていないサークルがおすすめです。
大きすぎず小さすぎず、子犬に合った大きさのものを準備しましょう。
サークルやケージはドアから離れた落ち着ける場所に設置すると、子犬が落ち着いて過ごせますよ。
お皿・ドリンクボトル
お迎えした子犬がこれから使う予定のお皿やドリンクボトルも、トイレのしつけに必須のアイテムです。
「トイレを教えるのにお皿が必要?」と思われるかもしれません。
しかし、犬は基本的に綺麗好きなので、お皿やドリンクボトルの置いてある場所でトイレをすることを嫌います。
この習性を利用すると、ここではトイレができないと子犬に教えることができるので、ぜひ使ってみてください。
ペットシーツ
トイレのしつけにペットシーツは必須アイテムです。
特に子犬のうちは排泄の回数も多いため、大量に準備しておきましょう。
ペットシーツは中に水分を吸収するポリマーが入っています。
おしっこを吸収してくれる便利なアイテムですが、子犬が遊んだり噛みちぎったりしないように注意しましょう。
どうしても遊んでしまう子犬には、メッシュ状の網の付いたトイレトレーもおすすめです。
新聞紙
トイレのしつけには、新聞紙も用意しておくとよいでしょう。
新聞紙をペットシーツの下に敷いておくと、愛犬が排泄した際、おしっこの飛び散り防止になります。
消臭効果もあるため、おしっこのにおいを防いでくれる役割もしてくれますよ。
ブリーダーやペットショップも、トイレの代わりに新聞紙を使っていることがあります。
ペットシーツでの排泄に慣れない場合は、新聞紙を使ってみるとよいでしょう。
あると便利アイテム
あると便利なアイテムとして、以下のものがあります。
- タイマー
- 大きめの段ボール
- ビニールシート
順番に見ていきましょう。
タイマー
後ほど紹介しますが、トイレに成功したらご褒美として、フリースペースに出して遊んであげるステップがあります。
このとき時間を正確に測るため、タイマーがあると便利です。
子犬もタイマーの音を聞くことで、遊びの時間は終了だと理解できるため、スムーズにサークルへ戻ってくれるようになりますよ。
大きめの段ボール
トイレを片付けている間、子犬が危険な場所に行かないようにするため、一時的に避難をさせる大きめの段ボールがあると便利です。
またしつけ中に、サークル内でトイレと寝室の場所をしっかりと分けるため、子犬が飛び越えられる程度の仕切りを使う場合があります。
そのときも段ボールが便利なので、ぜひ準備しておきましょう。
ビニールシート
ビニールシートもあれば便利なアイテムです。
新聞紙のようにペットシーツの下に敷くことで、おしっこの飛び散りが防げます。
新聞紙と違い再利用ができるうえ、拭き取りやすく丸洗いもできて衛生的です。
ぜひ準備して使ってください。
トイレのしつけをするときの4ステップ
トイレのしつけの4ステップを紹介します。
- 愛犬の様子を観察する
- トイレのタイミングで移動を促す
- ご褒美として遊んであげる
- 自分でトイレに行かせる
順番に見ていきましょう。
①愛犬の様子を観察する
まずは子犬をハウスから出さず、観察しましょう。
観察ポイントは以下の2つです。
- 子犬がトイレをしたいときの仕草
- どのタイミングでトイレをしたがるか
一般的にトイレをする際の仕草としては、落ち着きなく歩き回る、床のにおいを嗅ぐ、その場でくるくると回るなどがありますが、犬によって変わります。
トイレに行きたいときの仕草を発見したらすぐに連れていけるよう、観察しましょう。
また仕草の観察と同時に、トイレをしたがるタイミングを把握することも大切です。
一般的には寝起きや食後、水を飲んだタイミングなどで行きたがる子犬が多いですが、愛犬独自のタイミングがあるかもしれません。
観察によって愛犬の癖を把握し、適切なタイミングでトイレへ連れて行けるようにしておきましょう。
観察と同時に1日の排泄の回数も記録しておくと役立つ場合があるため、ぜひメモをとってみてください。
②トイレのタイミングで移動を促す
観察した時間やトイレに行きたがる仕草を見せたら、トイレに移動させてあげましょう。
