マルチーズとパピヨンのミックス犬は珍しい?特徴や飼育に関する注意点などをまとめました
マルチーズはさまざまな犬種と掛け合わされることが多いため、ミックス犬の種類も豊富ですが、マルチーズとパピヨンのミックス犬を見かけたことはありますか?ぬいぐるみのような可愛さを持つマルチーズと優雅な飾り毛が魅力的なパピヨンのミックス犬は一体どんな特徴があるのか気になりますよね。今回はマルチーズとパピヨンのミックスであるマルパピについてご紹介します。
マルチーズとパピヨンの基本情報について
マルチーズとパピヨンのミックス犬は「マルパピ」または「パピマル」、「パピチーズ」と呼ばれています。ミックス犬は両親犬の特徴を受け継ぐため、まずはじめにマルチーズとパピヨンの基本的な情報を見ていきましょう。
パピヨンといえば、マリーアントワネットをはじめ、貴族の間で特に人気があったことで有名ですね。原産国はフランス・ベルギーで、飾り毛が美しい立ち耳が蝶のように見えることからフランス語で蝶を意味する「パピヨン」という犬種名がついていますが、祖先犬はスペインのスパニエルの一種と言われており、バタフライ・スパニエルと呼ばれることもあります。
パピヨンという名前の由来ともなった特徴のある耳ですが、実は垂れ耳の子もいるということをご存知でしょうか?垂れ耳のパピヨンはフランス語で尺蛾(※)を意味する「Phalene(ファレーヌ、ファーレン)」と呼ばれ、国によってはパピヨンとは別の犬として区別しています。今では立ち耳の子がほとんどですが、昔は垂れ耳の子が主流だったようです。
日本では「蝶」と「蛾」を区別しているので、蛾と聞くとあまり良いイメージがないかもしれませんが、フランスではパピヨン(蝶)という言葉の中に蛾という意味も含まれており、明確に区別していないとされています。生物の分類的に見ても蝶も蛾もチョウ目に入っているのである意味正しいのかもしれません。フランスで蝶と蛾を敢えて区別した言い方をするのであれば、
- 蝶を「papillon de jour(パピヨン・ドゥ・ジュールフ):昼の蝶」
- 蛾を「papillon de nuit(パピヨン・ドゥ・ニュイ):夜の蝶」
と表現するようです。
パピヨンという言葉に蛾という意味も含まれているなら、ファレーヌはどこから来たの?と思う方もいらっしゃいますよね。ファレーヌは「尺蛾」という種類の蛾を表す単語で、抽象的ではなく具体的な品種を表す単語となります。
※尺蛾とは鱗翅(りんし)目シャクガ科の昆虫の総称です。尺取り虫が成虫になると尺蛾になります。
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マルパピの特徴が知りたい!
たくさんの種類がおり、個性豊かなミックス犬。ここでは、マルパピに見られる特徴をご紹介します。
見た目
ミックス犬は成長するにしたがって見た目が大きく変化することも多いため、顔つきや耳の形、毛色などが子犬の頃と異なることも多く、どんな姿に成長するのか分からないところも魅力の1つではありますが、マルパピを飼っている方のブログなどをチェックすると、シーズーに間違えられることがあるという声がちらほら見受けられました。耳は立ち耳、垂れ耳どちらのタイプの子もいますが、中にはどちらかの耳が半立ち耳になっている子もいます。
サイズ
身体の大きさや体重は個体差がありますが、体高はだいたい18~25㎝、体重は2.5㎏前後程度で、パピヨンより少し小さいくらいのイメージです。
ただし、マルチーズにもパピヨンにも平均よりも小さい子、大きい子はいるので、将来的にどのくらいの大きさになるかは両親犬のサイズや個体差によって変わります。
被毛
マルチーズの被毛はシングルコートです。パピヨンもシングルコートが一般的ではあるものの、寒い地域の北欧系(デンマーク、スウェーデン、ノルウェーなど)のパピヨンはダブルコートの子が主流となっています。ダブルコートのパピヨンの数はとても少ないですが、もしもダブルコートのパピヨンの特徴を受け継いだ場合には抜け毛が多くなる可能性があることを留意しておきましょう。
マルパピの毛色はホワイトブラック、ホワイトブラウン、ブラウン&ホワイト、クリームホワイト、パーティなどがあります。マルチーズの毛色は基本的に純白ですが、パピヨンは白地であれば全ての色が認められるので、さまざまな色合いの子が生まれる可能性があると言えそうです。
