犬の無駄吠えには原因がある!予防としつけで上手に対処しよう
愛犬の無駄吠えに悩んでいませんか?犬が吠えるのには理由があり、むやみに吠えているのではありません。原因を知って、適切に対処しましょう。今回は、無駄吠えの原因や対処方法、しつけに使えるグッズの紹介をします。愛犬の無駄吠え対策の参考にしてみてくださいね。
犬の「無駄吠え」は本当に無駄?
犬にとって無駄吠えは、無駄ではありません。
犬が無駄吠えをする場面を想像してみてください。
「チャイムの音が鳴ったとき」や「散歩中に見知らぬ人や犬とすれ違ったとき」などが思い浮かびませんか?
無駄吠えは、突然はじまるのではなく原因があります。
飼い主さんや周囲に何かを伝えようと愛犬は吠えているのです。
犬は吠えることでコミュニケーションをとります。
人間が話すことと犬が吠えることは同じといえるでしょう。
無駄吠えを無駄だと感じているのは人間の都合です。
犬は吠えることで以下のような気持を伝えています。
- 嬉しい
- 楽しい
- 怖い
- 不安
- お腹がすいた
- 遊びたい
つまり、愛犬が吠えているときは気持を伝えようとしているのです。
飼い主さんは「何で吠えているのか」を考えてみましょう。
原因がわかれば、適切に対処できます。
とはいっても、犬を飼い始めたばかりの方は原因が思いつかないかもしれません。
次の項では、犬が吠える原因を紹介します。
犬が無駄吠えをする原因
犬の無駄吠えには原因があります。
代表的な原因を解説します。
要求吠え
何かをしてほしくて吠えるのが要求吠えです。
- お腹がすいたからご飯がほしい
- 散歩に連れて行ってほしい
- 暇だから遊んでほしい
- 人間のご飯がおいしそうだから食べたい
- ケージから出してほしい
このように、飼い主に要求を伝えたくて吠えています。
しかし、飼い主が要求吠えに応えてしまうと、犬は「吠えたら要求がとおる」と学習してしまうので、何でもかんでも応えてはいけません。
警戒吠え
人や音などに対して警戒して吠えるのが警戒吠えです。
- 散歩中に仲の悪い犬が近づいてきた
- 見知らぬ人が訪ねてきた
- チャイムが鳴った
- 小さな子どもにじっと目を見られた
- 掃除機や洗濯機の音がした
このようなときに、犬は危険を感じて吠えます。
相手を威嚇し、身を守ろうと警戒しているともいえるでしょう。
飼い主が怖くないことを教えて、愛犬を安心させてあげることが大切です。
興奮吠え
感情が高ぶって興奮したときに吠えるのが興奮吠えです。
- 大好きな飼い主が帰ってきた
- 散歩中に大好きな犬に遭遇した
- おやつがテーブルの上にあるのを見つけた
- じゃれることに夢中になっている
- 好きな人が家を訪ねてきた
犬は嬉しくて興奮することがほとんどでしょう。
しかし、場合によっては警戒心や恐怖心から興奮することもあります。
この場合は、周囲に迷惑をかけてしまう可能性があるので注意が必要です。
遠吠え
遠くのものに反応して吠えるのが遠吠えです。
- 救急車のサイレンが聞こえた
- 犬の鳴き声が遠くでした
- 飼い主が留守にしている
犬には遠くの仲間とコミュニケーションをとる習性があります。
そのため、遠くから聞こえる音を犬の鳴き声だと勘違いして遠吠えすることは珍しくありません。
飼い主が留守のときに遠吠えするのは、自分の声を飼い主に届けようとしているのでしょう。
その他
そのほかにも、犬が無駄吠えをする原因があります。
- 痛みや苦しさなどの体調不良
- 老化による視力や聴力の低下
- 認知症による夜鳴き
愛犬がいつもと違う様子で吠えるときは、丁寧な観察が必要です。
体調不良が考えられるときは、早めに動物病院を受診してください。
老化が原因に考えられるときも、早めに獣医師に相談しましょう。
無駄吠えの対処法・しつけ
犬の無駄吠えの原因はさまざまです。
