banner

banner

【獣医師監修】愛犬が認知症かもと思ったら。痴呆(ボケ)の症状や日常生活における工夫を解説します

お気に入りに追加

高齢の愛犬が名前を呼んでも反応をしない、ぼーっとしてどこかを見つめているなど、今までと少し違った様子が感じられるようになった場合、認知症の疑いがあります。この状態を放っておくと、症状が進行し行動も変化していくので、早めに対策をすることが重要です。

この記事では認知症の原因や症状、症状が見られる愛犬との上手な向き合い方などについて解説します。特に高齢犬を育てている飼い主さんは、愛犬に当てはまるものがないか、チェックしてみてください。

【獣医師監修】愛犬が認知症かもと思ったら。痴呆(ボケ)の症状や日常生活における工夫を解説します
話題/ 犬用ベッド徹底比較 犬用ベッドなんでも良いって思ってない?愛犬の寿命にもつながるベッドの選び方教えます。

目次

  1. 犬の痴呆(ボケ)とは
  2. 犬の認知症の初期症状について
  3. 認知症の症状を遅らせるためにできること
  4. 認知症の愛犬との向き合い方

犬の痴呆(ボケ)とは

老犬

犬における「痴呆(ボケ)」とは、いわゆる認知症のことです。認知症は、老化により認知力が低下することによって起こる行動の変化を言います。
認知症は全ての犬がかかる可能性がありますが、柴犬をはじめとした日本犬がなりやすい傾向にあります。では、何が原因で認知症になるのか見ていきましょう。

認知症(痴呆)の原因

認知症は、老化により脳神経細胞や自律神経の機能が低下することで起こります。犬では12歳ごろから発症しやすいと言われていて、14歳以上になると発症が多くなります。さらに、17歳以上では半数以上が認知症の何らかの兆候が見られるという報告があります。

犬の認知症の初期症状について

老犬

認知症は治療法がなく、完治は期待できない病気です。よって、認知症にはどういった初期症状が見られるのかを知っておき、早期に気づけるようにしておくことが非常に大切です。

認知症の初期症状

痴呆の初期は、名前を呼んでも無反応、何もないところをぼーっと見ている、今まで理解できていたコマンドを無視するようになる、好きなことなのに興味を示さないなどの症状が見られます。これらの愛犬の様子を見て、「歳を取ったからだろう」と気に留めないことも多く、そのまま放置している方も少なくありません。

「少し様子が変だな…」と感じたら、一度かかりつけの獣医師に認知機能が低下している可能性がある旨を相談するとよいでしょう。

また、愛犬の気になる様子を動画に撮っておくことをおすすめします。症状を獣医師に見せることで、診察の際に愛犬の状態をよりわかりやすく説明できます。

進行したときの症状

認知症が進行すると、以下のような認知症特有の行動が目立つようになってきます。

  • 昼間に寝ていることが多く、夜に寝なくなる
  • 夜間や明け方に、意味もなく鳴きつづける(夜鳴き)
  • 円を描くように、同じところをぐるぐると歩き回る
  • トイレ以外の場所で排泄をするようになる
  • ごはんを食べたばかりなのに、すぐに食べたがる
  • 狭いところに入りたがり、入ったら後退できなくなる

なかでも夜鳴きは、近所からの苦情になりやすいほか、ご家族の睡眠障害も招いてしまうので、多くの飼い主さんを悩ませる症状です。

認知症の症状を遅らせるためにできること

老犬

認知症は完治は期待できないものの、日常生活を工夫することで症状の軽減や症状の進行を遅らせることはできます。愛犬がボケてきたかなと思ったら、飼い主さんはどのように向き合えばよいのかを覚えておきましょう。

スキンシップが大切

飼い主さんとのコミュニケーションは脳へのよい刺激になるほか、絆を深めることにもつながります。認知症になっても今までと同じように愛犬に話しかけたり、体を撫でてあげたりして、愛犬とのスキンシップを大切にしましょう。

脳に適度な刺激を与える

変化の少ない単調な毎日を送っていると、認知機能がどんどん衰えてしまいます。そのため、適度に運動をさせる、散歩に連れて行くなど、脳への刺激になることを取り入れて生活するようにしましょう。もし散歩に行きたがらないようであれば、カートに乗せて外に連れて行ってあげるのも1つの方法です。

また、昼間に活動をさせることは、昼夜逆転しがちな高齢犬の生活リズムの改善にもつながります。

専門家に頼ることも大切

認知症による愛犬の夜鳴きで睡眠不足になり、ときにご自身も疲れてしまうこともあると思います。そのようなときには飼い主さん1人で抱え込まずご家族やペットシッターにお世話を手伝ってもらうなどして少し息抜きをすることも大切です。

近年は老犬の訪問介護をしているペットシッターサービスが増えてきています。愛犬のお世話に悩んだり、疲れてしまったりしたときに、このようなサービスを利用するのもよいでしょう。

こちらの記事もチェック!

