子犬の餌の量や回数について解説!食事回数を変更する際の注意点も
子犬の成長において餌は非常に重要です。子犬が生まれてから成犬になるまで、身体にはさまざまな変化が訪れ、その段階によって与えるべき餌の内容や量は変化していきます。ここでは小型犬から大型犬まで、成長月齢別の餌の回数や量、さらに実際に餌を与えるときの注意点を紹介します。子犬を飼おうと思っている方や飼ったばかりの飼い主さんは、ぜひ参考にしてください。
子犬の餌について
まず子犬の食事について知っておきたいポイントは、以下の3つです。
- 子犬の餌(ドッグフードのタイプ)は成長月齢で変わる
- 子犬の食事の回数はサイズで変わる
- 子犬の時期は個体差が大きい
順番に見ていきましょう。
子犬の餌(ドッグフードのタイプ)は成長月齢で変わる
子犬の餌は成長月齢によって変わります。具体的に変わるポイントは、食事の回数や量、硬さです。特に子犬は胃が小さく消化器官も未発達のため一度にたくさん食べられません。そのため、1日の食事量を細かく分ける必要があります。また、食事間隔が空きすぎてしまう場合に考えられるのが、空腹による低血糖です。低血糖は犬の活動力を奪い、最悪の場合は死に至ることもあります。
成犬になり一度にたくさんの量がしっかりと食べられるようになるまでは、以下を目安に適切な回数を与えましょう。
- 生後3ヶ月ごろまで:3~5回
- 3~6ヶ月ごろまで:3~4回
- 6~12ヶ月ごろまで:2~3回
また、子犬は消化機能が未発達です。1度にたくさんの餌を与えてしまうと消化不良を起こし下痢や嘔吐をすることがあります。消化不良を防ぐために、生後3ヶ月ごろまではふやかしたドライフードを与えてください。ドライフードは熱湯でふやかすと栄養分を損なう可能性があります。水やぬるま湯を入れてしばらく置いておく方法でふやかしましょう。
ふやかしたフードは食べやすいものの、歯に汚れが付きやすく、顎の発達にも影響を及ぼす場合があります。3ヶ月を過ぎた辺りから徐々にふやかす水の量を減らし、通常のドライフードに切り替えてください。
子犬の餌の回数はサイズで変わる
子犬の餌は犬のサイズによって変わります。犬のサイズにより、成犬になるまでの期間が変わってくるからです。
超小型犬から超大型犬が成犬になる一般的な期間の目安は、以下のようになっています。
- 超小型犬(4kgまで):10ヶ月
- 小型犬(5~10kg):10ヶ月
- 中型犬(11~25kg):12か月
- 大型犬(26~44kg):15ヶ月
- 超大型犬(45kg以上):18~24ヶ月
成長月齢ごとの回数目安を紹介しましたが、大型犬や超大型犬の場合は成長期間が長いです。そのため、12ヶ月を過ぎても餌の回数は多めにするなどの工夫が必要になります。しっかり成長したら、一日1~2食と成犬の食事回数へ変更しましょう。
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子犬の時期は個体差が大きい
子犬の時期は個体差が大きいため、なるべく定期的に体重を測り、順調に体重が増えているか確認しましょう。
特に3ヶ月までの子犬は毎日同じ時間帯に体重を測り、こまめな体重の把握が大切です。
子犬はワクチン接種のために動物病院へ行く機会が多いので、獣医師に体重チェックや体型チェックをしてもらい、餌の量を見直してみてください。
小型犬の餌の量の目安
ここからは小型犬の餌の量の目安を見ていきましょう。小型犬は大型犬よりも体重あたりの体表面積が多く、その分カロリーが多く必要です。
そのため、少ない量でしっかりとエネルギーが摂取できる低タンパク・高カロリーの餌を選ぶことが大切です。
また小型犬はムラ食いしてしまう場合も多いため、餌をあげたら目を離すのではなく、食いつきについても観察してください。
小型犬の餌の量について
小型犬や大型犬を問わず、餌の量を考える場合には2つの方法があります。
- 餌のパッケージに記されている給与量を目安にする
- 計算式から1日に必要なカロリーの計算をする
餌のパッケージに書いてある量はあくまで一般的なものなので、愛犬に合った給与量を知るために、ぜひ計算してみてください。
餌の量を知るには、まず愛犬の「1日に必要なカロリー数」を出すことが必要です。
その後、フードに記載してある100gあたりのカロリーから量を導き出していきます。
- 体重の0.75乗×70×活動係数(ライフステージ)
係数は子犬の場合、月齢を目安に当てはまるものを掛け合わせてください。
- ~生後3ヶ月:3.0
- 生後4~9ヶ月:2.5
- 生後10~12ヶ月:2.0
上記の計算式を用い、例えば生後3ヶ月、1.6kgの小型犬の餌の量の目安を計算する場合は、以下の方法で行います。
- 1日に必要なカロリー数:1.6kgの0.75乗×70×3.0=約299キロカロリー
1日に必要なカロリー数がわかったら、次は与えている餌に記載してあるカロリーを確認して必要量を計算します。
たとえば、390kcal/100gのパピー用フードを与える場合、以下の計算式を用います。
