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【獣医師監修】病気が隠れている可能性も。犬がおしりを気にする原因と考えられる病気、対処法について解説

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犬が頻繁におしりの匂いを嗅いでいたり、舐めたり、痒がっていると、どこか具合が悪いのではないかと心配になってしまいますよね。 今回は、犬がおしりを気にしている場合の原因や考えられる病気、対処法について解説します。犬がしきりにおしりを気にしているときは、ぜひ参考にしてみてください。

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目次

  1. 犬がおしりを気にするときに考えられる原因
  2. こんな症状が併発している場合は病気の可能性も
  3. おしりを気にする行動が見られた場合の対処法とは
  4. 日頃から愛犬の様子を観察して早めに対処しましょう

犬がおしりを気にするときに考えられる原因

犬 お尻

飼い主さんが適切な対処を行うためには、まず「愛犬がなぜおしりを気にしているのか」を知ることが重要です。ここでは、犬がおしりを気にするときに考えられる3つの原因を紹介します。

考えられる原因1.皮膚トラブル

人間がカミソリ負けをして皮膚が荒れたりするように、犬もバリカン負けをしてしまいます。トリミングの際にバリカンを強く当てすぎた場合や、元々皮膚が繊細な子の場合、施術後に皮膚の炎症が起きることがあります。このようなバリカン負けによって、おしりがヒリヒリして頻繁に舐めたり気にする仕草をすることがあります。

考えられる原因2.肛門嚢(こうもんのう)の病気

犬の肛門嚢が炎症を起こしたり細菌感染を起こすと肛門嚢炎になることがあります。肛門嚢炎を放置すると、破裂してしまうこともあるので注意が必要です。犬は肛門嚢に違和感を感じて、お尻を気にすることがあります。

考えられる原因3.セルフグルーミング

犬には、セルフグルーミングと呼ばれるお手入れの習慣があります。

これは、自分のおしりについた排泄時の汚れをこすりつけたり舐めたりして、きれいにしようとする自然の行為です。なお、ほかの犬のおしりを気にして匂いを嗅ぐのは、犬同士の挨拶なので、あまり気にしなくても大丈夫な行為です。

こんな症状が併発している場合は病気の可能性も

犬 具合悪い

犬がおしりを気にしている際に次のような症状を併発している場合は、病気の可能性があるので注意が必要です。

1.しっぽを追いかけてくるくる回る

犬がおしりを気にしてしっぽを追いかけてくるくる回っている場合は、「肛門嚢炎」の可能性が考えられます。

肛門嚢炎

肛門嚢炎は、肛門腺に分泌液がたまり過ぎた結果、炎症を起こした状態です。

特にトイプードルやチワワなどの小型犬の場合、便とともに分泌液を出すことが苦手な子が多いので、肛門嚢炎を発症しやすい傾向があります。これは、小型犬に比べて大型犬の方が便が大きいので、分泌液を排出しやすいという理由があります。

また、小型犬は生まれつき大型犬や中型犬に比べて肛門周りの筋肉が弱く、本来自然に排出される分泌液を自分で押し出すことが難しいためです。

2.食欲低下、軟便、下痢

お散歩やアウトドアが好きな子の場合、おしりを気にする以外に、食欲低下や軟便、下痢の症状があるとき、原因のひとつとしては「寄生虫の感染」のケースが考えられます。

また、寄生虫以外にも、ウイルスや細菌感染、内臓疾患、ストレスなどさまざまな理由で消化器症状を起こすことがあります。

寄生虫の感染

犬に感染する寄生虫の中でも、瓜実条虫(うりざねじょうちゅう)に感染すると、犬の肛門のまわりに寄生虫の一部が付着するため、しきりにおしりを気にすることがあります。

また、食欲低下や軟便、下痢などの症状が伴います。瓜実条虫症は、犬がグルーミングする際に瓜実条虫の幼虫が潜んでいるノミの成虫を取り込んでしまうことで感染することがあります。まずは媒介の役目を果たすノミの寄生を防ぐために、定期的にノミ・ダニ駆除薬を用いるのもひとつの方法です。

3.おしりを壁や床にこすりつける

犬がおしりに違和感を感じ、壁や床にこすりつけたりしている場合は「会陰(えいん)ヘルニア」に注意が必要です。

会陰(えいん)ヘルニア

犬の会陰ヘルニアは、肛門の周囲の会陰部から骨盤内の臓器が飛び出してしまう病気です。会陰ヘルニアは会陰部の筋力低下が原因とされており、直腸がヘルニア孔から飛び出している場合は便秘や排便障害が起こります。また、膀胱が飛び出している場合は排尿障害が起こります。後ろから見たときに、お尻の形がいびつになっていて、飼い主さんが気付くケースもあります。

おしりを気にする行動が見られた場合の対処法とは

犬 お尻

ここでは、犬がおしりを気にする行動が見られた場合に有用な対処法を、2つご紹介します。

1.定期的に肛門腺絞りを行う

肛門の両脇にひとつずつある肛門腺から出る分泌物は、肛門嚢という小さな袋にたまります。「肛門腺絞り」は犬の肛門嚢にたまった分泌物を外に出すお手入れのことを言います。

特に小型犬は、便と一緒に肛門嚢の分泌物が出にくいため、最低でも月に1度は肛門腺絞りをして分泌物を外に出してあげる必要があります。それでもたまりすぎてしまう子もいるので、その場合は2〜3週間に1度のペースで絞っていく必要があります。

肛門腺の絞り方は、犬のしっぽを持ち上げて肛門が見える状態にして、ティッシュで抑えながら奥の方から分泌液を押し出すように絞り出します。分泌物を絞った後はティッシュなどでおしりをふきとってあげてください。

細菌感染による肛門嚢炎などの炎症を予防するためにも、定期的な肛門腺絞りで犬のおしりを清潔に保ってあげましょう。なお、自分で肛門腺絞りを行うのが難しい場合やうまく絞れているか自信が持てない場合は、トリミングサロンや動物病院に行った際に頼みましょう。

対処法2.おしりの違和感が強い場合は動物病院へ

犬が肛門腺絞りを嫌がったり、肛門付近の痛みや違和感が強そうであれば、以下の点を確認してみてください。以下のような異常が見つかった場合は動物病院で速やかに診察を受けましょう。

チェック項目

  • 肛門嚢から血液や膿のような液体が出ていないか
  • 肛門周囲の皮膚が破れていないか
  • 便に異物が混じっていないか

日頃から愛犬の様子を観察して早めに対処しましょう

犬

「犬がおしりを気にしている」といった何気ない仕草にも、実は病気が隠れている可能性があります。犬のお尻の変化は気付きにくいこともあるため、犬がしきりにおしりを気にする様子が見られたときは肛門周りをよくチェックし、異常がないか見てあげてください。また、対策をとっても変化がないようであれば、早めに動物病院を受診しましょう。

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choco

この記事のライター

choco

シェルティとの生活に憧れる社会人です。みなさんの愛犬との暮らしがより豊かになるような情報を発信できたら、と思っています!

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