banner

banner

【獣医師監修】犬の尿毒症は早期発見がカギ|知っておきたい症状や原因・予防法など

お気に入りに追加

犬の尿毒症は、腎不全により体内に毒素が蓄積されることで全身に様々な障害をもたらす、危険度の高い病気です。処置が遅れると取り返しがつかなくなってしまうこともあるので、早急に治療を受ける必要があります。この記事では、犬の尿毒症の原因や治療法、予防法などについてご紹介します。

【獣医師監修】犬の尿毒症は早期発見がカギ|知っておきたい症状や原因・予防法など
【実施中】Makuakeで<Petan編集部企画>抗菌防臭ペットベッド応援購入プロジェクトを開始しました!

あわせて読みたい

【実施中】Makuakeで<Petan編集部企画>抗菌防臭ペットベッド応援購入プロジェクトを開始しました!

目次

  1. 犬の尿毒症について
  2. 犬の尿毒症は何が原因?
  3. 尿毒症の治療法は?
  4. 尿毒症を予防する方法
  5. 尿毒症は早期発見・治療が重要

犬の尿毒症について

寝ている犬

腎臓には、血液中の老廃物を尿として排泄する機能や、体内の水分とミネラルのバランスを維持する重要な役割があります。腎臓が何らかの原因により障害を受け、機能が低下すると腎不全になり、体内に老廃物や毒素が蓄積してさまざまな症状が現れます。この状態を尿毒症と言います。

尿毒症の症状

食欲不振、嘔吐、下痢、口臭(アンモニア臭)などの症状を呈し、重度の場合では口腔内粘膜の壊死、胃腸障害のほか、痙攣(けいれん)、呼吸困難、意識の混濁などの神経症状が現れ死に至ることもあります。

他の犬や人間にうつる?

犬の尿毒症は、腎臓の機能が低下することによってさまざまな症状を引き起こす状態なので、ほかの犬や人間にうつる心配はありません。

犬の尿毒症は何が原因?

犬

犬の尿毒症は、主に腎不全の進行によって生じます。腎不全には大きく分けて急性腎不全と慢性腎不全があります。

原因1・急性腎不全

急性腎不全は中毒によって腎臓が障害を受けたり、尿管結石によって尿管閉塞を起こしたり、膀胱結石によって尿道閉塞を起こしたり、何らかの理由により腎臓まで十分な血液が届かない場合などに発症します。数時間~数日という短期間で急激に腎臓の機能が低下し症状が悪化しますが、一時的に低下した機能は、早期に適切な治療を行うことによって、回復できる可能性があります。逆に適切な治療ができずに放っておくと、死に至る可能性が高まってしまいます。

原因2・慢性腎不全

慢性腎不全は、数ヶ月から数年と長い時間をかけて少しずつ、腎臓の機能が低下していく病気です。初期段階ではほとんど症状を示さないことも多いですが、その後、飲水量が増え尿量が増加し、体重減少などの症状が見られます。

かかりやすい犬種や年齢

急性腎不全にかかりやすい犬種や年齢は特にありません。慢性腎不全を発症する平均年齢は、7歳ごろと言われています。加齢とともに増加する傾向にあるので、高齢期の犬は特に注意深く体調を観察する必要があります。

尿毒症の治療法は?

犬 薬

点滴や利尿剤の投与により循環を促進させ尿量を増やしたり、人工透析を行い老廃物の排出を促進します。尿毒症を引き起こしている原因疾患が判明していれば、その治療を行い、必要に応じて輸血療法や食餌療法を行います。

治療にかかる費用

治療費は動物病院によって異なり、尿毒症の原因や症状の程度によっても変わってきます。目安として、診察や血液検査、点滴などの治療を受けた場合で8千円くらいかかります。重度で入院管理が必要な場合には、10万円ほどかかることもあります。

尿毒症を予防する方法

犬 薬

尿毒症は腎不全によって引き起こされるので、急性腎不全や慢性腎不全の予防方法とほぼ同じになります。

急性腎不全は中毒や尿管閉塞、尿道閉塞などが原因になるので、チョコレートやブドウ、農薬など犬が摂取すると急性中毒を引き起こすものの誤飲には注意し、尿路結石の原因になるリンやマグネシウムなどのミネラル成分を多く含んだ食餌やおやつは控えましょう。

また、慢性腎不全は初期症状がわかりにくく、ほとんどの飼い主さんは気付くことが難しいと考えられます。7歳を過ぎたら、半年または1年に1度くらいのペースで定期的に血液検査、尿検査などの健康診断を受け、家で食欲低下や尿量の増加などの症状があれば、早期に病院を受診し対処することが大切です。

