犬のおねえさん座りは病気の可能性も?注意が必要なケースとは
愛犬がおねえさん座りをしていることはありませんか?女座り、横座りとも呼ばれている犬のおねえさん座りは、足を横に流す座り方です。4本の脚をキレイに揃えて座るおすわりが犬にとっての正座なら、おねえさん座りは姿勢を崩した座り方。可愛くも見える座り方ですが、病気が隠れている可能性も。
今回は、犬がおねえさん座りをする原因と考えられる病気についてご紹介します。
犬がおねえさん座りをする原因は?
基本的に犬はおすわりの時に前足、後ろ足をキレイに揃え、正面を向いて座ります。ところが、犬によっては足を横に崩して座るおねえさん座りになってしまうことがあります。このおねえさん座り、実は気にした方が良い場合と気にする必要のない場合があることをご存知ですか?
そこで知っておきたいのが、犬がおねえさん座りをする原因です。まずは、おねえさん座りをする原因を知って、気にするべきか気にしなくてもいいのか判断しましょう。
犬がおねえさん座りをする原因
すべての犬が、後ろ足をお腹の横に折りたたむおすわりをするわけではありません。また、いつもは普通におすわりができるのに、たまにおねえさん座りになるコもいます。
そこで、気にしたいお姉さん座りと気にしなくても良いおねえさん座りに分けておねえさん座りになる原因をご紹介します。
気にしなくても良いおねえさん座りの原因
人間と同じように、犬にも座り方に癖があります。また、おすわりの形を正しく教えていない場合、おねえさん座りになることもあります。
おねえさん座りになる犬種がある
フレンチブルドッグやパグ、ミニチュアダックスフントのように、足が短い犬種は骨格上後ろ足を折りたたむおすわりができません。通常の犬種は、後ろ足をたたんで床にお尻をつけることができますが、足が短いとお尻が先に床についてしまうため、結果的におねえさん座りとなってしまいます。
この座り方は、一部ではフレブル座りやパグ座りとも呼ばれています。
犬がリラックスしている時
ドッグランなどでアクティブに遊んだ後、おねえさん座りになることがあります。これは、犬がリラックスして休憩している状態や座り癖だと考えられます。通常はきちんとお座りができる、普通に歩いたり走ったりできる場合は、気にすることはありません。
成長過程の犬
犬は生後8か月頃まで、さまざまな部位が順番に成長していきます。まだ成犬の体型になっていない子犬の体型は、手足だけが長いなどアンバランスなことが多く、おすわりをしても犬が意図せずにおねえさん座りになってしまうことがあります。
これは、成長とともに改善される可能性があるため、温かい目で見守ってあげましょう。
気にするべきおねえさん座りの原因
犬が正しくおすわりができない原因に、骨格形成や体の不調が考えられるケースがあります。この場合は病気が隠れている可能性があるため注意が必要です。
関節の痛み
今まで正しくおすわりができていた犬が、ある日からおねえさん座りしかしなくなった場合は、関節のどこかに痛みがある可能性が考えられます。この場合は、足を引きずって歩く、足に触られるのを嫌がる、散歩に行きたがらないなど、他に変わったことはないかチェックすることが大切です。
肥満
太り過ぎの犬は、多くの場合おねえさん座りになります。これは、お腹の脂肪が大きすぎるために足を折りたたむスペースが取れないためです。犬の肥満は万病の元。正しくおすわりができるぐらいまでダイエットをすることがおすすめです。
犬がおねえさん座りをする場合に考えられる病気とは
今までは普通のおすわりができていたのに、急におねえさん座りをするようになった、子犬の頃から正しいおすわりができない場合は、以下の病気を発症している可能性が考えられます。
関節炎
骨と骨の間にある軟骨が損傷し、炎症が起こる状態が関節炎です。関節炎を発症すると、常に痛みを感じるため歩行にも支障が現れます。
関節炎は、どんな犬種でも発症する可能性がある病気で、特に肥満や加齢によって発症しやすいとされています。軟骨が損傷することで、関節の機能が正常に働かなくなるため、おねえさん座りになる可能性があります。
サプリメントなどで改善されるケースもありますが、散歩を嫌がる、走らなくなる、足を引きずるようになるなどの症状が見られたら動物病院で検査をしてもらうことがおすすめです。
膝蓋骨脱臼(パテラ)
小型犬に多く見られる膝のお皿が脱臼してしまう病気です。成長期に骨や靭帯、筋肉の形成に異常が起こることで発症する病気で、トイプードル、チワワ、ポメラニアン、ヨークシャテリアなど多くの小型犬が発症しやすい病気です。
また、高いところからの落下や事故によって、膝に大きな力がかかることでも発症します。脱臼の程度によってグレードに分けられていますが、パテラを発症すると後ろ足を曲げただけでも脱臼してしまうため、通常の形でのおすわりができません。
その犬によって治療方法が異なるため、早期発見早期治療を行って進行を予防することが大切です。
股関節形成不全
大型犬に多い股関節形成不全。中でも、ジャーマンシェパード、ラブラドールレトリバー、ゴールデンレトリバー、バーニーズマウンテンドッグなどに多く見られる遺伝的要素や成長過程でのアンバランスな栄養、ホルモンバランスの崩れなどによって発症する病気です。
おねえさん座りをするだけではなく、モンローウォークと呼ばれる腰を振るように歩く、うさぎ跳びをするように走る、成犬になっても開きと言われる四肢を床にベタッとつけて寝るなどの動作が見られたら股関節形成不全を疑います。
股関節形成不全は、大腿骨の変形(形成不全)によって骨盤に大腿骨が正常にはまっていなかったり、大腿骨の先端の変形によって、関節の噛み合わせがうまくいかない状態です。
はじめの頃は、歩くのを嫌がる、階段の上り下りを嫌がるなどの症状がみられますが、加齢や肥満によって歩行が困難になるケースが多くあるため、早期治療が求められている病気です。
愛犬がおねえさん座りしかできない場合は獣医師に相談しよう
犬のおねえさん座りは一見すると可愛らしいものですが、身体的な問題が隠されている可能性もあります。
特に、今までは普通にお座りできていた犬が突然おねえさん座りをするようになったり、子犬の頃からおねえさん座りしかできない場合は、動物病院で検査を受けることがおすすめです。
まずは、おねえさん座り以外に歩き方や日常の生活での行動をよく観察して、変化がないか、異常がないかをよく確認することが大切です。
参考文献
こちらの記事もチェック
この記事のライター
komugi
都内で愛犬のビーグルと暮らしています。コロナ期間中に肥満体型になってしまった愛犬のために食事や運動について勉強をはじめました。面白い発見や愛犬家の皆様に役立つ情報があればどんどん発信していきます!