老犬の震えは大丈夫?自然な震えの原因や病的な震えの特徴などを解説
愛犬が震えていると、どこか体に異常があるのではないかと不安になりますよね。
しかし老犬が震えることは、珍しいことではありません。
愛犬の震えが心配ないものかどうかを見極めるのは飼い主さんです。
この記事を読み、震えの原因や対処法について考えてみてください。
老犬の震えは珍しくない
愛犬が震えていると病気の可能性を真っ先に考えて不安になってしまうかもしれませんが、老犬の震えは珍しいことではありません。
震え方も以下のように犬によってさまざまです。
- 体全体を静かに震わせている
- 立つ際やフードを食べた際など一定の仕草をするときに震える
老犬により、震えのタイミングは異なります。
しかし、あなたの愛犬だけでなく震えはほかの犬にも起こるため、震えたからといってすぐに異常だと思わないようにしてください。
自分の犬だけが震えているわけではないと安心したら次は落ち着いて、自然な震えか病気の震えかの判断が必要です。
自然な震えは適切な対処法を行えば、改善する可能性があります。
また病気の場合でも早期発見することで早期治療につながり、症状を抑えられる可能性も高いです。
次からは震えが自然なものであるのか病的なものであるのかといった見分け方や、病的な震えの場合の主な特徴などを解説しています。
まずは自然な震えに当てはまるものはないか、確認しながら読み進めていってください。
自然な震えの主な原因
自然な震えの主な原因として、以下の4つが考えられます。
- 加齢による震え
- 気温差による震え
- 不安・恐怖心からくる震え
- 構ってほしい気持ちからくる震え
順番に見ていきましょう。
加齢による震え
自然な震えの原因として、加齢があります。
老犬になると若い頃と比べて筋力が落ちてしまい、体重を支えるのに力を必要とするためです。
立ち上がるときや排泄するときなど一定の仕草で震える場合もあれば、座っている最中にもずっと震えているなど、さまざまなパターンがあります。
この後紹介するほかの自然な震えの対策をしても改善されず、後述する病的な震えの主な特徴も見られない場合は加齢によるものが考えられるでしょう。
気温差による震え
自然な震えの原因として考えられるのは、気温差です。
年をとるにつれて筋肉量が減っていくのは仕方のないことではありますが、筋肉量が減ると代謝が悪くなり、熱を作る力も落ちていきます。
発熱しにくい体は、すぐに気温差に対応することができません。
たとえば、散歩で家の中から急に外に出た際などに震える場合、体を少しでも気温に慣らそうとしている可能性が考えられます。
不安・恐怖心からくる震え
自然な震えの原因として考えられるのは、不安や恐怖心です。
犬の不安や恐怖の対象はさまざまなところにあります。
- 引っ越しや転居などで暮らす環境が変わった
- 長く一緒に暮らしていた家族が結婚で家を出た
- 家族が出産をして赤ちゃんが増える
- 家の近くで行われている工事の音が聞こえる
- 激しい雨や雷の音がした
- お祭りや花火大会の音が聞こえる
上記のように大きな変化から小さな変化まで、犬は敏感に察知し不安を感じてしまいます。
不安や恐怖心がおさまれば震えも止まる可能性はありますが、なにか愛犬の身の周りで変わったことがないか確認しておきましょう。
構ってほしい気持ちからくる震え
最後に自然な震えの原因として考えられるのが、構ってほしい気持ちからくる震えです。
この震えは、犬が幼い頃に少し震えて見せたら飼い主さんが心配してくれたり優しくしてくれたりしたなどの経験に基づいています。
震えが構ってほしいときの愛犬の合図であると気がついたら、日頃の構い方を見直してみましょう。
スキンシップの量を増やし、サークルの場所を飼い主さんの視界に入る位置に移動するなど対策をすることで、愛犬は安心し震えを止める可能性があります。
病的な震えの原因
自然な震えの原因を見てきましたが、次は病的な震えの主な原因として2つ解説します。
- 傷みによる震え
- 発作の前兆としての震え
順番に見ていきましょう。
傷みによる震え
以下のような疾患が原因で、痛みによって震えている場合が考えられます。
- 消化器疾患
- 関節疾患
胃腸炎や腸閉塞など腹痛を示す消化器疾患を起こしている場合、震えが起きることがあります。
また、椎間板ヘルニアや股関節炎などの関節疾患により傷みが発生している場合も考えられます。
特に老犬であれば無理に動いた際に関節を痛めてしまう可能性は十分にあるでしょう。
消化器疾患であれば食欲の低下や嘔吐の症状を示す場合があります。
関節疾患もいつもと比べて動きたがらなかったり触れると鳴いたりといった反応を見せるため、震えのほかに痛みを感じている症状がないか観察しましょう。
体のどこかに痛みがある場合、病院の受診をおすすめします。
発作の前兆としての震え
痛みを感じているほか、病気にかかっている場合にけいれん発作の前兆として震えが起きる場合があります。
- 脳腫瘍
- てんかん
- 熱中症
- 低血糖
脳腫瘍やてんかんのような神経系の疾患をはじめ、熱中症や低血糖を起こしている場合もけいれんの症状が現れます。
けいれんの前兆として震えている場合、呼びかけても反応がない場合が多いので違和感があれば呼びかけて確認しましょう。
場合によっては息を荒くしたり、ヨダレを垂らすなどの症状も見られます。
震えがけいれん発作につながった場合、早く処置をしなければ命にかかわることも考えられるため、発作が治まるのを待ってすぐに動物病院へ連れて行ってください。
病的な震えの特徴
