犬にポテチを与えてはダメ!食べさせてはいけない理由と誤って食べてしまった場合の対処法
じゃがいもは犬に与えても大丈夫な食材ですが、加工品であるポテチ(ポテトチップス)は、犬に食べさせてはいけません。愛犬が欲しがるからといって日常的に与えてしまうと、健康を損なう可能性があるからです。また、気づかないうちに愛犬が食べてしまわないよう注意する必要があります。
今回は、ポテチを犬に与えてはいけない理由や、たくさん食べてしまったときに見られる症状と対処法を解説します。
目次
犬にポテチを与えてはダメ
犬にポテチを与えることはおすすめできません。ポテチの原材料であるじゃがいもは犬にとって有害な食材ではありませんが、加工品であるポテチは油で揚げられており、塩や添加物も含まれているので食べた量によっては健康被害が出る恐れがあります。
じゃがいもを蒸したものや柔らかく茹でたもので、味付けもされていないものであれば犬が食べても大丈夫です。
もしパリパリとした食感のおやつを愛犬が好むのであれば、犬用のチップスを与えるのがよいでしょう。犬用のチップスは、さつまいもや人参などの野菜チップスや鶏ササミチップスなど、さまざまな種類があります。人間用のチップスと違い味付けされていないので、犬用のチップスであれば安心です。
- さつまいもギザギザチップス
- 国産にんじん犬用おやつ
- パリッと鶏ササミのチップス
また、犬も食べれるポテチは自宅でも作ることができます。じゃがいもを薄くスライスし、味付けはせずレンジで水気が飛ぶまで温めたら完成です。大きいとのどに詰まらせる恐れがあるので、なるべく小さくカットしましょう。できたては熱いので冷ましてから与えると火傷を防ぐことができます。
じゃがいもについてはこちらの記事をチェック
なぜ犬にポテチを食べさせてはいけないの?
思わぬ症状により愛犬がつらい思いをしてしまわないよう、犬にポテチを与えてはいけない理由を知っておきましょう。
理由【1】塩分の摂りすぎになる
ポテチは人間の嗜好に合わせて味付けされており、多くの商品に塩が含まれています。少量口にしてしまった程度であればそこまで心配する必要はないものの、愛犬が欲しがるからといって日常的にあげてしまうと、塩分の摂りすぎになってしまいます。
犬にとって塩分の適量は1日当たり、0.06g~0.12gが目安です。(体重1㎏あたり)5㎏の犬なら0.3g~0.6g、10㎏なら0.6g~1.2gになります。数字で見てみると、犬に必要な塩分はほんの少しであることがわかります。
犬にとって必要な塩分はドッグフードでまかなえているので、それ以上は必要ないのです。
塩分を過剰摂取することで塩中毒を起こす可能性があります。下痢や嘔吐、食欲低下、水を大量に飲むなどの症状が見られ、最悪の場合には急性心不全になり死に至ることもあります。体重1㎏あたり2g~3gの塩を一度に食べてしまった場合に中毒症状が起こり、4gが致死量であると言われています。
また、腎臓にも負担がかかります。犬にポテチを与えることは、デメリットでしかないことを覚えておきましょう。
理由【2】肥満の原因になる
肥満の原因になることも、犬にポテチを与えてはいけない理由の1つです。ポテチはじゃがいもを油で揚げているうえに、味付けもされており高カロリーです。
そのため、日常的に与えると肥満を招きます。「少しぐらいなら大丈夫だろう」とポテチを与えてしまうと、また欲しがるようになってしまうかもしれません。
肥満は心臓病や糖尿病、関節炎などさまざまな病気の引き金になり、寿命にも影響をおよぼします。安易に与えないようにしましょう。
理由【3】玉ねぎが含まれている場合がある
ポテチには玉ねぎが含まれていることがあるので、気をつけなければなりません。なぜなら、犬にとって玉ねぎは有害な食材で、嘔吐や発熱などの中毒症状を引き起こす恐れがあり大変危険だからです。
オニオンフレーバーのポテチに限らず、他の種類にもオニオンエキスやオニオンパウダーが含まれている場合もあります。店頭に並んでいることの多いコンソメ味にもオニオンパウダーが含まれており、うっかり愛犬が口にしてしまうと危険です。玉ねぎに対する感受性は犬によってそれぞれ異なるので、与えないようにしましょう。
玉ねぎが危険な理由について詳しくはこちらの記事で解説しています
理由【4】アレルギー反応を起こす可能性がある
もともとの体質による先天性アレルギーと、食べ物を摂取したことによって急にアレルギーを発症してしまう後天的なケースがあります。アレルギーの代表的な症状とされる下痢や嘔吐、身体を痒がるなどの反応が見られたら動物病院へ連れて行きましょう。
