グレートデンはどんな性格?上手なしつけ方とおすすめの遊び方
全ての犬種の中で最も体高があり、体重もトップクラスの超大型犬。それがグレートデンです。 日本ではあまり見かけない犬種なので、道で会ったらあまりの大きさにびっくりしてしまいそうですが、そんなグレートデンの性格は見た目とは裏腹に、とても友好的といわれています。今回はグレートデンの性格の特徴と、それに合わせたしつけの方のコツや遊び方などをご紹介します。
目次
グレートデンの基本情報
まずはグレートデンの基本情報をご紹介します。歴史を紐解き、得意なこと・苦手なことも見ていきましょう。大きな体格ながら愛情深い一面が見えてきます。
活躍の歴史
グレートデンの祖先はマスティフ犬だとする説が有力で、ドイツに古くからいたブレンバイザー(狩猟犬)などの土着犬と交配していく中で生まれました。原産国のドイツでは「ドイチェン・ドッゲ」が正式名称とされています。
人間との関わりは非常に深く、狩猟犬や軍用犬として長く活躍してきた歴史を持ち、特にイノシシなどの害獣に対しては、その大きな体を生かして果敢に立ち向かっていきました。
1880年にベルリンで開催されたドッグショーで初めてスタンダードが定められ、AKC(アメリカンケネルクラブ)だけでなくFCI(国際畜犬連盟)や日本のJKC(ジャパンケネルクラブ)などで広く認定されています。またスタンダードの管理も厳しく、数年に一度の割合で修正が加えられています。
その堂々とした佇まいと美しく大きい姿から「犬の中のアポロ」と呼ばれ、現在ではドイツやアメリカなどで愛玩犬として愛されています。
グレートデンの基本情報をもっと詳しく!
身体の大きさ
均整のとれた体型から、アポロ神と形容されることもあり、超大型犬としてギネスブックにも載っているグレートデン。一体どのくらいの大きさなのでしょうか?
- オス:体高80㎝以上 体重54㎏以上
- メス:体高72㎝以上 体重45㎏以上
個体差はあるものの、体高が100㎝ほどの子や、体重が90㎏以上の子もいます。
子犬のころはころころとした体つきですが、大人になるにつれて四肢が長くなり、立ち上がると成人男性より大きいこともあります。
毛色
フォーン、ブリンドル、ハールクイン、ブラック、ブルーがグレートデンの毛色として認められており、公認されていない毛色については繁殖が禁止されています。なめらかな被毛が特徴で、シングルコートの短毛種なので抜け毛は多くはありません。普段のお手入れは固く絞ったタオルで拭いてあげるだけで十分です。定期的にラバーブラシや獣毛ブラシでブラッシングしてあげると皮膚のマッサージにもなるのでおすすめです。
被毛のお手入れ方法について詳しくはこちら
その他の特徴
咬合はシザーズバイトでハサミのようにきっちり咬みあっている状態です。本来垂れ耳の犬種で、動物愛護の観点からそのまま垂れ耳の状態の子もいますが、国によっては断耳をします。
咬み合わせについてはこちらの記事で詳しく解説しています
断耳が行われる理由についてはこちらの記事で解説しています
得意なこと
その大柄な体格は迫力満点ですが、「優しい巨人」と表されるほど性格は友好的で穏やかであり、他の犬とも仲良くすることができます。とりわけ人間の子どもに対しては献身的なほどフレンドリーです。辛抱強いので小さい子どもがいる家庭でも飼育できます。いたずらに興奮することがなく、落ち着いており、自信に満ちた雰囲気はいかにも頼りがいがありそうな印象を受けます。警戒心が強いということがないため番犬には向いていませんが、家でじっとしているだけで侵入者は物怖じすることでしょう。従順なためしつけもしやすい犬種と言われています。
苦手なこと
