犬にイクラを与える場合は注意が必要!栄養素や注意点を知って愛犬にイクラを使った手作り料理を!
天然栄養素のカプセルと言われる鮭の卵・イクラは、赤くて小さな粒の中にたくさんの栄養が詰まっている優秀食材。子供達に人気の寿司ネタであり、またお正月のおせち料理では「子宝に恵まれるように」という思いが込められている食材で、プチっとした食感が特徴の魚卵です。そんないくらは犬が食べても中毒症状を起こすような成分は含まれていませんが、与える際には注意が必要です。今回は、いくらの栄養成分、犬にいくらを与える際の注意点からお手軽レシピまでを解説します。
目次
犬にいくらを食べさせる場合は注意が必要!
鮭の卵で海の宝石とも呼ばれるいくらは、小さな粒の中に豊富な栄養が詰まっている食材です。いくらの旬は、鮭の産卵期である9~11月。鮭から取り出した筋子を一つ一つバラしたものをいくらと呼び、日本の食卓では塩漬けやしょうゆ漬けとして食するのが一般的です。
味付けされたイクラには、塩分が多く含まれるため、大量に犬に与えてしまうと、塩分過多になる可能性があるため注意が必要です。また初めて与える場合にはアレルギーへの配慮も必要となります。
犬が食べられるイクラの栄養素・成分
天然栄養素のカプセルと呼ばれるイクラは、1粒の中に犬の健康にも有効なたくさんの栄養が含まれています。
- DHA、EPA
- アスタキサンチン
- 脂質
- たんぱく質
- ビタミン・ミネラル
栄養素・成分|1.DHA、EPA
魚介類に含まれる栄養素の代表とも言えるDHA、EPAは、犬にとって必須脂肪酸の一つ。青魚に多いことで知られているDHA、EPAですが、実はいくらにはサバやサンマの約1.5倍ほどのDHA、EPAが含まれています。いくらに含まれているオメガ3系脂肪酸の約8割がDHA、EPAなのです。わずかスプーン1杯のいくらで、焼き鮭1枚分に相当するDHA、EPAが摂取できます。
栄養素・成分|2.アスタキサンチン
いくらの赤い色は、鮭の赤い色と同じアスタキサンチンと呼ばれる成分です。アスタキサンチンは、サプリメントとして人気のフィッシュオイルの成分でもあります。アスタキサンチンの大きな特徴は赤い色素。人参などに含まれているβカロチンの仲間で、抗酸化作用が強いことで知られています。
栄養素・成分|3.脂質
免疫力向上やアンチエイジングに役立つからとフィッシュオイルを愛犬に与えている方も多いのではないでしょうか?いくらには、不飽和脂肪酸であるオレイン酸が多く含まれています。さらに、オメガ3脂肪酸のDHA、EPA、レシチンもたっぷりと含まれています。
栄養素・成分|4.たんぱく質
いくらには、良質なたんぱく質もたっぷり含まれています。特にいくらのたんぱく質には、犬の健康維持に有効に働くアミノ酸が多く含まれています。中でもタウリンは、手作り食では欠乏しがちな栄養素。また、免疫力アップに役立つアルギニン、健康な被毛や皮膚を維持するために必要なシスチンなどもたっぷり含まれています。
栄養素・成分|5.ビタミン・ミネラル
いくらには、ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンD、ビタミンEといった犬の健康に役立つビタミンが豊富に含まれています。また、カルシウムやマグネシウムもたっぷり含まれています。中でもマグネシウムはカルシウムの働きを助け骨の代謝維持に役立つミネラルです。
犬にいくらを食べさせる際の注意点は?