このとき上手にトイレができたら、褒めたりご褒美を与えたりしてください。
トイレをすると嬉しいことがあると子犬が思ってくれると、トイレのしつけがしやすいためです。
トイレに連れて行っても排泄しない場合がありますが、この場合排泄できるまで粘るのは止めましょう。
10分程度様子を見て排泄しなければ、またサークルに戻してあげてください。
トイレの仕草や記録したトイレの時間に近くなったら再度移動させ、様子を見ることを繰り返しましょう。
③ご褒美として遊んであげる
サークル内でトイレが成功したら、フリースペースに出して遊んであげましょう。
狭いサークル内から出て自由にお部屋で遊べることは、子犬にとってご褒美となるからです。
トイレの成功=広い場所で遊べると関連付けられれば、ますます成功率も高まります。
ただし子犬は膀胱がまだ小さく、おしっこを貯められる量が少ないため、排泄の間隔が短いので注意しましょう。
フリースペースで夢中になって遊んでいると次の排泄に間に合わない場合があります。
タイマーを使い、最初のうちは20~30分程度で戻し、サークルのトイレに連れて行ってあげてください。
④自分でトイレに行かせる
トイレでの排泄がある程度成功するようになってきたら、自分でトイレに行けるよう仕向けましょう。
上記のステップで見てきたように、最初のうちは飼い主さんが時間になると子犬をトイレに連れて行きますが、いつまでもそれではいけません。
子犬はおしっこがしたくなっても、飼い主さんが連れて行ってくれないとできなくなってしまうからです。
トイレに連れて行くタイミングで、子犬をご褒美やおもちゃなどで引きつけ、自分の足でトイレに行けるよう誘導しましょう。
トイレに入ったら「ワンツーワンツー」「ちっち」などトイレの合図を決めておくと、ドッグランやカフェなどの普段と違う施設で排泄する際にも役立ちます。
ご褒美なしでも自分でトイレに行き、排泄できるようになればトイレのしつけが身についたと考えてよいでしょう。
トイレのしつけ時に気をつけたいポイント5つ
トイレのしつけを行う際に気をつけたいポイントは、以下の5つです。
- 寝る場所とトイレは離す
- こまめにトイレに連れて行く
- クッションやマットを床に置かないようにする
- トイレシートににおいを付ける
- 静かな場所にトイレを設置する
順番に見ていきましょう。
寝る場所とトイレは離す
トイレのしつけで気をつけたいポイントは、寝る場所とトイレの場所を離すことです。
犬はきれい好きで、寝床のような休憩スペースから離れた場所で排泄をする習性を持っています。
適度に寝る場所から離れたところにトイレを作ってあげることで、犬は安心して排泄できるでしょう。
サークル内のスペースに余裕がなく隣り合ってしまう場合は、トイレトレーの利用や段ボールで簡単なパーティションを設置するなど、工夫してみてくださいね。
こまめにトイレに連れて行く
トイレのしつけを始めて最初の頃は、こまめにトイレに連れて行きましょう。
一般的な情報ではなく、愛犬の排泄のタイミングを掴むためです。
トイレに連れて行ったときに排泄しなくても、粘らず10分程度でサークルに戻してあげてください。
最初は大変ですが、子犬の成長と共に排泄の間隔は長くなりますし、飼い主さんも段々とペースが掴めるようになっていきますよ。
クッションやマットを床に置かないようにする
トイレのしつけがしっかりと身についていないうちは、クッションやマットを床に置くのを止めましょう。
サークル内の居心地をよくしようとクッションやマットを置きたい気持ちはわかります。
しかし、子犬はペットシーツとの違いがわからず、混乱してしまう可能性があります。
また、クッションやマットにおしっこがついてしまうと、においが残りやすくなります。
しっかりとにおいを落とさないと、犬がトイレと勘違いしてしまうかもしれません。
トイレのしつけ中はクッションやマットを床に置かず、トイレのしつけが終わったら入れてあげてください。
トイレシートににおいをつける
はじめのうちはトイレシートににおいをつける方法もあります。
