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フラットコーテッドレトリバーが短命って本当?平均寿命やかかりやすい病気、健康管理方法など

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真っ黒なアイリッシュ・セターや黒いゴールデンレトリバーと見間違われてしまうことが多いフラットコーテッドレトリバー。その性格を一言で言い表すなら「天真爛漫」。陽気でアクティブなフラットコーテッドレトリバーは、犬界のピーターパン的存在です。元気いっぱいが魅力のフラットコーテッドレトリバーですが、残念ながら短命だと言われていることをご存知でしょうか?今回は、フラットコーテッドレトリバーの寿命・かかりやすい病気などについて解説します。

フラットコーテッドレトリバーが短命って本当?平均寿命やかかりやすい病気、健康管理方法など

目次

  1. フラットコーテッドレトリバーの寿命は?
  2. フラットコーテッドレトリバーの健康寿命を延ばすために|体重管理をしよう
  3. フラットコーテッドレトリバーの健康寿命を延ばすために|かかりやすい病気を知っておこう
  4. フラットコーテッドレトリバーに長生きしてもらうために

フラットコーテッドレトリバーの寿命は?

フラットコーテッドレトリバー
pmarkham

6種類あるレトリバー種の中でも世界的に人気のあるラブラドールレトリバー、ゴールデンレトリバーについで人気のレトリバー種がフラットコーテッドレトリバーです。この人気3犬種の中で、最も古い歴史を持つフラットコーテッドレトリバーですが、なぜか3犬種の中で最も短命としても知られているのです。まずは、フラットコーテッドレトリバーの平均寿命をご紹介します。

平均寿命|8~10年

永遠の子犬と称されるフラットコーテッドレトリバーですが、平均寿命は8~10年と言われています。ラブラドールレトリバー、ゴールデンレトリバーともに平均寿命が10~12歳とされているため、フラットコーテッドレトリバーはやや短命だと言えます。特に、日本で暮らしているフラットコーテッドレトリバーは短命の傾向にあり、そのことから「ガンを発症しやすい犬種」と認識されてしまっています。

フラットコーテッドレトリバーの健康寿命を延ばすために|体重管理をしよう

フラットコーテッドレトリバー
andreaarden

食べることが大好きなレトリバー種。フラットコーテッドレトリバーも、食べ過ぎや運動不足から肥満になりがちです。大型犬であるフラットコーテッドレトリバーにとって肥満は、股関節や心臓などに悪影響を与えかねません。そのためにも適切な食事管理と十分な運動が必要となります。

適正体重

フラットコーテッドレトリバーの適正体重は、JKCによるとオスが27~36kg、メスでは25~32kgとされています。この体重はあくまでも理想体重ですが、成長が緩やかなフラットコーテッドレトリバーは3歳ぐらいまでは成長を続けているため、食事量に気をつけ痩せすぎや太りすぎのないようにします。理想体型の見極め方は、立たせた状態で背中や腰を触り、ゴツゴツしていない程度に背骨や骨盤が触れる状態です。

ごはんの量

遺伝的に糖尿病、胃拡張、胃捻転を発症しやすいフラットコーテッドレトリバーは、食事の管理が重要です。食事は、1日分のフードを最低でも1日2回から3回に分けて与えましょう。特に、激しい運動の前後約1時間は、食事を与えないようにすることが大切です。また、腫瘍ができやすい体質であるため、脂肪分が少ない良質な食事を与えることがおすすめです。

散歩の目安は1日2時間以上

アクティブでエネルギッシュな性質が特徴のフラットコーテッドレトリバーには、たっぷりの運動量が必要です。通常の散歩だけではなく、思いっきり走るなどの自由運動ができる機会を定期的に作ってあげましょう。また、フリスビーやアジリティなどのドッグスポーツ、そして水が大好きなためプールや海、湖などで泳がせることもおすすめです。

