犬の食糞をやめさせる方法|原因と解決のヒントを紹介
飼い主がおそらく最もショックを受ける愛犬の行動は、自分のウンチを食べたのを目撃した時ではないでしょうか。せっかく美味しいフードを選んでいるのに、なぜよりにもよって自分のウンチや落ちているウンチを食べてしまうのか。犬が食糞をする明確な理由は実は未だに解明されていませんが、この記事では解決のヒントを最新の研究結果に基づいてご紹介します。
犬が食糞をしてしまう理由とは
犬、特に子犬の頃に多い食糞。可愛い子犬が自分のしたウンチをぺろっと食べるのを見ると、呆然としてしまいますね。ご飯をちゃんと食べているはずなのに、なぜ子犬が食糞をしてしまうのでしょうか。それには、犬の自然な行動としての意味や生活習慣から起きる原因があるのです。ここでは、犬が食糞する6つの一般的な原因をご紹介します。
興味があるから
子犬は、人間の赤ちゃんと同じように、目に見えるものを何でも口に入れようとします。これは、動物としてごく自然な行動で、好奇心からくる探索行動の一つです。特に、指でものをつかむことができない犬は、まず口の中に入れて、そのものの感触や味を確かめます。その行動の一環として、食糞をしている可能性もあります。
飼い主の関心を引くため
犬の食糞を目撃した時に、大きな声を出したり、アクションを起こしたことはありませんか。食糞をすることで、飼い主が自分に注目してくれると勘違いしてしまった犬は、飼い主の関心を引きたいためにわざわざ食糞をしている可能性があります。
お腹が空いているから
犬の中には食欲が旺盛な性質の子もいます。また、与えられる食事の量が少なく常に空腹の状態である可能性もあります。このような場合、自分の食欲を満たすために食糞をするのではないかと言われています。また、体内の足りない栄養素を補うために、他の犬や猫のウンチを食べることもあると考えられています。
母犬の真似をする
母犬は子犬のお尻を舐めて排泄を促します。また、子犬のにおいを消して外敵から身を守る、さらに巣の中を清潔に保つために子犬のウンチを食べるという行動をとります。これは、動物としての本能からの行動なのです。そんな母犬の行動を見て育つ子犬が、母犬の真似をして食糞をしてしまっていることが考えられます。この場合は、成長とともに自然に食糞が治る可能性があります。
ストレスや退屈しのぎ
ケージなどトイレと居住スペースが同じ空間で長時間のお留守番をしている場合、ストレスや退屈から食糞をしてしまうことが考えられます。また、散歩や遊びが足りない場合も、食糞をすることで不満を紛らわせようとしている可能性があります。
オオカミの習性の名残り
カリフォルニア大学デイビス校の研究者は、犬の食糞はオオカミへの先祖返りではないかという説を立てています。これは、集団で生活するオオカミは、その群れの中に病気のオオカミがいる場合、病気の感染拡大を防ぐために、健康なオオカミが病気のオオカミのウンチを食べ、群れから離れた場所で排泄するという考えです。犬もこの本能を引き継いでいるため、食糞をするのではないかという説を打ち出しています。
食糞をやめさせるにはどうしたらいい?
犬が食糞をする理由は様々ですが、食糞をやめさせる方法はあるのでしょうか。最新の研究結果によると、成犬になっても食糞をしている場合、残念ながらその原因は未だによくわからないとされています。まずは、食糞をしている原因を探ること、そして食糞をさせない環境づくりが最も近道であるようです。
犬の排泄のタイミングを把握する
犬の排泄のタイミングを把握しておくことで、ウンチを放置せずにすみます。例えば、くるくる回りだしたら排泄すると分かっていれば、そのタイミングを見逃さないようにできます。また、子犬の頃から「ワンツー」などの合図で排泄するように教え、排泄のタイミングをコントロールできるように育てることも、食糞を防ぐ有効な方法と言えます。
栄養バランス、食事の量を見直す
さらに、現在食べている食事の量が本当に適量であるのかを再検討しましょう。犬の体を触ってみて、肋骨がゴツゴツと手に触れる場合は、食事が足りない可能性もあります。また、消化吸収がうまくできていない可能性もあるため、ドッグフードを変える、手作り食にする、ドッグフードに消化の良い手作り食をトッピングするなどの工夫をしてみてください。子犬の中には、お腹に寄生虫がいる可能性もあります。あまりに痩せている状態が改善しない場合には、獣医師に相談してみましょう。
退屈させない
運動不足やお留守番が長時間続く場合に、犬は退屈しのぎに食糞をすることもあります。また、ウンチを食べたら飼い主の気をひくことができたという経験をすると、飼い主の気を引きたいばかりに食糞をする可能性もあります。特に、ケージでのお留守番が長い場合には、巣を清潔にしたいという本能と退屈であることが重なり、食糞をする可能性が高まります。この場合は、留守番の時間を極力短くする、留守番をさせる際はウンチをさせてから外出するなどの対策を講じましょう。
食糞予防グッズは効果あるの?
食糞防止のために、さまざまなサプリメントやスプレーなどが販売されています。インターネット上では「獣医師監修」でサプリメントを推奨する記事が多く掲載されていますが、残念ながら、このような商品ですべての犬に100%の効果が出るわけではありません。カリフォルニア大学での調査によると、サプリメントなどで改善されたという結果は出ていません。対策グッズで効果が出るかどうかは犬の性格との相性や食糞をしている原因に即しているかなど、様々な要因が影響してくるようです。
排泄したらすぐに片付けるのが最も有効的
犬は、寝床となっている巣を清潔に保とうとする動物です。巣であるケージの中にトイレを設置している場合、ウンチをすぐに片付けることが基本です。片付ける時には、その場でマテをさせたり、ケージから犬を出しトイレに近づかせないようにすることや、おもちゃなどで気を引きウンチに興味を持たせないようにするなどの方法があります。
犬の食糞はどうすれば治るの?
未だに研究段階にある犬の食糞。残念ながら「これだ」という方法は確立されていません。
アメリカで実施された調査結果によると、最も効果的なのは「いつまでもウンチを放置しないこと」とされています。つまり、ウンチをしたら、速やかに片付けることが有効的です。
また、ウンチを片付けている時に、犬の気をそらすことも有効だとされています。注意したいのは、気をそらす時に「おやつ」をあげて褒める方法です。この方法では、ウンチをすることとおやつをもらえることを結びつけて覚えてしまう可能性があり、おやつ欲しさに何度もウンチをするようになってしまうことも考えられます。「ウンチをすること」と「おやつ」をイコールで覚えさせないことが大切です。
食糞には根気よく向き合って出来ることをコツコツと
犬の食糞を目撃してしまった時のショックは本当に大きいものです。どうにかしてやめさせたいと願うのは、飼い主として当たり前の気持ちですね。子犬が親犬の真似や本能で食糞をしている場合には、成長とともに改善が期待できますが、成犬になっても続くと、大きな悩みとなってしまうことは明らかです。残念ながら今の段階では100%有効な解決方法が見つかっていませんが、とにかく速やかにウンチを片付けウンチの拾い食いをさせないことを徹底し、まずはウンチに興味を持たせないようにすることが最善の方法なのではないでしょうか。
この記事のライター
komugi
都内で愛犬のビーグルと暮らしています。コロナ期間中に肥満体型になってしまった愛犬のために食事や運動について勉強をはじめました。面白い発見や愛犬家の皆様に役立つ情報があればどんどん発信していきます!
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