【獣医師監修】犬が寝ながら震える理由について|考えられる病気と対処法を解説
愛犬が寝ながら震えていたら、何かの病気ではないか、どうしたら良いのかと不安になってしまいますよね。この記事では、犬が寝ながら震える原因や考えられる病気、対処法について紹介していきます。万が一のときに対処できるよう、生理的な震えなのか、病気による震えなのかを区別するポイントを覚えておきましょう。
犬が寝ながら震えている場合に考えられる原因
犬が寝ながら震える場合に考えられる原因には、以下のようなものが挙げられます。
考えられる原因【1】浅い眠り
寝ているときにピクピク震えるのは、犬の眠りが浅いときに見られる行動です。大半が問題のないものですが、激しい動きや何回も長時間にわたって繰り返す場合は脳や気管の疾患が考えられるため、注意する必要があります。表情や呼吸状態にいつもと違う点がないか、よく観察してみましょう。
考えられる原因【2】寒さ
寒い環境下では、身体を震わせて熱を発生させようとしている場合があります。愛犬が身体をぎゅっと丸めたり、飼い主さんにピタッとくっついてくるなど寒さを感じている様子が見られたら、エアコンで室温の調整を行ったり、ペットヒーターなどの暖房アイテムを活用して部屋を暖めてあげましょう。
考えられる原因【3】筋肉疲労
たくさん運動した日は、筋肉疲労により身体がピクピクと震える場合もあります。ビクッと四肢を動かしたり、走ったりするような動きをすることもありますが、問題のない場合がほとんどです。
考えられる原因【4】痛みによるもの
病気や怪我による痛みや不快感から震えることもあります。震えのほかに呼吸が荒い、ぐったりしている、触ろうとすると唸るなどの様子が見られたら痛みを感じている可能性があるので、動物病院に連れていきましょう。
犬が寝ながら震えている場合に考えられる病気
犬が寝ながら震えている場合に考えられる病気の一例をご紹介します。当てはまる症状が見られたらすぐに動物病院に連れて行ってください。
併発する症状【1】大量のヨダレ
震えが始まる前に大量のヨダレを出していたり、普段と様子が変わったりした場合は以下の病気の可能性があります。
考えられる病気【1】てんかん
てんかんとは、脳の構造自体は正常で、機能に異常が起こる病気です。部分的な小さな震えから、全身の震えまでさまざまで、震えが起こる間隔もまちまちです。
軽い発作の場合は薬でコントロールができることもある反面、重い発作、例えばてんかん発作が頻発する群発発作や重積発作の場合、きちんと薬を飲んでいても抑えきれずに死亡につながる恐れがあります。
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併発する症状【2】身体が熱く、ぐったりしている
震えに加えて、口呼吸が激しい、口の中や舌が赤い、ぐったりとしているといった症状がみられる場合は注意が必要です。
考えられる病気【2】熱中症
犬は体温が42℃を超えると死の危険があります。筋肉が震えるのは重篤化した際の症状のひとつです。対処が遅れると、脳や内臓の機能障害といった後遺症につながります。室内でも熱中症になる危険があるので注意しましょう。
併発する症状【3】食欲の低下、下痢や嘔吐
寝ているときの震えのほかに、食欲の低下や下痢・嘔吐などの消化器症状が見られたら以下の病気が考えられます。
考えられる病気【3】低血糖症
低血糖症とは血液中の血糖値が極度に不足することでさまざまな不調をきたす状態です。生後3ヶ月くらいの子犬でよく見られますが、成犬でも発症することがあります。空腹や寒さ、寄生虫、ストレスなどのほか、副腎皮質機能低下症、膵臓の腫瘍、肝臓の疾患など原因はさまざまです。低血糖症は放っておくと死に至ることもあるため、迅速な処置が必要になります。
応急処置として砂糖水やぶどう糖、ガムシロップなどの糖分となるものを与える方法もありますが、意識がもうろうとしているときに無理やり飲ませようとすると誤嚥する可能性もあるので、その場合は歯茎や粘膜に塗り、なるべく早く動物病院へ連れて行ってください。
併発する症状【4】そのほかの神経症状や嘔吐
嘔吐や、麻痺といった症状がないか確認しましょう。
考えられる病気【4】脳炎
強い感染力のジステンパーウイルス感染症は、致死率の高い犬の感染症です。脳に侵入したウィルスが脳炎や脳脊髄炎を起こした結果、震えが引き起こされます。回復しても神経症状が後遺症となる可能性が高い病気です。
その他のウイルスや細菌感染によるもの、免疫反応によるものなど原因はさまざまですが脳に炎症がある場合、神経症状のひとつとして震えが起こる場合もあります。
犬が寝ながら震えている場合の対処法
万が一に備えて、対処法を見ていきましょう。
対処法【1】室温を調整する
犬が寝ているときに震えている場合は、まず室温を調整してあげましょう。犬が快適に過ごせるのは21~25℃で、湿度は50~60%と言われています。犬種や年齢にもよるので様子を見ながら調整するようにしてください。
対処法【2】犬がケガしないようにする
犬が自分の意思とは関係なく激しく震えている場合は、抱き上げたり、なでたりせずに犬の周りをクッションなどの柔らかいもので囲み、ケガの危険を減らしてください。
対処法【3】震えが再発しないか様子を見る
回復したあとに再び震えが起こらないか、最低でも1日は様子を見てあげてください。また、激しい震えの場合、身体のどこかをケガしていないか、痛がっていないかもチェックしましょう。熱中症による場合は、室内を涼しくし、全身を冷やしてあげることをおすすめします。
また、目に見えない臓器がダメージを負っている可能性もあるため、詳しい検査を受けたほうがいい場合があります。必ず動物病院を受診しましょう。
震えている原因を落ち着いて見極めましょう
犬が寝ながら震えるのにはさまざまな原因があります。寒さや筋肉疲労のような問題のない震えなのか、動物病院を受診すべき問題のありそうな震えなのかは判断が難しいと思います。
まずは落ち着いて観察し、症状をメモしたり、携帯やカメラなどで動画を撮って記録してみてください。動物病院に行った際に説明しやすいよう、慌てずにしっかり対応しましょう。
ほかにどのような症状があるのかもチェックするようにして、普段からささいな変化も見逃さないように様子を見てあげると安心ですね。
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この記事のライター
choco
シェルティとの生活に憧れる社会人です。みなさんの愛犬との暮らしがより豊かになるような情報を発信できたら、と思っています!
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