柿は犬に食べさせてOK!適切な与え方やおすすめのレシピも
秋に旬を迎える柿は甘くて美味しく、好きだという人も多いのではないでしょうか。そんな柿は人間だけでなく犬も大好きです。とはいえ、与える柿の種類や量に関して注意しておきたいことがあります。
そこでこの記事では、柿に含まれている栄養素や犬への適切な与え方、与える際の注意点、おすすめの柿レシピをご紹介します。愛犬に柿を与える際の参考にしてくださいね。
犬は柿を食べても大丈夫!
完熟の甘柿であれば、犬に与えても大丈夫です。生の状態でも問題はありません。また、干し柿においても、添加物不使用であれば犬も食べられます。
柿の栄養素・成分
柿は果物に分類される食材ですが、野菜と同じ程度の栄養素が豊富に含まれています。「柿が赤くなれば医者が青くなる」と言われるように、夏の疲れを取り冬を迎えるための栄養素がたっぷり詰まっているのです。
具体的に、どのような栄養素が含まれているのか見ていきましょう。
食物繊維
食物繊維は水に溶ける可溶性繊維と、水に溶けない不溶性繊維があり、柿に含まれている食物繊維は不溶性の食物繊維の割合が多いです。不溶性食物繊維は、消化のスピードをゆっくりにし、腸のぜん動運動を活発にする成分です。消化吸収を穏やかにしてくれるため、便秘解消が期待できます。
また、ペクチンと呼ばれる可溶性の食物繊維も含まれており、コレステロールや血糖値の上昇を抑える効果があるとされています。
しかし食物繊維は摂取しすぎると消化不良や便秘になる可能性もあります。
ビタミンC
柿1個あたり、みかんの3〜4倍量のビタミンCが含まれています。ストレスの軽減、粘膜の強化、免疫力アップなど、健康維持に役立つ様々な働きをします。抗酸化作用が強いため代謝機能を助け、またアンチエイジングの効果が期待できるとされています。
人とは異なり健康な犬はビタミンCを体内で生成できますが、病中や病後、免疫力が低下傾向にあるシニアなどはビタミンCが失われやすく、またビタミンCは体内に溜められないので、食材やサプリメントなどから取り入れることがおすすめです。
カリウム
ミネラル成分であるカリウムも、柿に多く含まれています。カリウムにはナトリウムの排出、利尿作用があります。また、心臓機能や筋肉機能、および細胞内の酵素反応などを調節する役割も担っています。カリウムが不足すると低カリウム血症が引き起こされ、多尿や高血圧のほか、うまく歩けなくなったり、食欲の低下が見られます。
カロテノイド
柿には、βカロテン、ペクチン、ベータクリプトキサンチン、ゼアキサンチン、リコピンなどのカロテノイドが含まれています。βカロテンは、体内で必要な分だけビタミンAに変換される成分です。ビタミンAは、免疫力を高めたり粘膜の生成を助ける役割をもち、皮膚の維持や視力に関わっているため、不足すると皮膚の状態が悪くなったり、物にぶつかりやすくなったりします。反対に摂取しすぎると肝臓に負担がかかりビタミンA中毒を起こす恐れがあるとも言われています。
タンニン
柿の渋み成分でもあるタンニンは、ポリフェノールの1種です。タンパク質と結びつく性質を持っていることから、タンパク質を凝固させる働きがあります。腸内の脂質と結びついて排泄が促されるので肥満気味の犬におすすめです。また、タンニンには、活性酸素を抑制する抗酸化作用や抗菌効果があることも近年の研究でわかっています。柿の葉にはタンニンが多く含まれていますが、葉の部分は繊維が多いため消化に悪く、またタンニンの過剰摂取は貧血や下痢を引き起こすので与えないようにしましょう。
犬に柿を与える際の適量
柿に限りませんが犬におやつを与える際は、愛犬にとっての1日に必要な総カロリーの10%以内の量が望ましいとされています。
柿のひと切れは、約35g・20kcalなので、例えば1日に400kcal必要な犬の場合は、2切れまでが適量ということです。健康に良いのであればたくさん食べさせたくなりますが、食べすぎると糖分過多や肥満の原因となることもあります。犬にとって必要な栄養素はドッグフードで十分まかなうことができるので、おやつとして与えるにとどめましょう。いつものドッグフードの量にプラスしておやつを与えると摂取カロリーが多くなってしまうので、おやつなどを与える場合は一日の総カロリーを計算して調整するようにしてください。
また、干し柿も添加物不使用であれば犬に与えても大丈夫ですが、与える量には注意が必要です。干し柿は水分がなくなっている分、成分が凝縮されて糖度が高く、生柿よりもカロリーが約3倍もあります。そのため、与えすぎにならないよう、十分に気をつけてください。
子犬や老犬に与えてもいいの?