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性格
マルチーズの基本的な性格は穏やかで飼い主さんのことが大好きな甘えん坊です。一方パピヨンは聡明で、飼い主さん以外の人にもフレンドリーな性格をしています。性格は個体差もあるので一概には言えませんが、マルパピも両親犬のこのような性格傾向を受け継いでいることが多いでしょう。
ただし、可愛らしさから甘やかして育ててしまうとわがままになって言うことを聞かなくなるので注意が必要です。頭が良いということは好ましくないことも覚えるのが早いと言えます。ダメなことはダメとしっかり教えましょう。
また、マルチーズもパピヨンも気の強い面があり、子犬期の社会化が不足すると見知らぬ人や犬に対して見境なく吠えるようになってしまうので、子犬のうちから色々な世代の人、犬と触れ合わせたり、車や電車などの音を聞かせるなどさまざまな経験をさせてあげることが大切です。
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寿命
マルチーズの平均寿命は12~15年、パピヨンの平均寿命は13~16年くらいです。パピヨンは華奢な体つきですが、遺伝性疾患が少なく健康的な犬種だと言われています。
寿命は個体差や飼育環境などさまざまな要因が関わってくるので何年くらいとお伝えするのは難しいですが、ミックス犬は比較的長寿である傾向にあり、実際にアニコムの「家庭どうぶつ白書2023」では体重10㎏未満の混血犬の平均寿命が14.8歳となっています。そのため、マルパピも長生きしてくれるかもしれません。
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価格
ペットショップのサイトに掲載されているマルパピの価格は2024/3/25現在で、16万~43万と大きな幅がありました。頭数が少ないため比較的早く商談中となってしまうようで、「新しい家族が決まりました」となっている子も多く見受けられました。
マルパピと暮らす上での注意点
ミックス犬は純血種と比べると飼育に関する情報がまだまだ少ないです。ここではマルパピと一緒に暮らすにあたっての注意点として考えられるものをご紹介します。
お散歩必須!
マルパピの両親犬であるマルチーズとパピヨンは超小型犬に分類されますが、どちらも活発で運動が好きな犬種なので、毎日お散歩に行ってあげましょう。ただし、骨は細いので骨折や膝蓋骨脱臼には注意が必要です。室内の環境も滑りにくいマットを敷いたり高いところからジャンプしないような工夫をしておくと良いでしょう。
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被毛のお手入れは念入りに
マルチーズもパピヨンも特徴的な毛質をしているので、どちらの毛質を受け継いだ場合であっても毎日の丁寧なブラッシングが必須です。細くて絡まりやすいので毛玉ができないように注意しましょう。毛色が白い場合には涙やけが目立ちやすいので、目元のお手入れも忘れずに。
マルパピはレアなミックス犬!
近年ではさまざまなミックス犬がおり、人気の高まりから取り扱うペットショップも増えてきました。しかし、マルパピはまだまだ頭数が少なく、マルプーやチワプー、チワックスなどのミックス犬とは異なり飼育に関する情報なども少ないです。
お迎えする際には両親犬の特徴を把握しておくことはもちろん、実際にマルパピを飼っている人のSNSをチェックしたり、マルパピを専門にブリーディングしているブリーダーさんにお話を聞いてみるなどあらかじめ情報を収集しておくとイメージが湧きやすいかもしれませんね。
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この記事のライター
choco
シェルティとの生活に憧れる社会人です。みなさんの愛犬との暮らしがより豊かになるような情報を発信できたら、と思っています!
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