犬が震えて元気がない?理由と知っておきたい原因、対策
寒い時や何かを怖がっている時に、犬が震えているのを見たことがある方も多いのではないでしょうか?例えば、動物病院の玄関で震える、爪切りを見ると震える、暖かい家からお散歩に出ると震えるなど、私たち人間と同じように、犬はさまざまなシーンで震える時があります。しかし、気にしたいのは、そんな精神的な震えとは別に、病気によって震えている時。震えていると同時に元気がない、嘔吐する、呼吸が粗いなどの症状がある場合は注意が必要です。今回は、犬が震えている時の原因と対策についてご紹介します。
目次
犬が震えて元気がない原因は大きく分けて2つ
犬の震えは、大きく分けると精神的な要因と病気による要因の二つがあります。まずは、あまり心配がいらない震えと心配したい震えの2種類の違いを知っておきましょう。
あまり心配がいらない生理的な震えとは
犬は私たち人間と同じように感情を持つ動物です。私たち人間は寒くてブルッと震えたり、恐ろしくてガタガタ震えるなどの心理的・精神的要因によって震えることがあります。犬もそれと同じように寒い時や恐いことに遭遇した時、興奮しているときなどに震えることがあります。また、震えたことで飼い主に構ってもらった経験から、震えることでいいことがあると学習してしまった場合も同様の行動が見られることがあります。
この生理的な震えは原因がはっきりわかっているので、寒がっているようなら洋服を着せる、怖がっている時には震えの原因を取り除くなどすることで対処できます。興奮の場合は気持ちが落ち着けば普段通りになるでしょう。経験則による場合は、無視をしたり気がつかないふりをして、震えるという行動の弱化を図りましょう。
また、精神的な原因とは別に、加齢によって筋力が衰えてくるとお散歩中に足が震えることがあります。
心配したい震えとは
犬は、生理的な理由以外でも震えることがあります。特に心配したいのは、触ると痛がったり、嘔吐や下痢、突然全身を痙攣させるように震えるなどの症状が出るときです。
また、高熱が出たときや怪我による痛みがあるときも犬は震えることがあります。生理的な震えは意識的に震えていますが、意識とは関係なく勝手に体が震えている場合は何らかの病気を発症している可能性があります。
犬が震えて元気がない時に飼い主がとるべき行動
犬はさまざまな理由から震えを起こします。もし、犬が震えていたら、まず震え以外に併発している症状はあるか、なぜ震えているのか、どのような状況で震えるかを細かく観察することが大切です。
生理的な震えの場合は
寒くて震えている場合は、室温の管理や洋服を着せる等の対策をとりましょう。子犬やシニア犬は体温調節が苦手なので、特に気にかけてあげてください。トイプードルやチワワなどの小型犬も寒さに弱いです。また、加齢による筋力の低下や、怖いことや嫌なことと対面した時のストレスから震えている時は、原因を取り除くようにしてあげてください。このような震えは、急いで病院へ連れていく必要はありません。
病気を疑う震えの場合は
犬が震えている時に疑われる病気の原因として考えられることは、大きく分けて3つあります。てんかん、水頭症、脳腫瘍などの脳の病気、中毒や低血糖症に代表される血液バランスが崩れている病気、ヘルニアに代表される手足など体の一部が震える神経の病気です。どの場合の震えも、早急に動物病院へ連れていく必要があります。
震えと同時に併発している症状がないか確認しよう
犬がもし生理的な理由と関係なく震えているのであれば、他の症状を併発している可能性があります。ここでは、震えと同時に併発している症状別に考えられる病気をご紹介します。
大量のよだれが出る、眼振がある
震えと同時に、痙攣したりよだれ、失禁する場合は、脳の病気を疑います。このような症状が出た時に、多く見られるのがてんかん発作です。てんかん発作は、症状が出て一定の時間が経つと何事もなかったかのように元の状態に戻ることが特徴です。このてんかん発作は、脳腫瘍を発症していることが多いため注意が必要です。
このほかに、体の一部が規則的に震える「小さな白い犬症状群(ホワイトドッグ・シェイカーシンドローム)」や、甲状腺機能の以上、先天性で小脳が萎縮する病気など、重篤な病気が隠れている場合もあります。
嘔吐・下痢を伴う
犬が震えると同時に嘔吐したり下痢をする場合は、中毒を疑います。玉ねぎなどの他に、保冷剤や農薬など犬が食べてはいけないものを食べたことで中毒症状を起こしている時に見られるのが嘔吐の症状です。健康だった犬が突然震えはじめ、嘔吐、下痢などの症状が出たら中毒を疑いましょう。
また、膵炎などの内臓の病気を発症している場合にも、震え以外に嘔吐を伴うことがあります。さらに気をつけたいのは、震え症状のほかに吐きそうな素振りを見せながらも吐けない時です。この場合は、胃拡張・胃捻転の可能性があるため、緊急に動物病院へ連れていく必要があります。
触ると痛がる
犬は、強い痛みがある時に震えることがあります。椎間板ヘルニアや関節に炎症がある場合、震えると同時に体に触ると「キャン」と鳴いたり、抱っこされるのを嫌がることがあります。特に、関節の悪い犬やシニアの場合は、注意が必要です。
呼吸が荒く、元気がない
震えると同時に、ハァハァと暑そうに口を開けて呼吸している時は、耳たぶを触ってみてください。耳たぶがいつもより暑い場合は発熱していることがあります。熱が高い時にも犬は震えることがあります。特に、元気な犬が急に食欲がなくなったり、ぐったりとしている場合は、感染症や炎症性疾患を発症している可能性があります。また、熱中症の場合も同じような症状がでます。熱中症は、短時間で命に関わる病気なので、すぐに動物病院へ連れていくことが重要です。
愛犬が震えて元気がない時の対処法
なぜ震えているのか、犬の震えの原因は、素人では判断がつかない難しさがあります。犬が震え始めたら、まず動画を撮っておきましょう。また、獣医師に詳しく状況を伝えられるように、何時頃から何分間程度震えていたか、どのような状況で震え始めたか、どのように震えているのか、併発した症状はあるかなどメモをしておくと診察がスムーズに進みます。
もし、痙攣発作などの激しい震えが起きた場合は、舌を噛まないようにタオルなどを口に入れる、家具などにぶつからないように広い場所に移動するなどの対策が必要です。また、眼振がある場合は、嘔吐する可能性が高いため、嘔吐しても大丈夫なように対策を講じてください。なお、眼振がひどい場合は、ケージやクレートなどなるべく狭い場所に入れてあげた方が犬が落ち着くようです。
犬が震えた時は、慌てずに犬の状態を細かく観察しましょう
犬の震えは一見して何が原因か分からないことが多く、そんな場面に出くわしてしまうと動揺してしまうことが多いでしょう。寒さや恐怖、不安などの震えなら病院に行く必要はありませんが、病気を併発している可能性がある震えの場合は、一刻を争う時もあります。
まずは、落ち着いて愛犬の様子を観察し、どんな状態かを忘れないようにメモを取ることが先決です。最近ではスマホという便利な道具があるので、動画も手軽に撮影できるはず。一つでも多くの情報を獣医師に正確に説明出来るようにしておいてくださいね。
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この記事のライター
komugi
都内で愛犬のビーグルと暮らしています。コロナ期間中に肥満体型になってしまった愛犬のために食事や運動について勉強をはじめました。面白い発見や愛犬家の皆様に役立つ情報があればどんどん発信していきます!
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