子犬や老犬にも食べさせて大丈夫ではありますが、消化器官が未発達な子犬は食物繊維を多く含む食べ物をたくさん食べると、消化不良を起こしやすいです。そのため、与えるのであればごくごく少量に留めましょう。また、柿に含まれるカリウムは、腎臓の機能が弱くなっている老犬には負担が大きく、高カリウム血症を発症する可能性もあります。水分補給としてや食欲が低下しているから嗜好性の高い柿を食べさせたいという場合は、量に注意して少しずつ与えてください。
犬に柿を与えるときの注意点
愛犬に柿を与えるときは、以下のことを考慮しましょう。
アレルギーの可能性
食物アレルギーは免疫機能がたんぱく質に過剰反応する現象です。柿にはわずかではあるもののたんぱく質が含まれているため、アレルギー反応を起こす可能性があります。柿に限らず、初めて食べる食べ物はアレルギーのリスクが伴うことを理解しておきましょう。柿を食べた後に身体を痒がっていたり、下痢や嘔吐などの症状が見られたら動物病院へ連れて行ってください。その際、どれくらいの量をいつ食べたのかなどを把握しておくと、診察がスムーズに進みます。アレルギー反応はすぐに症状がでないこともあるので、与えたことがない食べ物を食べさせるときは日時や量などを記録しておくとよいでしょう。
与える量に注意
柿は生のまま与えても問題ないですが、食べすぎて消化不良を起こしたり腸閉塞に繋がることもあります。また約80%が水分なので、食べすぎると身体を冷やすと言われています。食いつきがいいとたくさん食べさせたくなりますが、少量ずつ与えるようにしてください。硬めの柿は細かくしたりペースト状にすると消化しやすくなります。
頻繁に与えない
少量であっても頻繁に与えるのはやめましょう。柿は犬にとって嗜好性の高い食べ物です。柿には果糖が含まれており、干し柿においては糖度がとても高いので、頻繁に与えると肥満の原因になります。また、水分や食物繊維も多く含まれており、日常的に与えると下痢を起こしかねないので注意が必要です。
小さくカットしてから与える
愛犬がのどに詰まらせてしまうことがないよう、小さくカット、もしくは薄くスライスして与えるようにしましょう。
また、細かくカットしてあげると、消化もしやすくなります。シニア犬やお腹が弱いコの場合は、すりおろしてから与えるのもおすすめです。
皮と種を取り除いてから与える
皮をむき、種を取り除いてから与えるようにしましょう。柿の皮は硬くて消化しにくいので、胃腸に負担をかけてしまいます。
また、犬は柿の種を消化できません。大型犬であれば柿の種を誤飲してしまったとしても便とともに排出されますが、小型犬の場合は、腸閉塞を起こしてしまう可能性があるため注意が必要です。
必ず皮と種を取り除き、果肉部分のみを与えるようにしましょう。
渋柿は絶対に食べさせない
愛犬に渋柿は絶対に食べさせないでください。渋柿には、犬にとって毒となるアルカロイドが含まれており、犬が食べると嘔吐や下痢などの中毒症状を引き起こす恐れがあります。干し柿であればアルカロイドは消失しているので与えても大丈夫です。未熟な青い柿も食べさせないほうがいいので、散歩中など外に落ちている柿を愛犬が拾い食いしないよう注意してください。
また、「不完全甘柿」という甘柿と渋柿が混在する種類もあり、こちらも食べさせるのは控えましょう。苦味に対する感受性が低い犬の場合は、渋柿でもパクパク食べてしまうことがあります。散歩ルートに渋柿が落ちていることもあるので、愛犬が口にしないように注意しましょう。
持病のある犬には与える前にかかりつけの先生に相談を
腎臓機能に問題がある犬はカリウムの量を制限することが多いです。そのためカリウムを多く含む柿を摂取しすぎると腎臓に負担がかかり高カリウム血症になる場合があります。
ほかにも糖尿病や肥満など何らかの疾患を持っている場合、柿を食べることで状態を悪化させてしまう可能性もあるので、もし与えたい場合はかかりつけの先生にまず相談してみてくださいね。
加工食品は与えてもいい?