においをつけることで、子犬にトイレの場所を示せるからです。
においを付けるには、排泄した後のペットシーツや新聞紙を少量、トイレの場所に置いておくとよいでしょう。
トイレのしつけ用ににおいつきのペットシーツも販売されているので、試してみる方法もあります。
静かな場所にトイレを設置する
子犬が落ち着いて排泄できるよう、静かな場所にトイレを設置しましょう。
人の出入りの多い場所にトイレを設置すると、犬は安心して排泄できません。
排泄したいのに我慢してしまうと、膀胱炎や尿路結石のリスクにも繋がります。
直射日光が当たらず、静かで落ち着ける場所など、周りの環境も考えてサークルやトイレの場所を考えてみてくださいね。
トイレの失敗の原因と対処法
トイレのしつけの際によくある失敗の原因は、以下のとおりです。
- 観察不足、管理不足
- つい怒ってしまう
- 身体的不調
- ペットシーツの敷いてある範囲が狭い
詳しい原因と対処法を紹介します。
観察不足、管理不足
トイレトレーニングが長引いたり失敗したりする原因に、観察不足や管理不足があります。
観察不足や管理不足だと、飼い主さんが目を離した際におしっこをされてしまいます。
そうすると、子犬はサークルの中で自由にトイレをしてもいいと勘違いしてしまうでしょう。
対処法としてはこまめに観察するしかありません。
飼い主さんの状況によって変わりますが、トイレを覚えるまではと割り切り、できるだけ子犬から目を離すことなく、よく観察しましょう。
つい怒ってしまう
トイレを失敗するとつい怒ってしまう飼い主さんもいますが、トイレのしつけで怒ってはいけません。
子犬は飼い主さんの怒りの原因が理解できず、トイレをしたから怒られたと勘違いしてしまう場合があるからです。
トイレに行きたくなる度に怒られたことを思い出してしまうと、子犬は排泄を我慢してしまいます。
そうするとトイレでない場所で粗相することになり、一向にトイレのしつけは終わらないでしょう。
対処法としてはトイレの失敗をしたらなにも反応せず、成功したときに大げさなくらい褒めることです。
こうすることでトイレの成功が嬉しい経験となり、正しくトイレを覚えてくれますよ。
身体的不調
身体的不調が原因で、トイレの失敗をしてしまう場合があります。
特に家に迎えたばかりの子犬は環境が変わったストレスを抱えやすいため、飼い主さんのこまめな観察が必要です。
子犬の元気さや食欲、尿の回数や量の変化も詳しく見て、気になるところがあれば獣医師に相談しましょう。
ペットシーツの敷いてある範囲が狭い
トイレのしつけの失敗原因として、シーツの敷いてある範囲が狭いことも考えられます。
特にトイレのしつけを始めたばかりのころは、子犬がサークル内のどこで排泄をしてもいいように、サークル全体にペットシーツを敷きましょう。
サークル内のすべてにペットシーツを敷いておくことで、子犬が自らトイレの場所を決められます。
全体に敷いたペットシーツの中でも決まった範囲で排泄を行うようになれば、そこを中心に徐々にペットシーツの範囲を狭くしていきましょう。
トイレの場所が決まったら食器を置く場所、眠る場所などサークル内の環境を整えていくとスムーズです。
まとめ
今回は子犬のトイレのしつけについて、準備や手順を紹介しました。
トイレのしつけはすぐに覚えられないため、正しいしつけ方法を気長に行うことが大切です。
手順を踏んでもうまく行かない場合、現状の環境と失敗の原因を考えて対処しましょう。
それでも行き詰まってしまった場合は、飼い主さんひとりで抱え込まず、トレーナーや動物病院などに相談しにいってみてくださいね。
トイレのしつけが終われば色々な場所に遊びに行けるので、根気強く愛犬と向き合いましょう。
この記事のライター
nana
泳ぎも走りも得意な運動神経抜群のゴールデンレトリバーと暮らしています!今は愛犬とタンデムサーフィンの練習中。いつまでもアクティブに楽しく過ごせるような情報を発信していきます。
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