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生のエビは犬には与えてはいけない食べ物。NGの理由と与える際に気を付けること

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ぷりぷりした食感とうまみ成分たっぷりなエビは、大人から子どもまで人気の食べ物ですよね。タンパク質が豊富でありながら低脂肪のため、ダイエット中でもおすすめの食材だと言われています。人間にとっては魅力的なエビですが、生のエビは実は犬には与えてはいけない食べ物の1つです。今回は生のエビを犬に与えてはいけない理由と、食べさせる際の注意点について解説します。

生のエビは犬には与えてはいけない食べ物。NGの理由と与える際に気を付けること

目次

  1. 「生」のエビは犬には食べさせてはダメ
  2. 犬に加熱したエビを与える際の注意点
  3. 犬がエビを食べてしまった場合に見られる症状
  4. エビが使用されているおやつは意外とある
  5. 犬にエビを食べさせる場合は与え方に注意

「生」のエビは犬には食べさせてはダメ

エビ

犬に「生」のエビを与えてはいけない最大の理由は、「チアミナーゼ」という酵素が含まれていることによります。チアミナーゼは犬にとって欠かせない栄養素である「ビタミンB1(チアミン)」を分解する作用があり、継続的に大量に摂取することでビタミンB1欠乏症を引き起こす恐れがあるため、生のエビは犬に食べさせてはいけないのです。

ただし、チアミナーゼは加熱することで不活性化するとされているので、加熱処理をしたエビであれば犬に与えても問題ないとも言われています。エビのほかに、イカやカニも生のまま与えてはいけない食べ物です。

ビタミンB1欠乏症とは?

ビタミンB1はエネルギーの産出に関わり、特に糖質を代謝するために欠かせない栄養素で、人では慢性的に不足することで脚気のおそれがあります。犬の場合には、神経機能を正常に働かせるために必要不可欠なビタミンです。

しかし、人や犬・猫は体内でビタミンB1を生成することができません。また、水溶性ビタミンであるビタミンB1は体にためておくことが難しく、尿中に排泄されてしまいます。そのため、日々の食事などから摂取する必要がある栄養素なのです。

犬はこのビタミンB1が不足すると食欲不振や嘔吐、痙攣・ふらつき・筋力の低下・歩行障害・視力障害などの神経症状や心不全症状を起こし、最悪の場合は死に至ることもあります。

ペット栄養学会誌「禁忌食(その4)ーー魚介類(チアミナーゼ)」を参照すると、現在ではほとんどのペットフードにビタミンB1が十分な量含まれているため、犬猫でのビタミンB1(チアミン)欠乏症はほぼ見られないとされています。

ただし、栄養バランスの偏った食事や炭水化物の摂りすぎによってビタミンB1の消費が増加すると欠乏症に陥る可能性があるため、注意が必要です。

【参考】左向敏紀、大島誠之助「啓発記事 禁忌食(その4)ーー魚介類(チアミナーゼ)」ペット栄養学会誌 17(1):44-45, 2014

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犬に加熱したエビを与える際の注意点

エビ

エビは加熱すれば食べさせてもいい食材ではありますが、犬に与える際にはいくつか気を付けなければならないことがあります。ここでは加熱したエビを与える際の注意点を4つ見ていきましょう。 

殻や尻尾に注意

エビの殻や尻尾は硬く消化しにくいので、犬に与える際には取り除いてあげましょう。頭の部分も同様です。万が一殻や尻尾を飲み込んでしまうと、口の中や食道が傷ついてしまう可能性もあります。犬に与えるときには身の部分だけにしましょう。 

アレルギーに注意

稀ではありますが、人に甲殻類アレルギーがあるように、犬も甲殻類でアレルギー反応を示すことがあります。この場合は、加熱したからと言ってアレルゲンにならないというわけではないので注意が必要です。

アレルギーがあるかどうか分からない場合には、少量にするか、念のためエビを与えるのはやめましょう。

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消化不良に注意

貝類・甲殻類は犬にとって消化しにくい食べ物です。そのため、加熱して小さいサイズにカットしたエビであったとしても消化不良を起こす可能性は0ではありません。乾燥したエビの場合も大量に食べれば消化不良を起こしやすくなるので、与える量には注意してください。また、加熱調理する際には油分・塩分過多にならないように油は使わず、味付けもしないようにしましょう。

