犬の下痢の症状と危険度!原因・治療法・病院へ行く基準も解説
下痢は便の水分量が増え、液状になってしまう症状です。
下痢はさまざまな原因で起こりますが、愛犬の便がいつもと違っていたら心配になってしまいますよね。
今回は犬の下痢と危険度について解説します。
下痢を起こす原因や治療法、病院へ行く基準についても紹介しますので、ぜひご覧ください。
目次
犬の下痢の症状と危険度
下痢は症状の軽いものから重いものまでさまざまです。
以下の2つのパターンに分けて症状を紹介します。
- すぐに病院へ行った方がいい症状
- 2~3日様子を見てもいい症状
すぐに病院へ行った方がよい症状
すぐに病院へ行った方がよい症状としては、以下のものがあります。
- 水様便(水のような下痢)を繰り返す
- 嘔吐がある
- 血が混ざった便をする
- 便の色が黒い
- 食欲・元気がない
- 3日以上下痢が続いている
上記に当てはまる症状の場合、すぐに病院へ連れて行きましょう。
多くの場合は病院で直接便を採取して検査を行いますが、腸の中に便が残っていなかった場合十分な検査ができないこともあります。
便を持っていったり、色や状態を確認してもらうためにスマホで写真を撮ったりすると、診断の材料となるでしょう。
また、下痢を起こした犬の年齢も大切です。
体力のない子犬やシニア犬が下痢を起こした場合、軽くても脱水症状を起こしている場合があります。
子犬やシニア犬の場合、下痢になったら念のため診察を受けましょう。
2〜3日様子を見てもいい症状
様子を見てもいい症状としては、以下のものがあります。
- 下痢の頻度が通常と変わらない
- 血が混ざっていない
- 嘔吐や食欲不振などの症状がない
下痢は食べ過ぎや環境の変化など一時的な原因で起こる場合もあります。
便の回数が普段と変わらない場合や血が混ざっていないなど、下痢以外の症状がなければ様子を見てもいいでしょう。
ただし2~3日程度安静にしても改善が見られない場合は動物病院で診察を受け、治療を行うようにしてください。
犬が下痢になる原因
犬が下痢になる原因としては以下のものがあります。
- 食事
- ストレス
- 誤飲・誤食
- ウイルス
- 細菌
- 寄生虫
- 病気
順番に紹介します。
原因①:食事
下痢の原因としてフードが考えられます。
- フードを替えた
- 食べ過ぎた
- 傷んでいるフードを口にした
食事が原因の下痢は多いです。
フードを変えたときに下痢を起こす場合は、新しいフードに身体が慣れていないことが考えられます。
フードを変えたときに下痢を起こしてしまう場合、元のフードと新しいフードを混ぜ、時間をかけて切り替えましょう。
また食べ過ぎや傷んでいるフードを食べた場合も、下痢を起こす場合があります。
食べ過ぎてしまう犬に対しては食事回数を細かく分けたり、食事をゆっくり取れるよう突起のついた食器を利用したりするとよいでしょう。
傷んでいるフードはにおいがきつくなり、脂もベタベタとしています。
フードの品質を保つには、開封後しっかりと密閉保存をし、ドライフードの場合は常温の直射日光が当たらないところを避けて保存しましょう。
一度開けたフードは1カ月を目安に食べきるようにしてください。
原因②:ストレス
ストレスが引き金で腸が刺激され、下痢になってしまう場合があります。
- 引っ越し
- 旅行
- 家族の増減
- 工事や雷雨などの騒音
- 季節の変わり目
上記のように、犬にとってストレスとなる原因は数多くあります。
原因が明らかな場合は取り除いてあげられるように工夫をしていきましょう。
原因③:誤飲・誤食
誤飲や誤食をした場合でも、下痢を引き起こします。
- 呼吸が荒い
- 異常な咳をする
- 激しい嘔吐がある
- ぐったりしている
- 落ち着かず震える
- よだれを出す
下痢と併せて上記の症状が出ている場合、異物や犬にとって害のあるものを飲み込んでしまった可能性があります。