フラットコーテッドレトリバーの健康寿命を延ばすために|かかりやすい病気を知っておこう

フラットコーテッドレトリバー
DanielaJakob

大型犬の中でも短命と言われているフラットコーテッドレトリバーですが、その原因の一つとして遺伝疾患が挙げられます。遺伝疾患は、親犬となる犬のDNA検査することで判明できるため、子犬を迎える前に親犬の検査をしているのかどうか、その結果はどうであったのかなどを確認することがおすすめです。

欧米では、遺伝疾患の多い犬種については、DNA検査をすることがブリーダーに求められ、近年ではその結果が血統書に記載されるようになりました。しかし、日本ではまだまだそのような検査が定着していないため、遺伝疾患を持つ子犬が産まれてきていることも事実です。

 

ここでは、フラットコーテッドレトリバーがかかりやすい病気について解説します。なお、ご紹介する病気以外にも、骨肉腫、進行性網膜萎縮症、アトピー性皮膚炎などさまざまな病気を発症する可能性があります。

①膝蓋骨の脱臼

パテラとも呼ばれ小型犬に多く見られる膝のお皿が滑車溝という溝からずれて脱臼してしまう病気です。脱臼の原因には、先天性と後天性がありますが、フラットコーテッドレトリバーの場合は、先天性として発症します。その原因としてあげられるのが、膝関節の形成不全です。親犬を検査することで避けられる疾患であるため、子犬を迎える際にはブリーダーに確認するようにしましょう。

②股関節形成不全・肘関節異形成

レトリバー種に多い遺伝疾患が、股関節形成不全や肘関節異形成症です。股関節や肘関節の異常は、レントゲン検査によってそのグレードの判断ができます。日本では、2003年に特定非営利活動法人日本動物遺伝病ネットワーク(JAHD)が設立され、関節異形成の判定が可能になりました。

 

近年、この関節の問題を重く見たジャパンケンネルクラブでは、親犬の交配の前にこの判定を受けることを推奨し、判定結果を血統書に記載するようになりました。しかし、一部のブリーダーや繁殖業者はこの検査を行わないため、股関節・肘関節の異常を発症し、歩行困難となるフラットコーテッドレトリバーがまだまだ多くいます。

③甲状腺炎(甲状腺機能低下症)

甲状腺の細胞を自分自身で攻撃してしまう自己免疫疾患を甲状腺炎と呼びます。フラットコーテッドレトリバーの場合はその結果として、甲状腺ホルモンの分泌が減少し、元気がなくなる、しっぽの毛や鼻の頭の脱毛、毛艶が悪くなるなどさまざまな症状が出る甲状腺機能低下症を発症します。この病気は、遺伝から発症する甲状腺の機能不全であるとされていますが、詳しくは解明されていません。治療には、甲状腺ホルモン剤を使用しますが、生涯にわたって投薬が必要となります。

④原発生緑内障

緑内障は、眼圧が上がり激しい痛みを伴う眼疾患です。眼が白く濁ったように見え、瞳孔が大きくなる、涙が多く出るなどの症状があり、視力に障害が出ます。また、眼圧が高い状態が長期間続くと失明するリスクもあります。原発性緑内障は発症の原因が不明で、確実な治療法が確立されていないため、定期的な眼圧検査が推奨されています。治療法としては、進行を緩やかにし眼圧を下げる内科的、外科的治療が行われます。

⑤拡張型心筋症

大型犬に多い拡張型心筋症は、心臓の筋肉が正常に働かなくなるため、全身に血液が行き渡らなくなる病気です。発症の原因は不明ですが、加齢とともに発生率が上がります。拡張型心筋症は、進行性のため初期には目立った症状はありませんが、進行とともに咳、肺水腫、呼吸困難、不整脈などが見られます。最悪の場合は突然死することもあるため、ドッグドックなどで定期検診を受けることがおすすめです。

⑥てんかん

てんかんには特発性と部分的の2種類があります。フラットコーテッドレトリバーが発症する特発性てんかんは、原因不明のてんかんで、フラットコーテッドレトリバーの場合は6~24ヶ月齢で発症しやすいとされます。特に脳に腫瘍や血栓ができていないにもかかわらず、急にてんかん発作を起こす原因不明のてんかんがこれにあたります。遺伝的要因が原因であるとも言われ、発作の回数、持続時間などを軽減するための抗てんかん剤が投与されます。

