犬におかゆを与えても大丈夫?愛犬に食べさせる場合の注意点や栄養素をご紹介!
人間にとって消化の良い食事といえばおかゆです。体調不良の時やお腹を壊した時や病中病後の食事として定着しているほか、赤ちゃんの離乳食やヘルシー志向の人たちの朝食としても人気があります。それでは犬にとってはどうなのでしょうか?
今回は、犬にとってのおかゆの栄養素や与える際の注意点、そしておすすめのおかゆレシピをご紹介します。
犬はおかゆを食べても大丈夫!
健康な犬であれば、おかゆは食べても問題ありません。しかし、体調の悪い犬や下痢など消化器官にトラブルがある場合は注意が必要です。
また、おかゆは消化の良い食事として認識されがちですが、それは人間の消化機能に対してのことであって、犬にとっては特に消化が良い食事ではないことを認識しておきましょう。
おかゆを食べさせるメリットって?
犬にとっておかゆは特段消化にいいという訳ではないのであれば、おかゆをわざわざ犬に食べさせるメリットはあるのでしょうか?理由の1つとしては、胃腸の負担を減らすことができるという点です。水分が多く含まれているため、食の細くなった老犬も食べてくれる可能性があります。
愛犬の「食欲がない」という判断基準は?
少し残す分には犬のその日の体調もあるため気にしなくても大丈夫です。3日以上いつもの食事を半分以上残すのであれば、食欲不振の可能性もあるので獣医師さんに相談しましょう。
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白米のおかゆの栄養素
おかゆは使用する穀類によってその栄養素が大きく異なります。そこで、ここでは一般的に使用される白米、玄米に加えて犬におすすめの穀類オートミールの各栄養素についてご紹介します。
まずはもっともメジャーな白米のおかゆの栄養素を見ていきましょう。
【1】たんぱく質
白米には植物性たんぱく質が含まれています。動物性たんぱく質に比べ、エネルギーに変換される時間が短いことから、人間ではアスリートが試合前に食すことでも知られています。
【2】糖質
白米には多くの糖質が含まれています。糖質は、犬のエネルギー源として必要な栄養素です。ただし、犬は良質のタンパク質を摂取することで、糖質を体内で作り出すことができるため、与えすぎには注意しましょう。
【3】ビタミンB群
ビタミンB群は、神経伝達物質の生成、神経細胞の合成や健康な皮膚や粘膜の維持、炭水化物、脂肪、たんぱく質の代謝などに関わる栄養素です。白米には、ビタミンB1、B6、葉酸、パントテン酸、ビオチンなどが多く含まれています。
【4】食物繊維
犬の腸内環境を整えるために、食物繊維は必要不可欠な栄養素です。食物繊維を摂取することで、腸内細菌のバランスを整え、健康な腸を維持することができます。白米には、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の2種類が含まれています。
【5】ミネラル
白米には、カリウム、マグネシウム、カルシウム、リンなどの主要ミネラルが含まれています。
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玄米のおかゆの栄養素
豊富な栄養が含まれていることから近年人気を集めている玄米ですが、犬にとっても栄養豊富といえるのでしょうか。玄米のおかゆの栄養素をご紹介します。
【1】たんぱく質
精白されていない米が玄米です。白米に比べ栄養価が高いことから、注目されている食材のひとつで、白米と同様に玄米にも食物性たんぱく質が含まれています。栄養価の高さが特徴の玄米ですが、たんぱく質量は白米とほぼ同じです。
【2】糖質
わずかですが、玄米に含まれている糖質は白米より少なめです。犬は体内で糖質を作ることができるため、与えすぎには注意が必要です。
【3】ビタミンB群
玄米が完全栄養食と呼ばれているのは、このビタミンB群が豊富に含まれているからです。これは、玄米の胚芽やぬかに含まれているもの。ビタミンB群は、健康な体を維持するための代謝を助ける働きをする栄養素で、神経伝達物質の合成や赤血球の形成、神経・細胞機能を正常に保つ働きなどを担っています。
【4】ミネラル