小さな粒ひとつひとつに栄養が凝縮されているいくらですが、塩分が多いため与えすぎには注意が必要です。また、少量なら有効な栄養素でも、過剰摂取となると犬の体に悪影響を与える場合があるため、適量を与えることがおすすめです。
- 塩分の過剰摂取に注意
- コレステロールに注意
- 魚卵アレルギーに注意
注意点|1.塩分の過剰摂取に注意
いくらに限らず、魚卵は保存のために塩蔵という手法を使います。一般的にいくらの塩分量は、100gあたり約2.3%(2.3g)の塩分濃度とされています。AAFCO(米国飼料検査官協会)では、体重1kgあたりのナトリウムの養分基準を成長期の子犬は0.3%、成犬は0.08%としています。必要なナトリウムの量は、犬の大きさや年齢、持病のあるなしによっても変わりますが、適量の目安として小型犬は1日に100mg、中型犬で500mg、大型犬は1.5gとされています。お寿司の軍艦に乗っているいくらの量は約10gです。これで計算してみると、小型犬は大さじ1~2程度、中型犬・大型犬は大さじ3程度を目安としましょう。また、心臓や腎臓の病気や数値に問題がある場合は、与えないようにしましょう。
注意点|2.コレステロールに注意
栄養価の高いいくらですが、100g中480mgとコレステロール値が高いことも特徴です。コレステロールは、犬の細胞膜を構成する生命維持に欠かせない成分です。しかし、脂質であるため過剰摂取によって、血液中のコレステロールが増えすぎてしまうリスクがあります。血液中のコレステロールや中性脂肪が増加すると高脂血症を発症する可能性があるため、与えすぎには注意が必要です。
注意点|3.魚卵アレルギーに注意
いくらは、魚卵の中でもアレルギーを起こしやすい食材だと言われています。人間の場合は、子供にアレルギー症状が出やすいとされ、症状として蕁麻疹などのかゆみが現れます。また、重篤な症状ではアナフィラキシーショックを起こすこともあります。犬の場合も魚介類にアレルギー反応を起こす場合は、与えないようにしましょう。
愛犬のためのいくらを使った手作りご飯レシピ
いくらを愛犬に与える際には、そのままご飯にトッピングするのが一般的ですが、塩分が多いため少しだけ工夫して与えることがおすすめです。
- いくらとオクラの山芋和え
- いくらおろし
レシピ|1.いくらとオクラの山芋和え
塩分の多いいくらは、カリウムが豊富な野菜と一緒に摂取することで塩分の排泄に役立ちます。
材料
- いくら 小さじ1~2
- オクラ 1本
- 山芋(長芋) 2cm厚み程度
作り方
- オクラはさっと下ゆでし、食べやすい大きさに切っておく
- 長芋は皮をむき、すりおろす
- すりおろした長芋に切ったオクラといくらを混ぜ合わせる
ONE POINT:長芋には、良質なたんぱく質が豊富に含まれているため、いくらのたんぱく質と合わせてカロリー過剰にならないように、全体のたんぱく質量を調節してください。
レシピ|2.いくらおろし
いくらの塩分排泄に役立つ大根と合わせたお手軽レシピがいくらおろしです。犬ご飯にいくらをトッピングする時には、ぜひカリウムが豊富な大根おろしを添えてあげてください。
材料
- 大根 2cm厚み程度
- いくら 小さじ1~2
作り方
- 大根の皮をむいてすりおろす
- いくらをおろした大根と混ぜ合わせる
ONE POINT:夏大根を食べると感じる辛みは、イアリルイソチオシアネートと呼ばれる成分で、犬にとっては刺激物にあたります。辛みの多い部分は、大根の下の方にあるため、葉に近い上の部分を大根おろしにすることがおすすめです。
イクラは栄養豊富!でもトッピング程度にしておこう
海の宝石とも呼ばれるいくらは、美味しいだけではなくプチっとした食感も楽しい、子供にも人気のある食材です。また、栄養価も高く犬に必要な栄養素もたっぷり含まれていることも特徴です。しかし、いくらは塩分濃度や脂質も多く、食べ過ぎによる肥満や思わぬ疾患を招く可能性もあります。毎日、いくらが食卓に並ぶご家庭は少ないと思いますが、もし愛犬にいくらを与えるなら、月に1回程度にして、与えすぎないように十分に気をつけてください。
この記事のライター
komugi
都内で愛犬のビーグルと暮らしています。コロナ期間中に肥満体型になってしまった愛犬のために食事や運動について勉強をはじめました。面白い発見や愛犬家の皆様に役立つ情報があればどんどん発信していきます!
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