老犬の口臭がひどい場合に考えられる原因と対策を解説
シニアの愛犬の口臭がひどい場合、何らかの病気が潜んでいる可能性が高いため、早めに対処する必要があります。今回は、老犬の口臭の原因と考えられる病気、取るべき対処法について解説します。
口臭がひどいときに考えられる原因3つ
はじめに、老犬の口臭がひどい場合に考えられる原因からご紹介します。
疾患によるもの
内臓疾患が原因で口臭がひどくなっていることがあるので注意が必要です。代謝や排泄に関係する臓器が正常に機能しなくなると、老廃物が体外に排出されずそれが毒素として体内に溜まってしまい、呼気として肺から排出されるので口からアンモニア臭がするようになります。
胃腸の調子が悪い
胃腸の調子が悪いことが原因の場合もあります。胃の状態がよくないと胃酸の分泌過多になり、胃酸がこみあげてきて胃酸の独特のすっぱい臭いの口臭が発生します。
歯の汚れなど口内環境が悪化
歯が汚れていて口内環境が悪化していると、腐敗臭のような口臭になります。犬と人間とでは唾液のpHが異なり、人間の唾液は弱酸性なのに対し犬の唾液は弱アルカリ性です。このような違いから、犬の口の中は虫歯になりにくい環境なのですが、歯垢が歯石に変わるスピードが早く、歯磨きをしないと歯垢はわずか3〜5日で歯石になってしまいます。
歯石の表面はザラザラしており歯垢がつきやすいので、放置しているとどんどん歯石が溜まり口内環境が悪化していきます。その結果、口臭もひどくなってしまうのです。
口臭と腫瘍があるときには動物病院へ
口臭がひどく、口の中に腫瘍ができていたら悪性腫瘍の疑いがあるので要注意です。というのも、犬の口腔内の腫瘍は良性、悪性のどちらも発生しますが、悪性腫瘍の場合は口の中の組織を破壊し、その壊死した箇所に細菌が感染するとひどい口臭を放つようになるからです。
口腔内の悪性腫瘍は大きくなる速度が早いことから、気づいたときには手遅れになっている場合もあります。そのため、腫瘍を発見したらすぐにかかりつけの獣医師に相談するようにしましょう。
口臭がひどいときに考えられる病気3つ
愛犬の口臭がひどいときは、以下の病気が考えられます。
- 歯周病
- 肝臓や腎臓の病気
- 胃炎
1.歯周病
犬の口臭がひどい場合において、最も多いのが歯周病です。歯周病とは歯垢の中の細菌が原因となり、歯肉や歯の周りに炎症が起きる病気で、3歳以上の犬の約8割が歯周病を患っていると言われています。特に、老犬になると免疫力が徐々に低下してくるため、口腔内の細菌が繁殖しやすくなることから歯周病が進みやすくなります。
歯周病による口臭を改善するには、動物病院で歯石を取り除いてもらわなければなりません。歯石除去は歯の表面だけでなく歯周ポケットも行うので全身麻酔下で行われます。そして、歯石除去をして一度歯がきれいになっても歯磨きをしなければ、また歯垢や歯石が付着して口臭が発生するので、歯磨きを習慣化して歯をきれいに保っていく必要があります。
2.肝臓や腎臓の病気
アンモニア臭の口臭がするときは、肝臓や腎臓の病気の可能性が高いでしょう。肝臓や腎臓の病気は、病状が進行してからでないと症状が出ないため、口臭がするというレベルにまでなっていると肝硬変や慢性腎不全の末期の可能性が高いです。また、口臭のほかに嘔吐や元気消失、食欲減退、けいれんなどの症状も見られます。
3.胃炎
胃炎を患っていることも考えられます。胃炎とは、胃の粘膜に炎症が起きた状態のことです。主な原因は、犬にとって有害となる食材や植物などの誤飲誤食、細菌やウイルス、寄生虫などによる感染症、薬物の副作用などが挙げられます。胃炎の治療は対症療法を行って回復を図ります。
不調のサインのサインを見逃さないで
愛犬の口臭がひどいときは、何らかの不調のサインである可能性が高いため、早めにかかりつけの獣医師に相談するようにしましょう。なお、明らかにいつもと様子が違って元気がない、尿量が少ないなどの症状が見られるときは緊急性が高いので、すぐに動物病院を受診したほうがよいです。
口腔トラブルは早めに対処を
老犬の口臭の原因はさまざまですが、歯周病によるケースが最も多く見られます。歯周病が進行すると顎の骨にまで炎症がおよび、骨が溶けてしまうこともあります。そのため早めに治療をし、日常的に歯磨きをして口内を清潔に保っていくことが大切です。
また、肝臓・腎臓の病気が潜んでいる可能性も考えられるので、早めに動物病院へ連れて行くようにしましょう。
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この記事のライター
komugi
都内で愛犬のビーグルと暮らしています。コロナ期間中に肥満体型になってしまった愛犬のために食事や運動について勉強をはじめました。面白い発見や愛犬家の皆様に役立つ情報があればどんどん発信していきます!
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