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【獣医師監修】犬の白内障は手術で治る?発症の原因や検査の方法を紹介します

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人間と同じように、犬も白内障を発症することがあるのをご存知でしょうか?犬が白内障になると視力が低下するため壁や柱にぶつかるようになり、症状が進行すればブドウ膜炎や緑内障などの強い痛みを伴う病気を併発する可能性があります。

この記事では、犬の白内障の原因や治療法、予防法について解説します。白内障は若齢犬も中高齢犬もかかる病気なので、これを機に愛犬の目の状態をチェックしてみてください。

【獣医師監修】犬の白内障は手術で治る?発症の原因や検査の方法を紹介します
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目次

  1. 犬の白内障について
  2. 犬の白内障は何が原因?
  3. 犬の白内障の検査方法
  4. 犬の白内障の治療方法
  5. 愛犬が白内障を患ったときに配慮すべきこと
  6. 犬の白内障の発症リスクを下げるには
  7. 犬の白内障は早期発見・早期治療が大切

犬の白内障について

犬

白内障は、目の中の水晶体というレンズが白く濁り、視力が低下する病気です。

白内障の症状

白内障の症状は、4つのステージに分類されており、段階を経て進行します。ここではそれぞれのステージについて解説していきます。

【1】初発期

犬の視覚にはほとんど影響がなく、生活に支障をきたすことはありませんが、動物病院での眼科検査で初期の異常を発見できます。白濁範囲は水晶体全域の10~15%で、この時点では、自宅での生活においては、まだ症状に気づきにくいです。

【2】未熟期

白濁範囲が水晶体全域の15%以上の状態です。水晶体が白く濁り始め見えにくくなります。その影響により、暗い所での動きが鈍くなります。

【3】成熟期

飼い主さんにもはっきり分かるくらいに、水晶体の全体が白く濁ります。視覚障害が顕著になり家具にぶつかったり、動きたがらなくなったりします。光には反応し、近くで動くものは捉えることができます。

【4】過熟期

水晶体が溶け一時的に目の白濁がとれたように見えることがあります。ここまで進行すると手術の難易度が高くなり、他の重篤な合併症を起こす危険性も高くなります。

犬の白内障は他の犬や人間にうつる?

白内障は感染症ではないため、他の犬や人間にうつる心配はありません。

犬の白内障は何が原因?

犬

犬の白内障の原因は、大きく2つの要因に分類されます。遺伝による先天的なものと、後天的なものが存在します。

先天的なもの

遺伝性の白内障は多くの犬種で認められています。白内障の多くは中高齢で症状が現れますが、遺伝が関与するものでは、2歳くらいまでに発症することもあります。

後天的なもの

後天的な白内障の原因には、次のようなものが挙げられます。

外傷

他の犬との喧嘩で目に怪我を負ったり、散歩中に目に何かが刺さったりしたことで水晶体に傷がつくと、炎症により白内障になることがあります。

糖尿病

糖尿病は何らかの理由により、糖の代謝が上手くできなくなる病気です。糖尿病にかかると合併症として水晶体が濁り、白内障を続発することがあります。

紫外線

紫外線の浴びすぎも白内障の原因のひとつという説があります。白内障のリスクを考えるのであれば、眼への紫外線の照射は気を付けましょう。

かかりやすい犬種や年齢

犬の白内障は、以下の犬種がかかりやすいと言われています。また、加齢性変化のひとつとして水晶体が白濁し、白内障にかかることが分かっていて、7歳以上の雑種犬の15%以上が白内障にかかっているという報告もあります。

  • プードル
  • ミニチュアシュナウザー
  • アメリカンコッカースパニエル
  • シベリアンハスキー
  • 柴犬
  • シーズー
  • パピヨン
  • ヨークシャーテリア
  • チワワ
  • ミニチュアダックスフンド
  • キャバリアキングチャールズスパニエル

犬の白内障の検査方法

犬

7〜8歳頃のシニア期を迎えて目の白濁が見られる場合は、白内障以外に核硬化症も疑われます。核硬化症は加齢に伴い水晶体が硬くなり、光を通しにくくなる病気です。しかし、核硬化症の場合は、視覚障害を引き起こさないので治療は必要ありません。

白内障か核硬化症なのかは検査してみないとわからないので、愛犬の目が白っぽくなっている場合は、早めに動物病院で眼科検査を受けましょう。

細隙灯(さいげきとう)顕微鏡検査(スリットランプ検査)

細隙灯顕微鏡を用いて水晶体や角膜を詳しく観察します。肉眼ではわからない病変も確認できるので、早期の白内障にも気づくことができます。

眼底検査

暗い場所で、検眼鏡を用いて目に光を当てて眼底を確認し、視神経乳頭や網膜に異常がないかを調べます。眼底検査が行えない場合は、網膜電位検査により網膜が正常に働いているかを確認します。