特に激しい嘔吐の場合は食道や胃、腸など、消化器官が閉塞を起こしている危険も考えられるため、すぐに病院へ連れて行きましょう。
原因④:ウィルス
ウィルスが原因となる下痢もあります。
- 犬パルボウィルス
- ジステンパーウィルス
- 犬コロナウィルス
上記のなかでも最も危険性の高いウィルスは、犬パルボウィルスです。
パルボウィルスは体内に入ると消化管に炎症を起こし、下痢をはじめ嘔吐や元気消失などの症状を引き起こします。
体力の少ない子犬がかかると命にかかわる場合も十分に考えられる恐ろしい感染症です。
予防法でも紹介していますが、ウィルスはワクチンで防げるものもあるため適切な時期に接種しましょう。
原因⑤:細菌
下痢を起こす原因となる細菌には以下のものがあります。
- 大腸菌
- サルモネラ菌
- カンピロバクター
- ウエルシュ菌
細菌は健康な犬の腸にも存在していますが、一旦バランスを崩してしまうと腸の中で増え、下痢を引き起こしてしまいます。
不衛生な環境や細菌に汚染された状態のフードを食べてしまわないように気をつけましょう。
原因⑥:寄生虫
寄生虫が原因で下痢を引き起こす場合もあります。
- 回虫
- 条虫
- 鞭虫
- ジアルジア
- コクシジウム
回虫や条虫、鞭虫などは目に見える大きさで便に混ざって出てくるため、驚かれる飼い主さんも多いことでしょう。
しかし、目に見える寄生虫に関しては早く発見できるので、駆虫もその分早く行えます。
ジアルジアやコクシジウムなどの原虫は目には見えないため、多くは下痢を起こした際の糞便検査によって発見されます。
下痢がなかなか治らない場合は細菌や寄生虫の可能性も視野に入れ、動物病院へ行きましょう。
原因⑦:病気
ほかにも下痢を引き起こす原因としてさまざまな病気があります。
- 慢性腸炎
- 胃炎
- 膵炎
- 腫瘍
- ホルモン疾患など
病気が原因の下痢は、ほかの症状を伴っている場合が多くあります。
食欲不振や嘔吐、元気消失などほかに症状が出ていないか観察し、獣医師に伝えましょう。
下痢をしやすい犬種
下痢を起こしやすい犬を挙げるとすれば、以下の犬種です。
- 柴犬
- フレンチブルドッグ
- ダックスフンド
- ビーグル
- コーギー
- ゴールデンレトリバー
上記以外にもすべての犬に下痢の可能性はあるため一概にはいえませんが、生まれつき消化器官が弱い犬種、ストレスを感じやすい犬種、アレルギーを引き起こしやすい犬種は下痢をしやすいと考えておきましょう。
下痢になりやすい季節
下痢を起こしやすい季節は、季節の変わり目です。
特に夏から秋は下痢だけでなく、体調面でも多くの変化が見られるので過ごし方には注意しましょう。
夏から秋への変わり目に下痢になりやすい原因として考えられるのは、疲れです。
暑さや運動不足、エアコンの使いすぎから体力や免疫力が落ちると、ウィルスや細菌に抵抗できなくなってしまいます。
さらに秋になり涼しくなると急に食欲が増すため暴飲暴食や過食を起こしやすくなり、結果的に下痢になってしまうことも考えられるでしょう。
近年は夏から秋にかけては朝晩の気温差が激しいことから、身体がついていかず注意が必要となります。
季節の変わり目は特に愛犬の体調の変化に敏感になり、よく観察しておくことが大切です。
愛犬が下痢になったときの家での生活・対処法
愛犬が下痢になったときの生活や対処法としてはどういったものがあるのでしょうか。
- 食事
- 散歩
- お風呂やケア
順番に解説します。
食事
下痢が軽い症状で様子が見れると判断すれば、食事の量を減らして腸への負担を減らしましょう。
フードは普段よりやわらかいものを与えると刺激が少なくなるため、いつも使っているドライフードをふやかすか、下痢に対する療法食を処方してもらってもいいでしょう。
ウェットフードもやわらかく、食べながら水分補給ができるためおすすめです。
