【獣医師監修】犬は首を痛めやすい動物?愛犬が首を痛がる場合に考えられる原因・病気などを解説
愛犬が突然「キャン!」と鳴いたり、首を触られることを嫌がるようになったことはありませんか?犬は飼い主さんを見上げたり、首輪にリードを付けて散歩するため、首を痛めやすい動物と言われています。この記事では、犬が首を痛がる原因や考えられる病気、対処法についてご紹介します。
犬が首を痛がる場合に考えられる原因
犬が首を痛がるときに考えられる原因には、次のようなものがあります。
原因|1.首の筋肉の酷使
ドッグランなどで夢中になって遊んでいると、筋線維が傷ついて炎症を引き起こし、筋肉痛になることがあります。
原因|2.首の打撲や外傷
階段から落ちた時や他の犬との喧嘩などが原因で首に過度な負担がかかり、打撲や捻挫を起こしたり、靭帯や腱、筋肉を痛めることがあります。
原因|3.病気によるもの
頸椎の形態の異常など、首の骨の病気が原因で痛みを生じることがあります。
要注意である症状について
頭を上げることができず上目遣いをする、抱き上げたり首や周辺に触れようとすると「キャン」と悲鳴を上げる、ふらつきながら歩く、首をすくめるようにして動かなくなるなどの症状が見られたら要注意です。骨や関節、神経などの怪我や病気がある可能性が考えられます。
犬が首を痛がるときに考えられる代表的な病気
犬が首を痛がるときに考えられる、代表的な病気を2つご紹介します。
代表的な病気|1.環軸亜脱臼
犬の首は、頚椎(けいつい)と呼ばれる7つの骨により構成されています。1番目と2番目の関節が生まれつき、あるいは外傷などによって不安定な状態になり、亜脱臼を起こすことを環軸亜脱臼と言います。生まれつきの靭帯形成異常によるものが多いですが、高所からの落下や交通事故などにより後天的に発症することもあります。
環軸亜脱臼の症状
頭部を動かすと首に強い痛みを感じるため、物を追うときは極力首を動かさずに目で追ったり、頭を触られることを嫌がったり、歩くときにふらつきが生じます。重症になると四肢に麻痺が生じ、重篤化して呼吸停止になり死に至る症例もあります。
かかりやすい犬種
チワワやポメラニアン、ヨークシャーテリアなどの小型犬種に多く見られる病気です。
代表的な病気|2.椎間板ヘルニア
犬の脊椎(せきつい)は頸椎(けいつい)、胸椎(きょうつい)、腰椎(ようつい)、仙椎(せんつい)、尾椎(びつい)から構成されていますが、脊椎と脊椎の間にはクッションの役割を果たす椎間板があります。この椎間板は、中心にある髄核とその周りにある繊維輪から構成されています。
激しい運動などにより椎間板に過度な力が加わると、髄核が飛び出して脊髄を圧迫し、椎間板ヘルニアになります。 発生部位は、頚部と胸部に大別されます。
椎間板ヘルニアの症状
頚部椎間板ヘルニアでは、頚部の痛みにより頭部を下げたまま固まって動かなくなったり、抱き上げたときに痛みにより悲鳴をあげます。
かかりやすい犬種
どの犬種でも発症する可能性はありますが、ミニチュアダックスフンドやウェルシュコーギーなど、胴長短足の犬種に多く発症します。
犬が首を痛がる場合の対処法
痛みの原因が筋肉痛であれば、温めながらマッサージをすることで改善する可能性がありますが、犬が首を痛がるときには関節を痛めていることが少なくありません。
犬によく見られる椎間板ヘルニアは、早期の治療によりその多くは改善が見込める病気です。 逆にその状態を甘く考えて放置してしまうと、症状が悪化して、後肢の麻痺など重篤な状態になることがあります。
首を触るだけでも痛がったり、歩き方に異常が見られる場合には、様子を見ずに動物病院で検査を受けることが求められます。
首を痛がる様子が見られたら動物病院へ
犬は首に痛みを感じていると、飼い主さんを見上げることができなくなったり、首回りに触れられることを嫌がるようになります。椎間板ヘルニアなどの病気の初期症状の可能性もあるので、首を痛がる様子があれば早めに動物病院で検査を受けましょう。
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この記事のライター
choco
シェルティとの生活に憧れる社会人です。みなさんの愛犬との暮らしがより豊かになるような情報を発信できたら、と思っています!
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