【獣医師監修】犬に抗生物質を用いるときに注意すること。服用する病気・症状も紹介
体調が悪い時、抗生物質を処方され、飲み切るよう医師から指示されたことがある方は多いと思います。犬の場合も、具合が悪い時に動物病院で抗生物質を処方されることがあります。
そもそも抗生物質は何のために飲まなければならないのかということをご存知でしょうか?抗生物質は有用な薬ですが、その一方でいくつかのデメリットもあります。そのため、どんな病気に効果的なのかということや、飲ませるのにあたって気を付けたいことを、飼い主さんがしっかりと理解しておくことが大切です。
この記事では、犬に対する抗生物質の使用例や、犬に抗生物質を用いる際の注意点を解説します。
抗生物質の効能
人だけでなく犬に対しても、病気の治療の際に抗生物質が使用されるケースはよくあります。まずは抗生物質とはどのような薬剤なのかをしっかりと理解しておきましょう。
主に細菌が原因の疾患・病気に効く
多くの抗生物質は、細菌が体内で増殖するのを抑えるための薬剤です。細菌感染が原因の病気、もしくは細菌感染の疑いがある病気に対して、抗生物質を用いて治療を行います。
抗生物質には多くの種類があり、それぞれの菌に対して同じように効くわけではありません。また、抗生物質の体内での分布も異なります。そのため、感染している菌に対して有効か、治療の目的の臓器に抗生物質が分布しやすいのかなどを考慮のうえ処方されます。抗生物質は、内服、注射、点眼、点耳、点鼻などさまざまな方法により用いられます。
抗生物質には、細菌をターゲットとしたもの以外にも、抗ウイルス薬、抗真菌薬、抗寄生虫薬などがあります。
犬の病気に対する抗生物質の使用例
抗生物質は、主に以下のような治療に使用されます。
眼の疾患
結膜炎や眼瞼炎、麦粒腫など、細菌感染が原因となる眼科疾患などに対して、内服もしくは点眼により抗生物質を投与します。
アレルギー性皮膚炎
抗生物質は、アレルギー性皮膚炎の治療に用いられることもあります。アレルギー性皮膚炎により皮膚のバリア機能が低下すると、普段は無害である皮膚の常在菌が増殖して細菌感染を起こします。
細菌感染を起こすとさらに強いかゆみを伴うようになり、犬自身が掻いたり舐めたりして症状が悪化していくので、抗生物質を投与して症状の改善を図ります。
膀胱炎
膀胱炎は尿路結石や腫瘍などの原因のほか、外部から尿道を通って細菌が侵入することで起こる場合もあります。細菌感染による場合は、期間はその症状によって異なりますが、長期にわたって抗生物質を投与する必要があります。
犬に抗生物質を用いる際に気をつけること
抗生物質は、用法・用量を守って適切に使用しないとデメリットが生じるリスクが大きくなります。犬に抗生物質を用いる際の注意点を頭に入れておきましょう
投与後に犬の体調に異変がある場合、早めに獣医師に相談を
抗生物質を飲ませた後に、食欲不振、嘔吐、下痢などの副作用を起こす場合があります。もちろん消化器症状以外にもさまざまな副作用が生じる可能性があり、その薬剤によって異なります。
もし愛犬の体調に何らかの異変が見られた際は、かかりつけの獣医師に相談するようにしましょう。
飼い主さんの自己判断で投薬を中止しない
治ったと考えて投薬を自己判断でやめたり、耐性を持ってしまうのではないかと恐れて抗生物質を少なめに飲ませる、もしくは中止したりすると耐性菌が発生しやすくなります。
中途半端に抗生物質を使用すると治りきらずに症状がぶり返してしまうこともあるので、必ず獣医師の指示どおりに用いるようにしましょう。
獣医師に指示された用法・用量、投与期間を守って与える
何らかの原因で愛犬の体調が悪いとき、以前に処方された抗生物質が残っているからと安易に飲ませてしまうのはNGです。その症状に対応しない菌の抗生物質を飲ませてしまうと菌が耐性を持ち、抗生物質が効きにくくなってしまうからです。そうすると、より強い効き目の抗生物質を投与せざるを得なくなってしまい、かえって身体に負担がかかるかもしれません。
必ず獣医師に指示された用法・用量、投与期間を守って与えるようにしましょう。
抗生物質を用いる場合は獣医師の指示に従いましょう
抗生物質は、主として細菌感染が原因の病気の治療に用いる薬剤です。抗生物質には多くの種類があり、適切でない用法・用量だと耐性菌が発生してしまうので、必ず獣医師に指示された通りに飲ませてください。
抗生物質を飲ませて食欲不振、下痢、嘔吐などの消化器症状や他の心配な身体症状が見られた場合は、速やかに動物病院に連絡して受診するようにしましょう。
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この記事のライター
choco
シェルティとの生活に憧れる社会人です。みなさんの愛犬との暮らしがより豊かになるような情報を発信できたら、と思っています!
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