基本的に優しくて友好的な性格ですが、超大型犬ということもあり、きちんとしたしつけやトレーニングが必要となります。しつけができていないと気ままな性格になることもあり、人間の力では制御できなかったり、人間や他の動物に危害を加える可能性もあります。自治体によっては特定危険犬種に指定されているほどですから、一緒に暮らす場合には子犬の頃からしっかりしつけをすることが重要です。また、寂しがり屋な一面もあり、飼い主のそばを離れないという子もいるようです。
寿命
大型犬は小型犬などと比べると寿命が短い傾向にありますが、グレートデンはその中でも短い方で、約7~10年です。健康診断を定期的に受診することや、普段の食事管理・体重管理などをしっかりして、少しでも長く一緒に過ごせるようにしましょう。
寿命についてはこちらの記事で詳しく解説しています
グレートデンの性格に合ったしつけ方
グレートデンと暮らすにあたり、しっかりとしたしつけやトレーニングは必要不可欠です。思わぬトラブルを起こさないためにも、飼い主さんの責任は重大です。
性格を踏まえたしつけのコツ
グレートデンの子犬を迎えたなら、子犬の頃から人間や他の動物と積極的に接するようにしましょう。飼い主さんがコマンドを覚えさせることと並行して、周囲の環境に慣れさせることが大事です。元来フレンドリーな性格ですから、社会性を身に付けることで攻撃的でなくなっていきます。
まだ体が小さいうちから外へ連れ出してあげることも大切です。リードを短く持ち、しっかりリーダーシップを取りながら飼い主さん主導で歩かせるのです。散歩中に気ままな行動をさせないことが重要ですね。
子犬のグレートデンのお世話の仕方はこちらで解説しています
コマンドを教えるコツはこちら
社会化の必要性についてはこちらの記事をチェック
グレートデンの性格を活かした遊び
元来はイノシシを追うなどの役目を負っていた狩猟犬ですから、グレートデンが大好きな遊びをさせることも大切なこと。そこで得意な遊び方をご紹介していきます。
活発な性格を生かしたボール遊びがおすすめ
日本では、欧米のように広い庭がある家庭環境はなかなかありません。そこで日々の散歩以外の運動の機会として、ドッグランを積極的に活用していきましょう。 ただ他の小さいワンちゃんがいると、体の大きなグレートデンが遊ぶのは少々危険です。広めに場所を取るか、空いている時間帯を見計らって利用しましょう。
狩猟犬の性質を持っているため動くものは大好きです。ボールを遠くへ投げてやり、持ってこさせる遊びがおすすめです。またロープを使った引っ張り合いっこも大好きですが、力が強いために子供では負けてしまうため、大人の男性が引っ張るようにしてください。
グレートデンが得意な運動・スポーツ
次におすすめのドッグスポーツを紹介しますね。グレートデンはあまりジャンプなどが得意ではありません。そのため走ることに特化したスポーツが得意という傾向があります。
ルアーコーシング
狩猟犬としての犬の本能を競い合うスポーツです。小動物に見立てたルアーを追いかけるもので、視覚ハウンドの犬種グループに属する犬が得意な競技ですが、特に犬種は問いません。ルアーに対して意欲的にゴールまで走り切ることが条件ですから、集中力を養うと同時に筋力も鍛えられます。
ルアーコーシングについてはこちら
ドッグタイムレース
文字通り50メートル走ってタイムを競うもので、グレートデンの大きな体格を生かした豪快な走りが魅力です。 また呼び戻しのトレーニングも兼ねていますから、飼い主さんとの信頼関係も問われるところです。
グレートデンに適した環境とは
グレートデンにとって、快適に過ごせる環境を作ってあげることは何より大切なこと。ストレスが溜まらないよう配慮すべきことを挙げていきましょう。
子供だけで散歩させないこと
しつけやトレーニングをしているからといって、子どもだけでの散歩はおすすめできません。穏やかな性格ではありますが超大型犬なので力が強いです。不慮のトラブルを防止するためにも、きちんと制御できる大人が必ずリードするようにしましょう。
余裕のある住環境
