【獣医師監修】犬の耳毛は処理したほうがいい?病気のリスクやお手入れ方法も解説

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犬の耳毛のお手入れ方法について疑問に思ったことはありませんか?耳毛をそのままにしていると、場合によっては外耳炎や中耳炎などの病気を引き起こすこともあります。

今回は耳毛のお手入れ方法や注意点、お手入れに便利な商品までご紹介します。

【獣医師監修】犬の耳毛は処理したほうがいい?病気のリスクやお手入れ方法も解説

目次

  1. 犬の耳毛の役割とは
  2. 耳毛が原因となる4つのトラブル
  3. 犬の耳毛のお手入れ方法について
  4. 耳毛をお手入れする際の注意点
  5. 犬の耳毛のお手入れに便利なアイテム
  6. 犬の耳毛をお手入れしてトラブルを防ごう

犬の耳毛の役割とは

犬 耳

特に意味はなく生えていると思われがちな犬の耳毛ですが、実は以下のような役割を果たしています。 

汚れやホコリの侵入防止

犬の耳毛には、汚れやホコリなどの異物の侵入を防ぐ役割があります。人間の鼻毛の役割にも似ていますね。

撥水

犬の耳毛には撥水機能があります。耳毛が多く生えているプードルやミニチュア・シュナウザーなどの犬種は、使役犬として水中に入ることが多かったために耳毛が多くなったと言われています。

耳毛が原因となる4つのトラブル

ミニチュアダックスフンド
Natalie Dupin Pexels

犬の耳毛が原因となって起こる可能性のあるトラブルとしては、以下の4つが挙げられます。

【1】外耳炎

外耳炎は、耳の穴に炎症が起きることを指します。犬の耳は、垂れ耳や多い耳毛、じめじめとした気候などにより耳の中が蒸れて不衛生となり、細菌が繁殖することで外耳炎になりやすいです。

主な症状は耳の痒み、腫れ、耳垢の増加、異臭などです。犬が耳を床にこすりつけたり前足で耳を嗅いたりしている場合は、外耳炎が疑われます。

【2】中耳炎

中耳炎は、耳の環境維持や聴覚の役割を果たす中耳の炎症です。外耳炎の悪化により中耳炎になることが多いので、外耳炎を繰り返している犬の場合は注意が必要です。また、間違った耳のお手入れ方法が中耳炎につながることもあります。

外耳炎と同様の症状のほか、耳を痛がる仕草として現れることも多いです。

【3】内耳炎

耳の一番奥にある内耳は、平衡感覚を保ち音波を伝達しています。内耳炎の原因として最も多いのは外耳炎や中耳炎の悪化です。

症状としては、めまいやふらつき、斜頸、一方向に回る旋回、歩行困難などです。外耳炎・中耳炎の悪化による内耳炎では、それぞれの症状が同時に見られることもあります。

【4】耳血腫

耳血種は、耳介の皮内に血液が貯留することです。犬が外耳炎を痒がって頭を振ったり耳を掻いたりすることで起こりやすいです。また、血管内膜が炎症を起こし破損することも原因といわれています。

症状としては、耳の腫れ、血腫の重さにより耳が垂れる、耳をかくなどがあります。

犬の耳毛のお手入れ方法について

犬 トリミングサロン

犬の耳毛のお手入れ方法をまとめていますので参考にしてください。 

耳掃除シートで汚れを拭き取る

油分の多い耳垢が耳毛にからまっている場合は、耳掃除シートで耳介の汚れと一緒に優しく取り除きましょう。

乾いた素材で拭くと耳を傷つけることがありますので、脱脂綿やガーゼを使う際はぬるま湯で湿らせます。このとき、耳の中に水分が残らないように注意してください。

耳毛をカットするまたは耳毛抜きをする

犬の耳毛は、ハサミなどを使って短くカットしましょう。安全を考慮した構造になっているものを使うと安心です。

また、鉗子を使って耳毛を抜くお手入れ方法(耳毛抜き)もあります。鉗子を耳毛に対して横ではなく縦に挟むと抜きやすいです。動かないようにしっかり押さえて行う、一度に多くの毛を抜かない、皮膚を挟まないなど注意が必要です。

