「パグ座り」って知ってる?特徴的な座り方をする理由と注意が必要なサイン
みなさんは「パグ座り」という言葉を耳にしたことはありますか?その名の通りパグによく見られる座り方で、何とも言えない哀愁の漂った座り方はSNSでも人気となっています。しかし、ユニークで愛らしいパグ座りの中には注意が必要なケースもあり、早急に動物病院に連れて行かなければいけないことも。今回は、パグ座りをする理由と注意が必要なサインについてご紹介します。パグ座りについて知りたい方や、愛犬がよくパグ座りをしているというパグオーナーさんはぜひ目を通してみてくださいね。
「パグ座り」ってなに?
パグを飼っている方であれば「パグ座り」と聞いてどんなものなのか想像できるかと思いますが、パグ以外の犬種と暮らしている人や犬を飼っていない人は「パグ座り?」と疑問符が浮かぶのではないでしょうか。一般的な犬のお座りの姿勢とパグ座りの姿勢は少し異なるようです。詳しくみていきましょう。
一般的に犬のお座りの姿勢は上記の写真のように前足と後ろ足をきちんと揃えて座っている状態ですよね。一方パグ座りは、人間でいう「お姉さん座り」のように、おしりをペタンと地面につけ、足を横に投げ出して座る座り方です。
まるで脱力した人間のような座り方で思わず笑ってしまいますよね。はじめてパグを飼ったという方であれば、愛犬が不思議な座り方をしていて驚いた経験のある方もいらっしゃるかもしれません。
このような座り方はパグだけでなくフレンチブルドッグでも見られることがあり、その場合は「フレブル座り」と呼ばれます。
パグ座りをするのはなぜ?
パグ座りは一般的に想像するお座りの姿勢と異なることが分かりましたが、なぜパグはこのようなユニークな座り方をするのでしょうか?ここではパグ座りをする理由として考えられているものをご紹介します。
楽な姿勢だから
パグは小型犬に分類されますが、筋肉質でムチムチとした体型をしています。そのため、一般的なお座りの姿勢を窮屈に感じることがあり、おしりをぺたっと地面にくっつけることで安定して身体を支えることができるパグ座りのほうが楽だと感じることが多いようです。
また、パグ座りは何かあったときに機敏に対応できる体勢ではないため、リラックスしているときに見られる座り方であるとも言われています。
パグのルーツが関係している
パグは非常に古い歴史を持ち、一説には紀元前2000年頃には存在していたとされています。そのルーツを辿ると、中国の宮廷からオランダ王室、フランスの皇帝ナポレオンの妻ジョゼフィーヌ、ヴィクトリア女王などといったヨーロッパの王侯貴族のもとで愛玩犬として飼われることが多い犬種でした。
そのため、外敵に襲われる心配があまりなく、身を守るために周囲を警戒して過ごす必要がなかったのです。このような歴史的背景から、リラックスした座り方をするのではないかという考えもあります。
パグの歴史について詳しくはこちらの記事で紹介しています
パグ座りって大丈夫なの?
人の場合、横座りやあぐらなどの悪い座り方をすると骨盤が歪んでよくないと言われますが、犬の場合は何か問題はないのか気になりますよね。
人間と同じで犬にも「座り癖」があり、足を崩して座ること自体は珍しくはないと言われています。パグやフレンチブルドッグなどの特定の犬種ではこの座り方をする子のほうが多いともされており、リラックスしているときには足を崩して座っているけれど、普段の「お座り」のコマンドできちんとお座りができていたり、歩き方や走り方に異常がないという場合には、単に癖であったり、その子の好きな座り方・楽だと感じる座り方だと考えられるので、特に問題はないようです。
しかし、足を横に投げ出して座るパグ座りは、怪我や関節に異常がある際に見られる座り方でもあります。そのため、パグ座りはパグによく見られる座り方だから大丈夫、と判断してしまうと不調を見逃してしまうかもしれません。
急に足を崩して座るようになった、歩き方がおかしいなどの場合には関節の痛みや何らかの異常の可能性があるので、かかりつけ医に相談することをおすすめします。特にパグやフレンチブルドッグ以外の犬種でこのような行動の変化が見られたら要注意です。
また、子犬のころから足を崩して座っていて、きちんと足を揃えたお座りができないという場合には、先天的に股関節や関節に異常があると考えられます。その場合も獣医師に相談しましょう。