玄米には、鉄分、カリウム、マグネシウム、カルシウム、リンなどの主要ミネラルが多く含まれています。ただし、リンは炊いた玄米100gあたり130mgとかなりの量が含まれているため注意が必要です。
【5】食物繊維
玄米には白米の約6倍の食物繊維が含まれています。特に、腸内環境の改善に役立つ不溶性食物繊維が多いことが特徴です。不溶性食物繊維は、腸のぜん動運動を活発にし、便通を助ける栄養素で、適度な摂取によって下痢にも効果が期待できる成分です。
【6】フィチン酸
玄米には、ビタミンBの仲間であり抗酸化作用の高いフィチン酸が多く含まれています。フィチン酸は、活性酸素の生成を抑え、細胞分裂を調整する作用があると考えられています。また、カルシウム結晶の生成を抑える働きがあるとされています。
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豊富な栄養から近年人気を集めている玄米ですが、犬にとっても栄養豊富といえるのでしょうか。玄米のおかゆの栄養素をご紹介します。
オートミールのおかゆの栄養素
【1】たんぱく質
オートミールに含まれているたんぱく質は玄米と同程度です。アミノ酸のバランスに優れた質の高いたんぱく質が含まれています。
【2】糖質
白米や玄米に多く含まれている糖質ですが、オートミールに含まれる糖質は白米に含まれる糖質の1/3程度で、糖質が少ないこともオートミールの特徴です。
【3】ビタミンB群
オートミールには、玄米に比べ造血のビタミンである葉酸、全ての栄養素の代謝に関わるパントテン酸、皮膚や被毛の健康に欠かせないビオチンなどのビタミンB群が多く含まれています。
【4】ミネラル
オートミールには、ミネラルが豊富に含まれています。白米と比べると、鉄分は約6倍。また、カルシウムは白米の約3倍、亜鉛も豊富に含まれています。
【5】食物繊維
オートミールの最大の特徴は、発酵性の食物繊維であるβグルカンが含まれていることです。βグルカンは、きのこに多く含まれる食物繊維ですが、オートミールには玄米の約42倍のβグルカンが含まれています。
愛犬のためのおかゆを使ったおすすめレシピ
おかゆは犬にとって主食にはなりませんが、食欲のない時や体調不良の際の水分補給など、一時的なごはんとして取り入れましょう。また、病気の時におかゆを与えたいという場合は、獣医師に相談してからの方が安心です。
おかゆには生米から炊く炊きがゆと炊いたお米を使うおかゆの2種類がありますが、ここでは、手間のかからない炊いた白米や玄米とオートミールの3種を使ったレシピをご紹介します。
レシピ【1】お腹の調子が悪いときに作りたいたまご粥
お腹がゆるい時や下痢が続くときに、忘れてはいけないのが水分補給です。本葛は漢方でも使用される腸内環境を整えてくれる食材。本葛でゆるめにとろみをつけたおかゆなら、水分も補給しやすくなります。
また、白米ではたんぱく質量が少ないため、鶏がらスープ、卵でたんぱく質をプラスすることがおすすめです。
材料
- 炊いたご飯
- 鶏がらスープ
- 卵
- 大根
- 本葛
*分量は犬の体重や、食欲に合わせて調整してください。
*緩めのおかゆにする場合は米1に対して鶏がらスープを4倍量入れる五分粥を目安にしてください。
作り方
- 鶏がらスープを作る炊いた白米をさっと水で洗い、鶏がらスープに入れる(米の粘り気が抑える)
- アクをすくいながら、弱火で15分程度煮込む
- 白米が適度な柔らかさになったら、水でといた本葛を入れ全体にとろみが出るように混ぜ合わせる
- 卵を回し入れ卵が浮いてきたら火を止める
- 最後に大根おろしを入れて出来上がり
レシピ【2】玄米で作るカボチャとひき肉のおかゆ
ビタミン・ミネラルが豊富な玄米ですが、犬にとって大切なたんぱく質量は少なめ。たんぱく質をひき肉でプラスし体を温め免疫力をアップするカボチャで優しい甘みも加えたレシピです。
材料
- 玄米
- 鶏ひき肉
- カボチャ
- 黒ごま
作り方
- (炊いた玄米がない場合)玄米は洗って水気を切っておく
- ボウルに玄米、水を入れ3時間程度水に浸しておく
- 玄米が水を吸ったら、水気を切り、鍋に玄米の10倍量の水と玄米を入れる