先述した通り、干し柿は添加物や種などがないものであれば、与えても問題はありません。しかしカロリーは高いので与える量には注意しましょう。柿のジャムやジュースや缶詰、お菓子などは添加物も多く、カロリーの面でも不安要素が残るため食べさせてはいけません。
愛犬と人が一緒に食べられるおすすめの柿レシピ
ここでは、簡単に作れる柿を使った犬用おやつレシピをご紹介します。
柿とリンゴのフルーツスムージー
秋が旬の柿とリンゴを組み合わせたスムージーは、消化機能が低下したシニア犬や、愛犬の食欲がないときなどにもおすすめです。
材料
- 柿:1/2個
- リンゴ:1/4個
- 水:150cc
作り方
- すべての材料をミキサーにかけ、なめらかになるまで混ぜ合わせたら完成です。作る量は、愛犬に合わせて調節してくださいね。
柿とチーズのおやつ
犬が大好きなチーズを組み合わせた柿のおやつ。特別なご褒美としておすすめです。
材料
- 柿:1個
- 犬用チーズ:4個
- 餃子の皮:数枚
- 油:ごく少量
作り方
- 柿とチーズをそれぞれ1cm角にカットし、ボールに入れて軽く混ぜ合わせる。
- 1を餃子の皮に包み、ごく少量の油をひいたフライパンで焼く。(テフロン加工のフライパンであれば、油を使用しなくても大丈夫です)
柿チップスの白和え
乾燥させた柿と絹ごし豆腐を和えたおやつです。完熟した甘柿も美味しいですが、乾燥させることでより甘みが増して美味しくなります。また、絹ごし豆腐と和えると良質なタンパク質も摂取できます。
材料
- 柿:1/2個(中サイズ)
- 絹ごし豆腐:1/6丁
作り方
- 柿の皮をむき種を取り除いて、厚さ2~3mmにスライスする。
- フードドライヤー、もしくはクッキングシートを敷いた天板に1を重ならないように並べる。
- 40度で3〜4時間ほど乾燥させる。
- ボールに豆腐を入れて、スプーンで軽くつぶす。
- 乾燥させた数枚の柿を小さくカットし、4に加えて和える。
柿は食べさせる量に気をつけよう
柿は、犬にとっても美味しいおやつです。食欲が落ちているときに与えると、甘みを好む犬は食欲がそそられ食べてくれるかもしれません。柿の80%は水分で出来ているため水分補給としても役立ちます。ただし、与えすぎは下痢や肥満の原因となってしまいます。欲しがるからといって、たくさん与えないように気をつけましょう。今回ご紹介した柿のおやつレシピはどれも簡単に作れるので、ぜひ一度トライしてみてくださいね!
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この記事のライター
komugi
都内で愛犬のビーグルと暮らしています。コロナ期間中に肥満体型になってしまった愛犬のために食事や運動について勉強をはじめました。面白い発見や愛犬家の皆様に役立つ情報があればどんどん発信していきます!
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