犬が咳をする原因と治療法について

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愛犬が咳をしているのを聞いたことはありますか?犬は人ほど頻繁に咳をすることはありませんが、喉に刺激があったときなどに「カハッ」「カッ」「ケホッ」というような咳をすることがあります。飼い主さんは「吐こうとしている」「喉に何か詰まっている」と感じるかもしれませんが、病気が隠れている可能性もあります。今回は、犬が咳をする原因や治療法についてご紹介します。

犬が咳をする原因と治療法について

目次

  1. 犬が咳をする場合に考えられる原因
  2. 「カハッ」という咳をする際に考えられる病気
  3. 犬が咳をしているときの治療法
  4. 異変を感じたらすぐに動物病院へ

犬が咳をする場合に考えられる原因

犬
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犬の咳をするときに考えられる原因にはどのようなものがあるのでしょうか。

誤飲

遊んでいるときに、誤っておもちゃやクッションの綿を喉に詰まらせると、苦しそうに咳をしたり、えづいたり、呼吸困難に陥る危険性があります。このような場合は緊急を要するので、早急に動物病院に相談しましょう。

病気

咳が続くような場合は、何らかの病気の可能性も考えられます。動物病院で病気を特定するには、普段の咳の様子を獣医師に正確に伝えることが重要になるので、どのようなタイミングで、どのような咳が出るのかを伝えられるよう、咳の様子を動画で撮影して持参できるとなお良いでしょう。

生理現象

食事中や飲水時、ほこりを吸い込んだときに出る咳は、身体の防御反応による生理現象なので心配はいりません。これらの咳は一過性で、通常すぐにおさまります。

ただし、いつも同じタイミングで咳が出る場合には何かを見直す必要があるかもしれません。フードを早食いして咳をしている場合は少量ずつ与えたり、早食い防止用の食器に変えた方が良いでしょう。水を飲ませる容器も、犬に合っていないと誤飲しやすい場合があります。

「カハッ」という咳をする際に考えられる病気

犬
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犬のカハッという咳には、様々な原因が考えられます。咳が出る病気の一例をご紹介します。

心臓病

ペットの高齢化により「僧帽弁閉鎖不全(そうぼうべんへいさふぜん)」や「拡張型心筋症(かくちょうがたしんきんしょう)」などの心臓病を患う子が増えています。心臓病になった子の飼い主さんが初めに気付く症状が「ケホッ」「カハッ」といった咳です。散歩に行きたがらなくなる、疲れやすくなるなどといった変化も起こり、悪化すると肺に水が溜まり肺水腫を起こしたり、更には失神してしまうこともあります。

また、心臓に虫が寄生する「フィラリア症」が原因で咳が出ることもあります。

気管虚脱

呼吸の際に何らかの原因により気管が変形して潰れ、スムーズに呼吸できなくなり咳が出たり、異常な呼吸音を発したり、重症な例では呼吸困難になりチアノーゼを起こします。小型犬、特に高齢犬に多く見られる病気です。

ケンネルコフ

ケンネルコフとは、犬の伝染性の呼吸器疾患の総称です。子犬に多く見られ、家に迎えたばかりの子犬が咳をしていたらこの病気の疑いがあります。咳以外にも、発熱や元気消失、食欲不振、呼吸困難などの症状が見られます。

犬が咳をしているときの治療法

薬
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咳の治療法は、咳止めの薬を使用するだけでなく、咳の原因に対する病気に合った治療が必要です。ケンネルコフなどの子犬によく見られる感染症は、様子を見ていると急激に容態が悪化してしまうので、早急に動物病院を受診しましょう。治療法には抗生物質の投与、免疫を支持する薬の投与などがあります。

咳が出る病気には、完治が困難な病気もある

気管虚脱や心臓病など、完治が難しい病気に対しては、症状の緩和とコントロールが治療の目的になります。

気管虚脱では咳止めや気管支拡張剤、抗生物質などを投与し、重度の場合は気管を補強するための手術が行われることもあります。心臓病では利尿剤や強心剤、血管拡張剤などを投与します。

異変を感じたらすぐに動物病院へ

寝ている犬
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犬が咳をする病気の中には、予防できるものがたくさんあります。ワクチンの接種や予防薬の投与は、獣医師の指示通りに受けましょう。そして、咳やくしゃみなど気になる症状があれば、早めに動物病院を受診しましょう。

nao

この記事のライター

nao

「愛犬の気持ちを理解したい」「寄り添ったコミュニケーションを取りたい」という思いからドッグライターとして犬に関する知識を学び、発信しています。愛犬の笑顔を守るために、そして同じ思いを抱く飼い主さんのために、有益な情報を発信していけたらと思っています。

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