【獣医師監修】暑い時期のお散歩はマムシに注意!愛犬が咬まれてしまったときの対処法を解説します
暑い季節になってくると気をつけたいのが、マムシです。毒ヘビの1種であるマムシは、草木が生い茂るところや田んぼのあぜ道などにいることがあるため、お散歩時に愛犬がマムシをうっかり踏みつけてしまわないよう注意する必要があります。
本記事では、愛犬がマムシに咬まれたときに現れる症状や、咬まれないようにするための対策などについて解説していきます。
目次
まずはじめにマムシの生態について知っておこう
マムシ(ニホンマムシ)は、クサリヘビ科マムシ属のヘビの1種で、毒を持っているヘビです。沖縄を除いて、全国に生息しています。
大きさはヘビの中では小さく、体長は50~60cm前後です。7~9月頃の暑い時期によく見かけます。目が細くて鋭く、上から見ると頭の先端がやや尖っており、三角の形をしているのが特徴です。首は細いものの胴体は太く、ずんぐりとした印象。色は褐色で、楕円形の模様が入っています。
マムシが潜んでいる場所
マムシは夜行性で、よく見られる場所は森林や田んぼのあぜ道、水辺の岩の間や草むらなどです。水場の近くによく生息しています。
マムシは自分から襲ってこない
毒ヘビと聞くと襲ってくるのではないかと不安になりますが、マムシは臆病なのでこちらが何もしなければ、自分から攻撃的な態度を取ってくるようなことはありません。
気をつけなければならないのが、マムシはとぐろを巻いておとなしくじっと草木の間などに潜んでいることが多いので、犬がそれに気づかずうっかり踏んでしまうことです。
草むらに立ち入って地面のニオイを嗅いでいるときや、排泄しているときにマムシを刺激してまって咬まれるというケースが多いため、四肢の先端や口の周りを咬まれやすいです。
マムシの毒の危険性
同じ毒ヘビであるハブに比べてマムシの毒性は強いですが、体の大きさが小さいことから、持っている毒は少量です。犬は人間よりもマムシの毒に対する耐性が強いので、咬まれた後に放置せずきちんと対処をすれば、命を落とすようなことはほぼありません。
ただし、体力のない子犬や老犬、体の小さい小型犬は、毒による体への負担が大きいため注意が必要です。
犬がマムシに咬まれた場合の症状
犬がマムシに咬まれたときは、痛みが伴うので「キャン」と高い声で鳴く、足を咬まれたときは足をあげるなどの様子が見られるので気づきやすいかと思います。主な症状には以下が挙げられます。
痛みを伴う腫れ
マムシの毒は血液の凝固を阻害する出血毒です。犬がマムシに咬まれると、激しい痛みを伴い咬まれた部位が腫れ上がり、時間が経つにつれて腫れと内出血が広がっていきます。顔がパンパンに腫れ上がり、顔の輪郭が四角くなってしまうこともあります。
出血
マムシの毒には、浮腫作用のほかに出血作用もあるので、マムシに咬まれた部分が出血し、翌朝になっても出血が止まらないこともあります。
食欲低下
激しい痛みや発熱、低血圧によりぐったりとして食欲が低下し、しばらく続くこともあります。多くの場合において、症状が回復するにつれ食欲も戻ってきます。
皮膚の壊死
ひどい場合は、マムシに咬まれた部分の皮膚が壊死してしまうこともあります。
愛犬がマムシに咬まれた場合の対処法について
愛犬がマムシに咬まれたら、焦らずに適切に対処することが大切です。万が一に備え、対処法を覚えておきましょう。
応急処置をする
愛犬がマムシに咬まれた際は、咬まれた部位を水ですすぎ、冷たくしたタオルを当てて応急処置をしましょう。そして安静を保ち、早急に動物病院に連絡をして、連れて行ってください。
愛犬の体を動かさないように気をつける
万が一、愛犬がマムシに咬まれてしまった際は、体をできるだけ動かさないようにしましょう。体を動かすと毒の回りが早まってしまう場合があります。マムシに咬まれた愛犬を見て気が動転してしまうかもしれませんが、決して愛犬を抱きかかえて走ったりなどはしないように注意してください。
犬がマムシに咬まれた場合の治療法とは
マムシの咬傷の治療は、炎症を抑えるための消炎剤や細菌感染に対する抗生剤、出血を止めるための止血剤の投与が行われます。また、出血が止まらない場合は、輸血をする場合もあります。
元気がなくぐったりしている場合は、入院下で静脈点滴やショックに対する緊急の治療の目的でステロイド剤などの投与を行い、回復を図ります。
咬まれてから治療をするまでの時間が短いほど症状が軽く済みます。1週間程度で回復するケースも多いですが、症状の発現の程度などはその子の体質など個体差があります。
基本的に咬まれてすぐに適切に対処すれば深刻化しないケースが多いですが、咬まれた後に治療をせずそのまま放置していると、命の危険につながる可能性もあるので注意しましょう。
愛犬がマムシに咬まれないようにするには
マムシに咬まれないようにするには、マムシがいそうな場所に不用意に愛犬を近づけないようにしましょう。
特に、ミニチュアダックスフンドのように小さな物を追いかけたくなる性質が強い犬種は、マムシが逃げたとしても追いかけてしまい、マムシを刺激して咬まれる、ということもあるので気をつけてください。
また、愛犬と一緒にハイキングに出かけるようなこともあるかと思いますが、マムシがよく出る場所には「マムシに注意!」などの看板が立てられていたりするので、周りを気にしながら歩くようにしましょう。
愛犬がマムシに咬まれたときはすぐに動物病院へ
水辺の草むらや岩場の間など、マムシがいそうな場所に愛犬を近づけないようにしましょう。マムシはこちらが何もしなければ襲ってくることはないので、焦らずにそっとその場から立ち去り、刺激しないように気をつけてください。
万が一、愛犬が咬まれてしまった際はできる範囲で応急処置をして、「マムシに咬まれた」と連絡をした上で、すぐに動物病院に連れて行きましょう。
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この記事のライター
choco
シェルティとの生活に憧れる社会人です。みなさんの愛犬との暮らしがより豊かになるような情報を発信できたら、と思っています!
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