- 沸騰したら、弱火にしてカボチャと鶏ひき肉を入れ、玄米が柔らかくなるまで煮る
- 最後に黒ごまをつぶしながらふりかける
レシピ【3】一晩つけておくだけ!オートミールのミルクがゆ
海外では朝食に食べられることが多いオートミール。火を通さなくても、水分を吸って柔らかくなることが特徴です。手軽に作れるオーバーナイトオーツをヤギミルクを使って作ってみましょう。
材料
- オートミール
- バナナ、リンゴなど好みのフルーツ
- ヤギミルク
作り方
- 保存容器にオートミールとヤギミルクを入れ、冷蔵庫で一晩置いておく
- オートミールをヤギミルクに浸しておく時間の目安は8時間程度。好みの柔らかさになるまで浸す
- 水分量の目安は、オートミール1に対し水分4~5
- オートミールが柔らかくなったら、つぶしたバナナやすりおろしたリンゴなど好みのフルーツを加えて完成
犬におかゆを食べさせる際の注意点
少量であれば、犬のごはんに加えてあげたいおかゆですが、上記でご紹介したどの食材も穀類であることに違いはありません。そのため、おかゆを食べさせる際には以下の点に注意しましょう。
【1】消化不良に注意
犬の消化器官は、穀類の消化が苦手です。消化不良などの不調を訴えている時に、おかゆを与え続けてしまうことでかえって消化器に負担をかけてしまうこともあります。
消化に負担をかけないためには、米などの穀類は少なめにし柔らかく煮たり、ミキサーなどでペースト状にすることがおすすめです。
【2】穀類にはリンが多い
穀類に含まれる栄養素で目立つのがリンの多さです。リンは、カルシウムと密接な関係があります。 犬にとって大切な栄養素のひとつであるリンですが、肉類や乳製品にも多く含まれているため、おかゆをたくさん与えることによってリンが過剰になる可能性があります。特に、腎臓機能が低下している犬やリン制限食を食べている場合は注意が必要です。
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【3】糖質の摂りすぎに注意
穀類は糖質が多いことが特徴です。犬は、体内で糖質を作ることができるため、必要以上の糖質を摂取することで肥満となる可能性があります。また、犬は甘い味が好きなため、要求通りに与えないようにしましょう。
【4】主食として与えない
先ほども述べましたが、おかゆは主食としては向いていません。ドッグフードのトッピングとしてや、水分補給として与えるにとどめましょう。トッピングとして与える際は、普段あげている量よりもドッグフードを減らし、カロリーオーバーにならないように気をつけましょう。
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【5】味付けはしない
人間と同じ味付けは犬にとってはとても濃く身体によくありません。犬は甘味は感じやすいものの、味よりも匂い重視のため、そこまで味付けにこだわる必要はありません。また、普段のドッグフードを食べなくなる可能性もあります。
犬は1日に必要な塩分量が多くないため、人間と同じ感覚で調味料を使用すると塩分過多となってしまいます。摂取量によっては命に関わることもあるので、注意が必要です。
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犬が喜ぶおかゆは与えすぎに注意!
人間にとっては良いことづくめのおかゆですが、犬にとっては穀類は消化に負担がかかることや必要な栄養が不足してしまうため残念ながら主食にはなりません。
犬におかゆを与える際には、たんぱく質をプラスすることを忘れずに!また、まずは水分を多めにしたゆるめのおかゆから始めることがおすすめです。
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この記事のライター
komugi
都内で愛犬のビーグルと暮らしています。コロナ期間中に肥満体型になってしまった愛犬のために食事や運動について勉強をはじめました。面白い発見や愛犬家の皆様に役立つ情報があればどんどん発信していきます!
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