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【獣医師監修】犬の耳血腫の原因は?初期症状や有効な治療法を解説

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皆さんは犬の耳の病気についてどの程度ご存知でしょうか?耳の病気と聞くと外耳炎や中耳炎が有名ですが、犬はときどき耳血腫(じけっしゅ)を突然発症する場合があります。

耳血腫とは、何らかの原因で耳たぶの内側が大きく腫れてしまう病気です。その見た目から「餃子耳」とも呼ばれています。 命に関わったり、日常生活が送れないほどの重篤な病気ではありませんが、犬にとってはとても不快な病気であることには違いありません。この記事では、犬の耳血腫という病気について、症状や原因、治療・予防法などを解説していきます。

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目次

  1. 犬の耳血腫という病気について
  2. 耳血腫の原因とは
  3. 耳血腫の有効な治療法
  4. 耳血腫を予防する方法はある?
  5. 日頃からの耳のお手入れが大切

犬の耳血腫という病気について

犬

耳たぶは別名「耳介」とも呼ばれますが、軟骨と皮膚および血管によって形成されています。何らかの原因で耳介の血管が破れ、軟骨と皮膚の間に血液が溜まることで耳たぶが膨れ上がってしまうのです。痒みがあったり不快感があるため、犬にとってはストレスも溜まる病気です。

耳血腫の初期症状

急に症状が現れることが特徴で、犬が急に頭を振りだしたり、後ろ足で耳を頻繁に掻くなどして発見されることが多くなっています。耳の内側が大きく腫れ、触ると熱を帯びている感じがします。そのまま放置しておくと軟骨が変形したままいびつな形になったり、皮膚がシワになったりしますので、早急な治療が必要です。

他の犬や人間にうつる?

外的要因による病気ですので、他の犬や人間にうつったりはしません。ただし遺伝を要因とするアレルギーによって皮膚に炎症が起こり、耳を掻くことで耳血腫が起こる可能性があります。

耳血腫の原因とは

チャウチャウ

耳血腫にかかる場合、いくつかの原因が考えられます。根本的な原因を突き止めることで有効な治療法を見出すこともできます。

アレルギーによる影響

特定のアレルゲンによって皮膚や耳に炎症が起こり、痒みを発生させることがあります。 食物アレルギーやハウスダスト、ダニや花粉などの要因が挙げられますが、やはり犬が耳を激しく掻いてしまうことによって耳血腫が発生しやすくなります。

耳ダニやマラセチア、外耳炎による影響

疥癬虫とも呼ばれる耳ダニ(ヒゼンダニ)や、真菌の一種であるマラセチアが耳の中に発生することが大きな要因となります。 また外耳炎に発展すると猛烈な痒みを伴い、犬はしきりに頭を振ったり、後ろ足で耳を掻きますので、その際に軟骨に傷害が起こって血管が破れることになります。

耳血腫にかかりやすい犬種や年齢

犬の年齢問わず発症リスクがある病気ですが、特定の犬種がかかりやすいということは言えるでしょう。ゴールデンレトリーバーやビーグルなど耳が大きくて垂れている犬種の場合、耳の中が蒸れやすいため耳血腫を発症しやすくなります。

耳血腫の有効な治療法

犬

まず軟骨と皮膚の間に溜まった血液を抜き、炎症予防のためにステロイド剤を注入します。もし外耳炎も発症しているようなら同時に治療が必要となります。

内科療法に対する反応が思わしくなかったり、症状が重い場合は外科手術をすることもありますが、皮膚がたるんでカリフラワーのような形状にならないために形成手術をする場合もあります。

いずれの場合も、治療中に耳を掻いたりしないよう保護するためのエリザベスカラーを装着することが重要です。せっかく症状が良化しても、油断してエリザベスカラーをはずした途端に自分で掻きむしってしまうと、ますます治療が長引いてしまいます。

治療にかかる費用

耳血腫だけでなく外耳炎も併発している場合、その分費用も高くなります。 動物病院によって幅はありますが、治療期間が7週間で通院が10回程度とした場合、診察料、廃液作業、各種薬剤などを含めて6~7万円ほど掛かると想定されます。

ただし比較的軽症だった場合や、外科手術が必要な場合となれば、その費用はかなり上下することになります。

耳血腫を予防する方法はある?

犬

基本的な予防法としては、犬が耳を痒がっていないか、といったこまめなチェックが必要となりますが、定期的に耳掃除をするなど耳の中をいつも清潔に保つことが重要です。耳の中の匂いをチェックすることも大事で、酸っぱい匂いや変な匂いがした時は要注意です。

また食物アレルギーなどが疑われる場合には、適切な血液検査を受けてアレルゲンを特定し、アレルギー対応食に切り替えるなど対策をしましょう。

再発する可能性

耳が痒くなるという根本的原因さえ排除できれば再発はしにくいと言えますが、耳掃除を長い間行わなかったり、梅雨時など湿気のある季節には再発する危険性は高くなります。やはりこまめに耳の状態をチェックすることが望ましいと言えます。

日頃からの耳のお手入れが大切

犬

耳掃除がうまくいかなかったり、犬がケア自体を嫌がったりするなど、なかなかこまめにケアできない時があるかもしれません。そんな時は無理をせずトリミングサロンや動物病院にお願いしてみるのがオススメです。耳のケアのコツなども教えてくれると思いますよ。

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choco

この記事のライター

choco

シェルティとの生活に憧れる社会人です。みなさんの愛犬との暮らしがより豊かになるような情報を発信できたら、と思っています!

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