いくらペットOKのマンションだからといって、グレートデンのような超大型犬とは暮らせません。適度に遊べる庭があり、室内環境にも余裕のある宅地であれば最善でしょう。 また超大型犬がいることで不安がる方がいるかも知れません。隣近所への配慮も欠かさないようにしましょう。
グレートデンを飼う上での注意点まとめ
飼育するにあたっては、超大型犬であるグレートデンを制御できることが大切になります。穏やかで優しい性格ではあるものの、力は強く、悪気はなくても散歩時に引っ張られて飼い主さんが怪我をしてしまうことや、遊びのつもりで他人に飛び掛かって怪我をさせてしまうことも考えられます。グレートデンによる死亡事件や事故は現に日本でも起きており、特定犬制度を導入している札幌市・茨城県・水戸市・佐賀県の4つの自治体ではグレートデンは特定犬種に指定されています。特定犬であるラベルの表示義務や檻の中で飼育する、脱走した際はすぐに通報などの遵守事項を守り、痛ましい事故が起きないように心がけましょう。
超大型犬であるグレートデンは室内での運動だけでは足りません。毎日1時間以上の散歩に加え、定期的にドッグランなどの広い場所で走らせてあげることも大切です。先ほども述べましたが、他の犬や人とトラブルにならないよう時間帯をずらしたりするなどの配慮をして使用しましょう。運動不足は肥満やストレスが溜まることで問題行動の原因となることがあるので注意してください。
身体の大きさから分かる通り、室内環境はそれなりの広さが求められます。ドッグフードやトイレシートなどの消耗品から、ケージやクレート、ハーネスなどの必需品、またサロン代や医療費などの飼育費用も小型犬などと比べると倍以上かかるでしょう。経済的な余裕もグレートデンを迎え入れるうえでは大切です。
グレートデンは大型犬・超大型犬特有の病気に注意が必要です。食後すぐに運動すると胃捻転を引き起こす可能性があります。胸の深い犬種は胃捻転になりやすく、グレートデンは発症率がとても高いです。胃捻転は急を要すことも多く、すぐに動物病院に連れて行かないと数時間で死に至ることもあるので注意してください。大型犬が発症しやすい股関節形成不全にも注意が必要です。滑り止めのついているマットを敷いたり、床ずれ防止や関節を守るためにクッション材を適宜活用するのがおすすめです。
寒さや暑さにも弱いので、空調管理をしっかり行い快適に過ごせる環境を作ってあげましょう。最近では暑さ対策、寒さ対策に便利なアイテムも沢山販売されているので上手に活用しましょう。
詳しくはこちらの記事をチェック
総合栄養食と記載のあるドッグフードを与えていれば犬にとって必要な栄養は摂取することができます。年齢ごとにも種類が分かれているので、子犬用・成犬用など愛犬に合ったフードを用意してあげましょう。
フードについてはこちらもチェック
グレートデンのよさを伸ばすしつけを
愛情深くて友好的。飼い主さんに対しても従順なグレートデンは、しっかりしつけさえ出来れば、非の打ち所がないほどのお利口さんです。グレートデンと暮らしたいのであれば他の犬種以上に経済的・体力的・時間的に飼育が可能であるかをよく考えて迎え入れましょう。超大型犬なのでペットショップで見かけることはほぼなく、ブリーダーや里親制度で迎え入れることになるかと思います。価格相場は約30万~です。グレートデンのいいところを伸ばしてあげるよう上手にしつけて幸せな日々を過ごしてくださいね。
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この記事のライター
nao
「愛犬の気持ちを理解したい」「寄り添ったコミュニケーションを取りたい」という思いからドッグライターとして犬に関する知識を学び、発信しています。愛犬の笑顔を守るために、そして同じ思いを抱く飼い主さんのために、有益な情報を発信していけたらと思っています。
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