さつまいもやじゃがいもなどの食物繊維の多い食べ物を少量トッピングしてもいいですが、普段ドッグフード以外与えていない犬の場合、食べ慣れないトッピングによってまたお腹を壊してしまう可能性もあります。
下痢で動物病院にかかっている場合は獣医師に確認し、食事を指示してもらうと安心です。
散歩
下痢が続いている際は散歩を控えるか、行くとしても普段より軽めにしておきましょう。
下痢をしているのに散歩を行うと、体調の悪さからストレスを感じかねません。
下痢中の便を取るのも大変です。
散歩でしか排便しない犬は庭や家の前だけなど短時間で済ませ、身体に負担をかけないようにしてください。
お風呂やケア
下痢を起こしている最中や治療中は、お風呂やケアも避けるのが無難です。
お風呂は短い時間でも犬の身体に負担がかかってしまうため、ストレスでさらに下痢を悪化させる危険があります。
トリミングサロンを予約していた場合は、残念ですがキャンセルをしましょう。
もし便で身体が汚れてしまった場合、汚れた部分だけ拭き取ったり軽く流したりして身体を清潔に保ってください。
犬が下痢になったときの病院での治療法
下痢になった際の病院での治療法は、以下のものがあります。
- 問診
- 糞便検査
- 原因による治療
- 点滴や注射
- 飲み薬や療法食の処方
動物病院の治療としてはまず、いつから下痢が始まったのか、下痢のほかに症状はないかの問診を行います。
飼い主さんはすぐに答えられるよう情報を整理しておきましょう。
問診の後は糞便検査を行い、必要であれば原因に対する治療を行います。
治療は病院によって違いがありますが、脱水が見られれば水分補給を改善するための点滴や注射を行い、飲み薬や療法食が処方されるでしょう。
診察が終われば安静に過ごすことも大切です。
犬の下痢を予防する方法
最後に犬の下痢を予防する方法としては以下のものがあります。
- 愛犬に合った食事管理
- ワクチンの接種
- 拾い食いや誤飲・誤食に対するしつけ
それぞれを解説します。
愛犬にあった食事管理を行う
心配のない下痢を頻繁に繰り返す場合、フードが合っていないことが考えられます。
- 愛犬に合ったフードを与える
- 食べ慣れないものは食べない
上記を徹底した食事管理を行いましょう。
またフードを切り替える際は、元のフードと新しいフードを混ぜて与えるようにしてください。
最初は元のフードの比率を9割、新しいフードの比率を1割とし、1週間から10日程度かけて切り替えましょう。
徐々に新しいフードの比率を増やして身体を慣らしていくことで、下痢を防げます。
ワクチンを摂取する
下痢となるウィルスはワクチンで防げるものも多いため、定期的なワクチン接種を行いましょう。
特に上記で挙げた犬パルボウィルスやジステンパー、コロナウィルスなどは6種のワクチンで予防できます。
初年度は2~3回のワクチン接種が必要となりますが、その後は年に1度の接種で済みます。
健康診断と同時に毎年接種するといいでしょう。
拾い食いや誤飲・誤食をしないようしつける
拾い食いや誤飲・誤食をしないように、しつけることも予防として大切です。
しつけを行うことで下痢を起こす可能性は低くなり、異物による消化管閉塞なども防げます。
拾い食いや誤飲・誤食を防ぐには「チョウダイ」「マテ」の徹底が大切です。
しつけには根気が必要ですが、気長に行っていきましょう。
まとめ
今回は犬の下痢について危険度別の症状や原因、治療法、予防法などを紹介しました。
たかが下痢と捉えられがちですが原因はさまざまで、特にウィルスや誤飲・誤食、病気によっては命にかかわるものもあります。
病院に行く判断をしたら適切な治療を受け、家での過ごし方も控えめに、ストレスをかけないようにしていきましょう。
日頃から予防やしつけを実践し、下痢にならない環境作りも大切です。
この記事のライター
nana
泳ぎも走りも得意な運動神経抜群のゴールデンレトリバーと暮らしています!今は愛犬とタンデムサーフィンの練習中。いつまでもアクティブに楽しく過ごせるような情報を発信していきます。