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【獣医師監修】発情期を迎えるのはメスだけ?発情時の特徴から避妊・去勢手術まで

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犬は成長するにつれて、オスもメスも発情期を迎えるものと思われがちですが、実はオスに「発情期」はありません。メスの場合は、個体差はあるものの、子犬から成犬になるにあたって性的に成熟して何度も「発情期」を迎えます。

今回は、犬の発情・発情期について、オスとメスの違いや、発情時の特徴や期間、避妊/去勢手術のメリットやデメリットなど、飼い主さんが知っておきたい犬の発情についてまとめてお話しします。

【獣医師監修】発情期を迎えるのはメスだけ?発情時の特徴から避妊・去勢手術まで
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目次

  1. 発情・発情期の特徴【メスの場合】
  2. 発情・発情期の特徴【オスの場合】
  3. 避妊・去勢手術のメリット・デメリットとは
  4. 犬の本能について考える

発情・発情期の特徴【メスの場合】

犬
Dom Bucci Pexels

メスの発情は、陰部からの発情出血がみられることからすぐに気付くことができます。メスの発情の期間や周期・兆候や行動・気を付けることなどについて知っておきましょう。

メスの性成熟はいつくる?

性成熟とは犬が生殖機能が発達し、生殖可能な状態になったときのことです。メスは生後4〜12ヶ月頃に性成熟しますが、犬種や個々の体格などで異なります。小型犬の性成熟は比較的早く、大型犬の場合は成犬になるのが遅いため、発情が生後12〜24ヶ月頃になることもあります。

メスの発情期に見られる特徴とは?

メスが性成熟すると発情出血が見られます。初めての発情出血は生後5ヶ月くらいで始まることもあれば、2歳くらいまで見られないこともあります。初めての発情出血は、小型犬の方が大型犬より比較的早く見られると言われています。

メスの発情の期間

発情出血の期間は平均的には7〜10日ほど続きますが、それぞれに個体差があり3日ほどで終わってしまう犬や、2週間ほど長く続く犬もいます。メスの発情期間は発情出血している期間だけではありません。

発情出血しているのは発情前期といい、オスを迎え入れることができる本格的な発情期は、出血が終わった後から始まります。発情出血から発情期が完全に終わるまでには、約1ヶ月ほどの期間を要します。

メスの発情の周期

メスの発情周期は、初めての発情出血の後は平均で、年に2回ほどの間隔で定期的に発情期があると言われています。 ただし個体差があり、小型犬の場合はそれより多くあることもあり、また大型犬の場合は年に1度しかないこともあります。

また、メスには春と秋に発情期がありますが、今では空調設備の整った室内で過ごすことが多くなったことから、季節に関わらず発情期が見られることもあります。

メスの発情期の兆候

メスが発情期に入ると陰部から出血が見られます。出血は赤いこともありますが、ピンクや透明な場合もありますので注意して見ておきましょう。出血の量も歩くと床に落ちるほど多量なこともあれば、ティッシュに少しつく程度で少量なこともあります。

初めての出血は量も少ないので、飼い主さんが気付かないうちに終わっていることも多いようです。発情の予兆があると陰部が赤くはれぼったくなり、陰部を気にして、しきりに舐めたりします。

また、発情時には乳腺が腫れたりしますが、発情が終われば腫れは治まります。発情期の出血ではなく、黄色い粘液が出たり、発情が終わっても乳腺の腫れが治まらないようなときは、膣炎や偽妊娠などといった異常であったり病気の可能性もありますので、獣医師の診察を受けましょう。

メスの発情期の行動

メスが発情すると近寄ってきたオスにお尻を向けて腰を突き出し、後ろ脚を踏ん張って、尻尾を片側に寄せるという特徴的な行動をします。またメスの発情期には、元気がなくなったり、反対に落ち着きがなくそわそわしたりすることがあります。また、食欲がなくなったり、逆にいつもより良く食べるようになったりもします。

その他にも排尿の回数が増えたり、体温がいつもより高くなったりと、犬によってさまざまな変化が見られるようになります。愛犬が性成熟期に入ったら、日々の小さな行動の変化を見逃さないようにしましょう。

メスの発情期に気を付けるべきこと

メスの発情期に気を付けなければならないことは、愛犬の子犬を望んでいるのか、いないのかによって異なります。

愛犬の子犬を望んでいるときは、発情出血を見極め、発情期をしっかり確かめることが大切です。発情出血が終わった後の2~3日が最も妊娠しやすいタイミングなので、その日に合わせて交配相手を決めておいたり、動物病院で膣スメア(膣の粘膜から採取した体液中の細胞から交配の時期を判断する)の検査をしておくことが必要です。