原因別に対処法やしつけの方法を紹介します。
要求吠えの場合
犬が要求吠えをしてきたら、完全に無視をしてください。
飼い主が要求に応えてしまうと「吠えたらいいことがある」と学習してしまうからです。
要求に応えずに、「わかった」「待ってね」などの返事をするのもやめましょう。
犬が「吠えても何も起きない」と学ぶことが最も重要です。
警戒吠えの場合
犬が警戒吠えをしているときは、安心させてあげましょう。
しつけが完了していれば、「ハウス」と声をかけ愛犬のスペースで落ち着かせます。
吠えている間は、できるだけ相手をしないようにしてください。
静かになったら、ごほうびを与えて「吠えないといいことがある」と教えましょう。
子犬の場合は知らないことが多いので警戒吠えが多くなります。
社会性を身につけるためにも、警戒するものに慣らしていくことが大切です。
興奮吠えの場合
犬が興奮吠えをしているときは、クールな対応をしましょう。
一緒に興奮してしまうと、犬がよけいに興奮してしまいます。
犬は吠えずに気持を伝えることを学ばなければなりません。
「おすわり」と声をかけてクールダウンさせるのもよいでしょう。
ただし、知らない人や犬を相手に興奮しているときは距離をとるようにしてください。
興奮して噛みついてしまう恐れがあります。
遠吠えの場合
犬が遠吠えをしているときは、気をそらしてください。
名前を呼んだり、「おいで」と声をかけたりするのもおすすめです。
犬が遠吠えをするのは本能なので、叱っても意味がありません。
しつけるよりも、遠吠えをする機会を減らすようにしましょう。
その他の場合
ほかにも無駄吠えをする場面があるかもしれません。
まずは原因を考えてみましょう。
犬の体調不良が考えられるときは、早急に対処してあげる必要があります。
シニア犬の場合は、老化が進んでいる証拠かもしれません。
夜中に無駄吠えをするときは、認知症の可能性もあるでしょう。
愛犬の様子に少しでも不安がある場合は獣医師に相談するのがおすすめです。
無駄吠えの予防法
愛犬の無駄吠えは事前に予防できます。
無駄吠えをする機会を減らせば、習慣になるのを防げるでしょう。
社会化トレーニングを行う
子犬の場合、いろいろな刺激に慣れるための社会化トレーニングを行います。
生後4〜13週くらいまでは社会性を身につけるのに適した時期です。
この期間に家族以外の人と交流したり、ほかの犬に触れ合うことで社会性が身につきます。
そして、たくさんの経験をすることで恐怖心や警戒心を抱くことが減るでしょう。
社会化トレーニングを行うことが無駄吠えの予防につながります。
また、成犬になってからの無駄吠えの軽減も期待できるでしょう。
甘やかしすぎない
無駄吠えの予防には、甘やかしすぎないことも大切です。
犬は自分の要求を伝えようと要求吠えをします。
飼い主が要求に応えてしまうと、「吠えれば要求がとおる」と学習してしまうでしょう。
成犬になって習慣になってしまわないように、要求吠えには応じない姿勢を示す必要があります。
愛犬を甘えさせる方法は、要求に応えるだけではありません。
スキンシップや散歩をすることでも愛犬は満足します。
ドッグトレーナーに相談する
成犬になっても無駄吠えが直らない場合は、ドッグトレーナーに相談しましょう。
正しい行動だと学習した問題行動を改善することは素人には難しいものです。
専門家の知識やテクニックに助けを求める必要があります。
ドッグトレーナーにお願いすれば日常生活でのアドバイスを聞くことができるでしょう。
飼い主の勉強にもなるのでおすすめです。
無駄吠え防止のグッズでしつける
言葉でのしつけが難しい場合は、無駄吠え防止グッズを活用しましょう。
代表的なグッズを2つ紹介します。
音で予防するグッズ
無駄吠えを音で予防するグッズです。
特に、警戒吠えや遠吠えにおすすめです。
人間には聞こえない高周音波で犬に合図を出します。
