【獣医師監修】犬にスポーツドリンクを与えても問題はない?飲ませるメリットや注意点と手作りの方法まで
スポーツドリンクは、暑い季節や体を動かした後に効率的に水分を補給することができるので、常備しておくと重宝しますよね。そんなスポーツドリンクは、犬にとっても水分補給として役立つことをご存知でしょうか?食欲がないときや熱中症などの緊急時に塩分やミネラルを効率よく摂取できるメリットがありますが、与える際には注意しておきたいポイントがあります。
この記事では、スポーツドリンクの成分や、犬に飲ませる際の注意点などをご紹介します。
スポーツドリンクは犬に与えても大丈夫
基礎疾患を抱えていない健康な犬は、人間用のスポーツドリンクを飲んでも問題ありません。スポーツドリンクを飲むことで塩分やミネラル、糖分が補給できるので、熱中症や食欲低下により元気がないなどの緊急時に役立ちます。決して毎日飲ませるものではなく、与えるタイミングをしっかり考えて用いることが大切です。
スポーツドリンクの栄養素・成分を紹介
スポーツドリンクには、さまざまなミネラル成分が含まれています。では、具体的にどのようなミネラル成分が含まれているのか見ていきましょう。
栄養素・成分【1】ナトリウム
スポーツドリンクのなかで、最も多く含まれているのがナトリウムです。ナトリウムは、細胞の機能の維持や神経機能を正常に保つ働きをしています。また、筋肉の収縮・弛緩(しかん)にも関与しています。(※1)
栄養素・成分【2】カリウム
スポーツドリンクには、カリウムも豊富に含まれています。カリウムは、エネルギーの代謝や神経刺激の伝達に欠かせない成分です。また、ナトリウムとともに体液の浸透圧を調整をする働きもしています。(※2)
栄養素・成分【3】カルシウム
カルシウムは骨や歯の形成、筋肉の収縮・弛緩に欠かせない重要な栄養素です。また、神経刺激の伝達にも関与しています。(※3)
栄養素・成分【4】マグネシウム
マグネシウムも骨や歯を構成する成分です。代謝や心機能のサポート、筋肉の収縮、神経情報の伝達などの働きもあります。(※4)
犬にスポーツドリンクを飲ませる際に注意すること
犬にスポーツ飲料を飲ませる際は、注意しておきたいポイントがあります。愛犬の健康を損なうことがないよう、以下のことに留意しましょう。
注意点【1】水で薄めてから与える
水で薄めてから与えるようにしましょう。スポーツドリンクは人間向けに成分が調整されているので、そのまま与えてしまうと糖分や塩分の摂りすぎになってしまいます。
液体タイプのスポーツドリンクは水で2~3倍に、パウダータイプのスポーツドリンクは3~4倍に薄めてから与えましょう。
注意点としては、薄める水は、水道水か、硬度の低いミネラルウォーターにしてください。硬度の高いミネラルウォーターを犬に与えると、尿路結石の原因になることがあります。また、与える際には愛犬がお腹を壊してしまわないよう、冷蔵庫で冷やしたものではなく、常温に戻してください。
注意点【2】キシリトールが含まれている場合は与えない
スポーツドリンクに植物由来の天然甘味料「キシリトール」が含まれている場合は、絶対に与えてはいけません。犬がキシリトールを摂取すると、インスリンの分泌が促され低血糖になる可能性があるからです。
低血糖になると嘔吐やぐったりした様子が見られ、ひどい場合はけいれんを起こし、危険な状態に陥る恐れもあります。原材料をしっかりと確認してから、飲ませるようにしましょう。
注意点【3】心臓病や腎臓病の犬には自己判断で与えない
心臓病や腎臓病を患っている場合は、自己判断で安易に与えてはいけません。ナトリウムやカリウムの過剰摂取となり、心臓や腎臓に負担をかけてしまう恐れがあるからです。
基礎疾患を抱えている場合は、熱中症や食欲減退などの緊急時に希釈した人間用のスポーツドリンク、もしくはペット用のスポーツドリンクを飲ませてもよいのかを、あらかじめ獣医師に確認しておくとよいでしょう。
注意点【4】緊急時以外は与えない
脱水症状を起こしているなどの緊急時以外では与えないようにしましょう。希釈したとしても、塩分や糖分が含まれていることには変わりありません。水代わりに常飲させると健康に悪影響をおよぼす可能性があるので、緊急時以外は与えないようにしましょう。
犬用スポーツドリンクを手作りする方法
スポーツドリンクは、手作りすることも可能です。急を要したときにすぐに与えられるように、ここでは家庭での犬用スポーツドリンクの作り方をご紹介します。
材料
- 水道水:1L
- はちみつ:大さじ1
- 自然塩:小さじ1
作り方
- すべての材料をよく混ぜ合わせるだけです。作ったら冷蔵庫で保管し、3日程度で消費しましょう。
スポーツドリンクを与える際は注意点を守って
人間の場合は、熱中症対策として夏場になるとスポーツドリンクを日常的に飲んだりしますが、犬の場合は頻繁に飲んでしまうと塩分や糖分の過剰摂取になりかねません。緊急時のときだけ、水で薄めて飲ませる程度にとどめましょう。飼い主さんがメリット、デメリットをしっかりと理解した上で、上手にスポーツドリンクを活用してくださいね。
<参考文献>
こちらの記事もチェック
この記事のライター
choco
シェルティとの生活に憧れる社会人です。みなさんの愛犬との暮らしがより豊かになるような情報を発信できたら、と思っています!
飲んでもOKに関する記事
食べもの
【獣医師監修】犬にスポーツドリンクを与えても問題はない?飲ませるメリットや注意点と手作りの方法まで
スポーツドリンクは、暑い季節や体を動かした後に効率的に水分を補給することができるので、常備して...
2023年11月7日
食べもの
ヤギミルクは犬に優しい食材!牛乳との違いや成分、手作りレシピをご紹介
「フードは全然食べてないのに、牛乳飲ませてたせいか太っちゃった」 「うちは牛乳飲ませるとお腹...
2023年4月20日
食べもの
犬に水道水を飲ませてもいい?安全性や浄水と天然水の違いなどを紹介
生き物が生きていくうえで欠かすことができない水。私たち人間と同様に、犬も毎日水を飲みます。私た...
2023年12月15日
食べもの
犬はルイボスティーを飲んでも平気?豊富な栄養素と与える際の注意点
美容や健康にいいと言われ、ノンカフェインであるルイボスティーは、犬が飲んでも大丈夫なお茶のひと...
2023年6月14日
食べもの
愛犬に豆乳を与えても大丈夫?与えるときの注意点とは
豆乳は、人の健康のためにはよい印象があると思いますが、果たして犬の体にもよいものなのでしょうか...
2022年12月30日