また、部分的てんかんでは、体の一部分がけいれんする、噛み続けるなどの行動があります。この場合は、血液検査や身体検査など体を詳しく調べ、てんかん発作の原因を探ります。

⑦悪性疾患(ガン)

レトリバー種に多く見られる悪性疾患ですが、フラットコーテッドレトリバーは組織球肉腫の好発犬種だとされています。組織球肉腫は、ガンの中でも悪性度が高く急速に全身に転移する恐ろしい病気です。関節の周囲に発症することが多く、急速に大きくなる局所性のものと多臓器に同時に発症し急速に進行する播種性のものがあります。

 症状として、腫瘍の発見、関節の腫れ、跛行、咳、元気がない、嘔吐、下痢、発熱などがあります。近年、アメリカでこの病気に有効な抗ガン剤の効果が報告されて以来、日本でも積極的に使用されていますが、長期延命が目的で寛解、治癒は望めません。

⑧糖尿病

人間と同じように犬も糖尿病を発症します。犬の場合は、多飲多尿、通常通りご飯を食べているのに痩せてくるといった症状が出ます。糖尿病は、血糖値を下げる働きのあるインスリンの分泌不足から高血糖の状態が続く病気です。フラットコーテッドレトリバーは、糖尿病を発症しやすい犬種であると報告されているため注意が必要です。進行の度合いにより治療法が異なるため、早期発見がカギとなります。

⑨腎異形成

先天的に腎臓の構造に問題があるため、腎臓機能が正常に働かない病気です。多飲多尿、体重減少、やせる、元気がない、口の中などの粘膜が蒼白になるなどの非再生性貧血といった症状が徐々に現れてきます。血液検査によって、腎機能の低下が判明するため、X線検査やエコー検査によって腎臓の異型性が確認できます。慢性腎臓病と診断されることが多く、主にリンをコントロールするための食事療法が推奨されます。

⑩胃拡張・胃捻転症候群

胸が深い体型の大型犬に多い病気が胃拡張・胃捻転症候群です。胃の中で大量のガスが発生し、胃がふくれねじれる病気です。発症の原因として、胸が深い大型犬種、加齢、ストレスなどの他に、食後すぐの激しい運動、水のがぶ飲み、1回に大量の食事や早食いなどが挙げられています。はっきりした原因が特定されていないため、予防はむずかしく、また発症後数時間で死に至こともあるため注意が必要です。

 症状として、落ち着かない、吐きたそうにするが吐けない、げっぷをする、お腹がふくれるなどがあります。恐ろしいのは、食後に限らず寝ている時にもこの病気を発症する可能性があること。フラットコーテッドレトリバーは好発犬種であるため、日頃からの細かい観察が大切です。

フラットコーテッドレトリバーに長生きしてもらうために

フラットコーテッドレトリバー

短命と言われているフラットコーテッドレトリバーですが、その主な原因は遺伝疾患です。遺伝疾患は、知識とモラルのあるブリーダーを選ぶことによって避けられる病気です。また、有能な猟犬として育種されてきたフラットコーテッドレトリバーにとって、運動不足は大きなストレスです。ストレスもまた、病気の一因となる可能性があります。あらゆる病気は、早期発見が大きなカギとなります。1日でも長くフラットコーテッドレトリバーと暮らしていくためにも、日頃から細かく観察して、少しでも変だなと感じたら早いうちに動物病院へ連れて行くことがおすすめです。

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nao

この記事のライター

nao

「愛犬の気持ちを理解したい」「寄り添ったコミュニケーションを取りたい」という思いからドッグライターとして犬に関する知識を学び、発信しています。愛犬の笑顔を守るために、そして同じ思いを抱く飼い主さんのために、有益な情報を発信していけたらと思っています。

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