大きさに注意

エビの身は筋繊維が多いため、犬に与える際には細かく刻んで食べやすいようにしてあげましょう。小さくすることで消化の負担を軽減することができます。また、犬は丸飲みすることも珍しくないので、そのままの大きさで与えてしまうと喉に詰まらせてしまう恐れがあり危険です。特に小型犬は喉が細いため、人間にとってはなんてことない大きさでも喉に詰まらせてしまうリスクがあります。

犬がエビを食べてしまった場合に見られる症状

犬とエビ

チアミナーゼによりビタミンB1が不足するのは、「長期間にわたって」「大量に」生のエビを摂取した場合に起こると言われているため、ひと舐めしたり、ほんの少量食べたくらいでは問題ない場合も多いようです。

とはいえ、どれくらいの量を食べたら危険なのかについてははっきりと分かっておらず、同じ量を食べて症状が出る子もいればまったく出ない子もいます。また、はじめて食べたときや食べた直後には何も症状が出なくても、2回目や数日後に何らかの症状が現れるケースも0ではありません。

エビは身近な食べ物なので、生のエビを愛犬の手の届く範囲に置かないようにすることが大切です。ここでは、エビを食べた場合に見られる可能性がある症状についてご紹介します。

生のエビを食べた場合|ビタミンB1(チアミン)欠乏症

生のエビを食べてしまった場合にはチアミナーゼによってビタミンB1が分解され、ビタミンB1欠乏症を引き起こすケースがあります。

先述した通り、ビタミンB1欠乏症になると、食欲低下や嘔吐のほか、痙攣、歩行困難といった神経症状が見られます。

下痢や嘔吐

消化不良を起こしている場合や甲殻類アレルギーの場合、体や口の周りを痒がるほか下痢や嘔吐といった消化器症状も見られます。また、体質に合わない場合には下痢や嘔吐以外に被毛の毛艶が悪いなどの様子が現れることもあります。

下痢や嘔吐などの症状が続くと体の中の水分が過度に排出され、脱水症状を引き起こすことがあるので、注意が必要です。

エビが使用されているおやつは意外とある

エビせん

生のエビにはチアミナーゼが含まれていることから犬に与えてはいけない食べ物の1つですが、犬用のおやつとしてエビせんやエビ風味のあられなど、エビが使用されたおやつはたくさんあります。

これらは加熱・乾燥処理されているため与えても問題はありませんが、やはり与える量には注意しましょう。

万が一愛犬にエビ入りのおやつを与えた後、下痢や嘔吐などの症状が見られるようであればすぐに獣医師に連絡するようにしてください。

また、人用のお菓子には塩分が多かったりさまざまな添加物が含まれていることがあるほか、嗜好性も高いので、犬に与えるのは避けましょう。

犬にエビを食べさせる場合は与え方に注意

犬

わたしたち人間にとっては体にいいものでも、犬には健康を損ねてしまう食べ物は数多くあります。中にはたとえ一口であっても中毒症状を引き起こし、最悪の場合死に至るものもあるので、飼い主として犬に与えてはいけない食べ物についてはある程度把握しておくことが大切です。

生のエビにはビタミンB1を分解するチアミナーゼが含まれていますが、十分に加熱すれば効力を失うとされています。そのため、犬にエビを与える場合には必ず茹でる、焼くなどしっかりと火に通してからにしましょう。先述したイカとカニも同様です。

ただし、加熱してチアミナーゼの効力が失われているからと言ってたくさん与えていいわけではありません。消化不良やアレルギーを起こす可能性もあるため、食べさせる際にはほんの少しに留めてください。

エビは必ずしも犬に与えなければいけない食べ物ではないので、不安が残る場合には与えるのは避けましょう。万が一愛犬が犬を食べてしまったという場合には、すぐにかかりつけ医に相談するようにしてくださいね。

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choco

この記事のライター

choco

シェルティとの生活に憧れる社会人です。みなさんの愛犬との暮らしがより豊かになるような情報を発信できたら、と思っています!

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