犬のマズルコントロールはしつけに必要?取り組む場合に気を付けるべきことや教え方を解説
犬のしつけ方法にはたくさんの教え方・方法がありますよね。その中でも「マズルコントロール」と呼ばれるしつけ方法は、犬を落ち着かせる際に使われるしつけの1つです。一時期は注目を浴びていたこともありましたが、最近ではマズルコントロールは必要ないと考える飼い主さんも増え、あまり聞かないワードにもなってきました。
マズルコントロールは犬の本能に基づいたしつけ方法ですが、場合によっては逆効果になってしまうこともあります。ここでは、マズルコントロールとは何か、また、マズルコントロールのやり方や活躍する場面・楽しく取り組むためのコツを解説していきます。また、犬にマズルコントロールが本当に必要なのか?ということにも触れていきます。
目次
犬のマズル、マズルコントロールの目的や由来とは?
まず、マズルとは、犬の口吻(口さく・口もとのこと)のことです。犬の口もとのことを英語でマズルと呼びます。マズルコントロールとは、人が犬のマズルを掴んで行うしつけ方法です。
マズルコントロールは犬同士の行為が由来
マズルコントロールは犬同士がお互いの口吻を噛む行為が由来になっています。犬同士は遊びや挨拶の一環としてお互いの口を噛むことがあります。また、母犬は子犬の口吻を優しく噛んで授乳をやめさせることも確認されています。
マズルコントロールの目的
マズルコントロールは無駄吠えや噛み癖などの問題行動を解決するしつけ方法として用いられます。また、興奮している犬を落ち着かせる効果があるとも考えられ、子犬の頃からマズルコントロールに取り組む飼い主さんも少なくありません。
マズルコントロールは賛否両論だが、口吻を触られても嫌がらない練習は役立つ
マズルコントロールは興奮した犬を落ち着かせ、飼い主がリーダーであることを犬に伝える効果があると信じられています。そのため、無駄吠えや甘噛みのしつけ方法として取り入れられることが多く見られます。
マズルコントロールはリスクもあり、効果については賛否両論
マズルコントロールに本当に効果があるのかは賛否両論です。犬同士の関わり方を参考に発展したしつけ方法であるマズルコントロールですが、犬同士の関わり合い方と人と犬の関わり合い方が異なるため、「犬ではない飼い主がマズルコントロールをしても意味がない」と主張するドッグトレーナーさんもいらっしゃいます。
また、実際にマズルコントロールに効果があるとしても、その代償として犬と人の信頼関係が崩れるリスクがあるため、マズルコントロールをしない飼い主さんもたくさんいます。
マズルコントロールは噛み癖悪化のリスクも
何かを噛もうとしている犬のマズルを抑えることは、犬をさらに興奮させ、噛み癖を悪化させてしまう原因になることもあります。
特に、マズルコントロールにあまり慣れていない子犬はムキになり、さらに強く噛むようになってしまうことも少なくありません。もちろん飼い主がマズルコントロールに取り組む体勢もマズルコントロールの結果に影響を与えますが、必ずしも全ての犬にベストの方法ではないことを知っておきましょう。
犬が口吻を触られても嫌がらない練習は役立つ
マズルコントロールをしつけの一環として取り入れるにしろ、取り入れないにしろ、犬が口吻を触られても嫌がらないようにするのは非常に大切です。事前に犬にマズルコントロールをしておくことで、動物病院などで獣医が犬の口内を診察するような場面で役に立つだけではなく、犬の歯磨きをスムーズに行うためにも欠かせません。また、犬が口吻を触られても嫌がらない練習をすることで、犬と飼い主の信頼関係を深めることができます。
マズルコントロールは犬が嫌がらないようにするのがコツ
口吻は犬にとってはとてもデリケートな部位で、多くの犬は口吻を触られるのを嫌がります。そのため、犬が嫌がってマズルコントロールがなかなかできないという体験談も多く耳にします。ここでは、犬が嫌がらないマズルコントロールのやり方のコツを紹介していきます。
マズルコントロールに嫌な印象を持たせない
マズルコントロールを「罰」として使うと、犬はどうしてもマズルコントロールを嫌がるようになります。マズルコントロールは常に犬にとって「楽しい」という印象を抱かせ、口吻を触った後には褒めるようにしてあげてくださいね。
強く掴まない
マズルコントロールは犬に痛みを加えるためのトレーニングではありません。マズルコントロールと聞くと、口吻を強く掴むイメージを持つ人もいますが、口吻を強く掴むと犬が嫌がる原因になるので絶対にやめましょう。
マズルコントロールの教え方
いきなり犬の口吻を掴むと犬はびっくりして嫌がってしまいます。それでも無理やり口吻を掴んだままにしておくと、犬と飼い主の信頼関係が崩れてしまうことさえあります。そのため、マズルコントロールに取り組む場合は犬にゆっくりと慣らし、口吻を掴まれるのは「怖くない」と教えるようにしましょう。
マズルコントロールの教え方4ステップ
4つのステップに沿ってマズルコントロールの教え方を解説していきます。慣らしながら、ゆっくり無理せず教えていきましょう。
- 口吻を少しだけ撫でる
- 口吻を撫でる時間を少しずつ伸ばす
- 軽く口吻を掴んで慣らす
- 口吻を掴む時間を少しずつ伸ばす
①口吻を少しだけ撫でる
まずは犬の口吻を指や手で少しだけ撫でましょう。口吻を触っても嫌がらずにじっとしていれば、おやつを与えます。
②口吻を撫でる時間を少しずつ伸ばす
口吻を撫でる時間を少しずつ伸ばしていきます。少しずつ口吻を触る時間を伸ばしていくことで、マズルコントロールトレーニングのストレスを軽減し、犬のペースで慣らしてあげることができます。
③軽く口吻を掴んで慣らす
犬が飼い主に口吻を触られるのに抵抗しなくなったら、手で軽く口吻を掴みましょう。しかし、ずっと掴まず、はじめの数回はすぐに離してあげるようにしましょう。犬がじっとできればおやつでしっかりと褒めてあげましょう。
④口吻を掴む時間を少しずつ伸ばす
口吻を掴む時間を少しずつ伸ばしていきます。犬が慣れないうちはおやつを多めに与えて、しっかりと褒めてあげるようにしてくださいね。
犬がマズルコントロールのトレーニング中にストレスを感じているようであれば、一度中断し、少し休憩をしてから再開するようにしてくださいね。また、犬がマズルコントロールをいずれかのステップで嫌がるようになったら、一つ前のステップに戻り、基本を固め直すようにしましょう。
マズルコントロールは、罰ではなく楽しい練習として取り組もう
マズルコントロールについては賛否両論ですが、犬が口吻を触られても嫌がらないように練習しておくことで、様々な場面で役に立ちますよ。無理に口吻を掴んでしまうと犬のストレスになることがあるので、犬のペースで少しずつマズルコントロールに取り組むようにしてくださいね。
この記事のライター
komugi
都内で愛犬のビーグルと暮らしています。コロナ期間中に肥満体型になってしまった愛犬のために食事や運動について勉強をはじめました。面白い発見や愛犬家の皆様に役立つ情報があればどんどん発信していきます!
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