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【獣医師監修】犬の心タンポナーデという病気をご存知ですか?発症の原因や治療法を解説します

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心タンポナーデという犬の病気を聞いたことはありますか?心タンポナーデは心臓に関係する病気で、処置しない場合、死に至ることもあります。今回は犬の「心タンポナーデ」という病気の原因や症状、治療法・予防法まで解説します。愛犬の万が一の場合に備えて、この病気について知っておきましょう。

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目次

  1. 犬の心タンポナーデという病気について
  2. 犬が心タンポナーデを発症する原因は?
  3. 犬の心タンポナーデの治療法は?
  4. 犬の心タンポナーデは予防できる?
  5. 定期的な健康診断で病気を早期発見しよう

犬の心タンポナーデという病気について

犬

心タンポナーデは、犬の心臓を覆う心膜と心臓との間に血液などの液体が溜まる病気です。 

初期症状とチェック項目

心タンポナーデになると、犬には呼吸困難や運動量の低下、ぐったりするなどの症状が引き起こされます。心臓の周りに液体がたまることで、心臓が思うように動かなくなってしまうためです。急に症状が現れることが多く、初期症状はほとんどみられません。

心臓機能が低下する病気なので、命にかかわることが多く、緊急性が高い病気です。胸部レントゲン検査や心電図、心臓エコー検査などで総合的に病気の診断をします。自宅で判断できる病気ではないので、ぐったりして呼吸が苦しそう、舌の色が紫色(チアノーゼ)などの症状がある場合は、早めに動物病院を受診する必要があります。

他の犬や人間にうつる?

心タンポナーデは、感染性の病気ではないため、他の犬や人間にうつることはありません。

犬が心タンポナーデを発症する原因は?

犬

心タンポナーデになる原因は、腫瘍や慢性弁膜症の悪化、外傷性のもののほか、原因が分からない特発性のものもあります。

原因1.腫瘍性疾患

犬の心タンポナーデのうち、およそ8割が血管肉腫という悪性腫瘍が原因と言われています。犬の心臓腫瘍の多くは、血管肉腫と大動脈小体腫瘍です。腫瘍が心臓を圧迫したり、腫瘍細胞が浸潤することにより心臓の動きが悪くなることで、心タンポナーデを発症します。

原因2.僧帽弁閉鎖不全症

僧帽弁閉鎖不全症は、心臓内にある僧帽弁が何らかの原因でうまく閉じなくなる病気です。これにより血流が正常に流れることができなくなり、心臓の壁が障害され、心臓の外へ血液が漏れることで心タンポナーデを引き起こします。

原因3.外傷

交通事故などの外傷によって引き起こされることがあります。心臓から出血し、心タンポナーデになることがあります。

原因4.特発性

原因が分からない特発性のものがあります。腫瘍や僧帽弁閉鎖不全症の可能性がなくても、何らかの原因で心臓の周りに液体が溜まってしまうことがあります。

かかりやすい犬種や年齢は?

心タンポナーデにかかりやすい犬種や年齢は、原因により異なります。

腫瘍の場合、血管肉腫ではジャーマン・シェパードやラブラドール・レトリバー、ゴールデン・レトリバーがかかりやすいと言われています。

大動脈小体腫瘍は、ボクサーやボストンテリアなどの短頭種に多い病気です。これらの腫瘍は、一般的に7~15歳(中高齢)で発症すると言われています。

僧帽弁閉鎖不全症は、一般的にはマルチーズやシーズー、キャバリア・キングチャールズ・スパニエルが特にかかりやすい病気です。8~10歳で咳などの心不全症状が見られますが、犬種によっては若齢時に発症する場合もあります。しかし、高齢犬であれば、どの犬種にも発症する可能性がある病気です。

犬の心タンポナーデの治療法は?

犬 注射

心タンポナーデの治療法は、まずは犬の心臓と心膜との間に溜まった液体を抜くことです。しかし、これは根本的な治療にはならず、原因となる病気の治療をしないと、再発の危険性は拭えません。

腫瘍であれば抗がん剤治療や、場合によっては外科手術が必要になることもあります。僧帽弁閉鎖不全症の場合は、主に内服薬の投与や食餌管理など内科的な治療を行います。

治療にかかる費用

治療費は、犬の体重や検査・治療の内容によって異なるほか、動物病院により費用には幅があります。心タンポナーデは、診断のために胸部レントゲン検査、心電図、心臓エコー検査などを実施します。

また、溜まった液体を抜く処置が必要で、原因により外科的な処置や内服による治療も必要な病気です。そのため、治療にかかる費用は高額になることが考えられます。

心配な場合は、事前にどのような処置が必要でどのくらいの費用がかかるのか、動物病院に相談しておくと安心です。

犬の心タンポナーデは予防できる?

犬 動物病院

腫瘍が原因であることが多い犬の心タンポナーデでは、残念ながら効果的な予防法はありません。そのため、原因となる疾患を早めに発見することが大切です。犬を守るためには、定期的な(中高齢の犬は少なくとも半年に1回ほどの目安で)心臓の各種検査をしておくと安心でしょう。

再発する可能性

心タンポナーデは、犬の心臓に溜まった液体を抜くだけでは完治しないため、根本的な病気の治療をしないことには再発の可能性があります。また、原因が分からない特発性の場合にも、再発する可能性はあります。

定期的な健康診断で病気を早期発見しよう

犬 動物病院

命にかかわることがある心タンポナーデは、それまで元気だった犬が急に動けなくなることもあり、飼い主さんも戸惑ってしまいます。治療や再発の危険性を視野に入れながら、見守っていかなければならないのも大変なことです。

有効な予防法はありませんが、原因になる疾患を早めに見つけてあげることが一番重要なことです。健康診断の際に、心臓の検査も含めて受けておくと安心ですね。

<参考文献>

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choco

この記事のライター

choco

シェルティとの生活に憧れる社会人です。みなさんの愛犬との暮らしがより豊かになるような情報を発信できたら、と思っています!

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