オリーブオイルは犬にも嬉しい効果がある?栄養素や犬用レシピを紹介
オリーブオイルはさまざまな料理で活躍し、コレステロールを下げるなど「健康にいい食材」として注目されていますよね。栄養価の高いオリーブオイルは、犬にとっても健康にいい食材の1つです。しかし、与え方によっては体調を崩してしまうこともあるため、注意が必要になります。
今回は、オリーブオイルの主な栄養素から与える際の注意点、オリーブオイルを使ったレシピを紹介します。
目次
オリーブオイルは犬が食べても問題はない
オリーブオイルはオリーブの果実から抽出した油のことです。他の植物性オイルと比べて非常に酸化しにくく、加熱調理しても栄養素の損失が少ないのが特徴で、常温で固まりにくい性質を持っています。加熱せずにそのままの状態でも口にできるので、美容目的としても活用されています。
そんなオリーブオイルは、犬にとって中毒性のある成分が含まれていないため、少量であれば食べても問題ありません。
オリーブオイルの栄養素・成分
ここでは、犬にとっても体にいいとされるオリーブオイルの栄養素について紹介していきます。
オレイン酸
オリーブオイルの主成分であるオレイン酸はオメガ9系のオイルで、オリーブオイルが酸化しにくいと言われるのはこの成分のおかげです。オレイン酸には、血中のコレステロールを減らして、糖尿病やガンなどの生活習慣病を予防する働きがあります。不飽和脂肪酸の中でも酸化されにくい性質を持っているため免疫力アップが期待でき、また保湿効果もあるため皮膚や被毛の健康維持に役立ちます。
ビタミンE
若返りビタミンとも呼ばれ、美容でも注目されている成分のビタミンEには、ポリフェノール同様、抗酸化作用があります。活性酵素によるダメージから細胞膜を守り、免疫力向上のサポートや血行促進の働きがあります。そのため、皮膚の乾燥や被毛のパサつきや抜け毛などの改善に有用です。そのほか、血管の老化予防の効果も期待できます。
ポリフェノール
抗酸化作用の強いポリフェノールは、体にダメージを与える活性酵素などの有害物質を抑制する働きがあります。そのため、生活習慣病の予防や老化を防ぐ効果があるとされています。
オレオカンタールやオレウロペインなど、オリーブオイル独自のポリフェノールも含まれており、苦味や辛みを感じさせているのはこのポリフェノールに由来します。オレオカンタールは、人が摂取した場合においては、アルツハイマー病の発症リスクを軽減させることが分かっています。そのため、犬の認知機能の低下を防ぐ効果があるのではないかと期待されています。
オリーブオイルの適切な与え方
愛犬に与えるオリーブオイルの適量や、どのように与えればよいのかなどについて知っておきましょう。
与える量の目安
犬にオリーブオイルを与える際の適量は、体重5kgの小型犬で小さじ1杯程度とされています。オリーブオイルに豊富に含まれるオレイン酸には、便の滑りを良くする作用があることから、適切に与えることで便秘解消に役立ちます。
ただし、適量はあくまでも目安で個体差があるので、もし軟便になった場合は量を減らす、便秘改善の効果があまり見られない場合は様子を見ながら増やしてみるなど、便の状態をチェックしながら量を調節しましょう。
与え方の一例
栄養価が高く酸化しにくいオリーブオイルですが、そのまま愛犬に与えると苦味や辛みを感じとって食べない可能性もあります。そのため、愛犬がいつも食べているドライフードに、オリーブオイルをかけて与えるのがおすすめです。
特に、一時的に被毛や皮膚、便秘の改善のためにオリーブオイルを与える場合、毎回オリーブオイルを使って手作りごはんを用意するのは大変なので、ドライフードにごく少量かけて食べさせるのが最も手軽です。
また、オリーブオイルは加熱しても栄養素の損失が少ないことから、愛犬のごはんを手作りしている場合は、食材を炒めるのにオリーブオイルを使うのもよいでしょう。
犬にオリーブオイルを与える際に気をつけること
ここでは、犬にオリーブオイルを与える際の注意点について見ていきます。
与えるならエクストラバージンオリーブオイルがおすすめ
犬にオリーブオイルを与えるのであれば、エクストラバージンオリーブオイルがおすすめです。
オリーブオイルには、オリーブの実を絞って濾過しただけのエクストラバージンオリーブオイルと、絞ったオイルを精製して調理に使いやすいように無味無臭の状態にし、エクストラオリーブオイルもしくはバージンオローブオイルをブレンドしたピュアオリーブオイルがあります。
どちらも犬に与えても問題ありません。しかし、ピュアオリーブオイルには、ポリフェノール類などの微量成分が含まれていない場合があり、また、香りや風味がエキストラバージンオリーブオイルと比べて劣ってしまうので、生で与えるのであれば、健康効果が期待できるポリフェノールが含まれたエクストラバージンオリーブオイルを選ぶとよいでしょう。後述する愛犬のお手入れとして活用するのであればピュアオリーブオイルの使用がおすすめです。
アレルギーに注意する
アレルギーを起こしやすい食材は牛肉や豚肉、卵、牛乳、小麦などが多く、オリーブオイルは、犬のアレルギーの原因としては少ないですが、アレルギーをまったく起こさない食べ物は存在しません。そのためオリーブオイルに体が反応してアレルギー症状が出る可能性はあります。オリーブオイルを摂取した後に下痢や嘔吐、皮膚のかゆみや赤みなどのアレルギー症状が現れたら、獣医師の診察を受けましょう。
