犬の甘噛みと本気噛みの違いは?噛み方の種類や甘噛みの対処法を紹介
犬の甘噛みに悩んでいる飼い主さんは多くいます。
愛犬が甘噛みする姿はかわいらしくて、つい許してしまうものです。
しかし、「このままにしておいていいのか」「しつけをした方がいいのではないか」と不安になることもあるでしょう。
犬によっては本気で噛んでいるように感じることがあるかもしれません。
この記事では、犬の噛み方の種類や甘噛みへの対処法を紹介します。
犬の甘噛みと本気噛みの違い
犬はコミュニケーションの一つとして相手を噛みます。
噛み方の種類は、甘噛みと本気噛みです。
2つの違いを解説します。
甘噛み
甘噛みは子犬に多くみられます。
じゃれたり、興奮したり、楽しい気持ちのときに甘噛みしていることがほとんどです。
ほかにも、遊んでほしいことをアピールするために飼い主さんを噛むことがあります。
本気でないとしても、甘噛みでケガをすることがあるかもしれません。
噛むことが習慣になってしまうことは避けた方がよいでしょう。
本気噛み
本気噛みは犬が恐怖や怒りを感じたときにします。
本能で身を守ろうとしている証拠といえるでしょう。
ほとんどの犬は、本気噛みをする前に危機感や怒りをほかの方法で表現します。
たとえば、唸り声をあげる、後ずさりをする、歯を見せて威嚇するなどです。
飼い主さんが犬のサインに気づかずにいると、本気で噛みつかれることになりかねません。
本気噛みは素人が対処するのは難しいので、専門家に相談することをおすすめします。
犬が甘噛みする理由
甘噛みは本気で噛んでいないからと放っておくと、噛むことが癖になってしまうことがあります。
まずは、甘噛みをする理由について知っておきましょう。
甘えている
犬は、甘えたい気持ちを表すために甘噛みをすることがあります。
飼い主さんに自分を見てもらいたい、かまってほしい気持ちの表現です。
言葉の代わりに飼い主を噛んでいるといえます。
好奇心があり、噛んで確かめようとしている
子犬は気になるものを噛んでみたくなる傾向があります。
好奇心から噛みつくのも甘噛みの1つです。
興味関心のあるものを噛んで確かめるため、家具や飼い主さんの持ち物を噛んでしまうこともあるでしょう。
永久歯への生え変わりでむず痒い
人間の子どもと同じように、子犬も歯が生え変わるときに口の中がムズムズします。
永久歯への生え変わり時期に、痒さをまぎらわそうと何かを噛むのも甘噛みです。
犬本来の噛みつき欲求がある
犬は本来、噛みつきたい欲求をもっています。
子犬ほど欲求が強いです。
噛むことであごの力を鍛えたり、脳に刺激を与えたりするので成長の一環ともいえるでしょう。
同じように、動いているものを追いかけて噛みつきたいという欲求もあります。
留守番の暇を紛らわすため
犬は留守番をすると暇つぶしで甘噛みをすることがあります。
飼い主が気づかずにそのままにしていると、犬は留守番のたびに甘噛みを楽しんでしまうでしょう。
帰宅後、愛犬が噛んだ様子がないかを確認すると早めに対処できます。
感情が高まって噛む
子犬は、感情が高まると相手を噛むことが多いです。
嬉しい、楽しいなどの気持ちが高ぶって、飼い主さんを甘噛みすることも少なくありません。
犬は嬉しいときにしっぽを振ります。
しっぽを振りながら噛んでくるときは甘噛みの可能性が高いでしょう。
相手をしてほしい
飼い主さんにかまってほしいときに噛んでくる犬もいます。
甘えん坊な性格の犬や、噛むことで飼い主にかまってもらえると学習した犬は、甘噛みをしやすくなる傾向があります。
スキンシップが好きな犬が甘噛みするときは、触ってほしいときが多いでしょう。
ストレスが溜まっている
犬はストレスを発散させるために甘噛みすることがあります。
たとえば、散歩が好きな犬が頻繁に甘噛みをしているときは、運動不足でストレスがたまっているかもしれません。
ストレスの原因は、不安や不満です。
愛犬の甘噛みが続くときは、飼育環境や愛犬との関係を見直してみましょう。
犬の甘噛みはいつまで続くのか?
