犬はヨーグルトを食べても大丈夫?与える際に注意が必要な種類とうれしい4つの成分
朝ごはんのお供に人気の乳製品ヨーグルト。健康のために食べている方も多いのではないでしょうか?発酵食品であるヨーグルトは、整腸作用に効果がある食品として知られています。そんなヨーグルトは、犬も大好きな食品の一つです。今回は、ヨーグルトの栄養素や、愛犬に与える際の食べさせ方と注意点、また食べてはいけない体質のコについても解説します。
「ヨーグルト」は何種類ある?
ヨーグルトは牛乳や山羊乳に乳酸菌を加えて発酵させたエジプトが発祥の食品です。一口で乳酸菌といってもその種類は約350種類あり、その中から人間のカラダに有効に働くと思われる菌株を使用してさまざまな種類のヨーグルトが作られています。
現在、国内で生産されているヨーグルトに使用されている菌の種類は、ラクトパチルス・ガセリ、楽と国家酢・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリス、ラクトパチルス・デルブレッキ・サブスプ・ブルガリカス、ビフィドバクテリウム、ビフィドバクテリウム・ロングムの5タイプ。使われている菌の種類によって効果はさまざまですが、これ以外にも多くの栄養素が含まれています。
まずは、ヨーグルトの栄養成分について知っておきましょう。
ヨーグルトは有効に栄養素を摂取できる食品
ヨーグルトには、乳酸菌以外にたんぱく質、カルシウム、ビタミン群、炭水化物、脂質が栄養成分として含まれています。ヨーグルトに含まれているこれらの栄養素は乳酸菌によって分解されているため消化吸収が良く、他の食品から摂取するよりも効率が良いとされています。
「ヨーグルト」の代表的な4つの栄養素!
ヨーグルトに含まれている成分で注目したいのは、乳酸菌・ビタミン群・たんぱく質・カルシウムの4つ。ここでは、4つの成分についてご紹介します。
乳酸菌パワーをヨーグルトから摂取
腸内環境を整えてくれることで知られている乳酸菌。乳酸菌は、腸内の悪玉菌の発生を防ぎ、増殖を抑える働きがあります。腸内環境を整えることで、さまざまな効果が期待できます。
ヨーグルトには優秀なビタミンが含まれている
ヨーグルトには、皮膚を健康に保つビタミンA、粘膜や皮膚の健康を維持するビタミンB1、細胞を修復するビタミンB2、カルシウムの吸収を助けるビタミンDが含まれています。どれも犬に与えたいビタミンと言えます。特に、ビタミンBは牛乳の4倍も含まれているのです。
豊富なたんぱく質も見逃せない
たんぱく質は犬にとってとても大切な三大栄養素の一つです。ヨーグルトには、血液や筋肉のもととなるエネルギー源であるたんぱく質が、牛乳より多くプレーンヨーグルト100gあたり3.6gも含まれています。ヨーグルトに含まれているたんぱく質は、乳酸菌によってペプチド類に分解されるため消化吸収に優れています。また、ペプチドはカルシウムの吸収を助ける働きが期待できる成分です。
カルシウムもたっぷり
ヨーグルトには、ミネラルの一つでもあるカルシウムもプレーンヨーグルト100gあたり120mgと牛乳より多く含まれています。カルシウムは、骨の成分となるだけではなく、カラダの生理機能を調整してくれる大切な栄養素です。また、ヨーグルトに含まれているカルシウムは、乳酸菌の働きによって吸収が促進されるため、カルシウム補給には有効な食品といえます。
栄養満点な「ヨーグルト」与えてもいい種類は?
最近では、さまざまな種類のヨーグルトが販売されているので、どのタイプのヨーグルトを選べばいいのか迷ってしまうことも多いはず。そこで、犬も食べやすいヨーグルトの種類をおさえておきましょう。
添加物のない生乳100%がおすすめ
市販されているヨーグルトには、加糖と無糖の2種類があります。犬に与える場合には、『無糖』のものを選びましょう。また、同じプレーンヨーグルトでも生乳の含有量が異なります。価格が安いヨーグルトには、生乳の他に添加物が入っている可能性があるため、犬に与えるときには生乳100%と明記されているものを選びましょう。
犬にヨーグルトを与えるときのポイント
犬には、生乳100%の無糖ヨーグルトをあたえることが基本です。また、犬にとって有効な「生きた酵素」をあたえたい場合は、元となる牛乳が機械で撹拌され加熱殺菌された市販のものより、生乳を使って自宅で手作りすることがおすすめです。
ヨーグルトは毎日継続してあたえた方が効果が期待できるため、小型犬の場合は1日にティースプーン半分から1杯を目安にしてみましょう。喜ぶからといって、人間が食べるのと同じだけの量をあたえてしまうと、お腹を壊してしまう可能性があります。また、乳酸菌は胃酸に弱いため、胃酸が薄まっている食中または食後にあたえることがポイントです。フードや果物などの食べ物に混ぜたり、デザートとして与えてもよいでしょう。
犬にヨーグルトを与えるときに注意したい乳糖不耐症
犬に牛乳やヨーグルトをあたえるとお腹を壊すことがあります。これは、乳製品に含まれるラクトースと呼ばれる乳糖を消化吸収できないことから起こる症状です。これを乳糖不耐症といいます。
犬は人よりもこの乳糖不耐症の体質を持つ場合が多く、このため牛乳やヨーグルトを与えるとお腹を壊すのです。ただし、ヨーグルトに含まれている乳酸菌が乳糖の一部を分解しているため、牛乳ほどお腹を壊すことは少ないのですが、犬がヨーグルトを食べた後に消化不良を起こしたときには注意が必要です。また、まれにアレルギー症状を起こすことがあるので、初めは少量あたえてみて様子をみてください。
犬によって合う乳酸菌のタイプが異なる
人間と同じように、犬によって食べやすいヨーグルトは異なります。犬に与えたい乳酸菌タイプとして、Bb-12株、GCL1176株、クレモリスFC株、ビフィズス菌SP株、ガセリ菌SP株、HSK201株などがあります。犬によっては乳酸菌株の種類によって、合う合わないがあるので、どの乳酸菌株が適応しているのか見極めてあげることが大切です。また、お腹の調子が悪くなってしまった場合には、ヨーグルトの種類を変えて様子を見ることがおすすめです。
ヨーグルトで愛犬の健康をサポートしよう!
腸内環境を整えることは、健康な生活を送る上でとても大切なことです。最近では、犬の腸内環境を整えるためにさまざまなサプリメントが発売されていますが、まずは身近なヨーグルトを与えてみてはいかがでしょうか。優秀な栄養素を持つヨーグルトを与えることで、日頃の悩みが改善される可能性があるかもしれません。またヨーグルトは、自宅でも手軽に作れるので、ぜひ自家製ヨーグルト作りに挑戦してみてはいかがですか。
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この記事のライター
komugi
都内で愛犬のビーグルと暮らしています。コロナ期間中に肥満体型になってしまった愛犬のために食事や運動について勉強をはじめました。面白い発見や愛犬家の皆様に役立つ情報があればどんどん発信していきます!
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