愛犬が無駄吠えをしたときに音を鳴らしましょう。
音を鳴らしながら、「NO」「ダメ」など吠えたらいけないことを言葉でも伝えます。
においで予防するグッズ
無駄吠えをにおいで予防するグッズです。
犬が無駄吠えしたときに、においで合図します。
スプレーが届く距離で犬に向かってスプレーを噴射するとにおいが届く仕組みです。
スプレーをしながら、「NO」「ダメ」と言葉でも伝えましょう。
どちらのグッズも無駄吠えをやめたら、すぐに停止します。
そして、吠えなくなったことをしっかりと褒めてください。
無駄吠えをしつける際の注意点
無駄吠えをしつける際に気をつけたいポイントを紹介します。
無駄吠えを犬のせいにしない
無駄吠えするのは、必ずしも犬の責任ではありません。
たとえば、遠吠えは本能です。
要求吠えも事前に防げます。
まずは、飼い主さんが環境を見直すことからはじめましょう。
愛犬が人間の食べ物をほしがるなら、食事の時間は別の部屋に移動するといった工夫もできます。
無駄吠えをしつける前に、しつけの回数を減らす環境をつくることも大切です。
犬をしつけるときはアイコンタクトをする
無駄吠えをしつけるときに、アイコンタクトができていますか?
しつけをするときは、犬の意識が飼い主に向いている必要があります。
飼い主が声をかけたら、愛犬が反応するようにしておきましょう。
そうすれば、無駄吠えをしたときもアイコンタクトで「いけない」と伝えることができます。
無駄吠えだけでなく、アイコンタクトはしつける際の重要なポイントです。
叱るよりもほめる機会を増やす
無駄吠えを叱るよりも、無駄吠えをしなかったら褒めてあげるようにします。
犬は飼い主さんに褒められると嬉しいので、「吠えないといいことがある」と学習します。
大切なのは、問題行動を改善することです。
できるだけ愛犬に負担がないようにしつけましょう。
まとめ
犬の無駄吠えの原因と予防、対処方法について解説しました。
犬にとって吠えることはコミュニケーションをとることです。
そのため、無駄吠えをしていたら叱る前に愛犬の気持ちを考えましょう。
無駄吠えの原因がわかれば、対処やしつけの方法もわかります。
成犬になって習慣にならないよう、早い段階から無駄吠えに対処することが大切です。
しつけの注意点を参考に、愛犬の無駄吠えを上手に減らしていきましょう。
こちらの記事もチェック
この記事のライター
ネコト
愛犬が快適に過ごせるよう日々試行錯誤しています。その中で得た有益な情報を共有していきたいと思います。
吠える理由・吠え癖に関する記事
犬の生態/気持ち
【獣医師監修】犬が吠える10の理由|知っておきたい対策方法をまとめました
子犬の時期はあっという間で、生後7ヶ月の頃には自我が芽生え始め、ワンワン!と吠えることが増えて...
2023年12月15日
しつけ
【獣医師監修】散歩中に犬が吠えてしまう理由を解説します|対策としつけ方もあわせて紹介
皆さんの愛犬は「無駄吠え」しやすい子ですか? 散歩中に愛犬が吠えてしまうという悩みを抱えてい...
2023年9月25日
犬の生態/気持ち
【獣医師監修】犬が来客に吠える理由を知ろう|犬種ごとの違いや正しい対応についても解説します
犬は来客があると吠えるようなイメージがありますよね。警戒している場合もあれば、構って欲しくて吠...
2023年8月1日
飼い方/育て方
犬が吠えるときの対処法3点|愛犬が吠えるときの心理を理解し、適切に対処してあげよう!
散歩で他の犬に出くわしたときやインターフォンの音が鳴ったときなど、愛犬が過剰に反応して吠えてし...
2024年3月13日
しつけ
愛犬の無駄吠えにお悩みの方必見!改善方法とおすすめのアプリをご紹介
愛犬の無駄吠え、困りますよね。ご近所トラブルに発展することもあるため、肩身の狭い思いをしている...
2023年3月7日