犬の甘噛みがはじまる時期は生後4ヶ月前後とされています。
これは乳歯が永久歯に生え変わる時期と同じです。
一般的には、永久歯が生え揃う頃には甘噛みもおさまります。
個体差はありますが、1歳頃には甘噛みが終わると考えてよいでしょう。
ただし、噛むことで要求が通ると学習している犬の場合は成犬になっても継続してしまうことがあります。
できるだけ早い時期に甘噛みをやめるようにしましょう。
犬の甘噛みを直す方法
犬の甘噛みを直すには、犬が「噛む必要がない」と学習することが大切です。
そのために、飼い主ができる3つの方法を紹介します。
噛めない環境をつくる
犬が甘噛みをするのは本能です。
噛むことを注意するのではなく、噛めない環境をつくりましょう。
犬が甘噛みをするのは、興奮しているときがほとんどです。
愛犬が喜んだり、楽しくなったりしているときは、ケージやサークルで落ち着くのを待ちます。
次に、興味があるものや動くものを目に入れないようにします。
一度噛んだことがあるものは犬の目につかない場所に隠しましょう。
家具の足元はタオルや布などでカバーします。
どうしても隠せないものや、離れることができない場所では、噛みつき防止のスプレーがおすすめです。
苦み成分が含まれたスプレーを噛まれたくないものに吹きかけるといいでしょう。
疲れさせる
犬は疲れ果てると何もせずに寝てしまいます。
そのため、愛犬が甘噛みをできないほど疲れさせるとよいでしょう。
疲れさせるためには、たくさんの刺激を与えることです。
例えば、以下の方法があります。
- ドッグランで他の犬と遊ばせる
- 車や電車に乗ってお出かけをする
- 人がたくさんいる場所に連れていく
- フリスビーやボールを投げて思いっきり体を動かす
- 家に人を招いてにぎやかに過ごす
飼い主さんが忙しくて難しいかもしれません。
毎日は無理でも、愛犬のために時間をつくるようにしましょう。
犬が甘噛みする前に止める
犬の甘噛みは予想がつきます。
そのため、興奮して噛みついてきそうになったら事前に制止する方法があります。
犬が甘噛みつきそうになったら、「伏せ」「おすわり」などの声をかけましょう。
犬の気がそれて落ち着くきっかけになります。
また、犬が手を噛んできそうなときは、手を引っ込めて防ぎましょう。
逃げてしまうと、追いかけっこをしていると勘違いしてしまうので逆効果です。
できるだけ冷静に、噛む回数を減らすようにします。
犬は学習を重ねる動物です。
甘噛みを事前に防ぐことで、習慣になるのを防げるでしょう。
甘噛みをしつける方法
甘噛みが治らない場合はしつけが必要です。
本気でないとはいえ、成長するにつれて噛む力は強くなります。
事故やケガを防ぐためにも日常でできるしつけをしましょう。
手を噛んできた場合は完全無視
愛犬が飼い主さんの手を噛んできても無視しましょう。
噛まれたことにリアクションをとってしまうと、犬は甘噛みをすれば飼い主が反応してくれると学習します。
大切なのは、甘噛みをしてもいいことがないと定着させることです。
遊んでいる最中に噛まれたら、遊びを中断します。
「噛むと遊んでもらえない」と学ばせましょう。
噛んでもいいおもちゃやグッズを利用
犬は噛んでいいもの、いけないものの区別がつきません。
犬が混乱しないためにも、噛んでもいい犬専用のおもちゃやグッズを用意しましょう。
気をつけなければいけないのは、おもちゃやグッズを手にもって遊ぶときです。
短いロープのように手と犬の距離が近いものは、犬がグッズと飼い主の手を勘違いしてしまうことがあります。
選ぶときに考慮しましょう。
噛む力や頻度に合わせておもちゃやグッズの素材を選ぶのもポイントです。
噛み応えがなかったり、硬すぎて噛めなかったりするとストレスの原因になります。
甘噛みのNGなしつけ方法
犬の甘噛みをしつけるときに忘れてはいけないのが、噛むことは犬にとってのコミュニケーションだということです。
間違ったしつけをしてしまうと、犬が噛むことに固執してしまうこともあります。
甘噛みのしつけでNGな方法を紹介します。
大きな声で怒鳴る
甘噛みが悪いことだと伝えようとして大きな声で怒鳴るのはNGです。
犬は、楽しい気持ちや甘えたい気持ちで甘噛みしたのに、飼い主さんに大声で怒鳴られると驚いて威嚇してしまうことがあります。
また、飼い主さんの大きな声を喜んでいると勘違いすることもあるでしょう。
大きな声で怒鳴ることを繰り返していると、犬が声の大きさに慣れてくることも考えられます。
手を口の中に入れる
しつけとして、飼い主さんの手を口の中に入れるのは避けましょう。
口の中に手を入れられることは犬にとって不快なことです。
甘噛みすると嫌なことがあると学習するかもしれませんが、愛犬と飼い主さんの両方にリスクがあります。
口の中に手を入れる行為は、犬の口内を傷つけるかもしれません。
同時に、飼い主さんが手をケガする危険もあるでしょう。
心理的なストレスから、人の手を嫌がるようになってしまうこともあります。
興奮するまで遊ばせる
犬は楽しくなると興奮します。
楽しくなりすぎるから甘噛みをするともいえるでしょう。
興奮した状態では、甘噛みとはいえ噛む力が強くなることもあります。
甘噛みをやめるしつけの最中は、飼い主さんが意識的に興奮をコントロールすることも大切です。
愛犬の興奮が甘噛みにつながりそうなときは、「伏せ」や「おすわり」などの声をかけましょう。
短時間で興奮がおさまります。
何度も噛ませ続ける
甘噛みが続いたときに、噛んでいいものをつくるのは危険です。
壁や家具の足など硬いものなら噛んでもいいと思うことがあるかもしれません。しかし、大切なのは噛まないようにすることです。
同じものを何度も噛ませ続けてしまうと、犬は噛んでもいいものがあると学んでしまいます。
その結果、甘噛みが一生続いてしまうこともあり得ます。
まとめ
犬の甘噛みには理由があります。
永久歯が生え終わる1歳頃までの子犬にとっては自然な行為です。
いきなり厳しくしつける必要はありません。
まずは、甘噛みをしないための環境づくりからはじめましょう。
甘噛みの対処は飼い主さんでできることが多いので、愛犬にストレスをかけないように行うことが大切です。
この記事のライター
nana
泳ぎも走りも得意な運動神経抜群のゴールデンレトリバーと暮らしています!今は愛犬とタンデムサーフィンの練習中。いつまでもアクティブに楽しく過ごせるような情報を発信していきます。
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