ほかにも病的な震えの特徴を知っておくことで自然な震えと区別でき、愛犬の体の異常にすぐに気付けます。
- 食欲の低下や嘔吐がある
- 音や接触に反応がない
- 体温が低すぎる
- 以前より元気がなくなったと感じる
病的な震えの主な特徴について、順番に見ていきましょう。
食欲の低下や嘔吐がある
食欲の低下や嘔吐があった場合、体調が悪くて震えている可能性があります。
どこか痛みがあるのではないか、何か疾患を抱えているのではないかと判断し、なるべく早く動物病院を受診してください。
食欲の低下や嘔吐の症状を伴う場合、動物病院では以下のことを伝えるとよいでしょう。
- いつから食欲が落ちているのか
- 普段と比べてどのくらい食べられるのか
- 食欲が落ちる前や嘔吐の前にフードを切り替えたか
- 嘔吐は色や形など、どんなものを戻したか
- 嘔吐のあった時間や回数はどのくらいか
上記を伝えることで、より細かい状況が伝わります。
嘔吐物はビニール袋で持っていったりカメラで撮影したものを見せたりして、診察がスムーズになるようにしてくださいね。
音や接触に反応がない
音を立てたり接触したりしても反応がない場合、病的な震えの可能性があります。
前述した脳腫瘍やてんかん、熱中症や低血糖によるけいれん発作の前兆としての震えの可能性も否定できないため、飼い主さんは愛犬の様子を注意深く観察しましょう。
もしけいれん発作へとつながった場合、無理に抱きかかえて呼びかけてはいけません。
発作中に暴れてケガをしないように周囲に置いてあるものを退けて安全なスペースを作り、発作が何分続いているか時間を測りましょう。
発作が終わった後は通常どおりに戻ったのかフラフラしているのかといった様子も観察し、なるべく早く動物病院へ連絡して連れて行ってください。
体温が低すぎる
体温が低すぎる場合、病的な震えの可能性があります。
体温については体温計で毎日同じ時間に測っていなければ正確に低いとは言えない部分でもあるうえ、加齢による体温機能低下の影響によるものも否定できません。
しかし、普段から触れ合っている愛犬の体温が低ければ、飼い主さんとしては不安に思ってしまいますよね。
病院に連れて行ってなんともなければ安心につながるので、明らかに外気や人肌と比べて温度差がある場合は受診を検討してください。
以前より元気がなくなったと感じる
以前より元気がなくなったと感じる場合、震えが病的なものである可能性があります。
上記の体温が低すぎる感覚と同じく元気さも直感的なものではあります。
しかし、愛犬の一番そばで過ごし、愛犬を一番理解しているのは一緒に暮らす飼い主さん家族です。
元気の有無は大切な判断材料となります。
年だから元気がなくなるのも仕方がないと思わずに病気を疑い、受診を検討してみてください。
日頃からできるケア(対処法)
病的な震えの主な特徴に当てはまらない場合、自然な震えである可能性が高いといえるでしょう。
最後に自然な震えに対し、日頃からできるケアについて解説します。
- 犬の健康的な習慣
- 犬にとって快適な環境や毎日の触れ合い
上記の2点について順番に見ていきましょう。
犬の健康的な習慣
震えが加齢や気温差によるものである場合、私たち人間と同じように食事や運動、睡眠を中心に健康的な習慣をつけるように意識しましょう。
たとえば食事であれば栄養面で整った総合栄養食を使うことが大切です。
総合栄養食は水とフードだけで一日に必要な栄養素が摂れるよう作られているフードを指します。
ライフステージによって必要な栄養も変わるため、老犬であれば「シニア犬用」「高齢犬用」と記載されたフードを選んでください。
また老犬だからといって運動を控えてはいけません。
確かに年をとると心肺機能も衰えるため激しい運動は厳禁ですが、ゆっくりとしたペースで歩くことはできます。
毎日少しだけでも歩くことで、筋力を付ける効果も期待できるでしょう。
色々な景色を見て、平坦な道を飼い主さんと時間をかけて歩くことで、心の安定にもつながります。
睡眠もたっぷりととり、健康的な生活を習慣付けて震えを抑えていきましょう。
犬にとって快適な環境と毎日の触れ合い
犬にとって快適な環境を作り、飼い主さんと毎日触れ合うことで不安や恐怖心が消え、構ってほしい気持ちも満たされるでしょう。
たとえば飼い主さんが一緒にいるときだけでなく、留守中に犬がひとりになってしまう場合でも湿度や温度を整えることが大切です。
工事のような犬にとってストレスとなる音がある場合、カーテンや部屋のドアを閉めて少しでも防音できるよう努めてあげましょう。
また飼い主さんと触れ合うことで飼い主さんも愛犬も幸せを感じるだけでなく、健康管理にもなります。
スキンシップをとりつつ皮膚や被毛、口の中や目、耳などいつもと変わらないかチェックしてあげてください。
まとめ
今回は老犬の震えについて解説しました。
震えはどの犬でも起こり得ます。
ただし、原因は加齢や気温差、不安感などで震える自然なものから病的なものまでさまざまです。
そのため、飼い主さんとしては病院に連れて行くかの判断が難しいところかもしれません。
今回紹介した病的な震えの特徴を見て、普段と変わったところがないかチェックしましょう。
自然な震えである場合でも、健康的な習慣をつけたり快適な環境を整えたりすることで改善する場合が考えられます。
ぜひ意識して愛犬との日々を楽しんでくださいね。
この記事のライター
satoko
わんちゃん大好きなドッグライターです!愛犬のコーギーに癒される日々を送っています。皆さんにとって有益な情報を発信できるよう頑張ります!
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