シルマー涙試験

涙の産生量を調べる検査を行います。

眼圧検査

眼球にトノペンと呼ばれる眼圧測定器を当てて眼圧を測定します。

エコー検査

水晶体や硝子体の状態、網膜剥離の有無などを観察するためにエコー検査を行います。水晶体の厚みや眼球の大きさの測定することも可能です。

血液検査

糖尿病などの代謝異常によって白内障を続発していることが疑われる場合は、血液検査を行うことがあります。

犬の白内障の治療方法

犬

犬の白内障の治療法は、内科的治療と外科的治療があります。

内科的治療

初期の白内障の場合や、心臓が悪いなどの理由で外科手術が現実的に難しい場合には、タンパク質の変性を防ぐ点眼薬、内服薬などによる治療が行われます。これらの治療は、白内障の進行を遅くすることはできますが、完全に治すことはできません

外科的治療

根本的な治療は、外科治療になります。手術では水晶体を超音波の振動で細かく砕いて吸引し、人工の眼内レンズを入れます手術を行う場合は、犬の性格や術後に以下の治療やケアを自宅で飼い主さんができるかなどを考慮のうえ、獣医師と相談して治療方針を決定します。

これらの術後管理が難しい場合、手術を受けられないことがあります。また、検査をした結果、手術をしても回復の見込みがないと獣医師が判断した場合は手術を行いません。

また、糖尿病によって白内障を発症している場合には、糖尿病の治療を行い、良好にコントロールしていくことが必要です。

  • エリザベスカラーを装着できる犬か?
  • 入院や処置をおとなしくできそうな性格の犬か?
  • (犬・飼い主さん共に)継続的に点眼や内服の投与が継続できそうか?
  • 術後の検診のために動物病院に通う日程を確保できるか?

治療にかかる費用

白内障を手術する場合、手術前の検査料や入院料、麻酔料などを含めて数十万円ほど、左右の目を併せると百万円近くかかる場合もあります。また、他の疾患も併発している場合は、その治療費もかかります。外科手術を受ける病院によって費用は異なるので、事前に直接確認しましょう。

愛犬が白内障を患ったときに配慮すべきこと

犬

愛犬が安心・安全に過ごせるよう、白内障になったときは以下のことを配慮しましょう。

ひと声かけてから体に触る

目が見えにくいことから、不安を感じて攻撃的になることもあります。そのため、体に触るときは愛犬の名前や「いいコだね」などひと声かける、鼻の前に手をかざして飼い主さんの匂いを嗅がせるなど、安心させてからにしましょう。

部屋の物の配置を変えない

白内障を発症したら、部屋の模様替えをしたり、トイレトレーやケージなど、物の配置を変えないようにしましょう。犬は目があまり見えなくなっても、記憶力や他の感覚器官で見えない部分を補い、慣れ親しんだ環境であればある程度不自由なく過ごせるからです。

段差がないほうが安全に過ごせるだろうとスロープを設置したりすると、転倒したりする可能性がありかえって危なくなってしまいます。家具はもちろんのこと、ちょっとした物でも配置を変えないようにしましょう。

犬の白内障の発症リスクを下げるには

犬

白内障は遺伝などが関与しているため、確実に予防することは困難です。

外傷や強い紫外線を浴びることは白内障の原因となり得るので、怪我を誘発するような接触トラブルを避ける、紫外線が強いときに長時間散歩させないといったことが予防に繋がります。目を保護するための犬用サングラスの着用も一部では推奨されています。

予防が難しい白内障は、早期に発見して進行を遅らせるための対処をとることが大切です。

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白内障の手術ができる動物病院を探しておく

注意点としては、動物の眼科専門医が在籍している動物病院、眼科手術の設備が整っている動物病院は少ない現状があります。一般の動物病院では白内障の手術ができないことが多く、眼科専門の動物医療機関で行う必要があります。そのため、万が一に備え手術ができる医療機関を探しておくことが大切です。

6歳未満で発症する若年性白内障は進行が早いため、網膜に異常をきたしてしまうと外科的治療による改善が難しくなってしまいます。もし、白内障になっても早期に治療ができるように、日頃から眼科専門医が在籍している動物病院を調べておくとよいでしょう。

白内障が再発する可能性

手術をした後も、数ヶ月~数年で部分的に白内障を再発することがあります。これは変性した水晶体タンパクが完全に取り除けないことがあるためと言われています。

犬の白内障は早期発見・早期治療が大切

犬

犬の白内障は、珍しい病気ではありません。どんな子であっても発症する可能性はあり、若い犬であっても犬種によっては遺伝的にかかりやすいことが分かっています。
大切なのは、早期発見・早期治療に努めることです。日頃から自宅で目の状態を観察し、家具にぶつかるなど異常を感じたら、早めに動物病院を受診して治療を開始しましょう。

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この記事のライター

choco

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