ズッキーニって犬が食べても大丈夫?与える際の注意点と豊富な栄養素
7月〜9月が旬のズッキーニは、日本語の名称がないことから、輸入された野菜のように思われがちですが、現在流通しているズッキーニはほぼ国内で栽培されているものです。そんなズッキーニは、栄養価が高くカロリーが低いことが特徴で、犬が食べても大丈夫な野菜です。
この記事では、ズッキーニに含まれる栄養素と、犬に食べさせる際の注意点やズッキーを使ったレシピをご紹介します。
ズッキーニは犬に与えても大丈夫な野菜!
色や形が似ていることから大きなキュウリと思われることも多いズッキーニですが、実はかぼちゃの仲間。かぼちゃの中でも栄養価が高く、特に種の栄養素が注目されているペポかぼちゃの一種なのです。このペポかぼちゃは、ハロウィンの飾りつけに使われていることでも知られています。
ズッキーニの栄養素・成分を紹介
かぼちゃの仲間でありながらカロリーが低く淡白な味わいのズッキーニですが、栄養価の高さはかぼちゃに引けを取りません。さらに、犬にも嬉しい栄養素もたっぷり含まれています。
栄養素・成分【1】カリウム
ズッキーニには、100gあたり320mgのカリウムが含まれています。カリウムを多く含むことで知られているバナナのカリウム含有量が100gあたり360mgであるため、カリウムの含有量が比較的多い野菜と言えます。
カリウムには、ナトリウムの排出を助け、ミネラルとのバランスを調整する働きがあります。
栄養素・成分【2】βカロチン
緑黄色野菜に多く含まれるβカロチンですが、ズッキーニには100gあたり320μgのβカロチンが含まれています。βカロチンは、犬の体内でビタミンAに変換されプロビタミンAとして働きます。
βカロチンには高い抗酸化作用があり、主に細胞の活性化や性ホルモンの生成促進作用があるとされています。
栄養素・成分【3】葉酸
犬にとって必要な栄養素の一つがビタミンB9とも呼ばれている葉酸です。ズッキーニには、この葉酸が100g中36μg含まれています。水溶性ビタミンである葉酸は、DNAの合成や神経組織の発達に必要な栄養素。
犬の腸内でも作られますが、必要量が作られているかどうかは不明なため食事から摂取することが推奨されています。
栄養素・成分【4】ビタミンK
ビタミンKも犬にとって必要不可欠な栄養素の一つです。脂溶性ビタミンであるビタミンKは、血液を凝固させる役割や、酵素の活動に欠かせない働き、タンパク質の代謝にも関わっています。
葉酸と同じく、犬の体内では腸内細菌によって作られていますが、必要量には足りないことが多いため、食品から摂取することが推奨されています。
栄養素・成分【5】ビタミンC
かぼちゃの仲間のズッキーニですが、かぼちゃに比べてビタミンCが豊富に含まれていることも特徴です。ビタミンCは犬の体内で生成されますが、加齢や病気治療などによって必要量が十分に生成されない場合は、食事から摂取することが推奨されています。
ビタミンCは、抗酸化成分として犬の健康に役立つ栄養素です。
犬にズッキーニを与える際に気をつけること
低カロリーで栄養価の高いズッキーニですが、食べさせる際には次の点に注意しましょう。
注意点【1】食べさせるときは加熱してから
生でも食べられるズッキーニですが、基本的には加熱調理に向く野菜です。特に、黄色いズッキーニは加熱することでナスのようにトロトロに柔らかくなるため、消化に負担をかけません。
犬は、生の野菜の消化が苦手なため、ズッキーニを与える時には加熱して消化しやすい状態にすることがおすすめです。
注意点【2】腎機能に問題のある場合は控える
ズッキーニはカリウムが豊富な野菜です。カリウムは、犬にとって必要不可欠な栄養素ではありますが、過剰に摂取することで高カリウム血症を発症してしまう可能性があります。
健康な犬の場合は、腎臓の働きによってカリウムが排出されますが、腎機能が低下している場合は、カリウム過剰となり高カリウム血症を発症する可能性があるため注意が必要です。