- 1日のフードの量=299÷390×100=約76.6g
導き出された給与量を目安に与え、子犬のうちは1ヶ月に1回程度計算し直して餌の量を調整しましょう。また、明らかに体重が減っている場合は、その時点でフードを高カロリーのものに変えたり、量を増やしたりしてください。
犬種別餌の量の目安
ここからはトイプードル、ミニチュアダックスフンド、フレンチブルドッグの餌の量の目安を実際に見ていきましょう。
トイプードル
トイプードルの成犬時の平均体重は3~4kgです。
あくまで平均体重から求めた量ですが、トイプードルが100gあたり390kcalの子犬用フードを食べた場合の餌の量は以下になります。
月齢 | 平均体重 | 1日の餌の量の目安 |
---|---|---|
生後3ヶ月 | 2.0kg | 約90.8g |
生後5ヶ月 | 2.9kg | 約101.5g |
生後10ヶ月 | 3.0kg | 約85.9g |
上記はあくまで目安なので、使っているフードや体重によって最適な量を算出してください。
ミニチュアダックスフンド
ミニチュアダックスフンドの成犬時の平均体重は5kg程度です。
以下がミニチュアダックスフンドが上記と同じく100gあたり390kcalの子犬用フードを食べた場合の餌の量の目安です。
月齢 | 平均体重 | 1日の餌の量の目安 |
---|---|---|
生後3ヶ月 | 2.5kg | 約102.6g |
生後5ヶ月 | 4.0kg | 約126.4g |
生後10ヶ月 | 4.5kg | 約107.2g |
ダックスフンドは足が短く胴が長い特徴を持つことから、腰に負担がかかりやすい犬種です。
餌の量が多すぎてあまりにも太ってしまうと、膝や腰を痛めてしまう可能性があるため体型はこまめにチェックしましょう。
フレンチブルドッグ
フレンチブルドッグの成犬時の平均体重は10kg程度です。
フレンチブルドッグが100gあたり390kcalの子犬用フードを食べた場合、餌の量の目安は以下のようになります。
月齢 | 平均体重 | 1日の餌の量の目安 |
---|---|---|
生後3ヶ月 | 3.0kg | 約122.6g |
生後5ヶ月 | 6.0kg | 約189.2g |
生後10ヶ月 | 10.0kg | 約202.8g |
ひと言に小型犬といっても、犬種ごとに大きく餌の量の目安が変わってくるのがわかりますね。ただし上記の表はあくまでひとつの目安です。
大切なのは愛犬の体重をこまめに測って変化を記録しておき、適切な食事量を与えることです。
大型犬の餌の量の目安
大型犬は前述したように、小型犬と比較してゆっくりと成長していきます。
急激な体重増加は、骨格に影響を及ぼす場合もあるため、体重が一気に増えないようこまめな調整が必要です。
大型犬の餌の量について
大型犬も小型犬と同様、餌のパッケージから給与量を見る方法と、計算式で導き出す方法があります。大型犬の場合も、やはり計算式を使い餌の量の目安を出すのがおすすめです。
式は小型犬のときに使用したものと同じなので、愛犬の体重やライフステージに照らし合わせて算出してみてください。
犬種別餌の量の目安
実際に大型犬の例としてラブラドールレトリバー、シベリアンハスキーについて見ていきましょう。
ラブラドールレトリバー
ラブラドールレトリバーの平均体重は30kg程度です。
ラブラドールレトリバーが100gあたり390kcalの餌を食べた場合、1日の餌の量の目安は以下のようになります。
月齢 | 平均体重 | 1日の餌の量目安 |
---|---|---|
生後3ヶ月 | 13.0kg | 約382.6g |
生後5ヶ月 | 21.0kg | 約446.7g |
生後10ヶ月 | 25.0kg | 約425.1g |
小型犬と比較して、1日の量は体格に比例して多くなるのがわかりますね。大型犬は18ヶ月程度かけてゆっくりと成犬になっていきます。
成犬になるまで適切な量を与えられるよう、こまめに計算していきましょう。
シベリアンハスキー
シベリアンハスキーの平均体重は25kg程度です。
上記と同じく100gあたり390kcalの餌を食べた場合の量を見ていきましょう。
月齢 | 平均体重 | 1日の餌の量の目安 |
---|---|---|
生後3ヶ月 | 10.0kg | 約213.8g |
生後5ヶ月 | 20.0kg | 約352.3g |
生後10ヶ月 | 25.0kg | 約425.1g |
シベリアンハスキーも生後8~12ヶ月までには成犬とほぼ変わらない外見になります。しかし、ラブラドールレトリバーと同じくあと半年程度成長は続きます。外見に惑わされず、成長をよく観察しましょう。
大型犬が勢いよく急いで餌を食べると、胃の中で食べものが膨張してガスが溜まり、胃が捻れる「胃拡張・胃捻転」を発症しやすくなります。急いで食べないよう少しずつ与えるのもポイントです。
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子犬に餌を与えるときに注意することは?