後天性のアレルギー反応は食べた後すぐ出ることもあれば、一か月後になって現れる場合もあります。犬が食べてはいけない食べ物を誤って食べてしまった場合は、いつ、どれくらい食べたのかなどを記録しておきましょう。
犬がポテチを誤って食べてしまった場合の対処法
愛犬が誤ってポテチを大量に食べてしまった場合の対処法を覚えておきましょう。
対処法【1】ポテチを食べたときの状況を獣医師に伝えられるようにしておく
目の届かないところで、愛犬がポテチをたくさん食べてしまったときは、まず愛犬に異変が起きていないか様子を観察しましょう。
その際、食べたポテチの量と種類、食べたと思われる時間も確認しておいてください。食べたときの状況を記録しておくことで、万が一受診が必要になった場合の診察がスムーズになります。また、先ほども述べた通り少量であれば問題ないケースが多いものの、ぐったりしていたり嘔吐などの症状が見られたらアレルギーを起こしている可能性があります。もし、ポテチを食べてからしばらくして気になる症状が見られるようであれば、動物病院を受診しましょう。
対処法【2】疾患を抱えている場合は速やかに動物病院に連絡する
愛犬が心臓病や腎臓病を抱えていて、誤って食べてしまったときは、速やかに動物病院に連絡して指示を仰ぎましょう。
塩分を過剰に摂取すると、血液中のナトリウム濃度が上昇します。ナトリウム濃度を一定に保つために、腎臓はナトリウムの排泄を行いますが、腎臓病により腎臓の機能が低下していると、腎臓に大きな負担がかかります。その結果、病状が悪化する恐れがあるので、たくさん食べてしまったときは早めに対処することが大切です。
また、塩分過多により血圧が上昇してしまうのも、注意すべきポイントです。心臓病を抱えている犬が高血圧になった場合、心臓の機能が弱っている状態でたくさんの血液を送り出すことになるので、心臓に負担がかかってしまいます。
このようなリスクにより愛犬の健康を害してしまわないよう、食べてた量にかかわらず疾患を抱えている場合は、速やかにかかりつけの獣医師に相談しましょう。
ポテチの袋にも注意
目を離した隙に愛犬がポテチを食べてしまった場合は、ポテチの袋を食べてしまっていないかも併せて確認しましょう。万が一誤食していた場合、すぐに動物病院へ連れていく必要があります。口の中に袋が見えていたとしても無理に引っ張ろうとするのは避けてください。もっと奥に入り込んでしまったり、口内や喉の奥などが傷つく恐れがあります。
犬がポテチを大量に食べた場合に考えられる症状
犬がポテチをたくさん食べてしまった場合に現れる症状は、以下などが挙げられます。
症状【1】水を大量に飲む
ポテチをたくさん食べると、水を大量に飲むなどの様子が見られます。血液中のナトリウム濃度が上昇すると、ナトリウム濃度を下げるために水をたくさん取り込もうと体が作用するため、喉が渇き、水をたくさん飲むようになるのです。
症状【2】痒み・目の充血
ポテチに含まれる何らかの成分に体が反応して、痒みや目の充血などのアレルギー症状が現れる可能性があります。体や口の周辺などをしきりに掻くなどの様子が見られる場合は食物アレルギーを疑い、速やかに動物病院を受診しましょう。
症状【3】下痢や嘔吐
玉ねぎが含まれているポテチを大量に食べてしまった場合は、下痢や嘔吐などの中毒症状が出る可能性が考えられます。症状はポテチを食べてから1日以内に出ることもあれば、1日~数日以内のこともあります。そのため、数日間は愛犬の様子を観察するようにしましょう。
愛犬の健康を損なう可能性のある食べ物には注意しよう
ポテチには、塩以外にも玉ねぎや香辛料など、犬が摂取すべきでない原材料が含まれている商品も多数あります。犬の健康を害する恐れがあるポテチを、わざわざ犬に与える必要はありません。愛犬の健康を考えるのであれば、犬用のおやつを与えるようにしましょう。
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この記事のライター
nao
「愛犬の気持ちを理解したい」「寄り添ったコミュニケーションを取りたい」という思いからドッグライターとして犬に関する知識を学び、発信しています。愛犬の笑顔を守るために、そして同じ思いを抱く飼い主さんのために、有益な情報を発信していけたらと思っています。
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