老犬の気持ちに寄り添う|頼れるサポートサービス6選

あわせて読みたい

老犬の気持ちに寄り添う|頼れるサポートサービス6選

人々の寿命が医療の進歩により伸びたのと同じように、獣医療の発展や生活環境・食事の進化によって、犬たちも一昔前と比べて長生きとなりました。大切な家族の一員である愛犬と長い時間一緒に暮らせることはとても嬉しいことですが、その反面、犬の加齢に伴うさまざまな課題も見えてきました。 歳を重ねたことで発症する病気や身体的な衰えに対し、飼い主としてできることはどんなことなのでしょうか?今回は、老犬の気持ちに寄り添うサポートサービスについてご紹介します。

認知症の愛犬との向き合い方

犬

愛犬の名前を呼んで無反応だったりしても、それが認知症の症状の1つだと思わず、「高齢だから耳が遠くなったのだろう」として見過ごしてしまうケースも少なくありません。「今までと様子が違う気がする」と思ったら、一度かかりつけの獣医師に相談することをおすすめします。

愛犬が認知症だと判明したら少しショックを受けてしまうかもしれませんが、きちんとボケの症状に向き合い日常生活を工夫することで、症状の軽減や症状の進行を遅らせることができます。

愛犬に寄り添いスキンシップを大切にしながら、最期まで共に快適に過ごせるような工夫を、沢山考えてあげてくださいね。

こちらの記事もチェック

【獣医師監修】知らぬ間に進行していることもある犬の膵炎(すいえん)について。普段の生活から気をつけたい予防法とは

あわせて読みたい

【獣医師監修】知らぬ間に進行していることもある犬の膵炎(すいえん)について。普段の生活から気をつけたい予防法とは

今までに、愛犬が腹痛や嘔吐、下痢を起こして、もしかしたら膵炎かも?と心配された経験はありますか? 犬の「膵炎(すいえん)」は、文字通り膵臓が炎症を起こす病気のことですが、他の内臓の病気に比べると診断が難しく、重症化すると命に関わる危険をはらんだ病気です。今回は、膵炎を発症してしまう原因や初期症状、治療法から予防法についてご紹介します。

【獣医師監修】愛犬が発作を起こしたらどうすればいい?併発していたら要注意な症状と代表的な3つの病気

あわせて読みたい

【獣医師監修】愛犬が発作を起こしたらどうすればいい?併発していたら要注意な症状と代表的な3つの病気

愛犬が発作を起こしたのを目撃した経験はありますか? 元気にしていた愛犬が突然痙攣したり、倒れて意識を失ったりしてしまったら、飼い主さんとしてはとてもびっくりするとともに、心配になりますよね。犬の発作は何が原因で起こるのでしょうか。今回の記事では、犬が発作を起こす原因や考えられる病気、発作が起きたときの対処法についてご紹介します。

愛犬の寿命に繋がる!?犬用ベッド徹底比較 2024年最新版 床ずれの防止、腰の負担予防など愛犬の健康のために考え抜かれた犬用ベッドを徹底比較!
choco

この記事のライター

choco

シェルティとの生活に憧れる社会人です。みなさんの愛犬との暮らしがより豊かになるような情報を発信できたら、と思っています!

【petan編集部企画】ペットベッド「DoggyBaseとは?」

あわせて読みたい

【petan編集部企画】ペットベッド「DoggyBaseとは?」

認知症に関する記事

【獣医師監修】犬も認知症になる?発症の原因や症状と飼い主さんができること

健康管理/病気

【獣医師監修】犬も認知症になる?発症の原因や症状と飼い主さんができること

一昔前と比べて犬の寿命は飛躍的に延び、一緒にいることができる時間が増えました。愛犬が長生きして...

2024年3月18日

【獣医師監修】犬の認知症について|知っておきたい原因や症状と予防法

健康管理/病気

【獣医師監修】犬の認知症について|知っておきたい原因や症状と予防法

人間だけでなく、犬も発症する認知症。飼育や食餌などの環境変化、獣医療の発達などによって犬の寿命...

2024年3月4日

【獣医師監修】愛犬が認知症かもと思ったら。痴呆(ボケ)の症状や日常生活における工夫を解説します

健康管理/病気

【獣医師監修】愛犬が認知症かもと思ったら。痴呆(ボケ)の症状や日常生活における工夫を解説します

高齢の愛犬が名前を呼んでも反応をしない、ぼーっとしてどこかを見つめているなど、今までと少し違っ...

2023年11月24日

犬の知育や認知症予防に脳トレは効果ある?愛犬と楽しみながらできる脳トレ方法をご紹介!

しつけ

犬の知育や認知症予防に脳トレは効果ある?愛犬と楽しみながらできる脳トレ方法をご紹介!

子犬の知育発達や老犬の認知症予防に「脳トレ」がおすすめです。愛犬と一緒に脳トレをしながら遊ぶの...

2024年3月7日

もしかしたら認知症かも?と思ったら。認知症が疑われる犬の10の行動パターンと対処法について

犬の生態/気持ち

もしかしたら認知症かも?と思ったら。認知症が疑われる犬の10の行動パターンと対処法について

近年日本では、人と同様、犬も高齢化が進み、認知症を患う犬も増加傾向にあります。愛犬が夜中に吠え...

2023年4月11日

もっと見る

関連するキーワード

カテゴリー

人気記事ランキング

Petan独自調査

獣医師監修記事

おすすめ記事

人気のキーワード