また、愛犬の子犬を望んでいないときは妊娠をさせないために、いろいろな対策をする必要があります。愛犬を妊娠させないためには、オスとメスを同時に複数飼いをしないことや、外出時にはおむつをつけるなどがありますが、一番確実な方法は避妊手術をすることです。

発情・発情期の特徴【オスの場合】

トイプードル
calebjamesfisher Unsplash

オス犬に「発情期」というものはありません。しかしながら、オスは、発情期のメスの発するフェロモンに反応して発情するため、発情期のメスがそばにいるといつでも繁殖行動を起こします。それでは、オスが発情したときに見せる兆候や行動にはどのようなものがあるのでしょうか?

オスの性成熟と発情時の兆候や行動

オスは、個体差は有りますが、生後7〜12ヶ月で性成熟して繁殖行為ができるようになります。

マーキング

性成熟したオスには後ろの片足を上げて排尿する、マーキングという行為が見られるようになります。

マウンティング

メスに馬乗りになって交尾行動をすることをマウンティングといいます。マウンティングは子孫を残したいというオスの本能からくる行動です。しつこくメスを追いかけるときは、相手の飼い主さんに嫌がられることもあるため、すぐにその場から離れるようにしましょう。

未去勢のオス同士の喧嘩

オス同士が未去勢の場合に、メス犬をめぐって喧嘩になることがあります。これらの犬同士の喧嘩は、大きな怪我につながる恐れがありますので、すぐに引き離してその場を離れましょう。

オスの発情時に気を付けるべきこと

交配をさせないオスは、発情するたびに欲求を達成できないというストレスから、他の犬や人間に対して問題行動を起こすことがあります。犬自身のストレス・問題行動のほか病気に繋がるリスクもありますので、子犬を望んでいないのであれば、早めに去勢するという選択肢もあります。

避妊・去勢手術のメリット・デメリットとは

犬 親子

多頭飼育での無秩序な交配による望まない子犬を作らないという目的や、避妊・去勢手術をすることで子宮や生殖系の疾病を予防できるという意義などから、最近では、子犬を家に迎えたら避妊・去勢手術をするという意識が高まってきました。

とは言え、全身麻酔下で健康な身体にメスを入れて生殖器官を取り除く手術でもあり、完全に危険がないということではありません。犬の避妊・去勢手術のメリットやデメリットにはどのようなものがあるのでしょうか?

メスの避妊手術

腹部を数センチ程度切開し、子宮と卵巣または卵巣のみを摘出する手術です。避妊手術によって、乳腺腫瘍の発生率が最も少なくなると言われている、生後6〜8ヶ月頃にするのが理想的です。

メリット

  1. 望まない妊娠の回避
  2. 発情による体調不良やストレスの解消
  3. 乳腺腫瘍や卵巣腫瘍、子宮内膜症、子宮蓄膿症などの病気の予防

デメリット

  1. 将来の妊娠は望めなくなる
  2. まれではあるが失禁症になることがある
  3. まれに麻酔の不適合などによる体調不良がおこることがある
  4. 肥満になりやすい

オスの去勢手術

オスの去勢手術は、精巣を摘出して精子が作られないようにします。精巣付近の皮膚を切開するだけなので、短時間で終わる手術です。

メリット

  1. 攻撃性がなくなる
  2. マーキングやマウンティングが少なくなる
  3. 前立腺肥大、精巣腫瘍、肛門周囲腺種、会陰ヘルニアなどの病気の予防

デメリット

  1. 将来、子犬を作れなくなる
  2. まれに麻酔の不適合などによる体調不良が起こることがある
  3. 肥満になりやすい

犬の本能について考える

子犬

犬にとって本能である発情を人間の都合で封じ込めていいのか、という問題については、これが正解という答えはありません。犬が野生であった頃は、過酷な自然環境やさまざまな種族の生存競争によって自然淘汰され、過剰に頭数が増えすぎることなどはなかったのだろうと考えられます。

一方、犬が人間と共に暮らすようになって、人間社会のルールの中で幸せに生きるためには、私たち人間が彼らの性のコントロールをしてやらねばならないという考えにも頷けます。

避妊・去勢手術については賛否両論ありますが、望まれない子犬の放棄や、無秩序な交配による多頭飼育崩壊などを防ぐためには、飼い主さん一人一人が愛犬の幸せと世の中の現状について考える必要があります。

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choco

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