【獣医師監修】犬が寝ながら排便してしまう原因とは。考えられる病気と対処法もご紹介
人にも犬にも重要な問題になりうるトイレの問題についてご紹介します。若い頃は問題なく行っていた排泄が、年齢を重ねて老犬になったり病気を患ったりして、飼い主さんのサポートが必要になる場合があります。思うように排泄ができないと、飼い主さんはもちろん、犬もストレスを感じてしまいます。今回は犬が寝ながら排便してしまうときの原因や対処法などをご紹介していきます。
目次
犬が寝ながら排便してしまう際に考えられる原因2つ
犬が寝ながら排便してしまう原因を見ていきましょう。
考えられる原因【1】肛門括約筋に異常がある
肛門括約筋の異常には神経系が関与している場合と、そうではない場合に分けられます。また老化による筋肉の衰えが原因の可能性もあります。
考えられる原因【2】便を我慢できないなんらかの病気
直腸や大腸に病気がある場合や、なんらかの原因で下痢がひどいときには排便を我慢できなくなることがあります。
犬が寝ながら排便してしまう際に考えられる病気3つ
犬が寝ながら排便してしまう場合、病気が関係しているかもしれません。
併発する症状【1】肛門が緩んでいる
犬の肛門が緩んで見える場合は、犬の体に外傷がないか確認しましょう。
考えられる病気【1】外傷による肛門括約筋の損傷
犬の肛門の周りには肛門括約筋という筋肉があり、通常はその筋肉によって肛門が閉まり、便が出ないようになっています。しかし、肛門括約筋が傷ついてしまうと肛門がうまく閉まらなくなり、排便時以外にも便が出てしまう時があります。
併発する症状【2】尿失禁を同時に起こす
寝ながら排便をすると同時に尿失禁を起こしている場合には、排泄をコントロールする神経や筋肉に問題がある可能性があります。
考えられる病気【2】損傷や末梢の神経筋肉障害
中枢神経・腰部脊髄・陰部神経に損傷がある場合や、末梢神経や筋肉の障害がある場合などに無意識に排便されることがあります。原因が分かれば病院で治療を行いますが、神経系の障害である場合は治癒が困難なケースもあると言われています。
併発する症状【3】排便の回数が増える、便に血や粘液が混ざる
普段より排便をする回数が増えたり、血や粘液が混ざったりしている場合には以下の病気が考えられます。
考えられる病気【3】大腸炎
大腸炎は大腸の粘膜で炎症が起きている病気で、食事や誤飲が原因のものや、気候の変化が原因の場合があります。主な症状は下痢ですが、炎症が悪化し、潰瘍ができると血が混ざって血便がみられるようになることもあります。下痢がひどくなると我慢できず、意図しないときに排便してしまうことがあります。
寝ながら排便してしまうとき、飼い主さんに出来ることは?
いくつか対処法を紹介をしていきますので参考にしてみてください。
対処法【1】犬用のオムツを使用する
飼い主さんが就寝中や留守中など、排泄をサポートできない場合もありますよね。そのような場合は犬用のオムツを付けてあげるのがおすすめです。オムツを着用することで排泄のケアもしやすく、寝床や室内のお掃除の負担も軽減します。ただし犬に長時間オムツを履かせているとムレや皮膚かぶれ、床ずれの原因となる場合もあります。なるべくこまめに交換をして陰部を清潔に保ち、使用する時間は夜間やお留守番の時間などに限定するなど、工夫しながら活用してみましょう。
対処法【2】下痢を治療する
下痢によって寝ながら排便をしてしまう場合は、早めに動物病院を受診し、下痢に対する処置をしてもらいましょう。下痢の程度や症状に応じて、病原菌に対する抗生物質や、整腸剤などを処方されることもあります。
対処法【3】排便の量を減らす・排便のタイミングをコントロール
治療が困難な場合は、食事量の制限をしたり(こまめに少しずつの量を与えてみる)、食事の質を変えることで排便の量を減らすことを試みましょう。
大きな心で愛犬のサポートをしてあげましょう
犬が病気になったり衰えてきたりすると、排泄のサポートが必要になる場合が多くあります。トイレを失敗して叱ってしまうと犬は飼い主さんの表情を敏感に感じ取るため、トイレを我慢してしまうこともあります。できる限り優しく声かけをし、広い心でサポートしてあげてください。
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この記事のライター
choco
シェルティとの生活に憧れる社会人です。みなさんの愛犬との暮らしがより豊かになるような情報を発信できたら、と思っています!
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