最後に、子犬に餌を与える際の注意点を紹介します。
- 便の状態
- 食事回数を変更するタイミング
- ドッグフードの選び方
- 餌の与え方
順番に見ていきましょう。
便の状態
子犬に餌を与える際に注意して観察してほしいのが、便の状態です。もし便が軟らかいのであれば、1回の餌の量が多く消化不良を起こしている可能性があるので注意しましょう。理想の便は硬すぎず柔らかすぎず、処理する際に掴んでも形が崩れない程度がよいとされています。
子犬の場合、一度腸内環境のバランスが崩れてしまうと下痢や軟便が長引く場合があるため、獣医師へ相談するのもよいでしょう。また便がコロコロとして小さく硬い塊状になっている場合、餌の量や水分量が足りないことが考えられます。体重とともに便の状態も注意して観察してください。
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食事回数を変更するタイミング
食事回数の変更は、月齢に沿って行いましょう。ただし6ヶ月になった途端、4回だった餌をいきなり3回に切り替える必要はありません。1週間程度を目安に、徐々に回数を切り替えていきましょう。
食事回数を変更する際も、便の硬さや空腹による嘔吐がないかなどの確認が必要です。子犬の体調に注意しながら、ゆっくりと食事回数を変更していってくださいね。
ドッグフードの選び方
ドッグフードはさまざまな種類が販売されていますが、総合栄養食と書かれたものを選びましょう。総合栄養食はタンパク質や脂質など栄養のバランスが考えられて製造されたものです。
フードと水だけで健康が維持できるよう作られています。また犬種別や年齢別に細かく分けられたフードや原材料、価格などさまざまな選び方があります。
餌の与え方
子犬のなかには、ムラ食いや遊び食いをしてなかなか食べない犬もいます。しかし、餌の時間は30分なら30分と決め、食べなければ下げてしまいましょう。
そのままにして、気が向いたときに食べる習慣にしてしまうと、食べた餌の量が測れず、体調の変化に気づけない場合があります。
オヤツを与える場合は主食の10%以内に抑え、総合栄養食のバランスが崩れないようにしてください。
与えたオヤツの量だけフードを減らすのもよいでしょう。愛犬の体型に合った餌の与え方ができるようになることが大切です。
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餌の量が適切かどうかは体型も判断基準になる
その子に合った餌の量を知るには計算式を用いることで算出できますが、愛犬の体重が適正かどうかをチェックすることも、餌のあげすぎ・あげなさすぎの判断基準の1つとなります。
犬種ごとに目安となる理想体重が定められていることもありますが、同じ犬種でも個体差が大きいため、その子の適正体重を把握することで、太り気味・痩せ気味といった判断をすることが可能です。
自宅で飼い主さんが愛犬の体型が健康的かどうかをチェックする方法としては、「ボディコンディションスコア(BCS)」を使うのがおすすめです。
以下のポイント・指針を参考に愛犬が健康的な体型をしているかどうかチェックしてみてください。
引用:環境省自然環境局「飼い主のためのペットフード・ガイドライン~犬・猫の健康を守るために~」P14
出典: www.env.go.jp
■BCS1:痩せ
脂肪がなく、あばら骨や腰の骨、骨盤が触らなくても視認できる状態。横から見たときに、お腹や腰のくびれが吊り上がっている。
■BCS2:やや痩せ
あばら骨に容易に触れることができる状態。上から見たときの腰回りのくびれが顕著で、横から見たときのお腹の吊り上がりも明白。
■BCS3:理想体重
無駄な脂肪がついておらず、あばら骨に触ることができる状態。上から見たときにあばら骨の後ろに腰のくびれが見られる。お腹もゆるやかに吊り上がっている。
■BCS4:やや肥満
若干の脂肪がついているが、あばら骨に触れることができる状態。上から見たときに、腰のくびれがやや確認できる。お腹周りもやや吊り上がっている。
■BCS5:肥満
脂肪がたくわえられ、あばら骨に容易に触れることができない状態。腰回りや尻尾の付け根にも脂肪があり、くびれがほとんど確認できない。お腹は垂れ下がっている。
まとめ
今回は子犬の餌の量や回数、与える際の注意点についてまとめました。
子犬の時期の成長はすさまじく、私たち人間はそのスピードに対応した餌の量を見極めて与えることが必要です。
実際の犬種や平均体重による1日の餌の量もいくつか紹介しましたが、あくまで目安です。
フードに記載されている量や今回紹介した式を使い、愛犬に必要な量を計算してみてください。
与え方の注意点を参考に、愛犬に合った食事のサポートをして成長を促していきましょう。
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この記事のライター
nana
泳ぎも走りも得意な運動神経抜群のゴールデンレトリバーと暮らしています!今は愛犬とタンデムサーフィンの練習中。いつまでもアクティブに楽しく過ごせるような情報を発信していきます。
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