JKC（ジャパンケネルクラブ）の犬種別犬籍登録頭数で2008年から15年連続4位のポメラニアンは、プードル・チワワ・ダックスフンドなどの人気の小型犬と並んで飼っている人が多い犬種です。可愛い見た目はもちろん、甘えん坊で遊び好きな性格や、先祖返りして標準的な大きさとはかけ離れたサイズになる可能性があること、洋服や首輪をつけると思わず笑ってしまう姿に癒されることなども人気の理由の1つでしょう。

そんなポメラニアンをいつかはお迎えしたいと考えている人も多いのではないでしょうか。しかし、犬と一緒に暮らすうえで気になることの1つにニオイがありますよね。

ポメラニアンは基本的にはそこまでニオイが強い犬種ではありませんが、お手入れを怠ったり梅雨の時期はニオイが強くなったりすることがあります。また、個体差もあるので臭わない子もいれば臭う子もいると言えます。

犬が臭う原因は実は体臭だけではありません。ここでは、犬独特のニオイの原因となるものを見ていきましょう。

犬にはエクリン腺とアポクリン腺という2つの汗腺があります。エクリン腺は肉球や鼻周りに存在しており、体温を下げる役割があります。

もう1つのアポクリン腺は全身に存在してしますが、皮脂腺と繋がっているのでべたついた汗が出ます。人間でいう脇汗です。この汗と皮脂が混ざり酸化することで雑菌が繁殖して、犬独特のニオイ（体臭）になるのです。

また、ポメラニアンは被毛の量が多いので通気性が悪く、ニオイがこもりやすい傾向があります。

食べ残しや歯垢が口の中に残ったままになると、やがて歯石となり口臭の原因になります。また、歯周病をはじめとする何らかの口腔内のトラブルが起きていて口臭が発生しているケースも考えられます。腎臓や肝臓などの内臓疾患を患っている場合にも口臭が出るので、原因を判別するためにも動物病院を受診しましょう。

腸内環境が良くないと、排泄物のニオイが強くなったり下痢や軟便になったりします。また、腸内に悪玉菌が溜まることで排泄物だけでなく体臭や口臭の原因となることもあります。

耳の周りにもびっしり被毛が生えているポメラニアンは、通気性が悪く、蒸れてしまうことで外耳炎を発症してしまうことが少なくありません。耳から独特なニオイがするようになるので、なんだか耳が臭いと感じたら外耳炎になっているか可能性があります。また、耳の汚れがカビや細菌に感染してしまうことで炎症を起こしてしまうこともあります。

ポメラニアンは涙やけを起こしやすい犬種です。涙やけの原因はさまざまですが、涙があふれて濡れた部分を拭き取らずにそのまま放置していると細菌が増殖してニオイの原因になります。

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肛門腺に溜まっている分泌物を自力で排出できない子は、定期的に肛門腺絞りというお手入れが必要です。この分泌物を溜めたままにしておくと、何かの拍子で排出されたときにかなり強いニオイがします。

パグやフレンチブルドッグなどの顔にしわのある子は、汚れが溜まり細菌が増殖してニオイの原因になります。

犬のニオイはカーペットやクッション、ベッドなどの布製品に染みつきやすいです。そのため、犬だけでなく部屋全体が犬のニオイがする、と感じることがあるかもしれません。また、犬が良く遊んでいるおもちゃにはよだれが付着しているので雑菌が繁殖してニオイの原因になっていることもあります。一緒に暮らしているとニオイには慣れてしまうものですが、来客があるときには気になりますよね。ここでは、ニオイ対策としてできることをご紹介します。

ポメラニアンはダブルコートの犬種なので、シングルコートの犬種と比べてニオイがこもりやすいです。そのため、毎日丁寧にブラッシングをして通気性を良くしてあげましょう。毛玉もできやすいので、根元からしっかり梳かすようにしてください。ブラッシングをすることで通気性がよくなり蒸れにくくなるので雑菌の繁殖を抑えることができます。

また、ポメラニアンは皮膚が特にデリケートですが、被毛のボリュームが多いので皮膚病をはじめとするトラブルに気がつきにくいです。毎日のブラッシングの際には皮膚の状態もチェックするようにし、異変に気がつくことができるようにしましょう。

ポメラニアンはそこまでニオイのきつい犬種ではありませんが、定期的にシャンプーをしてあげることもニオイ対策になります。梅雨の時期は皮膚がべたつきやすくなったり、雑菌も繁殖しやすくニオイが強くなることもあるので、状況に応じて1ヶ月に2回などの頻度で洗ってあげてもいいでしょう。

ただし、シャンプーのし過ぎは必要な油分まで取り除いてしまい、皮膚病の原因になったり、かえってニオイが強くなってしまうこともあります。ニオイが気になるからといって頻繁に洗うのは避けてください。

ポメラニアンは口が小さいので歯ブラシを使っての歯磨きが大変ですが、口臭や口腔内トラブル予防のためにもできるだけ歯磨きの習慣をつけましょう。犬は人間よりも歯垢が歯石になるスピードが早いです。歯石がひどいと全身麻酔下での処置となることが多いですが、歯石取りは犬の身体にとても負担がかかるので、毎日の自宅でのケアがとても大切になります。

また、ウェットフードをあげているという場合には、ドライフードに変えてみるのも1つです。ウェットフードは歯につきやすいので食べかすが口の中に残りやすく、歯石の原因になります。 

消化に良くないドッグフードや添加物の多いドッグフードを与えていると消化不良を起こすことがあります。そうすると老廃物が溜まって涙やけを起こしてしまう可能性があります。また、腸内環境が悪化すると、下痢や便秘、口臭、免疫力の低下なども引き起こすので、良質なドッグフードを与えるようにしましょう。グレインフリーのドッグフードやオリゴ糖・乳酸菌などが入っているものがおすすめです。

ポメラニアンの耳は立ち耳ではあるものの、被毛の量が多いので蒸れやすく汚れやすいです。耳の被毛の量が多く、耳のお手入れができないようであれば自宅でカットするのではなく一度トリマーさんに相談しましょう。

週に1回は耳をチェックするようにし、汚れているようであればイヤークリーナーなどを使ってお手入れしてあげるのがおすすめです。綿棒は汚れを押し込んでしまうことがあるので使うのを避け、優しく拭き取るようにしてください。

ポメラニアンは被毛が長いので、排泄物が付着してしまうことがあります。排泄後は拭き取ってあげるようにしましょう。お尻周りの被毛だけ短くすると、付着しにくくなりますし、お手入れもしやすくなります。

涙は放っておくと雑菌がわきやすく、ニオイが強くなってしまいます。目元が濡れてるなと思ったらこまめに拭いてあげるようにしましょう。老廃物が原因で鼻涙管が詰まっている場合、ドッグフードを変えることで改善されることもあります。

涙やけの対策についてはこちらの記事をチェック！

空気中のニオイ対策には、消臭スプレーや空気清浄機を使いましょう。犬はニオイに敏感なので、無臭タイプの消臭スプレーを選んでください。香りの成分でアレルギーを起こしてしまう子もいるので、犬用のものを使うのが安心です。

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ポメラニアンはとりわけ体臭が強い犬種ではありませんが、生き物なので多少のニオイはあります。それは人間も同じですよね。

犬のニオイの原因はさまざまですが、基本的にはお手入れをしっかりすることで防げるものがほとんどです。被毛のお手入れと合わせて、歯や耳、目などもケアしてあげてください。

あまりにもニオイがキツイという場合には病気の可能性もあるので、獣医師に相談してくださいね。

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