与えすぎない
栄養価が高く犬の体にもいいオリーブオイルですが、与えすぎには注意が必要です。便秘解消に役立つ一方で、量を多く与えすぎてしまうと下痢になる可能性があります。
また、オリーブオイルの過剰摂取は、肥満にもつながります。人間と同じように、犬にとっても肥満は万病の元です。糖尿病や心臓病、関節疾患の引き金になるので、少量与える程度にとどめましょう。
オリーブオイルを使ったおすすめのレシピ
ここでは、オリーブオイルを使った簡単な犬用のレシピをご紹介します。
豆乳カルボナーラ
豆乳カルボナーラには、犬が好きな豚肉やチーズも入っているので、喜んで食べてくれることが期待できます。
材料
- 豚肉(愛犬が食べやすい大きさにカット、脂身の少ない部分):50g
- ほうれん草:適量
- パスタ:適量
- 無調整豆乳:適量
- 溶き卵:1/2個分
- オリーブオイル:大さじ1
- 粉チーズ:少々
作り方
- 塩を入れずにパスタとほうれん草を茹でる
- パスタを茹でている間に、オリーブオイルをひいたフライパンで豚肉を炒める
- 2に茹でたほうれん草と豆乳、粉チーズを入れて混ぜ合わせ、沸騰直前で火を止める
- 3に溶き卵と茹で上がったパスタを入れて混ぜ、卵に火が通ったら完成
カボチャクッキー
ビタミン類や食物繊維が豊富なカボチャのクッキー。必要な材料も作り方もシンプルなので、犬用のおやつを初めて作る人にもおすすめです。なお、カボチャの水分量によって、小麦粉の量を微調整して型抜きしやすいようにしてくださいね。
材料
- カボチャ:200g
- 小麦粉:200g
- オリーブオイル:大さじ1
作り方
- 皮付きのカボチャを1cmほどの大きさにカットして、耐熱ボウルに入れる
- ボウルにラップをして、500wで5分ほど加熱してからしっかり潰す
- 潰したカボチャに小麦粉とオリーブオイルを入れて混ぜ合わせ、冷蔵庫で30分休ませる
- 休ませた生地を薄く伸ばして、好きな形に型抜きする
- 余熱なし160℃のオーブンで35分ほど焼いたら完成
お手入れにも活用できるオリーブオイル
オリーブオイルは、愛犬のドライフードのトッピングや手作りごはんとしてだけでなく、お手入れにも活用できます。そのため、食事とお手入れの両面から愛犬の健康維持に役立ちます。では、どのような活用方法があるのか、具体的に見ていきましょう。
涙やけが改善される?
涙やけには食事療法が有効であるため、オリーブオイルに含まれるオメガ9脂肪酸を摂取することで涙やけの痕が改善される可能性があります。
涙やけのケア方法についてはこちら
肉球や皮膚の乾燥対策に使用
オリーブオイルに含まれるオレイン酸は、皮膚のバリアを強化して潤いを保つ働きがあるので、肉球や皮膚の乾燥対策に役立ちます。肉球は乾燥しやすく、硬くなっていたりひび割れをしたりすることがあるので、保湿ケアをしてあげることが大切です。
また、手のひらにオリーブオイルを数滴垂らして、手のひら全体にのばしてから、皮膚に馴染むように愛犬の体をマッサージしてあげると皮膚の乾燥を防げます。オリーブオイルであれば舐めても大丈夫なので、安心して使用できるのも嬉しいところです。
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毛艶の向上のために使用
オリーブオイルは保湿だけでなく、毛穴の汚れを落とすクレンジング効果も期待できるので、シャンプーにオリーブオイルを数滴混ぜて愛犬の体を洗うと毛艶が良くなります。そのため、愛犬の被毛のパサつきが気になる場合におすすめです。
口臭対策に使用
オリーブオイルで口をゆすぐと油が歯や舌をコーティングするため、口の中の細菌の繁殖を抑制する効果があることがわかっており、犬にオリーブオイルを使用して歯磨きをすると、口臭の軽減に役立つと言われています。
しかし口臭の原因はさまざまなので、日頃のデンタルケアを見直したり獣医師に相談したほうがよいでしょう。
耳掃除にも
アトピーやアレルギーのある子には、耳掃除にも活用できます。油なのでつける量には注意しましょう。スキンケア用のオリーブオイルも販売されているので、取り入れてみるのもおすすめです。
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オリーブオイルを上手に活用しよう
オリーブオイルは、犬にメリットをもたらしてくれる食材です。しかし、いくら健康にいいものであっても与えすぎると下痢や肥満になる恐れがあり、逆効果になってしまいます。適量を守って愛犬の食事に取り入れてみましょう。
また、食べる以外に愛犬のお手入れにもオリーブオイルを活用してみてください。
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この記事のライター
komugi
都内で愛犬のビーグルと暮らしています。コロナ期間中に肥満体型になってしまった愛犬のために食事や運動について勉強をはじめました。面白い発見や愛犬家の皆様に役立つ情報があればどんどん発信していきます!