パグ座りをしているときに疑われる病気
パグ座りはパグだけに限らずほかの犬種でも見られることがある座り方ですが、中にはリラックスや座り癖ではなく、何らかの怪我や病気が原因となってそのような座り方をしている可能性もあります。パグ座りをすることがある病気についても知っておきましょう。
膝蓋骨脱臼
膝蓋骨脱臼は、膝蓋骨と呼ばれる膝のお皿のような骨が外れてしまう状態です。膝蓋骨が内側に外れる「内方脱臼」と、外側に外れる「外方脱臼」があり、小型犬の場合は内方脱臼がよく見られると言われています。骨の細いトイプードルやチワワ、ポメラニアンなどの犬種はリスクが高くなるため特に注意が必要です。
パグ座りのように足を投げ出した座り方をするほか、スキップのような歩き方をしたり、お散歩や運動を嫌がる、「キャン!」と鳴いて痛がるなどの様子が見られたら膝蓋骨脱臼の可能性があります。症状の程度によってグレード1~4に分けられ、軽度の1の場合は日常生活にあまり支障はないと言われているものの、放っておいても治ることはなく、脱臼を繰り返すことで関節炎や前十字靭帯断裂などを引き起こすこともあるので、愛犬の歩き方に違和感を覚えたら動物病院を受診するようにしてください。
詳しくはこちらの記事をチェック
股関節形成不全
股関節形成不全は股関節の発育の段階で関節の周りの骨が変形し、骨と骨がうまくかみ合わず、関節内に炎症を起こす病気です。 大型犬や超大型犬に多く見られますが、小型犬、中型犬でも発症することがあります。はっきりとした原因は分かっていないものの、遺伝的な要因が大きいようです。一方で、肥満や激しい運動などによる関節への負担といった後天的な要因も影響すると考えられています。
横座りをする、腰を振って歩く(モンローウォーク)、長い距離を歩けない、歩き方が不自然などの様子が見られたら股関節形成不全の疑いがあるため、なるべく早い段階で動物病院を受診しましょう。
詳しくはこちらの記事をチェック
パグは独特な座り方をすることがあるけれど
パグ座りは脱力感があり、可愛らしい姿で癒されますよね。パグやフレンチブルドッグなどの犬種ではよく見られる座り方なので特段問題がないケースもありますが、中には何らかの異常を抱えていて足を投げ出した座り方をしている可能性もあります。
ほかの犬種の場合には、リラックスしているときだけに見られるということであればさほど心配はいらないかもしれませんが、「今までこんな座り方はしなかった」、「歩き方が少し変かも」など、愛犬の様子に違和感を覚えたら念のため獣医師に相談するのが安心です。動物病院で同じように座ってくれるとも限らないので、愛犬が気になる座り方をしているときには写真や動画を撮っておくと診察の助けになります。
変わった座り方をしていたらほほえましく感じたり、ユニークだなぁと受け取ってしまいますが、座り方には何らかの異常が隠れていることもあるので、いつもと違う気がすると感じた時点で動物病院に連れて行くようにしてくださいね。
こちらの記事もチェック!
この記事のライター
choco
シェルティとの生活に憧れる社会人です。みなさんの愛犬との暮らしがより豊かになるような情報を発信できたら、と思っています!
パグに関する記事
飼い方/育て方
パグの寿命ってどれくらい?かかりやすい病気と一緒に暮らすうえでの注意点
特徴的な見た目はもちろん、陽気で愛嬌のある性格やユニークな行動から人気のパグ。無駄吠えも少ない...
2024年10月23日
飼い方/育て方
パグの値段はどれくらい?ペットショップによって値段に差があるのはなぜ?
ぶさかわ犬としてフレンチブルドッグとともに人気のあるパグ。特徴的な見た目はもちろん、コミカルな...
2024年10月18日
しつけ
パグってどんな性格をしてる?特性を理解して上手にしつけよう
鼻ぺちゃな犬と聞いてパグを思い浮かべる方は多いと思います。笑っているような困っているような愛嬌...
2024年10月15日
飼い方/育て方
パグの赤ちゃんをお迎えしたい方必見!子犬期のお世話の仕方を解説します!
子犬はみんな可愛いですが、もちもちころころなパグの子犬は困っているかのように見える表情も相まっ...
2024年10月10日
飼い方/育て方
黒パグは珍しい毛色?特徴と飼育上の注意点をご紹介
大きな瞳と鼻ぺちゃなお顔のパグは、ジャパンケネルクラブの犬種別犬籍登録頭数でここ7年ほど11~...
2024年10月7日