注意点【3】体が冷えているコは要注意
薬膳では、体を温める作用があるとされているかぼちゃですが、その仲間であるズッキーニは反対に、体の熱を取り除く作用がある野菜として知られています。きゅうりと同じように体を冷やしてくれる野菜として使用されているのです。
そのため、食べ過ぎによって体が冷えてしまうこともあるので、与えすぎには注意が必要です。
ズッキーニを使ったおすすめのレシピ
ズッキーニに多く含まれているβカロチンは、油と一緒に摂ることで吸収率がアップします。特に、オリーブオイルとの相性が良いためズッキーニとオリーブオイルを使ったレシピをご紹介します。
レシピ【1】常備菜に最適なズッキーニのマリネ
多めに作って冷蔵庫に常備しておけるズッキーニのレシピです。通常は、マリネ液にバルサミコ酢を使用しますが、ここではクエン酸が豊富なアップルサイダービネガーを使用します。
<材料>
- ズッキーニ
- ナス
- パプリカエキストラバージンオリーブオイル 適量
- アップルサイダービネガー(リンゴ酢)大さじ3
- 昆布水(水にだし昆布をつけておいたもの)カップ1/2
<作り方>
- ナス、ズッキーニ、パプリカは食べやすい大きさに切る。
- フライパンにオリーブオイルを熱し、切った野菜を入れ全体に油が回るようにさっと炒める。
- 火を止めてカップ1/4の昆布水を入れ、フタをして5分ほど蒸らす。
- 保存容器にアップルサイダービネガー、残りの昆布水を入れ、よく混ぜ合わせる。
レシピ【2】ラタトゥイユ
ラタトゥイユは、いろいろな野菜をオリーブオイルで炒めてから煮込むフランスの家庭料理です。柔らかく煮込んだ野菜類は、生野菜の消化が苦手な犬にとって消化吸収しやすいレシピの一つと言えます。
フライパン一つで作れる上、ドッグフードのトッピングとしても、また茹でた鶏肉や豚肉のソースとしても使えるお手軽レシピです。
<材料>
- ズッキーニ
- セロリ(ズッキーニ以外の野菜はお好みを適量で)
- ナス
- パプリカ
- トマト
- 生姜 少量(冷えすぎ防止に入れますが、入れなくてもOKです)
- オリーブオイル 大さじ1
- 水 大さじ3(野菜の水分量に合わせてください)
<作り方>
- 生姜はみじん切り、トマト以外のすべての野菜は食べやすい大きさに切る。
- 生姜をオリーブオイルで炒め、香りが出たらトマト以外の固い野菜から順番に炒める。
- 全体にオリーブオイルが回り野菜がしんなりしたら、トマトをつぶしながら加える。
- トマトの水分が少ないようなら水を加え、フタをして弱火で約20分程度煮込む。
- 野菜が柔らかくなったら全体を軽く混ぜて出来上がり。
愛犬のごはんにズッキーニを取り入れよう
夏野菜としてすっかり定着したズッキーニは、カロリーが低く栄養豊富で、生でも加熱しても美味しく食べられる野菜です。薬膳では、体に溜まった余計な水分や熱を排出する効果があることから、夏バテ防止に役立つ野菜とされています。
また、一部では食糞予防に役立つとして話題となっていますが、これは必ずしも効果があるわけではありません。ズッキーニは、犬がアレルギーを起こす可能性が少ない野菜の一つでもあるので、新鮮なズッキーニを見つけた時には、ぜひご飯にトッピングしてあげてください。
なお、初めて与える時には少量からにして、食後は必ず体調に変化がないか様子を見るようにしましょう。
<参考文献>
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この記事のライター
komugi
都内で愛犬のビーグルと暮らしています。コロナ期間中に肥満体型になってしまった愛犬のために食事や運動について勉強をはじめました。面白い発見や愛犬家の皆様に役立つ情報があればどんどん発信していきます!
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