耳毛のカットや耳毛抜きは、家庭では犬が動いてしまったりハサミで耳を傷つけて危険な可能性が高いため、活発な子の場合は無理をせずトリミングサロンや動物病院でお願いするようにしましょう。

耳毛をお手入れする際の注意点

犬 耳 お手入れ

犬の耳掃除や耳毛の処理は耳の中の環境を整えるために大切ですが、その際に注意して欲しいことがいくつかあります。

犬の耳毛を自分で抜くときは注意して行う

間違った耳毛の抜き方は、犬に痛い思いをさせてしまったり、外耳炎を引き起こしたりする可能性があります。そのため自信のない方が、犬の耳毛抜きを鉗子やピンセットで行うのはおすすめできません。無理をせず、動物病院やトリミングなど専門家に依頼しましょう。

綿棒を使用しない

綿棒による耳掃除は、耳を傷つけてしまうことがあります。また耳垢を奥に押し込んでしまう、綿が耳の中に残ってしまうといった可能性もありますので、綿棒の使用はやめましょう。

犬の耳毛のお手入れに便利なアイテム

犬 トリミングサロン

犬の耳毛を自分でお手入れするときに便利な商品をご紹介します。

【1】LEDライト搭載で見えやすい!ペット用バリカン

LEDライトが搭載されており細かい部分の確認をしながら犬の耳毛をカットできます。静音設計なので犬が怖がる心配が少なく、刃先が丸くなっていて耳を傷つける心配がありません。 皮膚がデリケートな子の場合、赤みなどを見ながら注意深く使用してあげてください。

  • 商品名:LONGMADA/ペット用バリカン
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【2】耳を傷つけない設計で安心!ペット用耳毛切りハサミ

こちらはペット業界で初めて耳毛をカットするために考えられた専用ハサミです。先が曲がっていて耳を傷つけないような安全設計になっているので、耳毛をカットしやすいです。

  • 商品名:ケイプロペット/ペット用 耳毛切りハサミ
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【3】精巧な作りで犬の耳毛をしっかり挟むペット用鉗子

先がぴったりかみ合い、耳毛をしっかり挟んでくれる鉗子タイプのピンセットです。ハサミだけでは処理できない、細かい部分をお手入れする際に役に立ちます。詳細な説明書がついているので安心ですね。

  • 商品名:LICEL/ステンレス・トリマーピンセット
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【4】抗菌・消臭効果◎銀イオン配合のペット用ウェットティッシュ

抗菌・消臭に効果がある銀イオンを配合したウェットティッシュです。害のない成分だけを使用しているため、口や足を拭くときにも使えます。こちらは無香料なので匂いに敏感な犬でも使用できますよ。

  • 商品名:アイリスオーヤマ/ウェットティッシュ ペット用
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【5】特殊シートで汚れをかき取る耳掃除シート

こちらの耳掃除シートは、溝のある特殊なシートでできていて汚れをしっかりとかき取れます。天然由来成分が配合されており、アルコールやパラベン不使用なので安心して使用可能です。爽やかなシトラスの香りが特徴です。

  • 商品名:スーパーキャット(Super Cat)/らくらく耳そうじシート プレミアム
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犬の耳毛をお手入れしてトラブルを防ごう

ダックスフンド

犬の耳は蒸れやすく、そのままにしてしまうと外耳炎、さらには中耳炎や内耳炎などを引き起こす可能性があります。蒸れを予防するためには、耳毛のお手入れが大切になってきます。犬がトラブルなく健康でいられるように、日頃から耳毛の手入れをしてあげてくださいね。

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choco

この記事のライター

choco

シェルティとの生活に憧れる社会人です。みなさんの愛犬との暮らしがより豊かになるような情報を発信できたら、と思っています!

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