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ヒューマングレードってなに?最新のドッグフードについて知っておきたい本当のこと

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ドッグフードのパッケージやメーカーのホームページに「ヒューマングレード」という文字を見たことはありませんか?この「ヒューマングレード」という言葉を直訳すると「人間の等級」となります。いかにも人間でも食べることができそうな言葉ですが、実際のところはどうなのでしょうか?

今回は、メーカーのイメージ戦略とも言われている「ヒューマングレード」とはどのようなものなのか、詳しく解説していきます。

ヒューマングレードってなに?最新のドッグフードについて知っておきたい本当のこと
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目次

  1. ドッグフードに「ヒューマングレード」が使われるようになったのは何故?
  2. ヒューマングレードなら本当に安心安全?
  3. では、本当のヒューマングレードドッグフードってなに?
  4. ヒューマングレードのドッグフードを選ぶ時のポイント
  5. ヒューマングレードは原材料をちゃんとチェックしよう!

ドッグフードに「ヒューマングレード」が使われるようになったのは何故?

餌を食べる犬
MART PRODUCTION Pexels

ひと昔前まで犬を“家族”として扱う家庭は少なめでした。

犬は「番犬」としての飼い方がほとんどで飼育は基本的に外。鎖につながれて、庭の範囲で行動し、食事も人間が食べたあとの残飯を食べて生活していました。


しかし近年ではペット需要の増加に伴い“ペットの家族化”が進んでいます。

ワクチン接種やしつけをして室内飼いする飼い主さんが増え、食事にたいしても栄養面から考える風潮が高まり、飼い犬を家族として扱う人が増えています。


そういった飼い主のニーズに応えるためドックフード業界が出したのが

「人が食べられる原料」を使用した「ヒューマングレード」の商品になります。

ただし、ヒューマングレードだから何が入っていても安全安心ということではありませんので良く注意してドッグフードを選ぶ必要があります。

安全性については下記で解説します。

ヒューマングレードなら本当に安心安全?

犬のごはん
shootdelicious Unsplash

 ヒューマングレードは、最近のドッグフード業界ではちょっとしたブームにもなっています。パッケージに「ヒューマングレードの原材料を使用しています」とあると、安心なイメージを持つのではないでしょうか。

ところが、この日本ではよくみかける表記、実はアメリカではほとんど使用されていません。日本で、アメリカブランドのドッグフードにヒューマングレードと表記されていても、アメリカではそう謳われないのは何故でしょうか。

アメリカでの定義とは(※1)

 アメリカでは、ペットフードメーカーと獣医師によって組織されているAAFCO(米国飼料検査官協会)が、安全なペットフードのために適切な成分基準などを定めています。そして「ヒューマングレード」についての見解と定義が示されています。

アメリカでは、USDA(米国農務省)が、人間が食べられる製品を公式に「食用」と定義しています。食用とされる食品は、安全性の担保のために製造規則を設け、公的検査を通過したものだけが提供されます。そして、これらがヒューマングレードと表記されることはありません。

AAFCOでは、人間用に作られた製品はペットにとっては栄養が不十分だとしています。

ヒューマングレードの表記は、人間が食べられることが前提

 ドッグフードにヒューマングレードと表記されている場合、アメリカでは「人間も食べられること」を意味するとみなされます。もし、ドッグフードの原材料のすべてが人間も食べられるものであればヒューマングレードと表記できますが、今度は犬にとって必要な栄養は満たされない可能性があるため、アメリカでヒューマングレードと表示されたドッグフードは流通していません。 

日本では・・・

 日本では、農林水産省が管轄するペットフード安全法によって、ドッグフードの品質管理が求められています。一方、人間用の食品は、厚生労働省が管轄している食品衛生法に基づいて製造販売されています。

ヒューマングレードには「人間用の食材で作られている」というイメージがあるかもしれませんが、食品衛生法で管理された食材を原材料に使用したドッグフードはほとんどないのではないでしょうか。もし使われていたとしても、多くのドッグフードは人間が食べないまたは食べることができない部分(内臓、端肉)を活用している可能性があるので、表記はよく確認する必要があります。

そもそも日本のペットフードの安全基準はかなり低い。

日本でも2009年にペットフードの安全確保を目的として「ペットフード安全法」が施行され健康に害を及ぼすようなペット向けの食品の製造・輸入・販売が禁止されました。しかし残念ながら日本はペット先進国と比べるとまだまだ遅れていて、未だにペットフードは法律上では「食品」として分類されていないのが日本の現状です。