再発する可能性

腎臓の機能を低下させる原因を取り除けなかったり、腎機能が元に戻らない重度の腎不全の場合は、尿毒症を再発する可能性が高いでしょう。

尿毒症は早期発見・治療が重要

抱えられている犬

尿毒症は腎不全によって引き起こされる症状であるため、腎不全の早期発見・早期治療が大切になります。特に高齢期に入ると腎臓の病気にかかるリスクが高くなるので、症状が現れなくても定期的に動物病院で血液検査や尿検査を受けることをおすすめします。

こちらの記事もチェック

【獣医師監修】犬の耳だれに潜む病気とは。原因と対処法を解説します

あわせて読みたい

【獣医師監修】犬の耳だれに潜む病気とは。原因と対処法を解説します

愛犬の耳をチェックする習慣はありますか? ある日起きたら、愛犬の耳がベタベタしていた、という経験のある飼い主さんもいらっしゃるのではないでしょうか?もしかしたらそれは耳だれの症状かもしれません。耳だれとは、耳から液体が出てくることで、耳漏(じろう)とも言います。犬の耳だれは決して珍しい症状ではありませんが、病気が潜んでいる可能性もあるため、軽んじてはいけません。今回は、犬の耳だれの症状とそこに潜む病気について詳しくご紹介します。

【獣医師監修】犬が尿失禁をする場合に考えられる原因と疑われる病気

あわせて読みたい

【獣医師監修】犬が尿失禁をする場合に考えられる原因と疑われる病気

“愛犬が寝ているベッドが濡れている”、“歩くとポタポタと尿が垂れる”などの症状が見られる場合、それは尿失禁かもしれません。犬の尿失禁には、驚いた時に起こるような一過性で心配する必要がないものから、重大な病気によるものまで、さまざまな原因が考えられます。今回は、犬の尿失禁の原因とその対処法について詳しく解説します。

banner

choco

この記事のライター

choco

シェルティとの生活に憧れる社会人です。みなさんの愛犬との暮らしがより豊かになるような情報を発信できたら、と思っています!

【実施中】Makuakeで<Petan編集部企画>抗菌防臭ペットベッド応援購入プロジェクトを開始しました!

あわせて読みたい

【実施中】Makuakeで<Petan編集部企画>抗菌防臭ペットベッド応援購入プロジェクトを開始しました!

獣医師監修に関する記事

【獣医師監修】大型犬に多い股関節形成不全症について知っておこう|原因・症状・診断方法から治療方法まで

健康管理/病気

【獣医師監修】大型犬に多い股関節形成不全症について知っておこう|原因・症状・診断方法から治療方法まで

「股関節形成不全」という病気をご存じですか?大型犬が多く発症し、遺伝的な原因と環境的な原因があ...

2023年12月4日

【獣医師監修】犬の貧血について|免疫介在性溶血性貧血(IMHA)の症状・原因と治療法を解説します

健康管理/病気

【獣医師監修】犬の貧血について|免疫介在性溶血性貧血(IMHA)の症状・原因と治療法を解説します

人間と同じように、犬も貧血になることがあります。犬の貧血の原因はさまざまで、治療により回復する...

2023年11月29日

【獣医師監修】犬のしゃっくりの原因とは。自宅でできる対処法を紹介

健康管理/病気

【獣医師監修】犬のしゃっくりの原因とは。自宅でできる対処法を紹介

みなさんは愛犬がしゃっくりをしているのを聞いたことがありますか?私たち人間はなにかの拍子にしゃ...

2023年10月26日

【獣医師監修】犬の胃潰瘍について。初期症状は?発症の原因や治療法についても解説

健康管理/病気

【獣医師監修】犬の胃潰瘍について。初期症状は?発症の原因や治療法についても解説

犬も胃炎や胃潰瘍になることをご存知ですか? 人間の場合、胃潰瘍と聞くとヘリコバクター・ピロリ...

2023年10月20日

【獣医師監修】犬は子宮蓄膿症を発症しやすい?原因を知って予防に努めましょう

健康管理/病気

【獣医師監修】犬は子宮蓄膿症を発症しやすい?原因を知って予防に努めましょう

皆さんは「子宮蓄膿症」という病気をご存知でしょうか? 子宮蓄膿症は、避妊手術を受けていない中...

2023年10月16日

もっと見る

関連するキーワード

カテゴリー

人気記事ランキング

Petan独自調査

獣医師監修記事

おすすめ記事

人気のキーワード