【獣医師監修】犬の歯磨きの適切な頻度は?歯周病を予防するために大切なデンタルケアのコツ
飼い主さんのお悩みの1つに「歯」の健康があるかと思います。犬は歯石ができやすく、1回できてしまった歯石は病院でスケーリングしてもらわないと取れません。そのため自宅でのデンタルケアがとても大切ですが、そうは言っても正しい歯磨きの頻度が分からない方も多いのではないでしょうか。
今回は、犬の歯磨きの適切な頻度とデンタルケアのコツを解説します。
犬の歯磨きはどれくらいの頻度が適切?
早速、愛犬の歯磨き頻度から見ていきましょう。
できれば毎日が望ましい
犬の歯磨き頻度は「毎日」が望ましいです。しかしながら、犬が歯磨きを嫌がったりして負担になる場合は「3日に1回」でもOKですので、とにかく続けましょう。
ウェットフードを与えている場合は3日に1回では少ないので、毎日歯磨きができるようにするのがおすすめです。おやつを与えている場合でも、ジャーキーなどの硬いものよりも柔らかいおやつのほうが歯に付着しやすく、歯石は溜まりやすいので特に注意が必要です。
ウェットフードは特に歯石が溜まりやすい
ドライフードとウェットフードを比較した場合、ドライフードのほうが歯石が付着しにくいと言われています。含まれている水分量が少なく、歯にくっつきにくいためです。
一方、ウェットフードの場合は水分量が多いため、歯にくっついて歯垢が溜まりやすくなり、すぐに歯石になってしまいます。
手作りごはんの場合もウェットフードと同じですので、同様に注意しましょう。柔らかいご飯を食べている子は、特に念入りにデンタルケアを行う必要があります。
犬の歯磨き頻度が足りない場合に生じる問題
それでは、もし十分な頻度で歯磨きができなければ、どんな問題があるのかも知っておきましょう。
食べかすはたった3日で歯石になる?
犬の歯は、人間の歯よりもはるかに歯石が付きやすいです。食べかすはわずか約3日後には歯石になってしまいます。
いったん歯石になってしまうと、家庭で取るのは難しいのが歯石です。「歯磨きの頻度が最低限3日に1回必要」というのはそのためです。
歯石はいったん歯に沈着すると歯ブラシでは取れず、スケーリングという特殊な処置をしなければいけません。歯垢が歯石化する前に、歯磨きで食べかすや歯垢を除去する必要があるのです。
小型犬のほうが歯石が沈着しやすい?
傾向として、大型犬よりも小型犬のほうが歯石が沈着しやすいと言われています。これは「唾液の粘り気」が関係しています。唾液の粘り気が強い犬のほうが歯石が付きやすいのです。もちろんこれは個体差も影響します。
犬の唾液の粘度は、食餌をした後のお皿でわかります。お皿を水ですすいでもなかなかヌルヌルが取れない場合は粘り気が強いので、歯磨きの頻度を増やすべきです。
犬の歯磨きの頻度を保つために
犬の歯磨き頻度を保つために、飼い主さんができることはあるのでしょうか。
口に触るのに徐々に慣れさせる
犬が歯磨きを嫌う理由は、口を触られるのが嫌である場合が多いです。犬は今まで生きてきて口に触られたことがないので慣れていないのです。まずは口に触るのに慣れさせるために、普段撫でるときや一緒に遊ぶときにそれとなく口に触るようにしましょう。マズルを持ち上げたり歯を触ったりしてみましょう。最初は嫌がりますが、徐々に慣れてきます。
口に触るのに慣れたらガーゼで歯を拭く
犬は歯ブラシを嫌う場合が多いですが、ガーゼなどの布ならばそこまで嫌わないことが多いです。あるいは市販のペット用の歯磨きシートを使うのもいいでしょう。歯ブラシよりは効果が薄いですが、何もしないよりは良いのでガーゼから慣らしていきましょう。それも嫌がるようなら飼い主さんの指で歯茎をマッサージしてあげましょう。飼い主さんの指ならばそこまで嫌がらない可能性が高いです。
とにかく、口を触られて何か異物を入れられるという状況に慣れさせることが肝心です。慣れたら徐々に歯ブラシに移行していくとよいでしょう。
口を触るのすらだめならご飯や水に混ぜるタイプを
歯磨きが苦手な犬のために、ご飯に混ぜたり水に混ぜたりするデンタルケア商品が開発されています。歯石を溶かす成分が入っていて、ご飯や水を口に入れるだけで効果を発揮してくれます。
歯ブラシやガーゼなどの物理的な処置よりは効果が薄いのですが、それでも何もしないよりは歯周病などの予防に有効です。歯磨きが苦手な子を飼っている場合は検討してみると良いでしょう。
犬の歯磨きは毎日できるのが望ましい
犬のデンタルケアは特にシニアになってきてから影響が出てきます。若いうちはそんなに影響は出ませんが、シニアになると歯も歯茎も弱ってきて、歯周病などにかかりやすくなります。そのときに若いうちからの歯磨き習慣が効果を発揮します。歯磨きを嫌う子を飼っている場合の対策としては「ドライフードのみにする」「口に触られることに徐々に慣れさせる」「ご飯や水に混ぜるタイプの歯磨きを利用する」ということが考えられます。この記事をデンタルケアの参考にして、歳を重ねてからも愛犬の口の健康を守れるようにしてあげてくださいね。
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この記事のライター
choco
シェルティとの生活に憧れる社会人です。みなさんの愛犬との暮らしがより豊かになるような情報を発信できたら、と思っています!
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