そのためペットフードは牛・豚・鶏などの家畜のエサよりも制限や規制が少ない最低限のレベルで安全基準が設定されています。

同じ動物でも牛や豚などの家畜と、犬や猫などのペットの安全基準が区別されている理由は、家畜は人間が食べる食材になるので人の体に悪影響を及ぼさないようにエサに使用できる材料や添加物などの安全基準が細かく設定されています。一方、ペット用のフードは人が日常的に食べることはありませんので、ペットフードの安全基準は食用や家畜のエサよりも低く、食品や家畜のエサとは製造ラインも分けるように定められています。

ちなみにペットフードの原材料には、見栄えの悪い不揃いの野菜や果物、食用にならない家畜の端切れ肉や内臓、血液、骨、羽、ひづめなども使用されています。さらには「4Dミート」と呼ばれる死亡した動物肉(豚・鶏・牛など)の使用も認められているのです。

「4Dミート」についての詳しい記事はこちらをチェック!

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犬の健康を守るために作られるドッグフードですが、中には原材料や成分などを見たときに本当に健康維持に適したものが使われているのか?疑問符がつくようなドッグフードも中にはまだ存在するのが現状です。 

では、本当のヒューマングレードドッグフードってなに?

ごはんを食べる犬
cottonbro studio Pexels

世界初の100%ヒューマングレード

 ドッグフードブランドから発売された「オネストキッチン」は、愛犬の健康を気遣う開発者が、自ら自宅キッチンで愛犬の手作りご飯を始めたことがきっかけで、原材料にこだわって作られています。

原材料へのこだわりは、100項目にもわたる製造及び品質管理基準を満たしていることからもわかります。

通常のドッグフードとの大きな違いは、低温乾燥されたドッグフードをぬるま湯をに注ぎふやかすところです。カップラーメンのように3分待って完成するという、今までにないドッグフードです。

ヒューマングレード表記に振り回されないで!

 現在販売されているドッグフードの中で、本当の意味でのヒューマングレードを表記できるドッグフードブランドは、数えるほどなのではないでしょうか。

「人間の食用に適する」という意味で使われる本来の英語は、「エディブル(edible)」です。

残念ながらドッグフードの原材料には「食品衛生法」のような法律がないため、各製造メーカーの良心に委ねられているのが現状ではあります。

ヒューマングレードのドッグフードを選ぶ時のポイント

餌を食べる犬
kabofoods Unsplash

ポイント①原材料のチェック

ドッグフードから良質なタンパク質が摂取できるか確認しましょう。良質なたんぱく質は、動物性のたんぱく質から摂取できるため、鶏肉・馬肉・魚などをメインに作られているドッグフードを選びましょう。

また、注意したい食材が穀物です。犬は穀物の消化は苦手なので、穀物の配合量が多く含むドッグフードは、体質に合わない可能性があります。

できるだけ配合バランスの良いドッグフードを選びましょう。

ポイント②人工添加物

食品添加物の種類によっては、アレルギーや健康被害の原因となることもあるため、犬の体にも良いとは言えません。原材料を確認して不要な添加物が入っていないものを選びましょう 

避けた方がよい添加物表

少量であれば問題ない場合もありますが、入ってない方がより安全に与えることができます。 

ポイント③トレーサビリティが取り入れられているか

トレーサービリティとは

食品や製品が「いつ、どこで、誰によって、どのように作られたのか」などの情報が追跡できるようになっている仕組みのことです。

最近のヒューマングレードの餌を取り扱うメーカーでは、トレーサービリティシステムを導入しているところもあります。商品に問題があった時の対応や解決能力も高く、安全性にも配慮があり、消費者としては安心して購入しやすいのがメリットです。

ヒューマングレードは原材料をちゃんとチェックしよう!

餌を食べる犬
camylla93 Unsplash

 本当に安全なドッグフードを選びたいと思った時には、どんな食材が使われているのか原材料表を細かくチェックして、不安や不明なことがある場合は直接メーカーに問い合わせることがおすすめです。

参考文献

ASSOCIATION OF AMERICAN FEED CONTROL OFFICIALS

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この記事のライター

komugi

都内で愛犬のビーグルと暮らしています。コロナ期間中に肥満体型になってしまった愛犬のために食事や運動について勉強をはじめました。面白い発見や愛犬家の皆様に役立つ情報があればどんどん発信していきます!

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