緑茶を犬に与えるのはNG!飲ませてはいけない理由や、中毒症状と対処法について
緑茶は日本人にとって馴染みのある飲み物ですので日常的に飲んでいる方も多いかと思いますが、犬にとって緑茶は有害なので飲ませてはいけません。では、なぜ飲ませてはいけないのか、その理由を知っておきましょう。また、犬が緑茶を飲んだときに引き起こされる中毒症状や対処法についても解説します。
少量でも犬に緑茶を飲ませてはダメ?
緑茶に含まれる主な成分はカテキン、カフェイン、アミノ酸、ビタミン、タンニンなどです。抗アレルギー作用や虫歯・口臭予防、抗酸化作用などが期待できるカテキンが多く含まれていますが、それと同じくカフェインも含まれています。犬がカフェインを摂取すると中毒症状を引き起こしてしまうため、少量であっても犬に緑茶を与えるのはやめましょう。
なお、環境省が公表している「飼い主のためのペットフード・ガイドライン」にも、緑茶は「注意が必要なもの、与えすぎないほうがよいもの」として挙げられています。(※1)
緑茶が含まれた食品も要注意
緑茶そのものだけでなく、緑茶が含まれたアイスクリームやクッキーなども要注意です。少し食べた程度であれば大丈夫な場合もありますが、摂取しても問題ない量は個体差があるため基本的には食べさせないようにしましょう。
また、人間の食べ物は人間用に味付けされているため、犬にとっては濃い味付けであることがほとんどです。愛犬の健康を害することもあるので、加工食品は与えないようにしましょう。
犬が緑茶を飲んでしまったときに見られる症状
万が一、犬が緑茶を飲んでしまった場合にどのような症状が現れるのかを知っておきましょう。
症状が現れる摂取量・致死量
中毒症状が現れる摂取量は、体重1kgに対してカフェイン約20mg、カフェイン摂取による致死量は、体重1kgに対して約140mgと言われています。
緑茶100mlあたりに含まれているカフェインの量は約20mgなので、単純計算で体重5kgの犬であれば500mlの緑茶を飲むと症状が現れる恐れがあるということです。ただし、個体によって大きく差があるので、この量以下であっても症状が出ることもあります。
中毒症状が出る摂取量
カフェインが含まれた緑茶を犬が摂取すると、以下のような症状が見られます。
- 嘔吐
- 下痢
- 尿失禁
- 多尿
- 不整脈
- 過度の興奮
- けいれん
- てんかん発作 など
最悪の場合は死に至ることもあります。特に心臓病やてんかんの持病がある犬、消化機能が未発達な子犬、消化能力が低下している老犬などは注意が必要です。
最近ではカフェインレス(※)のお茶などもありますが、完全に入っていない訳ではないので、愛犬が口にしないよう気をつけてください。
※「カフェインレス」はカフェインの含有量が少ないものをさしています。
結石ができてしまうことも
いろいろな食材に含まれているシュウ酸は、摂取しすぎるとシュウ酸カルシウム尿石症の原因になります。緑茶にも1%ほどのシュウ酸が含まれており、人間も過剰摂取すると結石や腎不全を引き起こす可能性があります。
シュウ酸カルシウム尿石症になってしまうと食事などで溶かすことはできないため、外科手術により取り除くことになります。
シュウ酸が多く含まれている食べ物はこちら
カフェインが含まれている飲み物(100mlあたり)
カフェインが含まれている飲み物(一例)は以下の通りです。
- コーラ・玄米茶 約10mg
- 煎茶・ほうじ茶・烏龍茶 約20mg
- 抹茶・紅茶 約30mg
- コーヒー 約60mg
コーヒーに関して詳しくはこちら
カフェインが含まれていない飲み物
カフェインが含まれていない飲み物(ノンカフェイン)は以下の通りです。
- 麦茶
- ルイボスティー
- そば茶
- たんぽぽ茶
- ハト麦茶 など
カフェインが含まれていないからと言って多量に飲ませるものではありません。与える際は人間が飲むときよりも倍以上に薄め、まずはごく少量からにしてください。アレルギーを引き起こす可能性もあるので注意が必要です。
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口臭ケアが期待できるカテキン
カテキンの消臭効果は消臭スプレーや歯磨き粉などにも活用されており、犬用のデンタルケアグッズとしても色々な種類のものが販売されているので、愛犬の口腔ケアとして気になる方は試してみてくださいね。
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犬が緑茶を飲んでしまったときの対処法
中毒症状が現れたら焦ってしまうかもしれませんが、冷静かつ適切に対処する必要があります。ここでは、愛犬が緑茶を飲んでしまったときの対処法を解説します。
すぐに動物病院に連絡する
愛犬が誤って緑茶を飲んでしまったら、すぐに動物病院へ連絡しましょう。もし診察時間外や休診日のときは、救急対応をしている動物病院に連絡してください。
なお、無理に吐かせようとすると、かえって危険になることもあるので、必ず獣医師の指示に従うようにしましょう。
症状が出ている場合は写真や動画を撮っておく
気付かぬうちに愛犬が緑茶を飲み、すでに何らかの症状が現れているような場合は、できれば写真や動画を撮っておくとよいです。そうすることで、診察の際に症状の具体的な説明がしやすくなります。
飲んだ量や時間を伝える
どのくらいの量をいつ飲んだのかなど、なるべく詳しく獣医師に伝えるようにしましょう。また、もし実物がある場合は、動物病院に持参するとなおよいです。
摂取した量が少量であれば問題ないというケースもありますが、犬はカフェインを吸収するスピードが速いとされており、すぐに中毒症状が表れる可能性もあります。愛犬の様子に特段変化が見受けられない場合でも、念のため数時間~翌日まで様子を見ましょう。
愛犬が緑茶を誤飲しないように気を付けよう!
人間にとって健康によいとされている緑茶でも犬にとっては中毒症状を引き起こす危険なものなので、愛犬が誤飲することのないように日頃から気を付けるようにしましょう。万が一、飲んでしまった場合は、早急に動物病院に連絡をして獣医師の指示に従って対応してください。時間が経過するほど重症化するので、早めに対処することが大切です。
(参考文献)※1 環境省
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この記事のライター
nao
「愛犬の気持ちを理解したい」「寄り添ったコミュニケーションを取りたい」という思いからドッグライターとして犬に関する知識を学び、発信しています。愛犬の笑顔を守るために、そして同じ思いを抱く飼い主さんのために、有益な情報を発信していけたらと思っています。
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